2017春闘方針(案)の目次 [1]要求を高く掲げ、たたかう [2]国民春闘で前進を [3]春闘の重点要求 [4]重点課題とたたかい方 [5]解雇撤回闘争で勝利を [6]組織拡大で純増をめざす [1]要求を高く掲げ、たたかう いよいよ、2017年春闘がスタートしました。全厚生は、第80回定期大会方針を具体化し、2月〜6月までの5か月間、職場の要求実現、国民生活の向上を目指して、意気高く、国民春闘のたたかいを進めます。 春闘は、日本だけにある独特の労働者の要求実現のための闘いです。新年度が4月からの企業が多く、制度の切り替え、定期昇給、新入職員の採用、定員が見直されるなど労働者の生活に大きくかかわる時期です。春に多くの産業の労働組合が一緒になって、賃金引上げ、労働条件の改善などの要求実現を求めて運動を進めてきました。始まりは、1954年1月に5単産(合化労連、炭労、私鉄総連、電産、紙パ)により「共闘委員会」が結成され、翌1955年には全国金属、化学同盟、電機労連が合流し、8単産による「春季賃上げ共闘会議」が結成され、単産が共闘する「春闘」が始まりました。以降、春闘に加わる単産は増加し、1974年1月には、労働団体と社共両党、市民団体80組織で「インフレ阻止国民会議」が結成され、初めて「国民春闘」として進んできました。1989年には総評が解体され「連合」「全労連」にナショナルセンターは分かれていますが、現在も、多くの労働組合が一緒になって、賃金引き上げ、定員増などの労働条件改善の要求と、健康保険、年金など社会保障の改善などの国民的課題を掲げ、要求実現に向けて進められています。 1.職場の困難を打開する春闘に 今、職員の懸命な努力にもかかわらず、厚生労働行政を担うどの職場でも苦労と困難が生じています。 社会保険行政の解体・民営化後の日本年金機構の業務体制はその象徴であり、民営化路線では国民の安心は守れません。現場を支える有期雇用職員の雇用継続・無期雇用転換枠の拡大は、年金の安定的な業務運営を保障する上でどうしても必要です。 国立福祉施設の地方センターの廃止は、障害者福祉行政の根本が問われる課題です。国立研究開発法人では、運営費交付金の一律削減が続き、合理化がすすめられています。厚生科学研究を拡充するには、短期的な成果を求める傾向を改めさせ、裾野の広い研究活動や体制の基盤をつくり、基礎研究を地道にすすめなければなりません。 各職場の困難に対し、真に解決する道筋を見極め、職場や地域の仲間と力を合わせてたたかいます。 2.道理ある要求を高く掲げる 困難の根本原因は、定員削減や合理化政策、国民犠牲の厚生労働行政の切り捨て、公務の民営化、公務員制度改革など、政府の誤った政策によるものです。全厚生は労働条件の改善とともに、行政を国民本位にする努力を常に行ってきました。これは、結成以来、変わらぬ姿勢です。憲法25条を活かす厚生労働行政を確立するために道理ある要求を掲げ、その実現のためにたたかいます。 3.各支部、組合員のみなさんへ 全厚生は、仲間とともに喜び、悲しみ、苦しみの中で切実な要求前進と平和と社会保障を守るためにたたかってきました。この歴史とたたかいを胸に刻み、労働者の誇りと希望をもってたたかいます。 (1)労働組合は、一人一人の組合員が主人公であり、支部が主役です。人間らしく生き、働くために団結してたたかい、全員参加の組合活動をめざしましょう。 (2)職場の隅々に労働組合のさわやかな風を吹かせ、労働組合の存在を職場に示し、職場を良くするために奮闘しましょう。 (3)切実な要求を前進させる取り組みを進め、全支部で仲間を増やす活動をすすめましょう。 (4)第80回定期大会定のメインスローガン「活かそう憲法!ふやそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし、さあ、みんなでやり抜こう!」を胸に刻み、たたかいましょう。 [2]国民春闘で前進を 「STOP暴走政治!守ろう命と平和、そして憲法賃金底上げと雇用の安定、地場産業振興で地域の活性化」をスローガンに全国各地で闘われます。 1.憲法擁護、憲法戦争法を廃止にする国民運動へ アメリカの大統領選では、直前の情勢で不利と言われていた政治経験のないトランプ氏が当選し、韓国では国民の大規模な抗議行動が世論を押し上げて国会での大統領弾劾裁判が可決されました。主権者の行動で政治は変わります。主権者の力によって政治の転換は可能です。日本では、戦争法反対のたたかいの中で「戦 争反対、9条壊すな!総がかり行動実行委員会」に多くの市民、学生が結集し国会前が騒然となりました。小選挙区制の下で先の参議院選挙の結果は、改憲勢力が衆参両院で3分の2の議席を占めましたが、安倍首相は改憲を選挙の争点にできませんでした。戦争法を強行した安倍首相は改めて、憲法が国民のなかに深く根付き戦争法本格発動の重大な障害になっていることを痛感しているからです。今年は現行憲法施行から70年です。市民と野党の共同を全国で進め、「改憲反対、安倍『暴走』政治NO!野党は共闘」の世論と共同を進めていくことが大切です。また、安倍政権は、南スーダンへの駆けつけ警護が可能な部隊を派遣するとともに、沖縄高江の米軍ヘリパット建設工事の暴力的推進をはじめ、戦争法本格稼働・戦争する国づくりを加速させています。マスコミ、労働組合、市民団体に対する圧力が強まっています。戦争法廃 止の世論と共同をさらに強化しながらしっかり反撃し、オール沖縄などのたたかいと連携した取組が重要です。 2.暮らしを守る共同を広げよう 安倍首相がどんなにアベノミクスの成果を強調しようとも、個人消費は戦後初の2年連続、実質賃金は5年連続で下がり国民の生活は苦しくなるばかりです。一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保は313億円で株主配当が急激に増えるなど、貧富の格差が拡大し続けています。私たち公務労働者も3年連続の賃上げとはいえ、「給与の総合的見直し」などで地域間格差は広がり、実質賃金は上がっていません。「消費不況」の打開のために内需拡大が求められています。民間労働者の賃上げが、人事院勧告の大幅賃上げにつながります。春闘での「官民共同」の闘いが重要です。今春闘では、大企業の労働者中心の賃上げではなく、大企業の内部留保に焦点を当てながら、利益と株主優先の体質を改めさせ、莫大な利益を社会に還元させ、労働者の生活改善で景気回復を目指して、すべての労働者の大幅賃上げと良質な雇用を確保し、安倍政権の暴走を食い止め「誰もが安心して働き続けられる社会」を目指す共同の取り組みを前進させましょう。 3.雇用を守り、社会保障の拡充を 安倍首相は、「1億総活躍社会」というスローガンを掲げて「アベノミクスの加速」を唱えていますが「最大のチャレンジは働き方改革」と労働法制を焦点にし、同一労働同一賃金や長時間労働の是正など、聞こえのいい言葉が並んでいます。しかし、「アベ働き方改革」のねらいは、「残業代ゼロ」「定額働かせ放題」の 労働基準法改悪を推進し、さらなる雇用の流動化「雇用規制の緩和」をねらっています。労働者の要求実現をちらつかせながら労働者使い捨て自由の労働法制大改悪を進めています。今春闘では、労働者犠牲の政策を転換させる労働者・国民の共同の取り組みが求められています。 【社会保障改悪を阻止し、拡充を】 社会保障の理念を否定する制度改悪が各分野ですすめられています。社会保障制度改革推進法で自立・自助を強調し、社会保障改革のプログラム法で改悪メニューとその時期を示しています。政府は、12月22日閣議決定した2017年予算案では、軍事費は10 億円増額の5兆1251億円の過去最大を更新する一方、社会保障費は6400億円だった自然増分を削り、4997億円(総額32兆4735億円)に抑えました。「骨太方針2015」に沿った「削減ありき」の機械的な切捨てで、医療、介護、年金、生活保護など、社会保障の全面改悪をすすめる計画です。今春闘では、社会保障改悪を押し返し、社会保障の拡充で安心・安全な社会をつくることが重要です。 4.