全厚生第77回定期大会ひらく |
笑顔で、知識だし、声だし、元気だし
さあ、みんなでやろう!
全厚生は9月21・22日、「活かそう憲法!ふやそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし、さあ、みんなでやろう!」をメインスローガンに、静岡県熱海市で第77回定期大会を開催。全国から代議員・傍聴など68人が参加し、2013年度の運動方針と財政方針を全会一致で採択し、たたかう方針を確立しました。
大会は、41人が発言。大会宣言を採択し、新役員を選出しました。来賓として国公労連・近藤敏中央執行委員、全医労・香月直之書記次長、日本共産党・高橋千鶴子衆議院議員が連帯あいさつをしました。委員長あいさつ/団結し、笑顔の暮らし実現へ
不当解雇撤回の闘いで、人事院が分限免職処分の取消判定を下した。大量解雇で勝利した経験は稀少で、大きな勝利だ。この経験を大いに生かして、要求実現と組織の強化・拡大に取り組もう。
3年前の大会で、「500人の新しい仲間を迎えよう」と決意し、この間、各支部で様々な工夫をこらして積極的に取り組んできた。結果は、今大会まで300人にとどまり、実質的に減少している。一人一人の切実な要求を実現するためには、全厚生が大きくならなければいけない。新しい仲間を迎えることが重要であり、そのために、全厚生の自力を高めることが大切。どうすれば自ら前に進んでいける力をつけられるか、今大会でしっかりと討論しその方向性を見つけ出そう。
2020年の東京オリンピック開催が決まり、様々な評価があるが、多くの人が率直に喜んでいる。大切なことは、オリンピックを開催するのにふさわしい国づくりをすること。それは、原発の危険をなくすこと、安定した経済をつくること、国民生活を豊かにすること、子どもが大きな夢をもてること、老人も自営業者も労働者も笑顔で暮らせること。そうした社会づくりの先頭に立てるのが労働者のたたかいであり、労働組合の存在意義だ。
労働者がいつも団結できる労働組合のある時代に生きていることは、喜ばしいことであり、団結して堂々と要求し、その実現に向けてみんなでがんばれる方針をつくろう。書記長・運動方針の提案/共同広げ、社会を良くしよう
今、この国のあり方が根本から問われている。国民犠牲の政治を加速させ、憲法25条までも変えようとする安倍政権の暴走を押しとどめ、日本の将来を見据え、社会を良くする共同のたたかいを更に広げる年にしよう。
笑顔のある職場を実現するには、職場を基礎に、要求に根ざした取り組みで労働組合のさわやかな風を職場に吹かせよう。
組織強化・拡大は、労働組合の最重要課題。すべての職場で対話を進め、組織の減少に歯止めをかけ純増を目指す。次期大会までに200人の組織拡大を目標として掲げ、奮闘する。
本省職場で働くルールの確立をめざす。伊東重度障害者センター存続発展と職員の雇用を守る。厚生科学研究の拡充をめざす。社会保険行政の安定した業務運営と有期雇用職員の雇用の確保。このために、道理ある要求を高く掲げてたたかう。
不当解雇撤回をめざす人事院公平審査請求は、22人の判定が出され6人の取り消し判定を勝ち取った。引き続き、すべての当事者の取り消し判定を早期に出させるように全力を尽くす。併せて、裁判闘争を軸に解雇撤回・全面解決をめざして全力で取り組む。公務員賃下げ違憲訴訟は、公務員攻撃のねらいを明らかにし、国民の支持と共感を得ながらたたかう。
「活かそう憲法!増やそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし、さあ、みんなでやろう!」をスローガンに、今後の1年、志を大きく、共同を広げ、たたかいを継続・発展させよう。第2号議案提案/拡大に全力・専従体制を維持
