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◆2007年11月号外◆

職場討議資料
 今号は、全国健康保険協会の採用基準と労働条件についての特集です。

政府・厚労省・社保庁は雇用確保に万全を
全国健康保険協会の採用基準と労働条件等の問題点について
 解体・民営化の第一弾として2008年10月に設立される「全国健康保険協会」の勤務・労働条件、採用基準等が示されたのを受けて社会保険庁および厚生労働省は、全職員を対象に新組織への希望確認と、厚生労働本省への転任希望を把握するための意向調査に入りました。
 業務は継続するにもかかわらず、組織が廃止されるという歴史上かつてないと思われる社会保険庁の解体・民営化に対し全厚生は、雇用と労働条件の確保に向けて、引き続き取組みを強化しますが、今回の内容が「日本年金機構」にも大きく影響すると思われることから、社会保険庁及び厚生労働省当局に十分な説明と公正・公平な選考・採用を強く求めるものです。
 採用手順や労働条件等を中心に当面する質問事項について、社保庁当局より回答がありましたので内容をお知らせするとともに、職場での積極的な活用をお願いします。

許されない分限免職の発動
 社会保険庁改革に伴い「全国健康保険協会」(2008年10月)および「日本年金機構」(2010年1月)という新たな非公務員型の公法人が設立されます。しかし、業務は引き継ぎますが、職員の引継ぎ規定は措置されていません。そればかりか、かつての国鉄分割・民営化同様に、選別採用を行う枠組みが形作られています。自民党は、国会審議の中でも「社会保険庁の職員が漫然と新組織に移行するようなことはあってはならない」「分限免職を発動すべきだ」などと強調しています。
 国家公務員法第75条には職員の身分保障が規定され、安易に分限免職は行わないようにされています。中央省庁再編での組織再編や独立行政法人等の新たな法人設立、また郵政民営化にあたって雇用承継措置が設けられましたが、こうした背景には、国家公務員は「全体の奉仕者」として、政治家や業者などの圧力に対し公正・公平な行政運営が求められること、また、労働基本権が制約されていることなどがあります。
 一方、第78条では、@勤務実績がよくないA心身の故障B必要な適格性を欠くC定員の改廃や予算減少などを理由に免職や降任を行うことができるとされています。しかし、この場合においても、第75条の身分保障規定が基本となり、任命権者として回避の努力も尽くさず発動することは、職権の乱用になります。
 全厚生は、新たな組織の設立にあたって、希望者全員の雇用と労働条件の確保に向けて、政府・厚生労働省・社会保険庁が万全の対策をとるよう強く求めるものです。

社会保険庁職員の採用を大幅に制約する定数設定
 全国健康保険協会の組織人員は、常勤職員については、業務・サービス部門の効率化により現行より約200人少ない約2000人(他に健康事業財団より約120人)、非常勤約1500人(他に健康事業財団より約850人)で、社会保険庁職員からの採用予定者は約1800名を上限とし、民間からの採用や民間・国等からの出向により約300名を確保。ただし、必要な人材が確保されない時は、採用の内訳の変更もあり得るとしています。
 業務・サービス部門の効率化や事務の集中化による合理化などが前提になっているとは言え、こうした定数設定は、2010年1月の社会保険庁廃止の際の職員雇用にも大きく影響するものであり、重大な問題です。特に、「日本年金機構」については、民間委託する業務の範囲について内閣官房の下に設置された「年金業務・組織再生会議」において検討されていますが、その結果は、社会保険庁職員からの採用定数に大きく影響を与えます。
 日本の年金制度は、50年から60年にわたる長い間の加入記録や納付記録などの適正な管理が求められます。また、幾多の改正・経過措置が設けられる中で、正確に理解し運営するには、専門性と継続性の確保こそが基本となります。そうした業務運営を競争入札でたびたび業者や従業員が代わることも予想される民間委託にゆだねて、国民の年金権確保、サービス拡充ができるのでしょうか。

