見出し

◆第1772号 (2013年1月15日・2月15日付)◆
笑顔で知恵だし、声だし、元気だし さあみんなでやろう!
全厚生第54回中央委員会

 全厚生は2月2日、「活かそう憲法!増やそう仲間!必ず勝ち取る解雇撤回!知恵だし、声だし、元気だし、さあみんなでやろう!」をメインスローガンに、第54回中央委員会を開催。全国から中央委員・傍聴者など52人が参加。山本委員長が挨拶し、春闘方針案を川名書記長が提案、中間決算報告を市川副委員長が行いました。来賓として国公労連の川村好伸副委員長、全医労の黒木恵美中央執行委員、日本共産党の田村智子参議院議員が挨拶しました。JAL原告団、全厚生闘争団当事者4人、賃下げ違憲訴訟の原告5人が、それぞれ決意表明。討論は、19人が発言。春闘方針案を全会一致で採択し、2013年春闘を全力でたたかう方針を確立しました。
 中央委員会の後は、全厚生団結集会を開催し、翌3日には、福祉部門と社会保険部門がそれぞれ支部代表者会議を開催しました。

委員長挨拶 自らの運動に確信をもとう

 いま、職場の仲間から知恵をもらい、仲間の声を聴き、みんなの元気をだせることが大事。昨年の解散総選挙で自民党が圧勝したようにみえるが、実は自公政権は薄氷の上を歩く状況に追い込まれている。自民党と民主党による2大政党制が狙われていたが、国民的な運動によって、民主党は普天間基地の国外移転、子ども手当や高校授業料無償など、軍事同盟強化と構造改革に反する政策を掲げざるを得なくなった。2大政党制による同じ政治の継続ができなくなったことで、大連立の政治が登場した。民自公の三党合意(談合)によって国民不在で消費税増税を決めたのは、その象徴。もはや民主的手続きに耐えられなくなっている。こうしたもとで、政治の流れを変えずに国民の不満を吸収するために現れたのが維新の会のような「第3極」といわれる勢力。
 こうした事態をつくり出した背景には、反原発、反貧困、改憲に反対する運動などで、良心的な保守層も加わって一点での共同が広がっていることがある。
 職場にいると、やられっぱなし、負けっぱなしに見えるが、決してそうではなく、大きく見れば、押し込んできていることに確信を持とう。
 最近、体罰が話題になっている。柔道の山下泰裕さんは、殴られて言いなりにやっても、人生に生きるような競技生活にはならないと言っている。私たちの職場に、力による抑圧はないか。処分をちらつかせた職場統制はないか。これも一種の体罰ではないか。豊かな人生につながる仕事や職場生活のあり様こそが大事ではないか。
 知恵が出て、声が出て、元気が出るよう、みんなでがんばろう。

書記長方針提案 団結し元気な春闘つくろう

 2013年春闘は労働者使い捨て、国民いじめの政治に対して、職場や地域で多数派を形成し、広範な国民の団結による反撃のスタート。
 人間の尊厳を守るため、国民が主人公の政治・安心して暮らせる社会の実現にむけて、国民の共同・連帯で財界中心の政治の流れを大きく変えていこう。
 不当解雇撤回闘争は、4年目を迎える。人事院の公開口頭審理で、道理なき解雇の真実を明らかにしてきた。分限免職取消の年度内判定を勝ち取るために、不当解雇撤回を進めている労働者のたたかいとともに、安心・安全を守る労働者の誇りをかけた闘争として、勝利にむけて奮闘しよう。
 公務員の定員削減、賃下げなどの労働条件の改悪が、施設の統廃合、年金相談センター等の縮小、国民サービスの低下つながっている。国民サービス向上のためにも、公務員バッシングを打ち破る運動を「地域春闘」で展開し、公務員労働者の賃下げ・権利侵害を許さないたたかいに全力で取り組もう。
 組織強化・拡大は、労働組合の最も重要な課題。この間の取り組んできた経験を生かし、2013春闘では各部門・支部が運動に自信をもって、要求前進、組織拡大の運動を具体化することが必要です
 働く仲間の労働組合への期待に応え、組織強化・拡大の取り組みを全支部で、大きなうねりにするために全力をあげて奮闘しよう。
 国民春闘に結集し、職場の仲間と対話をすすめ、みんなの共感を得ながら、組合員を主人公にした取り組みをすすめ、元気にたたかう春闘をつくろう!