国民の願う厚生労働行政の確立を 政府は、「5年間で10%」の定員合理化計画を閣議決定(2014年7月25日)し、2015年から毎年2%の定員削減を進めています。どの職場もこれ以上の定削を受け入れる余地はありません。 何よりも総定員法と定員削減計画による定員管理政策を改めさせなければなりません。厚生労働行政の各分野の実態を明らかにし、大幅増員による体制確保を求め、行政サービス機能の向上をはかることが大切です。本省、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の各行政分野の拡充を求め、要求と政策を練り上げ、行政体制確立と労働条件の改善の取り組みを一体ですすめます。 5.国民春闘で要求実現を 【攻勢的にたたかう】 戦争法廃止、大幅賃上げや賃金底上げで暮らし改善させる攻勢的なたたかいが始まっています。この息吹を感じながら、労働者・国民の暮らしを改善し、希望をもって働き続けられる職場をつくるために春闘をたたかいます。職場を基礎にたたかい、地域で労働者・労働組合と交流し、地域の行動に結集します。官民一体、全国統一行動、中央行動に結集してたたかいます。 【みんなの力で切り拓く】 全厚生は、若い組合員、経験豊富な組合員、様ざまな行政分野・部門・職種など、多彩な人々が担っています。ベテラン組合員は、労働組合に懸けた熱い思いとロマンを呼びさまし、若い組合員は大いに学び、全組合員に参加を呼びかけ、みんなで取り組みをすすめましょう。 [3]春闘の重点要求 1.賃金改善、国公労連統一賃金要求 国家公務員及び国立研究開発法人、日本年金機構、全国健康保険協会で働く職員の賃金を生活と労働の実態にふさわしく改善すること。 国家公務員の賃金を月額平均20、000円以上(4・9%)以上(行政職(1))引き上げること。 非常金職員の時給を150円以上引き上げること。 非常金職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1、000円」「日額8、000円」「月額170、000円」以上に引き上げること。 独立行政法人等については、労使自治による賃金・労働条件決定を保障し、政府・厚労省は直接・間接的に不当な介入を行わないこと。 2.行政サービスの拡充 憲法25条の理念を活かし、医療並びに公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展させるために増員を行うこと。 総定員法を廃止すること。「定員合理化計画」を撤回し、大幅な増員を行うこと。 現場の職員の意向を十分考慮し、必要かつ充分な人員と予算を確保すること。 3.マイナンバー制度 マイナンバー制度は直ちに中止すること。個人番号カードのICカード身分証との一体化は中止すること。 4.非常勤職員制度の改善 非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。 非常勤職員の休暇等は、常勤職員と同等の制度に改善すること。 期間業務職員制度の運用にあたり、安定的な雇用保障に努め、安易な雇い止めを行わないこと。 5.高齢者雇用、再任用制度の改善 定年年齢を段階的に65歳に引き上げること。 職員の意向をふまえ、働き続けられる勤務環境を整備し、希望者全員を再任用すること。 再任用職員の賃金は、年金支給開始までの生活維持にふさわしい賃金水準とすること。 6.社保庁職員の不当解雇撤回 札幌、名古屋地方裁判所での勝利判決 政府・厚労省の責任で処分撤回・全面解決を行うこと。 被懲戒処分者を一律不採用とする閣議決定を撤回すること。 日本年金機構に経験と専門性ある元社会保険庁職員を正規職員として採用する こと。 7.日本年金機構の体制強化 国民への信頼を回復し、安定的な業務運営を行うため、正規職員を増員して業務体制を拡充すること。 「当面の業務運営に関する基本計画」の見直しを行うこと。 受給要件10年短縮に伴い国民サービスを低下させない体制を確保すること。 有期雇用職員について、安易な雇い止めは行わず、希望する職員の継続雇用を行うこと。 現場の実態を正確に把握し、必要な予算確保のために最大限の努力を行うこと。 8.国立福祉施設の体制強化 地方センターを廃止せず、存続・拡充させること。 国立施設の機能の充実強化を図るとともに、施設運営に支障をきたさないよう現場の職員の意見を十分に反映させた体制を確保すること。 9.試験研究機関の体制強化 医療並びに公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展させるために、基礎・基盤的研究をすすめる充分な人員と予算を確保すること。 国立医薬品食品衛生研究所の川崎移転について、移転が完了し移転後の安定的な研究運営が可能となるまで充分な予算を確保すること。 国立健康・栄養研究所の大阪移転の検討にあたり、重要な情報を公開すること。研究所の根本機能を損なう分割移転は行わないこと。 国立感染症研究所の基礎体力向上のため、脚光をあびていない病原体の研究体制の充実に向け人員・予算を確保すること。 10.国立研究開発法人の体制強化 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の重要な役割を発揮し、研究業務の維持・拡充を図るため、必要な運営費交付金を確保すること。 11.超勤縮減やハラスメントの根絶 超過勤務を大幅に縮減し、不払い残業を根絶すること。 恒常的で異常な残業実態を改善するため、業務量に見合う定員を確保すること。勤務時間管理の徹底や、超過勤務時間の上限規制を設けるなど、実効ある対策を講じること。 「フレックスタイム制」や早出勤務の実施等の一方的な勤務時間の変更は行わないこと。 疲労蓄積の防止、メンタルヘルス対策など、職員の健康と安全を確保すること。 パワーハラスメントを根絶するため、職員の安全確保、職場環境確保、職場環境整備の観点に立ち、使用者責任を果たすこと。 [4]重点課題とたたかい方 1 大幅賃上げで暮らしの改善を 1.「統一賃金要求」の実現をめざす 暮らしを改善する大幅賃上げを実現し、実質賃金の低下に歯止めをかけるために力を尽くします。賃上げの流れを本格化させ、「賃上げこそ暮らしと経済再生のカギ」の世論と運動を職場でも地域でも大いに広げます。併せて、非正規雇用労働者の賃金を底上げし、格差是正をすすめる取り組みを重視します。 2.大企業の内部留保を還元させる 大企業の内部留保を社会的に還元して大幅賃上げを実現することは、経済の好循環をつくる上でも重要です。大幅賃上げの機運を高め、官民共同の取り組みを発展させるために、国公労連が提唱した「ビクトリーマップ運動」(ビクトリーマップを活用した地域での宣伝活動)をブロック・県国公に結集して取り組みます。 3.賃下げ違憲訴訟の勝利判決を 東京高裁は昨年12月5日、「公務員賃下げ違憲訴訟」控訴審で東京地裁に続く不当な判決を行ないました。控訴審判決は、一審の不当判決を踏襲するとともに、国公労連の主張を一切認めないばかりか、違憲となる要件を一審より狭め、不当な賃下げを合憲とし、ILO条約にも反しないとする不当判決です。国公労連は12 月8日の中央闘争委員会で最高裁に上告(全厚生の原告6人全員が上告)するとともに引き続き世論に訴えながら逆転勝訴をめざしてたたかいを継続することを確認しました。最高裁要請行動を1月、最高裁宛公正判決を求める署名を3月末まで取り組み、幅広い国民への支持と理解を広げます。 2 定員削減反対、行政体制の拡充を 1.現場の意向を重視し、増員を求める 各現場では、国民のニーズと期待に応えるために懸命に職務を遂行しています。しかし、どの職場でも業務量の増大により長時間労働が強いられ、メンタル不全で休職に追い込まれる職員が増えています。これ以上の定員削減は困難です。厚生労働行政の各部門の充実を図るために「定員合理化計画」の実施を中止し大幅な増員を要求します。現場の職員の意向を十分考慮し、必要かつ充分な人員と予算確保の取り組みを強めます。 2.公務公共サービスの拡充をめざす 国公労連は、通年方針である21世紀国公大運動の「総対話MAP運動」を「まもろう憲法・大運動」の一環として、公務・公共サービスの拡充をめざす取り組みを推進します。