極めて問題の多い職員の採用基準
 全国健康保険協会設立委員会から示された職員の採用の基準では、「平成19年度上期における人事評価を踏まえ、従前の勤務成績等を勘案し」とされていますが、19年度上期は、年金記録問題への対応等の影響により当初設定した目標が達成できないなど、通常の状態ではなく、こうした中での評価を基準とすることは公平性が著しく阻害されます。また、一般職員にかかる従前の勤務成績等は適正な評価が行われていないと指摘のあった「勤務評定」が基本になると思われ、妥当性に欠けるものと思われます。
 さらに、「懲戒処分を受けた者及び社会保険庁改革に反する行為を行った者については、その内容、勤務成績、改悛の情を考慮、合わせて矯正措置等についてもその理由となった行為の性質等をきめ細かく勘案」するものとし、採否決定において過去に受けた処分を重要な考慮要素とするとしていますが、社会保険庁においては、過去10年間に6000人を超える被処分者が発生しています。その圧倒的多数は、国民年金保険料の「不適正免除」及び年金個人情報の「業務目的外閲覧」です。保険料の着服や横領などは論外であり厳しく処罰されるべきですが、「不適正免除」は、国民年金保険料の収納率改善が最大のテーマとされた社会保険庁改革の中で、組織的に業務命令として行われたのが実態です。また、「業務目的外閲覧」では、閲覧していないにもかかわらず、カード管理責任者として処分された者もおり、社会保険庁の管理責任が厳しく問われなければなりません。同時にこれらは、既に関係法令に基づき処分が行われているものであり、新組織への採用に当たり考慮基準とすることは二重制裁となり、重大な問題です。改革に反する行為とは何を誰がどのように判断するのか疑問があると同じように、恣意的な選別の基準になるのではないでしょうか。

十分な説明と公平・公正な選考・採用を
全国健康保険協会について当面の質問事項を提出
公共サービスにはふさわしくない成果主義の強化
 新組織設立にあたって職員の労働条件は引き継がれず、設立委員会が定める規定になっています。示された内容は、給与については「基本給は号俸制を廃止し等級ごとの上下限のみを定める範囲級方式」、賞与は「基本賞与と業績賞与の合計」などと、能力・実績主義を強調しています。また、切り替え時の格付けや範囲級の具体的内容などに不明な点が多く、職員の生活設計にも不安を与えるものです。
 全厚生は、人事評価制度については、公平性・客観性・透明性・納得性を備えた仕組みとすることを要求していますが、行き過ぎた「成果主義」の弊害が民間企業をはじめとする様々な職場で指摘されています。910億円もの保険金の不払いが社会問題となっている生命保険。利益追求するあまりの数々の食品偽装事件。成果主義の下、コスト削減や効率化が追求された結果でもあります。また、能力や実績を強調すれば、いたずらに競争心があおられ、職場のチームワークは乱れ、安定的な公共サービスの提供よりも、上司の意向や自らの処遇にだけ意識が向かいかねません。
 被用者保険の最後の受け皿として、国民の暮らしと命を守る健康保険制度の運営に、競争原理の導入・強化は、給付の抑制、サービス切り捨てにつながらないか懸念されます。

非常勤職員の雇用確保も重要な課題
 相次ぐ定員削減の強行や業務量増大の中で、非常勤職員や派遣・委託労働者が増大しています。非常勤職員は全省庁で約15万人に達し、一般職国家公務員との割合は全国で約2対1となっています。社会保険職場では、謝金職員、事務補佐員、国民年金推進員で10500人を超え、正規職員の6割強となっています。保険料収納対策が最大の課題となり、団塊の世代が年金受給権者となった今日、医療や年金制度に対する国民の期待と需要はますます高まり、業務量が急増しています。しかし、こうした中で重要な役割を担っている非常勤職員は、日々更新・有期の任用と低い時給単価、休暇制度など劣悪な労働条件におかれています。
 また、新組織への採用や労働条件等がどうなるのか全く示されていないこと、コールセンターの設置に伴い各電話センターが廃止されることなど非常勤職員の雇用問題も深刻です。

