◆号外(1999年1月20日付)◆
99年春闘方針(案)−全厚生第40回中央委員会議案−

●99年春闘方針(案)

Y 地方事務官制度問題について

1.第三次勧告を基調に
 地方事務官制度をめぐって社会保険庁は、11月25日の長官交渉において、「地方分権推進委員会第三次勧告で厚生事務官とすることが示されたが、これを基調にして対応したい」とし、国一元化に向けて具体的に動き出しています。
 現在の予定では、3月にも地方分権関連法案として「地方事務官廃止法案」が国会に提出される見込みであり、長年にわたり不安定な身分であった「地方事務官制度」問題に決着がつけられる事となります。

2.地方事務官制度廃止後の諸問題に対する要求の再構築
 地方事務官制度という変則的身分の解消が図られるものの、50有余年にわたる変則的な措置は、様々な問題を抱えています。
 全厚生では、地方事務官制度廃止後の地方組織のあり方等に対する要求を再構築し、要求実現のため全力で取り組みます。
 なお、組合員・家族を対象とした「要求署名」に取り組みます。

【具体的な取り組み】
(1)地方事務官制度廃止後の労働条件等の問題についての「要求署名」に取り組みます。
(2)社会保険事務所等を社会保険庁の地方支分部局とするよう求めます。
(3)行政事務のブロック機関への引き上げに反対します。
(4)地方事務官制度廃止後の地方組織のあり方等に対する要求を再構築し、その実現を求めます。
(5)社会保険職場の全国的な組織化を図ります。
(6)国民年金事務の見直し等に関わる諸課題に取り組みます。
(7)「社会保険21プラン」の職場討議を進め、要求の組織化を図ります。


Z 平和と民主主義を守るたたかい

一、政府は、99年1月19日に開会した通常国会で「新ガイドライン」関連法案とともに、憲法第九条の改悪を狙う「憲法調査委員会」設置のための国会法改正や、組織犯罪対策立法などの審議が狙われています。
 これらの立法化の動きを許さず、憲法の平和的・民主的原則を守るため、幅広い国民との共同行動に積極的に取り組みます。
二、新ガイドライン関連法案のもつ危険性を学習し、幅広い国民との共同行動に積極的に取り組みます。


[ 政治の革新をめざして

 自民党と自由党などの政治協力が進む中、「政界再編」の動きが活発化しています。国民の生活と権利を守るため、国政・地方政治を問わず国民本位の政治の確立が必要となっており、4月に実施される統一地方選挙は、これまでの地方「行革」、自治体リストラなど住民いじめの地方政治を許すのか、今の政治の流れを変えるのかが問われています。
 また、ニセ行政改革、社会保障切り捨て、軍事大国化をめざす小渕内閣に不信任を突きつけ、不況打開、消費税率引き下げ等を争点とした、国会解散、総選挙の実現をめざします。


\ 労働条件・労働環境改善の取り組み

1.大幅増員をめざすたたかい
 小渕内閣は行政改革の柱として国家公務員の20%削減を公約しています。また、経済戦略会議中間報告では、「国家公務員を10年間で20%削減する予定だが、これを極力前倒し。削減率の拡大に取り組むべき。」とし、第九次定員削減計画の前倒し、新たな定員削減計画の策定など、「行政改革=公務員の削減」という攻撃が強化されようとしています。99年度予算案では、国家公務員(自衛官などを除く)全体で3564人、非現業部門では1171人の純減となっています。
 これは、「行政改革」と「総人件費抑制政策」と一体となった攻撃であり、労働条件改善と行政サービス拡充のため、2000年度の定員確保に向けて、春闘段階から概算要求段階までの取り組みを強化します。

2.昇格改善の取り組み
 昇格改善は組合員にとって重要な問題であり、次の点を重点課題として取り組みます。
(1)研究職2級枠外の解消と、高位号俸の改善
(2)少人数職種及び行政(二)の昇格改善
(3)医療職(二)(三)の昇格改善
(4)行政職(一)6級双子、7級枠外の解消
(5)男女格差の是正

