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◆第1785号 (2016年2月15日付)◆
ストップ暴走政治、戦争法廃止を 全厚生第57回中央委員会を開催

暮らし守る賃上げを 3月9日中央行動に結集しよう

 全厚生労働組合は2月6日、東京・浅草で第57回中央委員会を開き「憲法9条と25条を活かし、国民が安心できる社会をつくろう」と、職場の仲間たちの切実な要求を基礎に、国公労連に結集し16年国民春闘を意気高く闘う決意を固めあいました。中央委員会では16春闘方針案を全会一致で採択、中間決算報告を拍手で承認しました。

委員長挨拶

 中央委員会の冒頭、山本潔委員長は、安倍暴走内閣の実態、戦争法廃止の闘いの広がり、今春闘の情勢の特徴、社保庁不当解雇闘争などをめぐって簡潔に述べました。
 参院選を前に安倍首相が憲法や社会保障をめぐって言いたい放題を言っていることに触れ、「もういい加減にしなさい」と声を大にして言っていこうと呼びかけました。そして消費税増税をめぐって、「社会保障費は削減しないといっているが大企業優先の税制をすすめるなかでそれは無理だ。どんなに言い訳してもその実態は隠せない。国民・私たちは騙されない」と、安倍首相を痛烈に批判しました。
 戦争法廃止の闘いは秋から各地で粘り強く取り組まれ、2000万署名運動が大きな盛り上がりを見せていること、「職場で大いに話し合いを持ち一人ひとりが戦争反対・9条を貫けと意思表示していくことが大切だ」と強調しました。
 最後に山本委員長は、「地域で、職場で組合員一人ひとりが手を取り合って職場の切実な要求を高く掲げて奮闘しよう」と挨拶を結びました。

書記長提案
切実な要求掲げ 組織拡大、働きがいある職場を


 春闘方針案を提案した杉浦公一書記長は冒頭、「道理ある要求を高く掲げ働きがいのある職場をつくり、暮らしを改善し、社会を良くするために意気高く春闘を闘い、職場の困難を打開しよう」と呼びかけ、今春闘の情勢、重点要求と課題、戦争法廃止の闘い、解雇撤回闘争、組織拡大の取り組みなどについて提案しました。
 今春闘のスローガンは、「ストップ暴走政治、戦争法廃止!壊すな憲法、暮らしまもる共同で賃上げと雇用の安定、地域活性化」。これにふれ杉浦書記長は(1)安倍政権が戦争する国づくりと一体で世界で一番企業が活動しやすい国をめざしていること(2)大企業は543兆円もの内部留保をため込むなど空前の大儲けをしている、と指摘し、「大企業が空前の大儲けしている一方で、社会保障費は削減している。弱いものが使い捨てられる社会であってはならない」と強調しました。
 その上に立って書記長は、「戦争法廃止、大幅賃上げや賃金底上げで暮らしを改善させる攻勢的な闘いが始まっている」と指摘し、「3月9日の国民春闘勝利をめざす労働者総決起中央行動にこぞって参加しよう」と呼びかけました。

4部門の重点要求実現へ 解雇撤回闘争に全力

 全厚生4部門の重点課題をめぐって、本省庁では、無定量で恒常的な残業を改善すること、実効ある超勤縮減をめざすことなどを重点に取り組むことを提案しました。
 福祉施設では、伊東重度障害者センターの廃止をめぐって職員の身分、労働条件の後退を招かないようにすることが重要だ、と強調しました。
 試験研究機関では、(1)基礎・基盤の研究をすすめる十分な人員と予算を確保すること(2)国立医薬品食品衛生研究所の川崎移転にともなって十分な予算の確保(3)国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究業務の維持・拡充を図るための必要な運営交付金を確保することなどを重点要求として闘うことを提起しました。
 社会保険では有期雇用職員の雇用継続を求めるとともに解雇撤回・全面解決をめざして全力を挙げること、3月30日の愛媛事案の高松地裁判決で勝利するために最後まで奮闘するよう呼びかけました。
 最後に杉浦書記長は「平和なくして社会保障の真の前進はない。誇りを持ってたたかおう」と呼びかけました。


2016年春闘勝利 全厚生団結集会

力強い太鼓の力 春闘勝利へ意気高く闘う

 中央委員会終了後、「2016年春闘勝利!全厚生団結集会」が開かれ、参加者は懇親を深め、力強い太鼓、闘いの歌の合唱などでいっそうの団結を固めあいました。
 団結集会のオープニングを飾ったのは、本省支部・渡名喜まゆ子さんが所属する東[合唱団はるかぜ郷土部による力強い和太鼓でした。7歳のちびっ子から70歳を超える若々しい人たちの躍動感あふれるバチさばきに魅了され、春闘勝利への元気をもらいました。
 続いて神奈川うたごえ合唱団による「日本国憲法前文」「人間の歌」「ヒロシマの有る国で」に聞きほれ、全厚生闘争団による「道しるべ」「はな」「風を感じて」の3曲を原告の仲間が力強く歌いあげ、解雇撤回闘争勝利の決意を固めあいました。最後に「沖縄をかえせ」「がんばろう」を歌い戦争法廃止を勝ち取ることを誓いました。