公務員法から労働法の世界へ
 全国健康保険協会は、非公務員型の公法人として設立されます。この変化は、職員が働くにあたり、法的な環境が根本的に変わることを意味します。公務員は、身分保障が前提となっていました。今まで、給与や勤務条件は国家公務員法にもとづく法律や人事院規則の適用を受けていました。2008年10月からは、行政を能率的かつ安定的に運営するための制度上の保障は失われ、労働基準法及び労働組合法を中核とする労働関係法規が適用される世界に移ります。そこには、労働条件を引き継ぐ発想は基本的にはありません。
新組織と各個人とが、新しく労働契約を締結するという関係になります。簡潔に言えば、労働条件や働くルールは、勤務条件法定主義という原則から離れて、労使自治の原則で「決定する」環境に代わります。

新たな労使関係のもとでの労働条件
 新組織では、労働条件を「決定する」ために労働者・労働組合の役割が重要な意味を持っています。労働基準法2条1項には、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」と規定しています。この規定は重要です。しかし、「対等の立場」といっても、使用者と個人では、実際には対等とは言えません。ですから労基法が定める労働条件は最低基準とし、それ以下の労働条件はすべて無効となります。その上で、労基法上で行わなければならない労使の協定が定められています。使用者は、本来、一方的に労働条件を決めることはできないのです。さらに、労働組合法では、労働組合の団結の力で労働協約締結し、働くものの権利や労働条件の向上をめざすことを労働者に期待しています。

すべての労働者を視野に入れた組合活動を
 今回示された労働条件を見れば、その変化は明らかです。勤務時間も休暇も、労働基準法をベースにしています。給与規定も範囲給という独自の規定がつくられていきます。新組織での労働条件で、直ちに必要な事項が生じます。労基法は、一定の制度を労使協定が結ばれている場合のみに認めているからです。例えば、「賃金の控除協定(24条)」、「時間外・休日勤務に関する協定(36条)」、「1カ月単位変形労働時間制の協定(32条の2)」です。この労使協定は、事業場ごとに、労働者の過半数を代表する者を選び、使用者代表と協定を結びます。職場に労働組合があり、過半数を組織している場合は、その労働組合と労使協定を結びます。ここでの過半数は、非常勤職員を含むすべての職員を母集団にした過半数をさしています。ですから、職場のすべての仲間を視野に入れた組合活動が決定的に重要です。新組織での働くルールを確立するために、団結を強化し、権利に強い組合活動を今からつくりあげましょう。

職員関係の採用等スケジュール(案)(社会保険庁資料より)
日程(時期) 全国健康保険協会関係 厚生労働本省(内部部局、地方厚生(支)局)関係
2007年10月25日 ・設立委員会から社会保険庁長官に対する採用基準の提示  
2007年11月中 ・全職員の意向調査
2007年12月上旬
〜2008年1月下旬
・希望者の集計
・希望者の調整
・厚生労働省及び社会保険庁の間で調整・決定
2008年2月上旬 ・全国健康保険協会希望者への最終意思確認
2008年2月末 ・長官から設立委員会への名簿の提出
2008年3月中 ・設立委員会における採用予定者の決定
2008年4月中 ・設立委員会から該当職員への通知書の発出
2008年6〜7月目途 ・採用予定者に係る移管業務への人事異動
2008年10月1日 ・全国健康保険協会への採用(9月末退職)
(注1) 現時点における目安であり今後変更があり得る。
(注2) 日本年金機構及び厚生労働省本省への移行関係スケジュールについては、別途示す予定です。

