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◆第1790号 (2017年1月15日付)◆
政府の責任で解雇撤回を 塩崎厚労大臣と団体交渉
憲法25条活かす行政を
山本副議長 全面解決を強く要請

 全厚生と全医労で組織する厚生共闘は12月22日、塩崎恭久厚生労働大臣と団体交渉を実施。厚生共闘からは、佐藤議長、山本・香月副議長、川名事務局長以下、幹事会メンバーが出席しました。
 冒頭、佐藤議長は(1)憲法25条の理念を活かし、医療並びに公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展させるために、「定員合理化計画」を撤回し、大幅な増員を行うこと。各機関、各分野の行政サービスを後退させず、職員のモチベーションを高めるため、現場の職員の意向を十分考慮し、必要かつ充分な人員と予算を確保すること。(2)国立ハンセン病療養所の医療、介護、看護の充実を図るため、医師、看護師、介護員等の必要な体制を確保すること。看護師の夜勤体制は複数月6日以内とすることの要求趣旨を説明。
 続いて山本副議長は(3)社会保険庁の廃止に伴う不当な分限免職処分について、人事院の公平審査請求で処分取消の判定が出され、かつ分限免職回避努力が不十分であると認定したことを真摯に受け止め、政府・厚労省の責任で処分撤回、全面解 決のために最大限の努力を行うこと。ILO勧告を尊重し、誠実な対応を行うことの要求趣旨を説明しました。

ハ病療養所の充実を
佐藤議長再要望 職場復帰の再検討を

 分限免職処分の課題については、納得できる回答とは言えません。個々の事案、個別事情の問題では決してありません。豊富な経験と能力を持っている職員が今、苦しい立場にいます。国民から信頼される年金業務体制の確立のためにも貴重な職員の職場復帰を含めて再検討を求めます。
 最初の2つの課題は、国民の命と健康を守るために、現場の切実な要求を受けとめていただいたと感じました。引き続くご努力をお願いします。
 特に、ハンセン病療養所の入所者は、平均85歳となっています。職員はぜひ最後まで入所者に寄り添って、丁寧な医療、看護、介護に精勤したいと思っています。まだまだ入所者の療養環境の改善が求められています。看護師、介護員の増員と労働環境の改善に向けた特段の努力を求めます。
 今後とも、国民の期待に応えて、行政を安定的・継続的にすすめる立場で一層のご奮闘をお願いします。

大臣回答

●憲法25条の理念を活かし、必要かつ充分な人員と予算を確保する課題
◎厚生労働行政の果たす役割は益々大きく国民の期待は大きい。仕事が増える中、国家財政が厳しい条件の下で総人件費の抑制など行財政改革は絶えず着実に推進しなければいけない。安心・安全に直結する大事な分野を担っている。今後とも必要な体制の確保に最大限の努力をしていきたい。
●国立ハンセン病療養所を充実させる課題
◎必要な人員について従来から確保には努力している。今後とも最大限の努力を図っていきたい。複数月6日以内の夜勤体制には相当数の増員が必要で難しい。高齢化が進む中での看護業務の実態、病棟に入院する入所者の状況等に応じた体制の確保に取り組んでいきたい。
●社保庁職員の分限免職処分を撤回させる課題
◎分限免職処分を取り消した人事院の判定は重く受け止めている。一方で大阪高裁判決等も処分そのものに違法性があると判断されたわけではない。分限免職処分を見直すこと自体は考えていない。ILO結社の自由委員会の報告書について、委員会の今後の審議経過及び勧告内容を踏まえた上で適切に対応したい。


国民春闘に全力
裁判勝利、要求実現を

春闘ビラを元気に配布

 国公労連は1月6日、全労連・国民春闘共闘の一環として「新春統一行動・全国一斉新春宣伝行動」を東京の虎ノ門交差点前で行いました。
 この宣伝行動には国公労連・各単組から60人が集まり、全厚生からは杉浦副委員長、川名書記長、大門中執が参加。寒風の下で出勤を足早やに急ぐ労働者に2017年国民春闘ビラを元気よく配布しました。
 全厚生は、本省・研究機関・福祉・社会保険のどの部門でも組織強化・拡大、切実な要求が山積しています。なかでも社保庁不当解雇撤回裁判のたたかいは非常に重要な局面を迎えています。
 このような諸課題に引き続き粘り強く取り組むとともに、暴走する安倍政治NO!労働条件改善、安心して暮らせる社会を目指して、17春闘に全力で取り組むことが求められています。