憲法が保障する国民の生活と権利をまもる職務を担う公務・公共サービスの役割やその体制確立の必要性を訴えます。厚生労働行政の各分野の拡充、日本年金機構の体制強化、社保庁不当解雇撤回の課題を訴えます。 3 本部・支部で交渉を強化する 1.要求作りを重視し、交渉を強化する 職場での要求作りは、たたかいの出発点です。要求に命を吹き込むために、要求づくり、要求を練り上げる取り組みを重視します。すべての支部で要求を提出し、要求提出後は交渉強化し、粘り強く執念を持って、要求実現をめざします。 2.政府・厚労省に統一要求を提出する 国公労連は、1月27日に第148回拡大中央委員会を開催し、賃金要求並びに政府・人事院宛の2017年国公労連統一要求を決定し、2月上旬に政府・人事院に提出します。全厚生は、2月4日の第58回中央委員会で全厚生2017年統一要求を決定します。その後、厚生労働省に提出します。 3.本部交渉で要求前進をめざす 各支部・職場の交渉を背景にして、本部交渉を実施し、要求前進をめざします。(1)大臣官房人事課長交渉、(2)施設管理室長交渉、(3)厚生科学課長交渉、(4)日本年金機構本部交渉、(5)全国健康保険協会本部交渉を実施します。 4 統一行動、地域総行動に結集する 1.2月の「地域総行動」に結集する 全労連・国民春闘共闘は、2月を「地域総行動月間」と位置づけています。国公労連は、大企業の社会的責任を問い、内部留保の社会的還元を求める運動を展開します。官民共同の取り組みを重視し、ブロック・県国公に結集し、積極的に行動します。 2.最大の山場となる3月の「統一行動」に結集する 全労連・春闘共闘は、3月16日(水)を集中回答日として最大限の結集を実現し、賃上げの社会的な流れをつくるために奮闘しています。集中回答日の翌日3月17日(木)を統一行動の最大の山場と位置づけ、組合員総決起の大行動(50万人規模)を展開します。大幅賃上げ、戦争法廃止、残業代ゼロ法案廃案の3大課題をかかげ、職場集会やデモ、一斉宣伝行動、民間労組のストライキ支援・連帯行動などを実施します。全組合員参加の取り組みとなるよう、年休取得を含め積極的に結集します。 3.「国公労連統一行動」に結集する 国公労連は、政府・人事院との中間回答日を3月15日(水)、最終回答日を3月24日(金)に設定し、国公労連統一要求の実現をめざします。 国公労連は、2月13日の週を「第1波全国統一行動週間」に設定し、すべての任命権者・所属長に対して統一要求書の提出を完遂する方針です。 3月13日からの週を「第2波全国統一行動週間」に設定し、全ての職場で昼休み職場集会を開催し、統一要求の最終回答に向けて政府・人事院宛の職場決議を採択・送付する方針です。 また、集中回答日(3月15日)の前段の3月8日に、全労連・国民春闘共闘が官民共同による春闘最大の中央行動を展開します。 全厚生は、国公労連の統一行動、春闘最大の中央行動に結集します。 5 超勤縮減、公務の「働き方改革」に対する取り組み 1.本省庁の恒常的な残業をなくす 国家行政機構の中枢である本省で人間らしく働くルールを確立する課題は、行政民主化の課題とも深く結びつく重要な取り組みです。健康で働き続けるために無定量で恒常的な残業改善の取り組みを重視します。本省支部は引き続き、霞国公が実施している残業実態アンケートに取り組みます。 3.ハラスメントを一掃しよう この間、「職場からハラスメントを一掃しよう」と呼びかけてきました。それは、全厚生の各職場からパワハラに悩む組合員の声が寄せられているからです。労働組合の役割を発揮して、「職員の生命と健康、職員の身の安全を図る措置をとる」安全配慮義務を果たすことを引き続き要求します。人権侵害行為であるハラスメントの根絶をめざします。 6 試験研究機関及び国立研究開発法人の取り組み 政府は昨年3月22日、「まち・ひと・しごと創生会議」において、「政府関係機関移転基本方針を決定しました。組織移転の対象とされた国立健康・栄養研究所は、「全部移転に向けて、移転の詳細や地元の受け入れ体制について、大阪府と厚生労働省・当該機関の間で調整を行い、平成28年度中を目途に成案を得ることとする」となっています。 全厚生は、健栄研支部、基盤研支部と連携し、研究所の長い歴史と研究活動の特性を踏まえ、根本機能を損なうことがないよう交渉・申し入れを強化します。また、大阪移転の具体化にあたり、身分・労働条件の後退を招かないよう万全の措置を求めます。 国公労連と学研労協で実行委員会をつくり毎年、国立試験研究機関全国交流集会を開催しています。交流集会に積極的に参加します。 7 国立福祉施設の組織再編、伊東センター廃止・統合に伴う取り組み 今、医療の現場では、モンスターペイシェント(モンスター患者、怪物患者)の対処に追われ医師・看護師、病院事務員などが精神的に疲れ果て、休職や退職に追い込まれるなどが社会問題になっています。福祉の職場でも自己中心的で理不尽な要求や暴言・暴力を繰り返す利所者等の対応に苦慮していることや職員が体調不良になるなどの実態が定期大会で報告されました。本部では、職場実態の集約、施設管理室交渉等で問題点を指摘してきています。引き続き、職員の自己責任とならないよう管理者の監督責任を明らかにし、全施設で必要な安全管理体制を早急に整備するよう要求します。 8 国民サービス向上と年金 業務、健保業務の体制確 保と処遇改善の取り組み 2017年は、受給要件10年短縮や年金カット法の成立で来所者の急増が想定されています。ただし800人の定員予算措置になったものの習熟した職員確保は進んでいません。事務センターの統合、 システム刷新、事務所の機能集約など職場環境も大きく変わっていきます。准職員(7年有期)は一部無期転換になったものの、多くの職員が雇止めになりました。職場は、経験者不足に拍車をかけて相談業務の急増、業務運営の変更で混乱が予想されます。国民サービスを低下させない体制整備と労働条件の確保に万全の措置を取ることを要求し、交渉を強化します。 また、全国健康保険協会では、システム刷新によるトラブル、昇給差別、契約職員の雇い止めで不安だとの声も寄せられています。労働条件改善・雇用確保に向けて取り組みを強化します。 9 非常勤職員、有期雇用職員の労働条件の改善、雇用を守るたたかい 1.非正規で働く仲間の雇用を守る 非正規雇用労働者の雇用を守り、労働条件を改善するたたかいは、極めて重要です。公務の非常勤職員、期間業務職員、研究所の任期付研究員、日本年金機構の有期雇用職員など、誰もが年度末での雇い止めの不安を抱えながら懸命に業務に従事しています。経験の蓄積や専門性を活かし、働く仲間の雇用確保のために本 部・支部一体で交渉を強化します。2月5日(日)、浅草セントラルホテルで「非正規職員の雇用確保・処遇改善決起集会」 を開催します。集会は、雇用の安定と、処遇改善の取り組み強化に向けた決起の場です。多くの組合員の参加を呼びかけます。 2.期間業務職員の取り組み 国公労連に結集し、政府・人事院交渉で非常金職員の労働条件の改善を求めます。期間業務職員は、業務の経験を積み、行政運営を支えています。2回更新後は、公募が原則ですが、更に更新することが制度上も可能であり、雇い止めがルールではありません。期間業務職員制度の運用にあたり、安定的な雇用保障に努め、安易な雇い止めを行わず、雇用継続を要求します。 3.日本年金機構の有期雇用職員の雇用継続の取り組み 社会保険庁を廃止し、国民の信頼を回復すると称して日本年金機構が発足して7年目になります。社会保険の業務運営を国から切り離し、民営化した結果、業務の安定的な運営に重大な支障が出ています。社保庁時代と比べ大幅な定員削減が強行され、有期雇用職員が6割以上を占めています。その上、有期雇用職員の雇い止めが繰り返されています。安定的な業務運営を損なう有期雇用職員の雇い止めを行なわず、雇用継続のために総力をあげて取り組みます。有期雇用職員の雇用継続を求める要請署名に取り組み、日本年金機構本部交渉並びに厚生労働省交渉で要求前進をめざします。 