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◆第1793号 (2017年5月15日付)◆
組織拡大し職場要求実現へ 働きやすい職場へ奮闘
福祉職場で新組合員
新採職員へ制度説明会

 全厚生は2月に中央委員会を開催して以降、全労連・国公労連に結集し、国家公務員及び非常勤職員の統一賃金要求の実現に向けて奮闘してきました。同時に、4部門の重点課題の取り組みや不当解雇撤回闘争をはじめ、「10年短縮年金の学習会」を開催したほか、各職場で一人ひとりの組合員の要求を取り上げ所属長交渉を展開してきました。特に組織強化・拡大に力を入れ、新組合員を迎えるなど一定の成果を上げています。最近の主な取り組みを報告します。
 本省支部の非常勤部会では、仲間を増やして働きやすい環境を作るために、「誰がいい?この人いいのでは?」と、みんなが自然に声をかける流れが出来ています。このような流れの中で、この春に3人の仲間を迎え入れました。さらに、新規採用職員を対象とした組合説明ランチ会や制度説明ランチ会を実施するなど、積極的な取り組みを続けています。
 福祉部門では、別府支部で看護師の職員が加入。日頃からセンター存続の問題や処遇等に不安を抱え、労働組合の必要性を感じて加入に至りました。
 社会保険部門では、関東、近畿両支部で年金学習会を開催し、これをきっかけに1名が加入。また、在京・関東の青年交流企画では、年金事務所の青年職員がその場で加入に至りました。
 試験研究機関部門では、新歓BBQ大会、親睦お花見会などを開催し、感染研支部では青年の任期付研究員が加入。この青年は中央メーデーにも参加して他部門の青年と交流しました。
 このように、各部門で様々な工夫を凝らしながら拡大の取り組みが展開されています。次の大会で組合員純増を達成するため、これらの取り組みを更に前進させ、広がりのあるものにしなければなりません。それぞれの職場で労働組合の存在感を示し、多くの仲間を迎え入れましょう。


400人超の欠員状況
劣悪な機構職場
近畿支部で学習会開く

 日本年金機構では全国で400人を超える欠員状況です。職場では、雇止めで経験者も不足し業務が回らないとの悲鳴の声が全厚生に寄せられています。
 「機構は、法改正を繰り返すこの制度の専門性や難易度や責任、不祥事続きの組織の批判を浴びねばならない辛さ、ホントに考慮されているのでしょうか」「退職者続出、採用されても数日?数カ月で退職の繰り返しです」「機構は私達非常勤を馬鹿にしてる。私達がストを起こしたら運営が成り立たなくなる!」「欠員で手が足りず、年金相談担当者が事後処理の作業も兼ねてやっている。残業するな、待ち時間短縮、事務所誤り起こすな、などは無理」
 近畿支部では4月1日、「社会保障学習会」を開催。組合員・OB含め、24名が参加。
 学習会では、私たちの仕事の誇りを取り戻すために、社会保障は労働者が勝ち取ってき権利であることを再認識し、講師団活動を通じて、みんなが制度を「変える」意識を持つよう伝えていくことが必要だと確認しました。また、参加者から雇い止めなどによる人員不足で、不安がいっぱい、余裕のない職場での人間関係の悪さ、人材育成の軽視、現場を無視した拙速・不十分な指示の連発など、劣悪な状況にある実態が報告されました。社保障制度を学び、充実させていくことと、職場状況の改善が急務であることを確認しました。

労働者代表に選出
及川・佐藤・小川の各氏

 労働基準法では一定の労働条件の決定にあたっては労働者の過半数を代表する者と協議するとしていますが、労働組合が過半数を組織できていない職場では、労働者の過半数を代表する者を「労働者代表」とすることとなっています。こうした中で、日本年金機構の関東支部神奈川事務センター分会では及川さんが、機構本部に新たにつくられた機構本部支部府中分会では佐藤(正)さんが、近畿支部の西宮年金事務所分会では小川さんが、各々、職場の仲間のために代表になりたいと立候補、対立候補が出る中で、組合員が「職場の仲間を守れるのは全厚生しかない」と投票を訴え競り勝ち、三人とも労働者代表に選出されました。


最高裁は公正な判断を
京都 川口さんが訴え
最高裁前で初の要求行動

 国公労連は4月11日、社保庁不当解雇撤回闘争・賃下げ違憲訴訟最高裁前要求行動を実施。冷たい雨が降る中、全厚生からは11人(全体では250人)が参加しました。
 社保庁闘争の原告を代表して京都事案の川口さんが決意表明を行い、「昨年11月16日の大阪高裁では請求棄却という到底受け入れられない判決が言い渡され、京都原告15人全員で最高裁に上告し、本日に至っている。生活する糧、あたたかい家庭、そして家族の命までをも奪った社保庁の解雇事件。私たち公務員には、憲法で謳われている生存権、労働権、幸福追求権は保障されないのか。公務員の基本的人権をめぐるたたかい、決して負けられません」と力強く述べました。
 人権の砦といわれる最高裁。行政府と立法府による乱暴な解雇を質すのは、司法しかありません。公正な判断を求め、今後も最高裁への要請を続けます。