春闘アピール

 全厚生は第54回中央委員会を開催し、労働者・国民のたたかいで展望を広げ情勢を打開すべく奮闘する決意をかためました。
 第74回定期大会以降、基礎的な力を大きくし要求を実現するため、組織の強化・拡大をめざし、全支部・分会で大いに奮闘してきました。その結果、すべての部門で積極的に働きかけ、これまでに多くの新しい仲間を迎えてきています。
 組合員を増やすことは、職場の切実な要求を前進させ、働きやすい職場の実現に直結することが討論で明らかになりました。全厚生に関心を持ち、共感する人が多くいることもわかりました。まだ全厚生に入っていない人に自信を持って、積極的に働きかけましょう。
 安倍政権は、自らの経済政策を「アベノミクス」だとか「三本の矢」だとかいって仰々しく宣伝していますが、新しい中身はまったくありません。無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業応援の「成長戦略」です。
 日本経済が、長いデフレ不況のトンネルから抜け出すには、労働者の所得を増やし内需を活発にすることです。
 社会保障骨抜き大増税の「社会保障・税の一体改革」、憲法違反の公務員賃下げなど国民いじめをやめさせ大幅賃上げ、雇用の安定で安心して暮らせる社会の実現が必要です。
 公務員攻撃を跳ね返し、職場の切実な要求を実現するため、大いに討論し堂々と要求しましょう。厚生行政に携わる労働者の誇りを取り戻すべく、国民に喜ばれる仕事づくり、体制づくりも、ますます重要です。
 社会保険庁解体に伴う分限免職処分の取消を求めるたたかいは、人事院の判定をめぐっていよいよ大きな山場。有期雇用職員の雇い止め、ロックアウト解雇など大企業の横暴な不当解雇を許さないたたかいとも連体し、労働者の誇りをかけたたたかいを前進させましょう。
 私たちは、要求討議をすすめ、多くの労働者・国民と交流し共同を広げ、厚生行政の拡充と自らの要求実現を一体に前進させるため、「要求が実現する」こと、「たたかっている」ことを実感し、多くの仲間に共感の広がる運動を大いにすすめましょう。
 2013年春闘を全組合員の総力を結集し大いに奮闘しましょう。

2013年2月2日
全厚生第54回中央委員会


討論 働きがいある職場に

 討論では19人の中央委員等が活発に発言しました。( )内は、支部名
◇年度内の公正判定を
 中央委員(中部)は、2月6日に人事院中部事務局長交渉、翌日は宣伝行動等を行う。年度内の公正判定を求め頑張ると発言。中央委員(中部)は、3月6日に安心年金つくろう会・解雇撤回静岡の会を開催。本部・他支部の参加を要請。中央委員(北海道)は、不当解雇撤回オルグの道内キャラバンを実施。北海道支える会を作り、社保OB有志の会で奮闘。運動を広げるため道内の全国支える会の会員にもニュースを発信すると発言。傍聴者さん(機構本部)は、解雇撤回闘争への奮闘に感謝。口頭審理が終了し、年度内の公正判定を求め奮闘すると発言。中央委員(四国)は、香川・Aさんの裁判は5回の口頭弁論。毎回50名を超える傍聴者が参加。先日、励ます会総会を開催。愛媛・Bさんは昨年7月に正規職員に登用、Aさんは公務災害認定を受けるなど状況が変化。勝利に向け頑張ると発言。
◇非常勤職員の取り組み
 中央委員(本省)は、労働条件で学習会を開き50人が参加。事前アンケートも200枚集約し5人が組合加入。学ぶことで部署ごとで違う労働条件が改善された。共感できる運動を作り、頑張りたいと発言。中央委員(機構本部)は、3月に雇い止めになる多くはベテラン。更新回数を理由にしたクビ切りは納得できない。経験ある職員を大事にすることが大切と発言。中央委員(中部)は、厚労省の非常勤職員となり3年3カ月、年金機構へ出向していた職員が戻るため3月で雇い止め。厚労省の非常勤に残れば、給与は大幅ダウン。今後の対応を検討中と発言。
◇社会保険での活動推進
 中央委員(関東)は、負担が大きい遠距離通勤の問題点を指摘。異動した職場で組合ニュースを配ると熱心に見てくれる。職場に掲示板を設置し組合拡大をすすめたいと発言。中央委員(近畿)は、分会・協議会単位で職場集会、有期雇用職員の集会を取り組み、ブロック交渉でぶつけたい。中央委員(中部)は、共働きの職員の夫が機構本部に異動しうつ病に。意味の無い広域人事異動はやめるべきと発言。中央委員(近畿)は、京都協議会は新春に年金事務所・健保協会門前ビラ宣伝を実施。継続こそ力。健保協会は各県1事務所。上のポストは遠距離異動となり戻れないのが問題と発言。傍聴者(機構本部)は、機構本部の実務部署では「人事や給与は地方に」との意見も聞く。風通しの良い職場を作るには予算と権限を地方に下ろすべきだと発言。中央委員(近畿)は、3月2〜3日に労働学校を予定。民営化でサービス向上が宣伝されたが、成果が求められパワハラがおきている。職員は管理職になりたがらず、持続可能な組織とは言えない。女性の要求を前進させたいと発言。
◇組合の多彩な取り組み
 中央委員(感染研)は、毎年春に花見・BBQ大会、秋に文化祭を開催。参加者で交流を深め組合加入もすすめている。再任用制度や処遇改善、パワハラ問題等で所長・副所長交渉を実施。成果をあげていると発言。傍聴者(関東)は、国公法弾圧2事件の判決で、国家公務員の政治活動の自由に向け風穴を開けた。今後は組合活動で奮闘を決意。傍聴者(厚研連)は、大阪府立衛生研究所の独立行政法人化で反対署名の協力を要請。
◇福祉・本省の取り組み
 傍聴者(本省)は、本省共闘の総会を予定。事務局長として頑張ると発言。中央委員(塩原)は、福祉施設の統廃合で、40年の歴史のある塩原センターはあと2ヶ月で廃止。雇用問題など最後まで全力で取り組むと発言。中央委員(函館)は、地域労組への役員派遣について時間をかけて問題解決。今後は支部活動に集中したい。中央委員(福岡)は、2月6日に支部春闘討論会を取り組む。多くの組合員の交流を深めたいと発言。