10 マイナンバー制度への取り組み マイナンバー制度が動き出しました。その利用範囲は、社会保障、税、防災の3分野の限定した項目でスタートします。その一方、マイナンバー制度は、安倍内閣の下で「世界最先端のIT国家」をめざす重要なツールとして位置づけられ、民間利用とその拡大の方向へと突き進んでいます。国民に何ら説明することなく走り出していることが問題です。 官民共通番号の諸外国の例も明らかになり、個人情報の集積によるプライバシーの侵害や情報漏えい、「なりすまし」犯罪被害の危険性、国民管理・監視体制などのねらいや、問題点が数多く指摘されています。マイナンバー制度の学習をすすめ、諸団体と共同した取り組みをすすめます。 11 平和・社会保障を守る取り組み 1.平和の取り組みを意気高く 春闘の時期に平和の取り組みがスタートします。今年は、憲法公布70年です。3・1ビキニデー行動、5・3憲法集会、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会の成功に向けた取り組みを意気高く進めます。原発依存のエネルギー政策から脱却するため、真剣に考え、学び、「原発ゼロ」をめざす広範な行動に結集します。 2.社会保障を守り、安心年金をつくる 社会保障の改悪阻止・拡充を求め、中央社会保障推進協議会(中央社保協)に結集し、共同の取り組みをすすめます。2008年5月28日に結成した安心年金つくろう会(国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会)は、中央とともに各県(北海道・東京・静岡・愛知・岐阜・京都・香川・愛媛)で結成し、活動しています。年金闘争に寄与するために、中央・各県の「安心年金つくろう会」の各構成団体と充分協議し、情勢にふさわしく活動を前進させます。 3.第88回メーデーの取り組み メーデーは、毎年5月1日に、全世界の労働者がデモンストレーションを行ない、団結の力と国際連帯の意志を示す統一行動の日です。全厚生は、中央メーデー並びに各県メーデーに毎年、積極的に参加しています。在京支部は、実行委員会をつくり、交流を深めてきました。今年の第88回メ‐デーは、昨年を上回る参加者となるよう事前の準備をすすめ、積極的に参加します。 4.国民の願いに応える社会をつくる 政治の行方は、この国の在り方と私たちの暮らしに直結しています。この国を良くするためには、政治の中身を変えることです。夏の参議員選挙は、戦争する国づくりと「暴走」政治を止めさせ、立憲主義を守る歴史的な政治戦となります。全厚生は、憲法が保障する国民の政党支持、政治活動の自由を守り、職場でも地域でも家庭でも、政治を語ります。国民・労働者の切実な願いや要求が届き、民主主義を大切にした政治を実現させるために奮闘します。 [5]解雇撤回闘争で勝利を 不当解雇撤回闘争は、8年目に入りました。裁判闘争は、北海道(1人)、秋田(4人)、東京(3人)、愛知(2人)、京都(15人)、愛媛(3人)広島(1人)の7都道府県・29人の原告(解雇撤回を求める原告は26人)で行っています。当事者(原告)を主人公に、国公労連、全労連規模での闘争体制を力に、多くの仲間の支援・激励を受けてたたかっています。 1.世論と運動の力で勝利判決をめざす 昨年11月16日、大阪高裁で「控訴棄却」の不当判決が出されました。京都の原告15人は不当判決にくじけることなく全員が上告したたかう決意を新たにしました。全国のたたかいでは、北海道事案は3月14日、愛知事案は3月16日に判決が行われるなど重要な局面を迎えています。たたかう仲間の勝利判決をめざし、事の本質を徹底的に明らかにし、支援の輪をさらに広げ、たたかいによって勝利をつかむために奮闘します。すべての裁判勝利を求めたたかいます。 また、社保庁不当解雇撤回闘争を7年たたかいぬいてきたことに確信を持つことが大切です。特に原告の仲間は、悔しくて苦しい日々の連続だったと思います。たたかい続けてきたことに、自分に自信をもって、これまでのたたかいをしっかり見つめ、さらに一歩前に運動を進めていきましょう。 2.解雇撤回・全面解決をめざす (1)最高裁前要請行動に取り組みます。 (2)各裁判所宛の公正・公平な判決を求める要請署名を全国で推進します。 (3)広島・高松高裁、各地裁での口頭弁論の裁判傍聴行動の成功のために奮闘します。 (4)JAL不当解雇撤回、日本IBMロックアウト裁判、すべての争議団と連帯し、乱暴な解雇を許さない共同を大きく広げるために全力を尽くします。 (5)「全厚生闘争団を支える会」の会員をさらに大きく広げます。 3.全面解決を求め政府に解決を迫る 2013年11月4日・5日、社会保険庁改革の中で行われた団結侵害行為に対し、ILO(国際労働機関)結社の自由委員会にILO87号条約、98号条約違反で行った申し立てに対し、昨年11月12日にILO勧告が出されました。この勧告を有効に活用し、政府を政治的に包囲し、解雇撤回・全面解決に奮闘します。 【ILO勧告‐社会保険庁解雇案件3051号(全労連国際局仮訳)】 (1)委員会は、政府は従業員の雇用と労働条件に影響する人員削減計画を労働組合組織と事前協議を行うことの重要性を想起し、労働者の職業的利益に影響する問題に関し完全で率直な協議を行う協調的労使関係の重要性を強調する。委員会は、日本政府が新規に創設された機構においてもそれらの原則を尊重することを期待する。 (2)委員会は日本政府に対し、川口氏の係争中の裁判の結果、並びに北久保、中本両氏の保障に関する事件の経過について報告を継続することを要請する。 [6]組織拡大で純増をめざす 1.大会決定の「純増方針」を実践する 第80回定期大会決定(2016・9・11)の2016年度組織拡大方針の全面実践を行うのが2017年春闘です。社会保険庁の解体・民営化後、不当解雇撤回闘争を始めて以降の最初の大会(第74回定期大会)で組織建設、職場活動の再構築への誓いを立てた原点に立ち、その後の組織活動を踏まえ、着実に前進させます。そのために、春闘の要求闘争の中で組織拡大をしっかり位置づけ、自覚を持って取り組みます。 2.目標 (1)各支部は、次期(第81回)定期大会を純増で迎えるために全力を尽くす。全厚生として組織の純増を達成する。 (2)すべての職場で、職員の過半数を組織することをめざす。 3.具体的な取り組み (1)日常的に組織拡大に取り組みます。要求闘争と一体で組合加入の取り組みを推進します。 (2)すべての職員を対象にして、組合加入の呼びかけを行います。新規採用者に対して、集中して加入を呼びかけます。 (3)職場実態に合わせて、組織拡大に取り組みます。拡大運動を推進するために、組織強化・拡大推進委員会を開催し、取り組みの具体化を図ります。 (4)通年的な組織強化・拡大を取り組み、かつ4〜6月を運動強化期間と位置づけ、全力を尽くします。 (5)本部として、困難をかかえている支部に対する援助を強めます。 4.国公共済会の加入を促進させる 国公共済会は、仲間同士の「助け愛」の精神で、もうけを目的とせず、「小さな掛金、大きな保障」を実現しています。組合員と家族の福利厚生として、現在約2万5千人が加入しており、安定的な運営がなされています。 国公共済会では、新入組合員に対し「ワンコイン共済」のプレゼント(半年間)を行っています。あたらしく組合に加入した仲間が、プレゼント期間に給付を受けるなど、組合員の福利厚生を保障し、団結を強める力になっています。 (1)4月〜6月を拡大強化期間とし、100人の拡大をめざします。 (2)すべての支部役員が国公共済に加入することをめざします。 (3)新入組合員には、必ずワンコイン共済プレゼント券を渡し、期間終了前に引き続く加入を呼びかけます。 5.権利に強くなる学習を重視する 学習は、たたかう力の源泉です。とりわけ、権利に強くなるための学習を重視します。本部役員、支部執行委員会は、学ぶ活動の先頭に立って実践します。 開講3年目の全労連・初級教育制度「わくわく講座」の受講の準備をすすめます。勤労者通信大学の受講組織をすすめます。「学習の友」の購読をすすめ活用します。