戦争法廃止・共謀罪許すな
全国各地で憲法集会
安倍政権の暴走にストップを

 日本国憲法施行70年、憲法を守り活かし、平和といのちと人権を――5・3憲法集会が5月3日、東京臨海広域防災公園で開かれ、5万5000人が結集、全厚生からは8人が参加しました。
 集会には、民進党、共産党、自由党、社民党の代表が決意表明しました。
 集会終了後、台場・豊洲の2コースをパレードし、沿道の人々に「安倍政権の暴走にストップを」「思想信条の自由を侵し、監視社会を強化する共謀罪に反対しよう」「戦争法の廃止を」「辺野古新基地建設の撤回を」などを訴えました。
 全国各地で憲法集会が開かれ、京都、愛知、神奈川などで全厚生組合員、OBが参加しました。

なくそう核兵器
国民平和大行進がスタート

 原水爆禁止国民平和大行進が5月6日、東京・夢の島公園第5福竜丸展示館前からスタートしました。この行進は、全国各地から被爆地の広島・長崎に向け、「なくそう!核兵器」の思いをつなぐ行進です。
 今年も国際青年リレー行進も行われます。米国の大学生のケイラさんが出発集会で決意を述べ、東京、神奈川、静岡の全日程を高校生平和ゼミナールの高校生とともに歩きます。
 全厚生の仲間も、6日は夢の島から芝公園、7日は芝公園から川崎まで、平和行進の旗を掲げて元気に行進しました。
 6日の出発集会には700人が参加し全厚生からは山本潔委員長、本部役員、関東支部、OBなど10人が参加しました。二日目は川名健書記と鈴木中執が川崎まで行進し、都県境の六郷橋からは関東支部の神奈川の仲間が合流しました。

憲法改悪を許すな
全厚生メーデーに結集

 戦争法廃止!許すな共謀罪!憲法改悪を許さない!なくせ貧困と格差、大幅賃上げ・底上げで景気回復などをスローガンに5月1日、代々木公園で第88回中央メーデーが3万人を結集して開催されました。全厚生からは本省支部・感染研支部をはじめ山本潔委員長ら本部役員、OB・OGなど35人が参加し、新宿まで行進しました。
 日本国憲法の施行から70年目のメーデーでは、戦争する国づくり、企業中心の国づくりへと暴走する安倍政権と対決し、憲法を活かして平和と民主主義、人間らしく生き働き続けられる社会の実現をめざす決意を固め合いました。全厚生各支部でも、各地のメーデーに結集しました。

責任の所在が曖昧
国立健栄研の移転方針

 国立健康・栄養研究所の大阪府への移転方針が3月31日に決定(4月7日公表)。その内容は(1)大阪府に全部移転、(2)移転先は北大阪健康医療都市の健都イノベーションパーク内、(3)移転先の施設は健都イノベーションに建設される民間賃貸施設、(4)移転スケジュールは、平成31年度中を目標に移転を開始し、速やかに全部移転を進める方針です。ただし、「移転に伴い増加が見込まれる研究所の運営上の負担に対する協力の在り方」に関する合意を条件とし、厚労省、研究所、大阪府との協議・調整を行うとしています。
 全厚生は「国立健康・栄養研究所の根本機能を損なわず、役割が発揮できる成案を得るために十分な協議を汲み尽くすこと。研究所の根本機能を損なわないために、全部移転に関する『ビジョン』を明確にして対応すること」等の要求を掲げ交渉。しかし、今回の方針は、移転の詳細や地元の受け入れ体制は決まっていません。先行き不透明で責任の所在も曖昧です。これまでの要求を堅持し、健栄研支部と一体で交渉を強化します。


札幌地裁が不当判決
国の責任を認めず
全厚生闘争団が満身の怒り

 札幌地裁は4月25日、社保庁不当解雇撤回裁判北海道事案の一審判決を言い渡しました。約100人の支援者が駆けつけ、傍聴席(80席)が満席となりました。
 判決は、原告の請求をすべて棄却するという不当判決。政府の解雇回避努力義務について、厚労大臣等に必要に応じて協力し補完する義務を負うとして一定の範囲で法的義務を認めたものの、国の対応に合理性を欠く事情はなく、処分に違法はないとしました。また、病気休職中の解雇という特殊事情についても「やむを得ない」の一言で一蹴し、説得的な理由は示されませんでした。
 判決後は報告集会が開かれ、原告のTさんは「理解しがたい判決。これまでの7年間、裁判官は何を聞いてきたのか」と語り、判決に対する悔しい思いを述べました。これに対し、駆けつけた全厚生闘争団の仲間や支援者からは「今日の判決には満身の怒りを覚えた」、「みんなでTさんを支えていきたい」などの激励の言葉が投げかけられました。
 このような激励に対し、Tさんは「なんとかここまで辿りつけたのも皆さんのご支援のおかげです」と目を潤ませながら感謝の気持ちを述べました。
 これまで各事案で不当判決が続いてはいるものの、全体としては確実に前進しています。今後も、全厚生は「まるごと闘争団」として勝利に向けて全力を尽くします。

裁判日程
〈秋田事案〉5月17日午後1時30分〜仙台地裁・第16回口頭弁論、6月7日午前10時〜仙台地裁・第17回口頭弁論(どちらも尋問期日)
〈愛媛事案〉5月29日午後2時〜高松高裁・第3回口頭弁論
〈東京事案〉6月29日午後1時15分〜東京地裁・第17回口頭弁論(判決)


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