組織拡大を前面に闘う 中央委員会討論リポート

組合活動を活発に 3月30日高松地裁勝利判決へ新たな決意

 中央委員会の討論では、15人の中央委員・傍聴者が発言しました。いずれの発言も職場を基礎に一人ひとりの組合員の切実な要求を高く掲げ、春闘を意気高く闘う決意を表明するものでした。
 昨年の大会以降重点課題である組織拡大・強化について今春闘においても全力を挙げる発言が注目されました。
 東北の中央委員は12月に鷹巣・秋田の2か所で本部オルグ、分会での意見交換を行ったこと、1月にも大曲・本庄でオルグと春闘学習会や旗開きも行い、機関紙も発行したことなどを報告しました。「組合員が楽しめるような様々な要求を土台に組合活動を活発にし、裁判闘争でも法廷を満席にするようにしたい」と力強く発言しました。
 原告の一人も「3月30日の判決を目前にして絶対に勝利する決意で奮闘している。組織拡大でも頑張りたい。職場集会を開く中で元支部長経験者が組合に復帰してくれた」と決意を表明しました。

積極的な対話活動 全職員に宣伝ビラを配布

 本省の中央委員もいきいきと働ける職場をテーマに講座を開き非常勤職員や新採職員を組合に迎い入れていることを報告しました。年金機構本部の中央委員は、組織拡大につなげるために全職員にビラを配布し対話を進めていると報告。関東の発言者からもランチをしたり交流会を粘り強く進めていることを報告し、「すぐに成果は出なくても一歩一歩、対話することが大切だ」と強調しました。
 近畿の中央委員も、組織拡大を重点に取り組んでいること、数字を具体的に出して役員が名前を挙げて進めていること、対話活動を強める中でパワハラを受けていた人が組合員になったことを報告しました。
 中部の中央委員は「機関紙を配り声をかけるなど基本的な活動を地道にやることが大事だ」と発言し、、国リハの中央委員も声をかけ対話をすることの重要性を強調しました。

問題多い業務改革 有期雇用職員の処遇改善を

 関東の中央委員は不正アクセス問題を契機にした業務改善計画の問題を掘り下げ、ブロック・センターの統合は合理化案そのもだと批判。他の関東中央委員も「業務改革案の方向は労働条件の重大な変更であり問題だ」と発言。
 有期雇用職員の課題では東北の発言者が、組合の組織を挙げた取り組みで無期雇用の職員になったこと、しかし給与面では低く抑えられていることを報告し、「組合に入って本当によかった。これからも頑張りたい」と発言しました。
 基盤研の中央委員が10月開催予定の女性交流集会の成功を訴えました。

増員要求実現へ 恒常的残業の改善は急務

 感染研の中央委員は、定員削減が厳しい状況の中で空き定数が多い実態を報告し、切実な増員要求を実現するため知恵も出し取り組みを強めていきたいと発言しました。
 基盤研・飯田隆治さんは単年度の有期契約の研究者として継続して勤務できるかどうかの不安を持っていることを報告し、安心して研究を継続したいと発言しました。
 本省の中央委員は恒常的残業を改善したい、国会待機の問題、フレックスタイム制の改善の課題について発言しました。


社会保険・福祉施設 支部代表者会議開く

廃止・統合方針に職員が不安

 社会保険部門の支部代表者会議は2月7日開催され、37人が参加しました。冒頭、川名副委員長が1月26日の日本年金機構本部交渉で有期職員の雇用継続や幹部登用などで改善を強く求めたことを報告し、有期雇用職員の採用状況、俸給表改定による3月中の差額支給、平成28年度定員配付などについて説明しました。
 また、12月18日に発表された「日本年機構再生プロジェクト」について討議がなされブロック本部の廃止や事務センターの統合など3年間の短期間での改革内容に対する職場の不安の声が次々と出されました。
 全厚生としては職員の労働条件にかかわる大きな課題であり、十分な説明と労使協議が前提であると考えていること、3月に交渉を行い要求書の提出を予定しているとの方針が示されました。
 各支部や協議会では、この春闘期に学習会や職場集会などを開催し、職場の意見を集約し要求していくこと、組織の強化や拡大に向けた取り組みを進めていくことを確認しました。

伊東問題で緊急申入れ

 国立福祉支部の代表者会議が中央委員会の翌日、2月7日に開かれました。これには国リハ、伊東、神戸の3支部6人が参加しました。
 支部代は今井副委員長の司会で始まり、冒頭山本委員長が「伊東重度障害者センターが廃止されるが新たな運動をつくるチャンスでもある」とあいさつしました。
 代表者会議では、「伊東問題」が焦点となり、伊東・長谷川中央委員が伊東の現状を報告しました。その中で職員の異動の全体計画、廃止までの利用者サービスや施設運営、退職せざるをえない職員の就職支援や退職金問題などについて議論し、緊急の申し入れを早急に具体化することを確認しました。


悪政と闘い学習を 中田先生招き春闘学習会

 中央委員会の翌日の2月7日、春闘学習会が開かれました。講師に関西勤労者教育協会の中田進副会長を招き「国民春闘で輝いて、社会を変え、職場を変えよう」をテーマに講義を受けました。
 中田先生はぎりぎりの生活の中で(1)働き甲斐が奪われている(2)正規職員と非正規職員との格差の拡大などにふれ、その原因は財界・大企業優遇の自民党政治にあると指摘。「労働組合は、そうした悪政と闘わなければならない。組合員と対話し奮闘しよう」と呼びかけました。


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