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◆第1777号 (2013年7月15日付)◆
組織拡大を進め、定期大会へ
全国支部代表者会議で、要求と組織の前進を意思統一

 全厚生は7月13日、都内で全国支部(協議会)代表者会議を開催し、13支部、全厚生闘争団当事者18人を含む、全体で52人が参加。全厚生第77回定期大会議準備を本格的に開始しました。山本中央執行委員長の冒頭挨拶の後、社保庁不当解雇撤回全国弁護団の加藤健次弁護士が「たたかいの成果を職場に活かそう!」のテーマで特別講演。午後からは、川名書記長が2013年運動方針(原案)、市川財政部長が2012年一般会計・決算見込み及び2013年度予算編成の基本方向、杉浦副委員長が夏期闘争の重点課題と取り組みについて報告。参加者の討議で深めました。会議終了後は、団結交流集会を開催。翌14日は、全厚生闘争団&社会保険支部協議会合同会議と社会福祉支部代表者会議を開催しました。

[運動方針の基本方向]
 「活かそう憲法!ふやそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!知恵だし、声だし、元気だし、さあ、みんなでやろう!」をスローガンにたたかってきました。職場を基礎に、国公労連・全労連に結集。要求前進に向けて、各支部交渉、本部段階での交渉を実施。要求前進と組織強化を一体で仲間を増やす活動に全力で取り組んできました。社保庁職員の不当解雇撤回闘争では、3人の処分取消の画期的な判定を勝ち取り、国公法弾圧事件でも最高裁で無罪判決を勝ち取りました。この成果に確信をもつことが重要です。
 組織強化・拡大の取り組みは、最重要な課題。今年度は500人の加入拡大を目標にした3年目となり、正念場の取り組み。各部門、各支部で奮闘し、貴重な成果をあげていますが、前大会の水準を維持できず、減少傾向が続いています。来年度も、要求闘争と組織強化を一体で取り組み、組織拡大を着実に前進させることが大切です。教訓を導き出し、力を合わせて取り組みます。
 全厚生の基本要求の前進は、憲法25条を活かすことと直結します。職場を基礎に、本省、社会福祉、厚生科学研究、社会保険の各分野でのたたかを前進させましょう。

[予算編成の基本方向]
 来年度の予算編成は、現行の書記局体制(専従役員2人、書記1人)を維持します。節約に努めた上で、組合員の減少分に見合う予算を調達するために救援資金特別会計からの借り入れやカンパなどを提起します。

[夏期闘争で要求前進を]
 安倍政権の暴走をやめさせ、憲法を活かし、国民共同のたたかいを発展させよう。具体的には、(1)国民が主人公の政治をつくろう!(2)第77回定期大会まで、すべての支部で組合加入をすすめる。そのために、対話し、組合運動のさわやかな風を吹かそう!(3)人事院勧告に向けて、賃金・労働条件の改善の取り組みに全力をあげる(4)不当解雇撤回の節目。8月には、第3回目の人事院判定が行われることを想定し、署名の取り組み強化。政府の責任で、すべての請求者の解雇撤回・全面解決を迫る取り組みをすすめる(5)職場を基礎に、支部交渉、本部交渉で要求前進をめざし奮闘します。

特別講演で運動に確信
近畿社会保険支部・書記長 藤江成夫

 不当解雇撤回のたたかいを通じて、全国の優れた、そして誠実な弁護士の方々と接する機会を持てたことは、私たちにとって貴重な財産です。
 加藤弁護士は、国の解雇処分を一部とはいえ取り消しさせたことがどれほど画期的かを、客観的かつ明快に語り、この結果を勝ち取った全厚生の運動方針の正しさを裏付けてくれました。また、労働者がどん底まで虐げられている昨今の情勢をふまえて、労働組合の大切さを強調。「全厚生が大きく強くなることが、職場の改善、ひいては国民サービスの拡充につながる」として、私たちの組織拡大の取り組みを力強く激励してくれました。
 私たちの運動に確信を与えてくれる元気の出る講演でした。この頼もしい応援に支えられて、「自信を持って労働組合活動を進め、広める」ことが、私たち一人ひとりの課題です。


