<声明と提言>


 一連の不祥事事件は、年金保険料の事務費使用・無駄遣いや年金情報の目的外閲覧問題とあわせて、昨年の春からマスコミで連日のように大きく取扱われ、国民の中に渦巻いていた年金制度不信にいっそう拍車をかけるとともに、保険料納付意欲低下など社会保険事業へ大きな影響を与えた。
 「社会保険庁では、単一の人事集団が過度の共同体意識を有する中で、内向きで閉鎖的な組織体質が形成されてきた」(調査報告)とあり、その責任は重大である。不祥事には全く無縁で、ただひたすら真面目に働いてきた職員は、このことに怒る国民から一様に扱われ、罵声に耐え忍びながら業務を遂行してきた。
 昨年、社会保険庁当局が行なった一連の不祥事に関する調査がやり直しを求められたことは、国民に対して社会保険庁の自浄能力のなさを白日の下に晒したものであり、遅まきながら懲戒処分が下されたことは、まことに遺憾なことである。
 今回の懲戒処分が、これから社会保険庁が再出発するうえで、大きな区切りとなるよう期待する。残された、金銭登録機及びパピアートの調達過程に係る弁償責任及び懲戒処分、監修料問題における懲戒処分についても、厳正に対処することを求める。
 自民党内では「現在の社保庁職員がそのまま居残り自己改革したと言っても、有権者の理解は得られない」と批判しているが、社会保険庁の再生のためにも、懲戒処分された幹部職員については、現在の職を解き、年金相談業務などの最前線の職務に就かせること、また、退官し関係団体等の職に就いている社会保険庁OB職員については、その職を解くよう働きかけること、を提言する。
2005年1月19日
社会保険庁長官  村瀬 清司 殿
社会保険業務センター所長 霜鳥 一彦 殿
全厚生職員労働組合社会保険業務センター支部
執行委員長 峰 一史

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