当局交渉・世論形成の運動を旺盛に
国民宣伝・シンポジウム・署名などの取り組みを
要求前進を目指し当局交渉実施へ
 公務員の大幅削減や総人件費削減などの公務員攻撃が激しさを増す中、公務の民間開放に加え、「官民交流の促進」や「公募制の導入」など公務員制度の全般的「改革」によって、公務・公共サービスを大企業を中心とする民間人によって、直接担うことが様々な形で狙われています。これは、憲法にもとづく国民のための行政(全体の奉仕者)を、企業のための行政(一部の奉仕者)に変質させようとするものです。
 日本経団連は、道州制の導入を「究極の構造改革」と位置付け、遅くとも2013年までに関連法案を制定し、2015年に道州制を導入して「平成の廃藩置州」を実現しようと様々な動きを見せています。これらの動きと軌を一にして経済財政諮問会議の民間議員が、「国家公務員役10万人縮減可」の試算を示したことは重大です。試算では、91ある地方出先機関の事務のうち、地方移管が可能な労働基準監督署などの15事務と交通基盤整理、廃棄物対策など地方と重複する46事務を洗い出すことで、全国約33万人のうち地方出先機関に勤務する21万人について約10万人(多い順に国交省は3・3万人以上、厚労省と農水省は全員など)の縮減が可能だとしています。
 こうした情勢の中で国公労連は、社会保険庁改革の名による公務破壊・雇用破壊の攻撃は、すべての公務労働者に降りかかる課題と位置付け、県国公を中心に事務局長要請や宣伝行動など様々な運動を展開し、引き続き取組みを強化していく方針です。
 全厚生は、当面、新組織設立に伴う雇用や労働条件の確保を目指し、厚生労働大臣、官房人事課長、社会保険庁など関係当局との交渉を実施していく予定です。

公務労組連絡会が取り組み強化へ
 全労連に結集する公務産別(国公労連、自治労連、全教、特殊法人労連)が、社保庁の組織改廃に伴う雇用や、業務のアウトソーシング問題は、地方自治体も含めたすべての公務員労働者(関連も含む)に重大な影響を及ぼすものとの認識から、法律の専門家も交えて今後の対応を公務産別規模で検討していくことを確認しました。
 具体的には、法的な問題点を明らかにするとともに、違法性・不当性を社会的にアピールしていくことが重要であり、@国公労連(県国公)を中心に、地方労連・地方公務産別組織、他の公務単産との共同などでの宣伝活動の強化、A労働組合や法律家・住民代表なども交えたシンポジウムの開催、B社会保険職員の雇用と権利を守ることに重点を置いた署名の取組み、などについて検討していくことになりました。また、自由法曹団の弁護士にも協力を得ながら運動を強化していく方向も確認されました。

質問事項に社会保険庁が回答
 全厚生は、採用基準・労働条件等に対する当面の質問事項を社会保険庁に提出していましたが、次のとおり回答がありました。回答は、今後の検討事項とする内容が多く含まれていますが、労基法に基づいての労使協議事項等からと思われます。引き続き、質問や意見をなんでもお寄せください。

社会保険庁交渉要求事項(案)
1. 社会保険庁改革に伴う新たな組織の設立にあたっては、選別採用などの雇用問題や労働条件の不利益変更などの問題が生じないよう、万全の対策をとること。なお、厚生労働省等への転任について、最大限の努力を行うこと。また、組織改廃に伴う分限免職は行わないこと。
2. 公的年金制度は国の責任で国の機関が運営すること。なお、年金記録の適正化、国民の権利保障のために必要な予算及び人員など、十分な体制を確保すると共に、職員の健康管理、及び安全対策を強化すること。
3. 欠員の早期補充を行うこと。
4. 所定勤務時間を1日7時間45分に短縮すること。昼休み休憩時間を1時間とすること。
5. 超過勤務を大幅に縮減し、ただ働き残業を根絶すること。超過勤務した場合は、給与法にもとづいて超過勤務手当を正規に支払うこと。
6. 疲労蓄積の防止、メンタルヘルス対策等、職員の健康と安全を確保すること。
7. 非常勤職員の賃金・休暇などの処遇を改善すること。また、新組織設立にあたっては希望者の雇用確保に努力すること。