市川副委員長が第2号議案を提案。決算は、3年間で300人を超える仲間を拡大するなど、全支部で組織拡大に奮闘したが、組合員の減少に歯止めがかからず、単年度決算では約730万円の赤字になったことを報告。安定した財政確立に向け、組織の強化・拡大に全力で前進させること、当面、組合員の減少による財政規模の縮小を補うため、救援資金特別会計から1千万円を借り入れること、専従体制は現行の2人を維持することなど、財政方針と予算案を提案しました。
13年度の本部組合費は、次の計算方式。
一般会計分=本俸×1・1%+420円+120円(専従補償特会分)。非常勤職員の本部組合費は、1000円です。
なお、公務部門で06年3月以前からの組合員は、昨年度に引き続き、06年3月時点の本部組合費の額です。
大会宣言 |
全厚生は「活かそう憲法!ふやそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし さあ、みんなでやろう!」をメインスローガンに静岡県熱海市で第77回定期大会を開催し、2013年度運動方針を全会一致で確立しました。
安倍政権は、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざしています。国民・労働者に背を向け、消費税増税、原発再稼働、TPP参加など国民犠牲の政治を加速させ、日本国憲法までも変えようとしています。憲法25条の生存権保障や基本的人権を基礎に据え、人間らしく生き、働くことのできる社会を築くことが求められています。
全厚生は、この間広範な労働者・国民との共同の闘いにより、歴史的にみても画期的な成果をあげました。
「元社会保険庁職員の不当解雇撤回闘争」では、人事院に22人中6人もの処分取消判定を出させることができたことは大きな喜びでした。残念ながらまだ判定の出されていない人、処分承認判定となり裁判闘争を決意した人もいます。引き続き全員の勝利まで闘い抜くことを決意しました。
「国公法弾圧裁判」では、最高裁で堀越さんの無罪判決を勝ち取ったことが報告され、真の政治活動の自由と労働基本権の回復をめざす第一歩となったことが確認されました。
「公務員賃下げ違憲訴訟」では、6人の原告が立ちあがったことが、来年度の賃下げ延長を阻止することにつながっています。さらに、原告から勝利判決に向け引き続き奮闘する決意が表明されました。
一方、本省の恒常的残業の改善と基幹業務職員の処遇改善問題、日本年金機構の職場を支える有期雇用職員の雇用の継続問題、国民の命と健康を守る試験研究機関の劣悪な研究・労働条件の改善問題、国立福祉施設の伊東重度障害者センターの存続と雇用の確保問題など、さまざまな課題が山積していることが報告されました。
また、組織強化・拡大の取り組みにおいては、各支部で様々な工夫をこらした、実践経験が生き生きと報告されました。財政課題を解決する成果とはなっていないものの、問題意識を共有することができました。
道理ある要求を掲げ全力で闘えば、共感を広げ、運動の勝利、要求実現につながるということが再認識できました。こうした闘いに確信を持ち、この結果を職場に持ち帰り、伝え広げていくことにより、かならず組織強化・拡大の前進や要求実現につながっていくことを確信しています。
これまで蒔いてきた種が芽を出し、やがて全ての職場で笑顔の大輪の花を咲かせる時まで、組合員みんなで知恵を出し、声を出し、元気を出して要求実現・組合員拡大をやり抜きましょう!