3.労働時間短縮のたたかい
(一)人事院はこれまで「公務に超過勤務制限はなじまない」としてきましたが、98年報告で「超過勤務の歯止めとして年間360時間を目安とする。なお、予算、国会関係などの業務は除外」「育児・介護責任を有する職員が請求した場合は「年間360時間」を義務付ける」としました。
 今後、人事院規則、通達、指針等の制定に向けて実効あるものとするため、報告で示された、「360時間規制」等の実効ある対策を厚生省・社会保険庁当局に求めます。
(二)総労働時間「1800時間」を早期に達成するため、所定内外の労働時間短縮措置を講ずることが必要であり、そのため、労働時間を1日7時間、週35時間とするよう求めていきます。
 「三なし主義」を撤廃し、定員確保と予算措置を含む条件整備を急ぐことが必要なことから、厚生省・社会保険庁当局に必要な定員と予算の確保を求めていきます。

4.公務の高齢対策について
 高齢対策を口実にした、「55歳昇給停止」「高位号俸抑制」などの賃金体系見直し、昇格水準の見直しなど、現職中・高齢者に一方的な処遇の低下をもたらす制度改悪が強行されています。
 退職後、希望するすべての職員に対し、公務在職中の経験・蓄積を活用できる雇用の場を確保することが求められており、その際、就労のあり方を含父め、本人の希望と選択を尊重・保障し、雇用の中断をきたさないようにすることや、公務労働者にふさわしい身分と安定的な雇用条件を確保することが必要です。

5.労働法制改悪反対のたたかい
 労働基準法の改悪に続き、「労働者派遣事業法改悪」が通常国会の大きな争点となっています。これは、従来一部の業務に限られていた人材派遣の対象業務を原則自由化しようとするもので「必要なときに雇用し、必要でなくなれば契約を解除できる」ものです。
 こうしたことは、職場に大量の不安定雇用労働者を生み出すもので、派遣法改悪阻止の運動や、裁量労働制などを公務に持ち込ませない運動と結合して取り組みます。

6.女性の深夜勤務
 99年4月から女性の深夜・時間外・休日労働の禁止・制限規定の撤廃が実施されますが、女性の深夜労働禁止・時間外休日労働制限規定の適用除外は、やむを得ない職種に限定し、妊産婦は禁止することや、適用職種の拡大等が行われないよう、厚生省・社会保険庁当局に求めます。
 また、労働時間の男女共通規制の法制化を求めるとともに、その実現までは、人事院に対して「女子保護規則」の撤廃を延期するよう求めます。

7.セクハラ対策問題
 人事院は11月13日に、セクハラ防止等についての人事院規則(人規10−10)及び通達・指針を発表しました。人事院が示したセクハラ防止対策は、労働省指針から踏み込んだ内容となっており、今後、周知、宣伝、相談窓口の設置など、実効ある対策を厚生省・社会保険庁当局に求めます。


] 組織活動の前進に向けて

 春闘時期は、自らの賃金改善要求とともに、国民的課題での取り組みが一段と強化される時期です。
 定期大会の運動方針、中央委員会での春闘方針の実現に向けて、本部、支部、分会が一体となって組織活動を大胆に展開し、職場に組合の風をふかせ、組合員が元気の出る運動を進めて行かなくてはなりません。そしてなにより、要求実現に向けて組合員が一丸となって奮闘していかなければなりません。
一、統一行動、中央行動を圧倒的組合員の参加により成功させます。
二、所属長交渉・上申闘争を強化します。
三、「総要求・総対話運動」を全支部・分会で実施します。
四、4月から5月の第二次組合員加入促進運動を成功させ、新たな組合員を迎かえ、4000人組合員をめざします。
 そのため、各支部・分会では組織的な「加入促進態勢」を整備し、具体的目標を掲げて本部・支部一体となって取り組みます。
五、各部門間での交流に具体的に取り組みます。
六、日常的な学習活動を強化します。
七、全厚生女性交流集会(2月27日〜2月28日・京都府)の成功に奮闘します。
八、全厚生青年対策部の体制確立を図ります。
九、国公労連青年交流集会(5月27日〜5月29日・山梨県)に100人の結集をめざします。
十、国公共済会への加入促進を図ります。


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