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◆第1788号<別刷> (2016年10月15日付)◆
70年の歴史を活かす 新たな10年に向かって
全厚生の原点鮮明
社会保障を守る運動の先頭に

 全厚生結成70周年記念レセプションは9月10日、第80回定期大会の会場である東京・浅草で開かれ、国公労連・岡部勘市委員長はじめ全厚生運動にかかわった先輩たちと大会代議員ら100人を超える人たちが参集しました。会場では先輩と現役組合員の交流が続きました。参加者は改めて全厚生の70年間の歴史と伝統、社会保障運動に果たした役割に確信を持ち、新たな10年となる80年、さらに100年に向かって歩んでいくことを誓い合いました。

 レセプションは全厚生本省支部「渡名喜まゆ子と仲間たち」による阿波踊りで賑やかにオープニング。これにはちびっ子二人のかわいい踊りも加わって拍手喝采の幕開け。
 主催者を代表して山本委員長が来賓の方々へ感謝を表明し「先輩諸氏が脈々と闘い築いてきた全厚生の歴史を受け継いでいきます」と挨拶しました。
 続いて元全厚生委員長、公文昭夫氏、岡部国公労連委員長が祝辞を述べ、杉下茂雄元委員長の音頭で乾杯しました。杉下さんは「全厚生の魅力あるところは、本省・研究機関・福祉施設・社会保険の4部門がしっかり団結していることだ。全厚生の原点である平和なくして社会保障の前進なし。しかし今、それを壊そうとする攻撃が強まっている。その攻撃に抗して80年、100年と活躍してほしい」と熱いエールを送りました。

先輩と熱い語らい
歴史を受け継ぐ決意も新た

 料理に舌鼓をうち、グラスを手にあちらこちらで歓談する姿がありました。また先輩たちの熱い3分間スピーチを聞き漏らすまいと耳を傾ける現役の姿もありました。大会当日に組合に加入した青年と社会保険業務センター出身の方との歓談の姿は、70年の歴史のバトンをしっかり受け継ぐ印象的なひとコマとなりました。会場では、女性部活動に情熱を燃やした女性の方々の歓談の輪、社会保険支部出身の人々の歓談、全厚生運動を裏方で支えてきた書記出身の方々の姿――こうした姿には一人ひとりの組合員を大事にする全厚生への愛着と誇りが感じられました。

組織の勢い取り戻せ
大倉元委員長が熱く語る

 挨拶に立った大倉修二元委員長は、全厚生に40年間かかわってきたことに触れ、本省・研究機関などの在京支部連合でスタートした全厚生を全国組織化していく取り組み、塩原光明寮(同視力障害センター)で初めて全厚生の組合を結成した時の話など、厳しい状況の中で一人、ひとりと組合への賛同者を増やしてしていった闘いの経験は若い組合員はもちろん中堅組合員にも大きな感銘を与えました。
 大倉さんは「61年の定期大会で全国組織化の方針を出し62年から始めました。最初に取りかかったのは塩原光明寮でした。どこで結成大会をやったか、当時の建物は大正天皇が療養していた施設で、そこにあった『天皇の間』でやったのです。大変な反響を呼びました。その後、社会保険の組織化に取り組み、香川を皮切りに岐阜・愛媛・愛知・秋田の各県に社会保険支部を結成していったのです」と述べました。最後に大倉さんは「いろんな苦労をしながら社会保障運動の先頭に立ち組織拡大に努めてきた。社会保険の仲間にかけられている不当な解雇を跳ね返し組織の勢いを取り戻し全厚生を盛り上げ大きくしてほしい」と激励しました。

再軍備より社会保障を

 全厚生は平和と社会保障の分野で重要な役割を担ってきました。
 1954年、吉田内閣が進めた軍事費を増やし社会保障削減の予算案に反対し、社会保障費の切り下げを阻止しました。
 これには全厚生が、日比谷公園側の厚生省庁舎に「再軍備より社会保障、厚生行政を守れ」の懸垂幕をさげ世論を盛り上げたことが大きく影響したのです。これこそ全厚生の原点の闘いでした。