全国健康保険協会職員の採用の基準
1. 職務に対する知識、技能、意欲、適正、日常の勤務に関する実績等に照らし、全国健康保険協会の業務にふさわしい者であること。これらについては、平成19年度上期における人事評価を踏まえ、従前の勤務成績等を勘案し、総合的かつ公正に判断するものとする。
2. 協会の理念・運営方針並びに実績及び能力本位の給与体系を含む協会の人事方針に賛同するとともに、法令等の規律を遵守し、被保険者のために業務の改革やサービスの向上に積極的に取り組む意欲があること。この点に関しては、誓約書に署名、捺印の上、提出した者であること。
3. 職務遂行に支障のない健康状態であること。なお、心身の故障により長期にわたって休養中の職員については、回復の見込みがあり、長期的にみて職務遂行に支障がないと判断される健康状態であること。
4. 懲戒処分を受けた者及び社会保険庁の改革に反する行為を行った者については、その内容等を踏まえ、勤務成績及び改悛の情を考慮して、可否を厳正に判断するものとする。あわせて、矯正措置等についても、その理由となった行為の性質等をきめ細かく勘案するものとする。
5. 年齢満60歳未満であること。
 上記のほか、職員の採用に当たっては、採用予定者数を上限とするとともに、協会における組織の運営や業務が適切かつ円滑に行えるよう、本部・支部の人数及び役職との整合性を図るとともに、広域的な人事異動を原則とする協会の人事方針や年齢構成のバランスを考慮するものとする。

Q&A
その1
全国健康保険協会の職員募集及び労働条件等に係る質問事項と回答


1.職員の募集及び社会保険庁長官の名簿作成

Q.1
 事前に行った職員現況調査において協会の職員となる意思を表示している者はどのくらいいるのか。また、事前調査の活用方法は
A.1
 今後の組織の変更等を考えていくうえで、職員がどのような意向にあるのかを把握する必要があるもの。結果について公表する予定はない。

Q.2
 「職員意向調査票」に基づく協会の職員となる意思を表示している者の確認は、本庁において一括して行うのか
A.2
 職員の所属という点で事務局が集約・確認をする。本庁が全体を調整。双方で対応することになる。また、意向として出されたものについては、そのまま集約する予定。

Q.3
 名簿搭載者は、採用予定者数(約1800名)の範囲内となるのか
A.3
 長官が採用基準に従い、協会の職員となるべき者を選定し名簿を作成することとされており、採用予定者数の範囲内となる。

Q.4
 協会の職員となる意思を表示する者は採用予定者数を上回ると思われるが、名簿搭載者が採用予定者数の範囲内であるとすれば、社会保険庁が名簿搭載者を調整(選別)するのか。調整は本庁において行うのか
A.4
 本庁及び各事務局において調整することになる。調整方法は、意向結果等を踏まえて、今後整理することになる。

Q.5
 社会保険庁は、年齢、級別、業務経験、地域等により調整するとしているが、具体的にはどのように行うのか
A.5
 意向結果等を踏まえて、今後整理することになる。

Q.6
 名簿は全国一本で作成するのか、それとも本部、支部ごとを考慮して作成するのか。広域的な人事異動との関係は
A.6
 形式等はまだ確定していない。
 広域的な人事異動との関係は明確にはいえないが、必ず所属している事務局と同一の県の支部に配属されるとはいえない。円滑な移行を考えれば一定考慮されるのではないか。

その2
全国健康保険協会の職員募集及び労働条件等に係る質問事項と回答


1.職員の募集及び社会保険庁長官の名簿作成

Q.7
 職員の人事については、本部において一括して行い、かつ広域的な人事異動を原則とする、としているが、組織発足時における就業の場所についても広域的人事異動を原則とするのか。広域的な人事異動を条件に採用するのは、改正男女雇用機会均等法に抵触しないのか
A.7
 人材の育成や活用、組織の活性化を図るため広域的な人事異動が必要。
 改正男女雇用機会均等法には抵触しないと考えている。
 広域的異動が困難であることのみをもって選定されないということにはならないと考えている。職員の理由等を確認することになる。