解雇撤回の実現を
山本委員長 一人の要求を全体で

 新しい年を迎えました。みなさんは、どのような思いをもって、新しい年を迎えましたか?幸せを心から感じられる年にしたいですね。「年が明けたら、めでたくなかった」あの日から、7年が経ちました。あの安倍政治にやられたと思うと、ますます許せません。何としても安倍政治を宇宙のかなたに放り出して、政治を私たち国民の手に取り戻しましょう。
 この春闘では、一人の要求を全体の力で実現してきた全厚生のたたかいの現代版をつくりあげ、解雇撤回をはじめとする要求を何としても実現しましょう。こんな名言をご存知ですか?「小指の痛みも全身で」


国民春闘、意気高く 官民共同の闘いに全力

川名書記長に聞く

労働条件の改善を
職場集会で要求を集約

 いよいよ2017年春闘がスタートしました。「STOP暴走政治!守ろう命と平和・憲法賃金底上げと雇用の安定、地場産業振興で地域の活性化」をスローガンに全国各地で闘われます。全厚生は、大会方針を具体化し、三つの課題を重点に2月〜6月までの5か月間、闘いを進めます。
 第1には大幅賃上げと労働条件改善、職場要求の前進です。3年連続の賃上げとはいえ「給与の総合的見直し」などで地域間格差は広がり、実質賃金は下がっています。春闘での民間労働者の賃上げが、人事院勧告の大幅賃上げにつながります。春闘での「官民共同」の闘いが重要です。3月8日の中央行動や民間山場の3月16日の「全国統一行動」などに結集して要求前進を目指します。
 また、本省、社会保険の職場では、定員削減や業務量増で慢性的な超過勤務の実態が改善されていません。研究機関の職場では、基盤的研究の充実、運営費交付金拡充などが急務の課題です。福祉の職場では、福祉俸給表の改善や、「モンスターペイシェント」による職員の体調不良など実態が報告されています。
 本部では、厚労省等との交渉を重ねるなど労働条件改善を求めていきます。各支部では、職場集会等を開催して職場の課題を集約して本部に寄せてください。また、非正規職員の処遇改善に向けて、中央委員会の翌日の2月5日に「非正規職員の雇用確保・処遇改善決起集会」を開催します。

裁判闘争の勝利を
国民犠牲の政治を変えよう

 第2には、安倍政権の暴走ストップ!乱暴な解雇を許さない闘いです。政府は、南スーダンへの駆けつけ警護、辺野古新基地建設など日米同盟強化、戦争する国づくりに突き進んでいます。また、「残業代ゼロ」など労基法の改悪や医療、介護、年金制度の大改悪を推し進めています。国民犠牲の政治を変えさせるために全労連、国公労連、各県労連等が提起する行動・集会に結集します。
 また解雇撤回裁判は高松地裁、大阪高裁での判決に続き3月に北海道、愛知事案で地裁判決が示されるなど重要な局面を迎えています。全厚生の仲間の激励と不当解雇撤回を進めている労働者のたたかいとも連帯して勝利にむけて奮闘します。

組織強化・拡大を
職場に労働組合の風を

 第3のポイントは組織強化・拡大です。この間の経験を生かし2017年春闘では各部門・支部が運動に自信をもって、働く仲間の労働組合への期待に応え組織強化・拡大の取り組みを全支部で、大きなうねりにするために全力を尽くします。
 春闘で各支部が、元気にたたかう国民との共同の行動に支部旗を掲げ、職場の仲間と対話をすすめ、職場に労働組合の風を吹かせ要求前進を勝ち取りましょう。新規採用者だけでなく、未加入の職場の仲間に声をかけ、組織強化・拡大をすすめ、笑顔のある職場を取り戻 しましょう。