全厚生の輝かしい歴史
 社会保障運動に貢献
公文昭夫氏 全厚生とともに歩む

 来賓挨拶に立った年金実務センター代表の公文昭夫さんは、長年社会保障、年金問題についてのエキスパートであるとともに、社会保障運動の先頭に立ってきた方です。
 公文さんはまず「全厚生が結成70周年を迎えたことは輝かしく、本当に大きな重みを持った歴史だと思っています」と述べました。そして全厚生の前身である厚生職組が果たした役割に触れながら、次のように述べました。「私は日本労働組合総評議会(総評)が55年初めて春闘をスタートさせた時に社会保障担当になりました。これまで総評には独立した社会保障担当部署はありませんでした。54年、吉田内閣が軍拡・社会保障を切り下げる予算案を出してきたときに、全厚生がその反対の先頭に立ち、切り下げを食い止めたのです。それ以来、全厚生は小児麻痺の子供にワクチンを、生活保護費の切り下げに反対し、生存権を求めて闘われた『人間裁判』の朝日訴訟など社会保障運動の先頭に立ってきたのです。私はその全厚生とともに歩んできたことに誇りを持っていますし私の人生そのもです」
 最後に、公文さんは「社会保険庁の不当解雇撤回闘争・裁判闘争勝利に微力ながら支援していきたい。全厚生の輝かしい歴史、平和と民主主義、9条と25条を結び付けた政策と闘いに確信を持って前進していってほしい」と激励し、大きな拍手が送られました。

杉浦さん、松渕さんに感謝の言葉と花束贈る

 この日は、今大会で60歳の節目を迎えた杉浦公一書記長と国公共済会専務理事を歴任した松渕秀美さんの二人へ感謝の花束が贈られ、組合員のお二人がそれぞれ杉浦さんと松渕さんへの感謝の言葉を送りました。
 組合員さんは「杉浦さんとは1982年頃からの付き合いで、青年部活動を一緒にやってきた。その時から杉浦さんは理路整然と話をし相手のことを配慮してくれる。これからも健康に留意し全厚生運動にご尽力ください」と述べました。
 もう一人の組合員さんは「松渕さんとは、7歳年下だが、業務センター支部で組合活動を一緒に行った。特に杉並区労連での活動で、松渕さんから地域の労働組合運動の果たすべき役割を教えていただいた」と、感謝の言葉を述べました。

先輩から熱い激励
元気・勇気づけられる

 レセプションには30人を超える先輩たちがお祝いに駆け付けてくれました。
 その中で何人かの方が3分間スピーチを行い、現役組合員に激励と連帯のエールを送りました。
 後期高齢者になられた先輩が、地域で団体で元気に活躍しており、現役組合員に大きな励ましとなりました。
 そして、今もこうして活動できているのは、平和と民主主義、社会保障運動に参加してきたことが活かされていると強調しました。

団結と民主主義こそ力
全厚生運動に確信持って

 Kさん(統計)は「安倍暴走政治に危機感を持っている。不当解雇撤回・裁判闘争勝利に頑張りたい」
 Sさん(国リハ)は「少数職種の昇格改善に取り組んできた。統廃合で厳しい状況だが応援していきたい」
 Sさん(本省)は「全厚生は2・1スト、メーデー事件、安保闘争などを闘ってきた。まさに日本の労働組合の歴史そのものだ。今大変厳し状況にあるが1000人の仲間―組合員がいることに確信をもって奮闘しよう」
 Fさんは(香川県)「40年間全厚生の組合員として活動させてもらった。そこで一番学んだことは団結の力だ。今苦しい時だが全厚生の団結を強めて組織拡大・強化に頑張ってください」
 Iさん(栄養研)は「研究所の民主化の闘いで本部の援助を受けた。その取り組みで職場の民主主義を学んだ。組合活動と共に日本科学者会議会員として活動し、現在東京支部の代表幹事をしている。全厚生は私の生き方そのものです」
 Oさん(愛知県)は「軍事費を削って福祉・社会保障にまわせ、のスローガンの原型が54年の時に庁舎におろした再軍備より社会保障、厚生行政を守れだ。団結を強め奮闘を」
 Sさん(愛知県)は「04年のs年金改悪の時に、年金講師団活動で各地に出前講師として活動したことが鮮明に思い出されます。今こそこうした講師団活動が必要ではないか、と思っています。全厚生を大きく強くしていきましょう」
 Tさんは(本部書記)「書記として30数年、全国の組合員のお母さんとして頑張った来ました。今、年金者組合の一員として地域で活動しています。全厚生と共に80年をめざし頑張っていきたい」


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