Q.8
 名簿に添付する必要な添付書類はどのようなものになるのか
A.8
 意思確認書、誓約書などが考えられる。

Q.9
 非常勤職員の採用計画、採用基準、協会支部ごとの定数、募集日程等は
A.9
 今後、設立委員会で議論されることとなる。

Q.10
 広域異動にブロック外の支部間異動は含むのか
A.10
 ブロック外として、本部と支部間、支部と支部間の広域的な異動が想定される。

2.厚生労働省への転任及び日本年金機構に移行する業務量

Q.1
 厚生労働省内部部局への転任予定人数はどの程度見込んでいるのか
A.1
 省大臣官房人事課が所管。現時点では調整中。

Q.2
 地方厚生局への転任予定人数はどの程度見込んでいるのか
A.2
  前項と同じ

Q.3
 厚生労働省への転任希望で一回目と二回目の希望提出の内容は
A.3
 職員配付資料で示しているのは、一回目は現在社会保険事務局で所管している医療関係業務の移管、二回目は社会保険審査官業務の移管をイメージしたもの。

Q.4
 日本年金機構に移行する業務量見合いの人数はどの程度見込んでいるのか
A.4
 機構の業務、人員等は再生会議の議論を待つ必要がある。現時点では、お示しできない。

Q.5
 2010年1月に全国健康保険協会業務となる新船員保険の定数は
A.5
 現時点では、お示しできない。

Q.6
 地方厚生局にかかる都道府県分室の場所・定数は
A.6
 前項と同じ

3.職員の採用の基準

Q.1
 「採用の基準」の適用(採否の判断)は具体的にどのように行うのか。社会保険庁から提出される書類による書類審査のみか
A.1
 現時点では、書類審査によることが想定される。

Q.2
 長官は、名簿作成において「採用の基準」を適用し調整(選別)するのか
A.2
 採用基準に従い行われるもの。

Q.3
 調整は具体的にどのように行うのか
A.3
 今後、整理をすることになる。

Q.4
 平成19年度上期の人事評価は、年金記録問題での「特別体制」下にあり、公正な判断となるのか。また、一般職員については、一回のみの人事評価であり、かつ、相対評価から、公正さが担保されるのか
A.4
 平成19年度上期の人事評価を踏まえ、従前の勤務成績等を勘案し、総合的かつ公正に判断されることになる。

Q.5
 病気休暇、育児休業等で人事評価期間のない者はどうするのか
A.5
 これまでの勤務成績等を勘案し総合的に判断されることになる。

Q.6
 健康状態について、「回復の見込み」の判断はどのように行うのか。特に、「心の病」について
A.6
 医師の診断結果を下に判断することが考えられる。

Q.7
 懲戒処分を受けた者及び社会保険庁の改革に反する行為を行った者については、その内容等を踏まえ、勤務成績及び改悛の情を考慮して、可否を厳正にするとしているが、改悛の情の判断はだれが、どのような基準で行うのか。また、改革に反する行為とはどのようなものか
A.7
 処分を受けた者でも、その後の様々な頑張り等を評価することになる。
 改革に反する行為については、個別に判断されるもの。

4.労働条件

Q.1
 労働条件について、国との相違点を明らかにすること
A.1
 労働条件の内容を確認されたい。

Q.2
 就業の場所について、出向を命じられた場合は出向先となっているが、予定している出向先は
A.2
 設立委員会では、適用徴収業務に関する人事交流は必要ではないかとの意見はあったが、人事交流の内容は決まっていない。

Q.3
 変形労働時間制を適用する理由は。また、どのようなときに適用するのか。育児、介護、看護等の申請者についての扱いはどのようになるのか。また、変形労働時間制は労使協定により定められるものと理解するが、どうか
A.3
 どのようなときに変形労働時間制を適用するかは決まっていない。今後、協会において定められることになる。

Q.4
 年次有給休暇について、所定労働日の8割以上出勤した職員に20日の年次有給休暇を与えるとしているが、国の基準を変更した理由は
A.4
 民間準拠によるもの。