厚生科学課長と交渉
基礎研究の拡充を

 全厚生は12月13日、試験研究機関の重点課題で厚生科学課長交渉を実施。交渉団は、杉浦副委員長、川名書記長、大門・野口・山田中央執行委員、感染研・国衛研・基盤研・健栄研の各支部代表の11人が出席。厚生科学課からは、佐原課長、下川研究企画官らが対応しました。
 冒頭、杉浦副委員長が要求趣旨を説明。各研究所の基礎体力の低下に歯止めをかけ、役割発揮のための厚生科学研究の役割発揮のための予算と人員の確保を求めました。これに対し、佐原課長が一括回答。回答を受けて再要望を行い要求実現を迫りました。

各研究所の拡充を要求

 国立試験研究機関を拡充する課題では、「『基礎・基盤的研究』は必要不可欠な研究業務と認識している。機関の重要な機能を果たせるよう人員と予算確保に努める」と回答。これに対し感染研の基礎体力の低下の現状を多面的に指摘し、各研究所の拡充を求めました。情報ネットワークのシステム構築の課題では、「各機関の情報システム関係の予算や組織・定員は、毎年、機関からヒアリングを行った上で要求している。サイバーセキュリティ担当参事官室や各機関と日頃より充分調整しながら業務を進めている」と回答。これに対し作業を有効に進めるため、研究所をよく理解する専門家の配置を要望しました。

川崎移転の予算確保を

 国立医薬品食品衛生研究所の川崎移転の課題では、「移転費用は国立衛研の意見を伺い予算確保に努めている。移転後の安定的な研究運営についても機関からの意見を伺い必要な予算と人員の確保に努める」と回答。これに対し、移転費用の確保を強く求めるとともに研究運営を支える非常勤職員の安定的な確保への努力を求めました。

感染症対策の方法質す

 国立感染症研究所の研究体制の拡充の課題では、「感染研における将来起こり得るかもしれない未知の感染症に対応するための研究や国際的に脅威となる感染症対策に必要な研究は、いずれも重要な研究であると認識している。必要な人員と予算の確保に努めていく」と回答。これに対し、薬剤耐性感染症制御研究センター(仮称)の創設の予算や定員要求の内容や方法で質しました。また、公務員宿舎の恒常的な確保のために引き続く努力を求めました。

運営費交付金の確保を

 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の維持・拡充のために運営費交付金を確保する課題では、「中長期計画に基づき、財政措置を行う。平成29年度要求について必要な予算が確保できるよう努力していく」と回答。これに対し、運営費交付金の削減で研究運営が困難になっている現状を述べ、増額の努力を求めました。

健栄研の移転で機能を損なうな

 健康・栄養研究所の大阪移転の課題では、「今年度中に成案を得るべく、調整を行っているところ。移転にあたっては職員の身分・労働条件の後退を招かないよう同研究所に伝える」と回答。これに対し、検討案では根本機能が損なわれると指摘し役割発揮ができる成案を得る努力を求めました。併せて年度内の引き続く協議を求めました。

雇用確保、処遇改善を
2月5日 非正規職員の決起集会

 2月5日10時30分より、浅草セントラルホテル、「非正規職員の雇用確保・処遇改善決起集会」を開催します。集会は、雇用の安定と、処遇改善の取り組み強化に向けた決起の場です。多くの組合員の参加を呼びかけます。内容は「公務職場の非正規職員の実態報告」(国会議員)「公務における非正規労働者の問題」(国公労連)、職場実態報告、行動提起などを予定しています。

折り鶴イヤリングを作成中
本省支部非常勤部

 本省支部では毎年、原水爆禁止世界大会へ代表を派遣しています。非常勤部では派遣を前に千羽鶴作りが恒例となっています。その流れもあり、今年は折り鶴のイヤリングとピアスを作って、大会参加のカンパ活動に取り組んでいます。平和でこそ、出来る活動だと実感しています。


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