厚生共闘が官房長交渉

 厚生共闘(全医労と全厚生で組織)は6月27日、夏期闘争の重点課題で二川(ふたかわ)官房長との交渉を行いました。厚生共闘からは、岸田議長(全医労委員長)、山本(全厚生委員長)・佐藤(全医労書記長)両副議長、杉浦事務局長(全厚生副委員長)、香月(全医労書記次長)・川名(全厚生書記長)両事務局次長が出席しました。
 冒頭、岸田議長と山本副議長が要求趣旨を説明。これに対し、二川官房長が回答。賃金改善の課題では、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」は、(1)人事院勧告を踏まえた給与の改定を行うとともに、(2)未曽有の困難に対処するための臨時かつ特例の措置として、(3)議員立法により措置されたものであり、厚生労働省としては法律に基づき適切に対応しなければならないと考えていると回答。再任用の課題では、(1)公的年金の支給開始年齢の段階的引き上げに対応し、希望する人は再任用する仕組みになり、閣議決定された。再任用する方の処遇をふさわしいものにするよう努力する。人事院にも伝えていく。(2)早期退職者募集制度について、法律で「職員の自発的な意思に委ねられるものであって、退職強要を強制してはならない」ことが明確に規定されている。制度の運用でも法律の趣旨を周知徹底していくことが必要だと回答。国立ハンセン病療養所の充実の課題では、(1)平成25年度定員については、全体で定員削減数と同数である49人の増員が認められた。今後も、入所者の高齢化が進展している現状等を踏まえ、必要な人員確保に努力していく。(2)看護師の夜勤体制を「3人以上・月6日以内の夜勤」体制とするには相当の増員が必要であり、今の定員事情からすると困難な状況だが、できるだけ体制について充実に向け努力したいと回答。社保庁職員の解雇撤回の課題では、(1)分限免職回避のための取り組みが最大限行われたものと考えているが、人事院判定で分限免職処分が取り消された方については、すみやかに身分の復活という対応を行っている。(2)人事院の公平審理は、請求者一人一人の事情をふまえて判断されている。請求されている方については、人事院判定を待って対応する。分限免職処分の一律撤回は困難である。(3)(被懲戒処分者の一律不採用とする)閣議決定を撤回することは困難である。(4)日本年金機構への職員採用については、年金機構で行われる。申し入れがあったことは年金機構にきちっと伝えると回答。
 これらの回答に対して、岸田議長は再度、賃金改善、再任用、ハンセン病療養所の要求について最大限努力するよう求めました。さらに、社保庁職員の分限免職処分について、「とても納得できるものではない。人事院は分限免職回避努力が不十分と認定し、6人の処分取消の判定を行った。この判定の事実を重く受け止め、厚労省の責任で処分撤回・全面解決のための英断をすべき時だ」と強く迫りました。

要求事項


第37回 全厚生女性交流集会

安心できる未来のために!
憲法学び&気象庁見学&交流


 第37回全厚生女性交流集会は、6月22・23日の2日間、東京大手町の気象庁と茅場町パールホテルを会場に開催し、部分参加を含めて、全国から57名の皆さんに参加いただくことができました。
 今回の交流集会を企画するにあたり、災害と憲法の2つのテーマを設け、災害については、東日本大震災から約2年が経過するも、被災地の完全復興までの目処は立たず、一方、我々の働く東京では震災の記憶が薄れ始めているのではないかという不安を感じていたとき、今回講師としてお呼びした、東京理科大学の辻本教授の講演を拝聴する機会があり、東日本大震災での被災の状況や突然の被災に備えた日頃からの取り組み、また、先生の専門分野である火災の仕組みなどについても講演をお願いすることとなりました。また、国土交通労組東京気象支部のご協力により、震災の要因となる地震や気象観測の現場や気象科学館の見学などを通して、東京から改めて災害を考え、記憶に残してもらうことができたのではないかと思います。さらに、気象庁で働く数少ない女性職員との交流を通じ、気象庁が担う公務の役割や、現場での苦労なども知ることができ、盛りだくさんの1日でした。
 憲法については、安倍政権が進めようとしている改憲に恐怖を感じる方も多い中で、改憲の是非を議論するにも基本がわからなければ何もできないのではという考えから、弁護士の小林容子先生をお招きし、わかりやすい憲法について講演をいただき、参加者みんなでグループトークを通じ、憲法を考える時間を共有できました。例年の集会テーマとは違った角度となりましたが、参加者皆さんの心が少しでも豊かに、また、日々の生活の中に少しでも役に立つ集会となればと思います。