Q.5
 年次有給休暇について、繰り越しは
A.5
 労基法上、請求権の時効が2年とされていることから、必要な経過的な取扱いは定めることとなると考えられるが、基本的には年次有給休暇として付与されてから2年間は取得できる。

Q.6
 年次有給休暇の請求単位について、例外的に特に必要があると認められる場合1時間単位とすることは
A.6
 今後の労基法の改正を踏まえ検討することとなる。

Q.7
 病気休暇について、医師の証明等は日数に関わらず必要とするのか
A.7
 所属長が必要と認める場合は、医師の証明は必要。

Q.8
 病気休暇の期間は90日を限度(私傷病)としているが、越えた場合の扱いは
A.8
 療養を継続する必要があり勤務できない場合は、原則として休職となる。

Q.9
 母性健康管理のための休暇について、妊産婦の危険有害業務の就業制限、簡易業務転換、時間外休日労働の禁止、通勤緩和の規定は
A.9
 今後決めていくこととなる。

Q.10
 特別休暇について、夏季休暇は。子の看護休暇は時間単位でとれるのか
A.10
 夏季休暇は設けていない。年次有給休暇の計画使用の中で整理することになる。子の看護休暇の取扱いは今後決めていくこととなる。

Q.11
 育児休業について、短時間勤務を就学前までとすることは
A.11
 今後決めていくこととなる。

Q.12
 介護休業について、短時間勤務の単位は
A.12
 今後決めていくこととなる。

Q.13
 給与(基本給)について、切り替え時の格付け(基準)はどのように行われるのか。また、範囲給とはどのようなものか
A.13
 切り替え時の格付けは、能力と実績等に応じて協会が決定。
 範囲給は、等級ごとの上下限のみを定めて、基本給の決定に当たり、等級別に職員の能力及び実績に応じて上下限の範囲内で決定するというもの。

Q.14
 給与(昇格)について、一定の基準は定められるのか。例えば、「級別資格基準表」など
A.14
 今後決めていくこととなる。

Q.15
 給与(昇給)について、号俸制は廃止するとしているが、昇給による基本給格付けはどのように行われるのか。規則等で明示するのか、ブラックボックスか
A.15
 昇給は改定率を設けて行う。実績及び能力に関する人事評価に基づいて昇給又は降給が行われる。

Q.16
 賃金(手当)について、管理又は監督の地位にある者の範囲とその他の役職手当を受ける者の区分は
A.16
 グループ長以上と本部の専門的知識を有する者が対象。

Q.17
 退職(定年)について、定年に達した日の属する月の末日をもって退職するとしているが、定年に達した日以後の最初の3月31日とすることは
A.17
 定年退職の日は、定年に達した日の属する月の末日に変更。

Q.18
 賞与について、別に定める「基本賞与算定基礎額」及び「支給割合」が示されていないが、どのような規定となるのか
A.18
 今後決めていくこととなる。

Q.19
 休職について、心身の故障のため、療養を継続する必要があるため勤務できない場合の期間は1年としているが、3年とすることは。休職期間が満了した場合、退職となるが
A.19
 心身の故障による休職期間は1年に変更。

Q.20
 その他、今後、諸般の動向等を踏まえ、数値等について変更があり得るとしているが、どのようなことについて想定しているか
A.20
 給与法の改正等による変更を想定している。

5.その他

Q.1
 健康保険給付業務等のサービスを確保するには、年金事務所にも窓口が必要ではないか
A.1
 職員の巡回や外部委託による窓口体制の確保を検討している。

Q.2
 広域異動に伴う宿舎等はどのようになるのか
A.2
 宿舎は今後検討。今宿舎に入居している人は、原則として20日以内に退去することになる。ただし、相当の事由がある場合には、宿舎の維持管理機関の承認を受けて6月の範囲内で引き続き当該宿舎を使用することができる。

Q.3
 就業規則等どのような手続きで策定するのか
A.3
 協会の設立までに労基法等を踏まえ策定されることとなる。

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