[1]要求を高く掲げ、たたかう いよいよ、2017年春闘がスタートしました。全厚生は、第80回定期大会方針を具体化し、2月〜6月までの5か月間、職場の要求実現、国民生活の向上を目指して、意気高く、国民春闘のたたかいを進めます。 春闘は、日本だけにある独特の労働者の要求実現のための闘いです。新年度が4月からの企業が多く、制度の切り替え、定期昇給、新入職員の採用、定員が見直されるなど労働者の生活に大きくかかわる時期です。春に多くの産業の労働組合が一緒になって、賃金引上げ、労働条件の改善などの要求実現を求めて運動を進めてきました。始まりは、1954年1月に5単産(合化労連、炭労、私鉄総連、電産、紙パ)により「共闘委員会」が結成され、翌1955年には全国金属、化学同盟、電機労連が合流し、8単産による「春季賃上げ共闘会議」が結成され、単産が共闘する「春闘」が始まりました。以降、春闘に加わる単産は増加し、1974年1月には、労働団体と社共両党、市民団体80組織で「インフレ阻止国民会議」が結成され、初めて「国民春闘」として進んできました。1989年には総評が解体され「連合」「全労連」にナショナルセンターは分かれていますが、現在も、多くの労働組合が一緒になって、賃金引き上げ、定員増などの労働条件改善の要求と、健康保険、年金など社会保障の改善などの国民的課題を掲げ、要求実現に向けて進められています。 1.職場の困難を打開する春闘に 今、職員の懸命な努力にもかかわらず、厚生労働行政を担うどの職場でも苦労と困難が生じています。 社会保険行政の解体・民営化後の日本年金機構の業務体制はその象徴であり、民営化路線では国民の安心は守れません。現場を支える有期雇用職員の雇用継続・無期雇用転換枠の拡大は、年金の安定的な業務運営を保障する上でどうしても必要です。 国立福祉施設の地方センターの廃止は、障害者福祉行政の根本が問われる課題です。国立研究開発法人では、運営費交付金の一律削減が続き、合理化がすすめられています。厚生科学研究を拡充するには、短期的な成果を求める傾向を改めさせ、裾野の広い研究活動や体制の基盤をつくり、基礎研究を地道にすすめなければなりません。 各職場の困難に対し、真に解決する道筋を見極め、職場や地域の仲間と力を合わせてたたかいます。 2.道理ある要求を高く掲げる 困難の根本原因は、定員削減や合理化政策、国民犠牲の厚生労働行政の切り捨て、公務の民営化、公務員制度改革など、政府の誤った政策によるものです。全厚生は労働条件の改善とともに、行政を国民本位にする努力を常に行ってきました。これは、結成以来、変わらぬ姿勢です。憲法25条を活かす厚生労働行政を確立するために道理ある要求を掲げ、その実現のためにたたかいます。 3.各支部、組合員のみなさんへ 全厚生は、仲間とともに喜び、悲しみ、苦しみの中で切実な要求前進と平和と社会保障を守るためにたたかってきました。この歴史とたたかいを胸に刻み、労働者の誇りと希望をもってたたかいます。 (1)労働組合は、一人一人の組合員が主人公であり、支部が主役です。人間らしく生き、働くために団結してたたかい、全員参加の組合活動をめざしましょう。 (2)職場の隅々に労働組合のさわやかな風を吹かせ、労働組合の存在を職場に示し、職場を良くするために奮闘しましょう。 (3)切実な要求を前進させる取り組みを進め、全支部で仲間を増やす活動をすすめましょう。 (4)第80回定期大会定のメインスローガン「活かそう憲法!ふやそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし、さあ、みんなでやり抜こう!」を胸に刻み、たたかいましょう。
[2]国民春闘で前進を 「STOP暴走政治!守ろう命と平和、そして憲法賃金底上げと雇用の安定、地場産業振興で地域の活性化」をスローガンに全国各地で闘われます。 1.憲法擁護、憲法戦争法を廃止にする国民運動へ アメリカの大統領選では、直前の情勢で不利と言われていた政治経験のないトランプ氏が当選し、韓国では国民の大規模な抗議行動が世論を押し上げて国会での大統領弾劾裁判が可決されました。主権者の行動で政治は変わります。主権者の力によって政治の転換は可能です。日本では、戦争法反対のたたかいの中で「戦 争反対、9条壊すな!総がかり行動実行委員会」に多くの市民、学生が結集し国会前が騒然となりました。小選挙区制の下で先の参議院選挙の結果は、改憲勢力が衆参両院で3分の2の議席を占めましたが、安倍首相は改憲を選挙の争点にできませんでした。戦争法を強行した安倍首相は改めて、憲法が国民のなかに深く根付き戦争法本格発動の重大な障害になっていることを痛感しているからです。今年は現行憲法施行から70年です。市民と野党の共同を全国で進め、「改憲反対、安倍『暴走』政治NO!野党は共闘」の世論と共同を進めていくことが大切です。また、安倍政権は、南スーダンへの駆けつけ警護が可能な部隊を派遣するとともに、沖縄高江の米軍ヘリパット建設工事の暴力的推進をはじめ、戦争法本格稼働・戦争する国づくりを加速させています。マスコミ、労働組合、市民団体に対する圧力が強まっています。戦争法廃 止の世論と共同をさらに強化しながらしっかり反撃し、オール沖縄などのたたかいと連携した取組が重要です。 2.暮らしを守る共同を広げよう 安倍首相がどんなにアベノミクスの成果を強調しようとも、個人消費は戦後初の2年連続、実質賃金は5年連続で下がり国民の生活は苦しくなるばかりです。一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保は313億円で株主配当が急激に増えるなど、貧富の格差が拡大し続けています。私たち公務労働者も3年連続の賃上げとはいえ、「給与の総合的見直し」などで地域間格差は広がり、実質賃金は上がっていません。「消費不況」の打開のために内需拡大が求められています。民間労働者の賃上げが、人事院勧告の大幅賃上げにつながります。春闘での「官民共同」の闘いが重要です。今春闘では、大企業の労働者中心の賃上げではなく、大企業の内部留保に焦点を当てながら、利益と株主優先の体質を改めさせ、莫大な利益を社会に還元させ、労働者の生活改善で景気回復を目指して、すべての労働者の大幅賃上げと良質な雇用を確保し、安倍政権の暴走を食い止め「誰もが安心して働き続けられる社会」を目指す共同の取り組みを前進させましょう。 3.雇用を守り、社会保障の拡充を 安倍首相は、「1億総活躍社会」というスローガンを掲げて「アベノミクスの加速」を唱えていますが「最大のチャレンジは働き方改革」と労働法制を焦点にし、同一労働同一賃金や長時間労働の是正など、聞こえのいい言葉が並んでいます。しかし、「アベ働き方改革」のねらいは、「残業代ゼロ」「定額働かせ放題」の 労働基準法改悪を推進し、さらなる雇用の流動化「雇用規制の緩和」をねらっています。労働者の要求実現をちらつかせながら労働者使い捨て自由の労働法制大改悪を進めています。今春闘では、労働者犠牲の政策を転換させる労働者・国民の共同の取り組みが求められています。 【社会保障改悪を阻止し、拡充を】 社会保障の理念を否定する制度改悪が各分野ですすめられています。社会保障制度改革推進法で自立・自助を強調し、社会保障改革のプログラム法で改悪メニューとその時期を示しています。政府は、12月22日閣議決定した2017年予算案では、軍事費は10 億円増額の5兆1251億円の過去最大を更新する一方、社会保障費は6400億円だった自然増分を削り、4997億円(総額32兆4735億円)に抑えました。「骨太方針2015」に沿った「削減ありき」の機械的な切捨てで、医療、介護、年金、生活保護など、社会保障の全面改悪をすすめる計画です。今春闘では、社会保障改悪を押し返し、社会保障の拡充で安心・安全な社会をつくることが重要です。 4.国民の願う厚生労働行政の確立を 政府は、「5年間で10%」の定員合理化計画を閣議決定(2014年7月25日)し、2015年から毎年2%の定員削減を進めています。どの職場もこれ以上の定削を受け入れる余地はありません。 