以上、宣言します。
2013年9月22日
全厚生第77回定期大会
確信をもち、前進させよう |
討論では、16支部・41人の代議員・傍聴者が発言しました。
不当解雇撤回めざし全国で奮闘有期雇用職員の雇用を守る
- 人事院判定で1人は処分取消だが、5人は不当判定。3人が9月30日に提訴する予定。引き続き、体制を強化し奮闘していく。(東北・代議員)
- 越後さんは、8月から厚生局に復職。労働条件が厳しく他の厚生局との交流を進め改善をする必要がある。支部活動は効果的に進めたい。(北海道・代議員)
- 人事院判定は、愛知2人の処分取消。育休者の処分承認は納得できない。賃下げに職場は怒っている。ブロック本部交渉では外注業者の破綻問題で業務委託の見直しを求めた。(中部・代議員)
- 分限免職取り消しで9月13日に勝利報告集会をした。多くの団体の支えで勝利できた。引き続き、頑張りたい。今年度の組織財政検討委員会は1回。組合員拡大が最大の課題。(中部・代議員)
要求前進と一体で組織強化・拡大に取り組む
- 有期雇用職員問題を中心に、職場に組合が見えるよう努力している。有期職員の雇い止めで職場がどうなるか、危機感を持ってもらえるよう頑張る。(近畿・傍聴)
- 准職員になったが年度末で雇い止めと言われている。正規職員になりたい。他の職場の同期の仲間の人と交流しながら継続雇用に向けて頑張りたい。(機構本部・傍聴)
- 年金相談のベテランだが、准職で今度雇い止めの予定。残業が多く母子家庭の配慮も無い。雇用の不安を抱える有期職員ばかりでは年金業務の信頼回復はできない。(関東・代議員)
- 有期雇用雇い止め反対で署名を取り組み、「働き続けたい」と多くの人の声が寄せられている。職場から要求をあげて、本部・ブロック・所長交渉をしていきたい。(近畿・代議員)
- 特定契約職員として、社保庁時代から10年勤務。職場の組合代表をしている。引き続き、署名集めと組織拡大を頑張りたい。(関東・代議員)
- 来年3月で雇い止めだが働き続けたい。正規の人が雇い止め問題を自分のことのように取り組んでくれ感謝している。全厚生の組合で頑張りたい。(近畿・代議員)
- 有期雇用職員が多く、その組織強化が課題。賃下げに対し、来年4月に元に戻すたたかいが重要。民間の人と連帯し地域の皆さんに訴えて頑張りたい。(中部・代議員)
福祉・研究機関で要求前進と拡充めざし奮闘
- 組合員拡大でボウリング大会や学習会等の参加を進めている。財政を好転させるにも組合員拡大で頑張る。5月の国公女性交流集会に13人が参加。東日本大震災を実感。東北支援に行こう。(中部・代議員)
- 組合員拡大は少しずつ前進。期間業務職員の雇い止めは人材の損失。本省共闘が超勤問題で人事課長交渉を実施。行(二)職員の再任用問題で会計課交渉を実施。(本省・代議員)
- 職場の要求を聞くための体制強化が課題。不当解雇撤回はオルグ団を作り奮闘している。当事者で専従で頑張る人の生活支援について検討してほしい。(四国・代議員)
- 有期雇用職員の雇い止め問題は大きな課題。京都集会を成功させよう。専従体制を維持するため、借り入れはやむを得ないが、いざという時に救援資金が無いのは危い。組合員を拡大することが重要。(近畿・代議員)
- 職場の仲間が署名等に協力してくれ、やりがいを感じている。年金機構をブラック企業にしないためにも雇い止めに反対し、組合員を拡大したい。(関東・代議員)
- 支部大会では、人事異動や有期雇用問題で不安が出された。職場の声を集め、職場の人と色々な話をして信頼関係を作り組織拡大をして行きたい。(機構本部・代議員)
平和・女性・青年・権利守る活動
- 支部は廃止問題で頑張っている。センターは重篤な身体障害者に対する重要なリハビリ施設。廃止でなく、より充実させることが大切。使いやすい施設づくりをめざしたい。(伊東・代議員)
- 職場にゆとりがなくなっている。組合の中でコミュニケーションが大切。ゴールボール大会などを開催し、近隣の支部と交流していきたい。(国リハ・代議員)
- 地域の中で仕事をしている障害者のもとに出かけていくことが重要。組織再編では、全体状況の把握が重要。国リハの各職場で連携し、情報を共有して対応することが大切。(国リハ・代議員)
- 昔は宿舎・宿日直などが課題だった。今は、健康問題が重要な課題となっている。取り組む課題の変化をとらえ、対応したい。(函館・代議員)