参加者の感想より


この権利には希望が託されている
憲法第28条
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 2003年、初めて支部役員を仰せつかった。それまで幽霊組合員だった私は、労働組合の存在意義から勉強を始めた。答えはすぐに見つかった。憲法第28条。なんと言うことだ。20代初めにきちんと読んでいたはずなのに、頭に全く残っていない。
 今回は、先人の想いが雪崩込んでくる。絶望、無念、あらゆるネガティブ感。流された多くの血。いや、血だけではないはずだ。生々しくなるが、脳脊髄液を含めた多くの体液が流されたに違いない。排泄物まみれになった人々も。この権利には希望が託されている。
 先人に謝った。「ごめんなさい、私はこの権利を粗末に扱っていました。今後は他の権利と同じように大事にし、不断の努力でこれを保持します。」
 2013年、感染研支部の活動宣言をまとめた。「私たちは、先人から団結権を受け継ぎました。私たちは、この権利を大事にします。私たちは、胸を張って活動します。この活動は、より良い研究環境を目指して、自律的に行います。私たちは、この権利を濫用しません。私たちは、この権利を次の世代にきちんと引き継ぎます。」
 権利はきちんと保持しないと簡単に奪われる。そうなってしまったら先人にも子孫にも申し訳ない。


不当解雇撤回・仲間からのメッセージ

全厚生と相談、今に至る 裁判の場で一緒に頑張る

 頭の中で分限免職となった日のことが思い出されました。社会保険庁が解体される最後の年末まで、一生懸命年金の仕事をしてきたこと。配転先が決まらずこのままでは分限免職となると言われながらも、他省庁への配転を希望し続けたこと。配転の結果も知らされないまま12月中には公宅を出なければならず、妻も仕事を辞めて二人で札幌へ引っ越したことなど。
 これは絶対におかしいと思い人事院へ行き不服申し立ての手続きを行いました。何枚もの書面書き。それに対し再度弁明を求められ、処分者側が事実と異なる弁明で対抗して来るとやりきれない気持ちになり、反論する気力もなくなりそうでした。
 そうした時、全厚生のホームページを見つけ、相談をしてみたところ、当時の飯塚委員長から一緒にやっていかないかとの言葉があり、今に至るわけです。本当に自分一人ではここまでやってこられませんでした。苦労をかけた妻にも報いてあげられたかと思います。あとは、今回人事院の不当な判定を受けた方々のためにも、私も裁判の場で一緒に頑張るつもりです。

大きな困難を突き付けられ仲間の力が必要なことを実感

 この度の人事院への不利益処分審査請求において、分限免職の処分を取り消す判定をいただくことができました。
 不服申し立てから約3年半に渡る長い道のりでした。社保庁時代には労働組合の活動にあまり積極的でなかった私でしたが、この間に組合を通じて様々な経験をさせていただきました。正直に言うと、以前までは「組合活動=飲み会」という感覚でした。
 しかし今回、分限免職という大きな困難を突き付けられ、自分一人ではどうしようもない状況になって、そういう状況になって改めて「仲間の力」が必要なことを実感しました。
 今回の判定を勝ち取ることができたのは、ひとえに組合員の皆様をはじめ、国公労連・県労連・関係各所及び弁護団の方々のお力添えのお陰と思っています。心より感謝を申し上げます。
 最後になりますが、不服申し立てをした全員が最終的には自分達が納得できる結果を迎えられるよう、微力ながらでもお手伝いをさせていただく決意を表します。


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