何よりも総定員法と定員削減計画による定員管理政策を改めさせなければなりません。厚生労働行政の各分野の実態を明らかにし、大幅増員による体制確保を求め、行政サービス機能の向上をはかることが大切です。本省、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の各行政分野の拡充を求め、要求と政策を練り上げ、行政体制確立と労働条件の改善の取り組みを一体ですすめます。 5.国民春闘で要求実現を 【攻勢的にたたかう】 戦争法廃止、大幅賃上げや賃金底上げで暮らし改善させる攻勢的なたたかいが始まっています。この息吹を感じながら、労働者・国民の暮らしを改善し、希望をもって働き続けられる職場をつくるために春闘をたたかいます。職場を基礎にたたかい、地域で労働者・労働組合と交流し、地域の行動に結集します。官民一体、全国統一行動、中央行動に結集してたたかいます。 【みんなの力で切り拓く】 全厚生は、若い組合員、経験豊富な組合員、様ざまな行政分野・部門・職種など、多彩な人々が担っています。ベテラン組合員は、労働組合に懸けた熱い思いとロマンを呼びさまし、若い組合員は大いに学び、全組合員に参加を呼びかけ、みんなで取り組みをすすめましょう。
[3]春闘の重点要求 1.賃金改善、国公労連統一賃金要求 国家公務員及び国立研究開発法人、日本年金機構、全国健康保険協会で働く職員の賃金を生活と労働の実態にふさわしく改善すること。 国家公務員の賃金を月額平均20、000円以上(4・9%)以上(行政職(1))引き上げること。 非常金職員の時給を150円以上引き上げること。 非常金職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1、000円」「日額8、000円」「月額170、000円」以上に引き上げること。 独立行政法人等については、労使自治による賃金・労働条件決定を保障し、政府・厚労省は直接・間接的に不当な介入を行わないこと。 2.行政サービスの拡充 憲法25条の理念を活かし、医療並びに公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展させるために増員を行うこと。 総定員法を廃止すること。「定員合理化計画」を撤回し、大幅な増員を行うこと。 現場の職員の意向を十分考慮し、必要かつ充分な人員と予算を確保すること。 3.マイナンバー制度 マイナンバー制度は直ちに中止すること。個人番号カードのICカード身分証との一体化は中止すること。 4.非常勤職員制度の改善 非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。 非常勤職員の休暇等は、常勤職員と同等の制度に改善すること。 期間業務職員制度の運用にあたり、安定的な雇用保障に努め、安易な雇い止めを行わないこと。 5.高齢者雇用、再任用制度の改善 定年年齢を段階的に65歳に引き上げること。 職員の意向をふまえ、働き続けられる勤務環境を整備し、希望者全員を再任用すること。 再任用職員の賃金は、年金支給開始までの生活維持にふさわしい賃金水準とすること。 6.社保庁職員の不当解雇撤回 札幌、名古屋地方裁判所での勝利判決 政府・厚労省の責任で処分撤回・全面解決を行うこと。 被懲戒処分者を一律不採用とする閣議決定を撤回すること。 日本年金機構に経験と専門性ある元社会保険庁職員を正規職員として採用する こと。 7.日本年金機構の体制強化 国民への信頼を回復し、安定的な業務運営を行うため、正規職員を増員して業務体制を拡充すること。 「当面の業務運営に関する基本計画」の見直しを行うこと。 受給要件10年短縮に伴い国民サービスを低下させない体制を確保すること。 有期雇用職員について、安易な雇い止めは行わず、希望する職員の継続雇用を行うこと。 現場の実態を正確に把握し、必要な予算確保のために最大限の努力を行うこと。 8.国立福祉施設の体制強化 地方センターを廃止せず、存続・拡充させること。 国立施設の機能の充実強化を図るとともに、施設運営に支障をきたさないよう現場の職員の意見を十分に反映させた体制を確保すること。 9.試験研究機関の体制強化 医療並びに公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展させるために、基礎・基盤的研究をすすめる充分な人員と予算を確保すること。 国立医薬品食品衛生研究所の川崎移転について、移転が完了し移転後の安定的な研究運営が可能となるまで充分な予算を確保すること。 国立健康・栄養研究所の大阪移転の検討にあたり、重要な情報を公開すること。研究所の根本機能を損なう分割移転は行わないこと。 国立感染症研究所の基礎体力向上のため、脚光をあびていない病原体の研究体制の充実に向け人員・予算を確保すること。 10.国立研究開発法人の体制強化 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の重要な役割を発揮し、研究業務の維持・拡充を図るため、必要な運営費交付金を確保すること。 11.超勤縮減やハラスメントの根絶 超過勤務を大幅に縮減し、不払い残業を根絶すること。 恒常的で異常な残業実態を改善するため、業務量に見合う定員を確保すること。勤務時間管理の徹底や、超過勤務時間の上限規制を設けるなど、実効ある対策を講じること。 「フレックスタイム制」や早出勤務の実施等の一方的な勤務時間の変更は行わないこと。 疲労蓄積の防止、メンタルヘルス対策など、職員の健康と安全を確保すること。 パワーハラスメントを根絶するため、職員の安全確保、職場環境確保、職場環境整備の観点に立ち、使用者責任を果たすこと。
[4]重点課題とたたかい方 1 大幅賃上げで暮らしの改善を 1.「統一賃金要求」の実現をめざす 暮らしを改善する大幅賃上げを実現し、実質賃金の低下に歯止めをかけるために力を尽くします。賃上げの流れを本格化させ、「賃上げこそ暮らしと経済再生のカギ」の世論と運動を職場でも地域でも大いに広げます。併せて、非正規雇用労働者の賃金を底上げし、格差是正をすすめる取り組みを重視します。 2.大企業の内部留保を還元させる 大企業の内部留保を社会的に還元して大幅賃上げを実現することは、経済の好循環をつくる上でも重要です。大幅賃上げの機運を高め、官民共同の取り組みを発展させるために、国公労連が提唱した「ビクトリーマップ運動」(ビクトリーマップを活用した地域での宣伝活動)をブロック・県国公に結集して取り組みます。 3.賃下げ違憲訴訟の勝利判決を 東京高裁は昨年12月5日、「公務員賃下げ違憲訴訟」控訴審で東京地裁に続く不当な判決を行ないました。控訴審判決は、一審の不当判決を踏襲するとともに、国公労連の主張を一切認めないばかりか、違憲となる要件を一審より狭め、不当な賃下げを合憲とし、ILO条約にも反しないとする不当判決です。国公労連は12 月8日の中央闘争委員会で最高裁に上告(全厚生の原告6人全員が上告)するとともに引き続き世論に訴えながら逆転勝訴をめざしてたたかいを継続することを確認しました。最高裁要請行動を1月、最高裁宛公正判決を求める署名を3月末まで取り組み、幅広い国民への支持と理解を広げます。 2 定員削減反対、行政体制の拡充を 1.現場の意向を重視し、増員を求める 各現場では、国民のニーズと期待に応えるために懸命に職務を遂行しています。しかし、どの職場でも業務量の増大により長時間労働が強いられ、メンタル不全で休職に追い込まれる職員が増えています。これ以上の定員削減は困難です。厚生労働行政の各部門の充実を図るために「定員合理化計画」の実施を中止し大幅な増員を要求します。現場の職員の意向を十分考慮し、必要かつ充分な人員と予算確保の取り組みを強めます。 2.公務公共サービスの拡充をめざす 国公労連は、通年方針である21世紀国公大運動の「総対話MAP運動」を「まもろう憲法・大運動」の一環として、公務・公共サービスの拡充をめざす取り組みを推進します。憲法が保障する国民の生活と権利をまもる職務を担う公務・公共サービスの役割やその体制確立の必要性を訴えます。