- 組織再編で国リハに機能が集中。運営方針に従うと地方の独自色が出せず上手くいかない。「かたらせて」を10年発行し続けて100号に。県・地区国公の春闘討論集会に多くの組合員が参加した。(福岡・代議員)
- 重度センターは、障害の自立だけでなく社会参加を促す足がかりになる大切な施設。組織拡大とより良い施設をめざし頑張る。(別府・代議員)
- 他の独法と較べ条件が悪い。委員長が不在だったが目処もついた。基盤研は公務員準拠だが他の独法はそうでもない。休暇等の改善でも他の独法と交流し、前進させたい。(基盤研・代議員)
- 今年は女性組合員が1人増えた。毎週木曜日に役員会を開催。国会議員の秘書と研究予算や後継者育成の課題で意見交換したことが今年一番の取り組みとなった。(感染研・代議員)
財政問題で討議
- 国公法弾圧事件で私の事件は無罪。多くの支援をいただき感謝している。今後も公務員の政治活動の自由を求めて奮闘する。(関東・代議員)
- 毎月、非常勤職員の組合加入が進んでいる。学習会では労働者の権利等を学び当局に要求し改善された。青年の課題では、超勤・育休問題や平和等で交流し学習を進めている。(本省・傍聴)
- 支部で取り組んだ千羽鶴をもって原水禁大会に参加。被爆体験を聞いた。悲惨な戦争は2度としてはいけない。多くの人に参加を呼びかけていく。(本省・代議員)
- 近畿から異動して1年、沢山の人と知り合い支部役員にもなった。昨年11月に女性部総会開催。要求アンケートに基づき要求書を作成、人事課と懇談を実施。女性交流集会で気象庁の見学を実施。来年も頑張りたい。(機構本部・代議員)
- フリー居酒屋を実施して、多くの人と交流。女性交流集会は、小さい子どもも参加しやすい工夫をお願いしたい。組合のおかげで子育てしながら働き続けられた。コツコツと頑張りたい。(近畿・代議員)
- 地域では社会保障を守る全厚生への期待が大きい。社会保障講師団の出番。社会保障全体を語る努力が必要。さらに政治の中身を変えることが重要だ。(四国・代議員)
- 会計報告で収支の内訳の明記を。機関紙を電子媒体での配布はどうか。本部費の減額はできないか。一般会計への繰り入れの経過・議論の内容をもう少し詳しく。(国立衛研・代議員)
- 今の財政はぎりぎり。次年度は救援資金からの繰り入れはやむを得ないと思う。(機構本部・代議員傍聴)
討論のまとめ/山本委員長
討論のまとめを行なった山本委員長は、2日間で41人の発言があり、豊かな経験と積極的な運動方向が語られ、議案が補強されたことを強調。
1つには、交渉ができなかった支部で交渉し、その成果が報告され、この1年間、要求実現めざして各分野で積極的に取り組んできたこと、そのことが組織強化につながっていることも明らかになったこと。
2つめは、分限免職撤回をめざす闘いでは、共同が大きく広がっていることが各地域の取り組みを通じて生き生きと報告。人事院で処分取消にならなかった仲間も元気に次のステージに歩をすすめる準備をしていることなど、さらに大きく広げて勝利まで闘い抜くこと。
3つめに、賃金問題について、賃下げ違憲訴訟は当初批判的な声もあったが、いま重要な意義を持っていることが明らかになり、賃下げを継続させない力になっていること、賃金引き上げが当然の要求であること。
4つめに、有期雇用問題では、部門を超えた共通の問題であることが明らかになりました。有期雇用という不安定な雇用そのものをなくすたたかいと、現実的な雇い止めをストップさせるたたかいを結合していくことが重要であり、当面、年金機構の雇い止めの阻止、期間業務職員の再雇用の実現にむけて運動を強化すること。
5つめには、同じ職場で働く仲間とのつながりを大切にし、信頼関係を深めることの大切さが、様々な経験の中で語られ、職場で孤立する職員のない職場づくりが、公務をさらに豊かなものにすること。
最後に、これらの点は、今大会の討論を通じて共通の認識となった。全厚生が正しい運動方針を持って、正しい運動をしていても小さければその力は十分に発揮できない。全厚生の力が大いに発揮できるよう組織を強化し拡大することが重要。この間の勝利、闘いの経験に確信を持つとともに、共通の認識を土台に大いにたたかおうと、討論をまとめました。
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