厚生労働行政の各分野の拡充、日本年金機構の体制強化、社保庁不当解雇撤回の課題を訴えます。 3 本部・支部で交渉を強化する 1.要求作りを重視し、交渉を強化する 職場での要求作りは、たたかいの出発点です。要求に命を吹き込むために、要求づくり、要求を練り上げる取り組みを重視します。すべての支部で要求を提出し、要求提出後は交渉強化し、粘り強く執念を持って、要求実現をめざします。 2.政府・厚労省に統一要求を提出する 国公労連は、1月27日に第148回拡大中央委員会を開催し、賃金要求並びに政府・人事院宛の2017年国公労連統一要求を決定し、2月上旬に政府・人事院に提出します。全厚生は、2月4日の第58回中央委員会で全厚生2017年統一要求を決定します。その後、厚生労働省に提出します。 3.本部交渉で要求前進をめざす 各支部・職場の交渉を背景にして、本部交渉を実施し、要求前進をめざします。(1)大臣官房人事課長交渉、(2)施設管理室長交渉、(3)厚生科学課長交渉、(4)日本年金機構本部交渉、(5)全国健康保険協会本部交渉を実施します。 4 統一行動、地域総行動に結集する 1.2月の「地域総行動」に結集する 全労連・国民春闘共闘は、2月を「地域総行動月間」と位置づけています。国公労連は、大企業の社会的責任を問い、内部留保の社会的還元を求める運動を展開します。官民共同の取り組みを重視し、ブロック・県国公に結集し、積極的に行動します。 2.最大の山場となる3月の「統一行動」に結集する 全労連・春闘共闘は、3月16日(水)を集中回答日として最大限の結集を実現し、賃上げの社会的な流れをつくるために奮闘しています。集中回答日の翌日3月17日(木)を統一行動の最大の山場と位置づけ、組合員総決起の大行動(50万人規模)を展開します。大幅賃上げ、戦争法廃止、残業代ゼロ法案廃案の3大課題をかかげ、職場集会やデモ、一斉宣伝行動、民間労組のストライキ支援・連帯行動などを実施します。全組合員参加の取り組みとなるよう、年休取得を含め積極的に結集します。 3.「国公労連統一行動」に結集する 国公労連は、政府・人事院との中間回答日を3月15日(水)、最終回答日を3月24日(金)に設定し、国公労連統一要求の実現をめざします。 国公労連は、2月13日の週を「第1波全国統一行動週間」に設定し、すべての任命権者・所属長に対して統一要求書の提出を完遂する方針です。 3月13日からの週を「第2波全国統一行動週間」に設定し、全ての職場で昼休み職場集会を開催し、統一要求の最終回答に向けて政府・人事院宛の職場決議を採択・送付する方針です。 また、集中回答日(3月15日)の前段の3月8日に、全労連・国民春闘共闘が官民共同による春闘最大の中央行動を展開します。 全厚生は、国公労連の統一行動、春闘最大の中央行動に結集します。 5 超勤縮減、公務の「働き方改革」に対する取り組み 1.本省庁の恒常的な残業をなくす 国家行政機構の中枢である本省で人間らしく働くルールを確立する課題は、行政民主化の課題とも深く結びつく重要な取り組みです。健康で働き続けるために無定量で恒常的な残業改善の取り組みを重視します。本省支部は引き続き、霞国公が実施している残業実態アンケートに取り組みます。 3.ハラスメントを一掃しよう この間、「職場からハラスメントを一掃しよう」と呼びかけてきました。それは、全厚生の各職場からパワハラに悩む組合員の声が寄せられているからです。労働組合の役割を発揮して、「職員の生命と健康、職員の身の安全を図る措置をとる」安全配慮義務を果たすことを引き続き要求します。人権侵害行為であるハラスメントの根絶をめざします。 6 試験研究機関及び国立研究開発法人の取り組み 政府は昨年3月22日、「まち・ひと・しごと創生会議」において、「政府関係機関移転基本方針を決定しました。組織移転の対象とされた国立健康・栄養研究所は、「全部移転に向けて、移転の詳細や地元の受け入れ体制について、大阪府と厚生労働省・当該機関の間で調整を行い、平成28年度中を目途に成案を得ることとする」となっています。 全厚生は、健栄研支部、基盤研支部と連携し、研究所の長い歴史と研究活動の特性を踏まえ、根本機能を損なうことがないよう交渉・申し入れを強化します。また、大阪移転の具体化にあたり、身分・労働条件の後退を招かないよう万全の措置を求めます。 国公労連と学研労協で実行委員会をつくり毎年、国立試験研究機関全国交流集会を開催しています。交流集会に積極的に参加します。 7 国立福祉施設の組織再編、伊東センター廃止・統合に伴う取り組み 今、医療の現場では、モンスターペイシェント(モンスター患者、怪物患者)の対処に追われ医師・看護師、病院事務員などが精神的に疲れ果て、休職や退職に追い込まれるなどが社会問題になっています。福祉の職場でも自己中心的で理不尽な要求や暴言・暴力を繰り返す利所者等の対応に苦慮していることや職員が体調不良になるなどの実態が定期大会で報告されました。本部では、職場実態の集約、施設管理室交渉等で問題点を指摘してきています。引き続き、職員の自己責任とならないよう管理者の監督責任を明らかにし、全施設で必要な安全管理体制を早急に整備するよう要求します。 8 国民サービス向上と年金 業務、健保業務の体制確 保と処遇改善の取り組み 2017年は、受給要件10年短縮や年金カット法の成立で来所者の急増が想定されています。ただし800人の定員予算措置になったものの習熟した職員確保は進んでいません。事務センターの統合、 システム刷新、事務所の機能集約など職場環境も大きく変わっていきます。准職員(7年有期)は一部無期転換になったものの、多くの職員が雇止めになりました。職場は、経験者不足に拍車をかけて相談業務の急増、業務運営の変更で混乱が予想されます。国民サービスを低下させない体制整備と労働条件の確保に万全の措置を取ることを要求し、交渉を強化します。 また、全国健康保険協会では、システム刷新によるトラブル、昇給差別、契約職員の雇い止めで不安だとの声も寄せられています。労働条件改善・雇用確保に向けて取り組みを強化します。 9 非常勤職員、有期雇用職員の労働条件の改善、雇用を守るたたかい 1.非正規で働く仲間の雇用を守る 非正規雇用労働者の雇用を守り、労働条件を改善するたたかいは、極めて重要です。公務の非常勤職員、期間業務職員、研究所の任期付研究員、日本年金機構の有期雇用職員など、誰もが年度末での雇い止めの不安を抱えながら懸命に業務に従事しています。経験の蓄積や専門性を活かし、働く仲間の雇用確保のために本 部・支部一体で交渉を強化します。2月5日(日)、浅草セントラルホテルで「非正規職員の雇用確保・処遇改善決起集会」 を開催します。集会は、雇用の安定と、処遇改善の取り組み強化に向けた決起の場です。多くの組合員の参加を呼びかけます。 2.期間業務職員の取り組み 国公労連に結集し、政府・人事院交渉で非常金職員の労働条件の改善を求めます。期間業務職員は、業務の経験を積み、行政運営を支えています。2回更新後は、公募が原則ですが、更に更新することが制度上も可能であり、雇い止めがルールではありません。期間業務職員制度の運用にあたり、安定的な雇用保障に努め、安易な雇い止めを行わず、雇用継続を要求します。 3.日本年金機構の有期雇用職員の雇用継続の取り組み 社会保険庁を廃止し、国民の信頼を回復すると称して日本年金機構が発足して7年目になります。社会保険の業務運営を国から切り離し、民営化した結果、業務の安定的な運営に重大な支障が出ています。社保庁時代と比べ大幅な定員削減が強行され、有期雇用職員が6割以上を占めています。その上、有期雇用職員の雇い止めが繰り返されています。安定的な業務運営を損なう有期雇用職員の雇い止めを行なわず、雇用継続のために総力をあげて取り組みます。有期雇用職員の雇用継続を求める要請署名に取り組み、日本年金機構本部交渉並びに厚生労働省交渉で要求前進をめざします。 10 マイナンバー制度への取り組み マイナンバー制度が動き出しました。その利用範囲は、社会保障、税、防災の3分野の限定した項目でスタートします。その一方、マイナンバー制度は、安倍内閣の下で「世界最先端のIT国家」をめざす重要なツールとして位置づけられ、民間利用とその拡大の方向へと突き進んでいます。国民に何ら説明することなく走り出していることが問題です。 官民共通番号の諸外国の例も明らかになり、個人情報の集積によるプライバシーの侵害や情報漏えい、「なりすまし」犯罪被害の危険性、国民管理・監視体制などのねらいや、問題点が数多く指摘されています。マイナンバー制度の学習をすすめ、諸団体と共同した取り組みをすすめます。 11 平和・社会保障を守る取り組み 1.平和の取り組みを意気高く 春闘の時期に平和の取り組みがスタートします。今年は、憲法公布70年です。3・1ビキニデー行動、5・3憲法集会、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会の成功に向けた取り組みを意気高く進めます。原発依存のエネルギー政策から脱却するため、真剣に考え、学び、「原発ゼロ」をめざす広範な行動に結集します。 2.社会保障を守り、安心年金をつくる 社会保障の改悪阻止・拡充を求め、中央社会保障推進協議会(中央社保協)に結集し、共同の取り組みをすすめます。2008年5月28日に結成した安心年金つくろう会(国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会)は、中央とともに各県(北海道・東京・静岡・愛知・岐阜・京都・香川・愛媛)で結成し、活動しています。年金闘争に寄与するために、中央・各県の「安心年金つくろう会」の各構成団体と充分協議し、情勢にふさわしく活動を前進させます。 3.第88回メーデーの取り組み メーデーは、毎年5月1日に、全世界の労働者がデモンストレーションを行ない、団結の力と国際連帯の意志を示す統一行動の日です。全厚生は、中央メーデー並びに各県メーデーに毎年、積極的に参加しています。在京支部は、実行委員会をつくり、交流を深めてきました。今年の第88回メ‐デーは、昨年を上回る参加者となるよう事前の準備をすすめ、積極的に参加します。 4.国民の願いに応える社会をつくる 政治の行方は、この国の在り方と私たちの暮らしに直結しています。この国を良くするためには、政治の中身を変えることです。夏の参議員選挙は、戦争する国づくりと「暴走」政治を止めさせ、立憲主義を守る歴史的な政治戦となります。全厚生は、憲法が保障する国民の政党支持、政治活動の自由を守り、職場でも地域でも家庭でも、政治を語ります。国民・労働者の切実な願いや要求が届き、民主主義を大切にした政治を実現させるために奮闘します。
[5]解雇撤回闘争で勝利を 不当解雇撤回闘争は、8年目に入りました。裁判闘争は、北海道(1人)、秋田(4人)、東京(3人)、愛知(2人)、京都(15人)、愛媛(3人)広島(1人)の7都道府県・29人の原告(解雇撤回を求める原告は26人)で行っています。当事者(原告)を主人公に、国公労連、全労連規模での闘争体制を力に、多くの仲間の支援・激励を受けてたたかっています。 1.世論と運動の力で勝利判決をめざす 昨年11月16日、大阪高裁で「控訴棄却」の不当判決が出されました。京都の原告15人は不当判決にくじけることなく全員が上告したたかう決意を新たにしました。全国のたたかいでは、北海道事案は3月14日、愛知事案は3月16日に判決が行われるなど重要な局面を迎えています。たたかう仲間の勝利判決をめざし、事の本質を徹底的に明らかにし、支援の輪をさらに広げ、たたかいによって勝利をつかむために奮闘します。すべての裁判勝利を求めたたかいます。 また、社保庁不当解雇撤回闘争を7年たたかいぬいてきたことに確信を持つことが大切です。特に原告の仲間は、悔しくて苦しい日々の連続だったと思います。たたかい続けてきたことに、自分に自信をもって、これまでのたたかいをしっかり見つめ、さらに一歩前に運動を進めていきましょう。 2.解雇撤回・全面解決をめざす (1)最高裁前要請行動に取り組みます。 (2)各裁判所宛の公正・公平な判決を求める要請署名を全国で推進します。 (3)広島・高松高裁、各地裁での口頭弁論の裁判傍聴行動の成功のために奮闘します。 (4)JAL不当解雇撤回、日本IBMロックアウト裁判、すべての争議団と連帯し、乱暴な解雇を許さない共同を大きく広げるために全力を尽くします。 (5)「全厚生闘争団を支える会」の会員をさらに大きく広げます。 3.全面解決を求め政府に解決を迫る 2013年11月4日・5日、社会保険庁改革の中で行われた団結侵害行為に対し、ILO(国際労働機関)結社の自由委員会にILO87号条約、98号条約違反で行った申し立てに対し、昨年11月12日にILO勧告が出されました。この勧告を有効に活用し、政府を政治的に包囲し、解雇撤回・全面解決に奮闘します。 【ILO勧告‐社会保険庁解雇案件3051号(全労連国際局仮訳)】 (1)委員会は、政府は従業員の雇用と労働条件に影響する人員削減計画を労働組合組織と事前協議を行うことの重要性を想起し、労働者の職業的利益に影響する問題に関し完全で率直な協議を行う協調的労使関係の重要性を強調する。委員会は、日本政府が新規に創設された機構においてもそれらの原則を尊重することを期待する。 (2)委員会は日本政府に対し、川口氏の係争中の裁判の結果、並びに北久保、中本両氏の保障に関する事件の経過について報告を継続することを要請する。
[6]組織拡大で純増をめざす 1.大会決定の「純増方針」を実践する 第80回定期大会決定(2016・9・11)の2016年度組織拡大方針の全面実践を行うのが2017年春闘です。社会保険庁の解体・民営化後、不当解雇撤回闘争を始めて以降の最初の大会(第74回定期大会)で組織建設、職場活動の再構築への誓いを立てた原点に立ち、その後の組織活動を踏まえ、着実に前進させます。そのために、春闘の要求闘争の中で組織拡大をしっかり位置づけ、自覚を持って取り組みます。 2.目標 (1)各支部は、次期(第81回)定期大会を純増で迎えるために全力を尽くす。全厚生として組織の純増を達成する。 (2)すべての職場で、職員の過半数を組織することをめざす。 3.具体的な取り組み (1)日常的に組織拡大に取り組みます。要求闘争と一体で組合加入の取り組みを推進します。 (2)すべての職員を対象にして、組合加入の呼びかけを行います。新規採用者に対して、集中して加入を呼びかけます。 (3)職場実態に合わせて、組織拡大に取り組みます。拡大運動を推進するために、組織強化・拡大推進委員会を開催し、取り組みの具体化を図ります。 (4)通年的な組織強化・拡大を取り組み、かつ4〜6月を運動強化期間と位置づけ、全力を尽くします。 (5)本部として、困難をかかえている支部に対する援助を強めます。 4.国公共済会の加入を促進させる 国公共済会は、仲間同士の「助け愛」の精神で、もうけを目的とせず、「小さな掛金、大きな保障」を実現しています。組合員と家族の福利厚生として、現在約2万5千人が加入しており、安定的な運営がなされています。 国公共済会では、新入組合員に対し「ワンコイン共済」のプレゼント(半年間)を行っています。あたらしく組合に加入した仲間が、プレゼント期間に給付を受けるなど、組合員の福利厚生を保障し、団結を強める力になっています。 (1)4月〜6月を拡大強化期間とし、100人の拡大をめざします。 (2)すべての支部役員が国公共済に加入することをめざします。 (3)新入組合員には、必ずワンコイン共済プレゼント券を渡し、期間終了前に引き続く加入を呼びかけます。 5.権利に強くなる学習を重視する 学習は、たたかう力の源泉です。とりわけ、権利に強くなるための学習を重視します。本部役員、支部執行委員会は、学ぶ活動の先頭に立って実践します。 開講3年目の全労連・初級教育制度「わくわく講座」の受講の準備をすすめます。勤労者通信大学の受講組織をすすめます。「学習の友」の購読をすすめ活用します。
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