新しい仲間を迎えよう 杉浦副委員長が討論のまとめ

 豊かな討論によって春闘方針をあらゆる角度から深め、方針に魂を込める、命を吹き込むことができた。定期大会後のたたかいに確信をもつことが重要だ。特に11・2総決起集会は不当解雇から3年、乱暴な解雇を許さない共同を広げながら、当事者の思い、全厚生闘争団の思いを感動的な舞台にできた。この春闘は、年度内の公正(勝利)判定を迫る山場のたたかいになる。たたかいを広げ、全力をあげよう。春闘では職場を基礎にした活動が重要だ。要求の鮮度を高め、その実現を迫る取り組みを全ての支部で実践しよう。要求を前進させるため、団結を強め、新しい仲間を迎えよう。定期大会で決定した組織拡大目標250人を達成させよう。非常勤職員・有期雇用職員の労働条件の改善、雇用を守るたたかいを重視する。全厚生の職場は、国民生活と直結している。職場を変えることは、国民の幸せづくりにつながる。笑顔で、知恵だし、声だし、元気だし、勇気をもって、誇りをもって、さあ、みんなでやろう!


有期雇用職員の雇用継続を
社会保険支部協議会

 2月3日、社会保険支部協議会を開催。(1)年金記録の整備、(2)有期雇用職員の雇用延長の取り組み、(3)春闘要求事項、(4)各支部・各県協議会の現状と組合員拡大の取り組みなどの課題について討論。
 機構発足4年目となりますが、厚生労働省、日本年金機構ともに記録問題の原因や2200万件の未整備の年金記録について整備方針などをいまだ明らかにしていません。また、予算削減による事業縮小のため、職場実態を考慮せず一方的に2千人の有期雇用職員の雇い止めを行おうとしています。記録問題の解決には、正規・有期問わず、積み重ねた経験が何より重要です。協議会では、厚労省、日本年金機構に対して記録問題の原因、今後の方針を明らかにするように求め、各支部がブロック本部に対して、希望者すべてを雇用継続すること等、緊急申入れを行うことを確認。
 組合員拡大をはじめ、春闘方針の具体化をはかり、心身ともに実感できる春闘を展開していくことを意思統一しました。


塩原廃止で雇用確保を
福祉支部代表者会議

 2月3日、社会福祉支部代表者会議を開催。2013年春闘方針の具体化を図るために交流・協議を行いました。本部から今井・杉浦副委員長、小出中央執行委員、各支部代表者が出席。討議では、国立福祉施設の組織再編問題を中心に深めました。厳しい減量・効率化の中で、国立福祉施設の役割発揮や拡充をめざす取り組みをいかにすすめるかが焦点となりました。職場から要求書を提出し、施設管理室長交渉に結びつけるとともに、一元化した国立リハセンターとの懇談・交渉等のあり方を検討することが重要であるとの認識に立ちました。当面、塩原視力障害センターの年度末の廃止に伴う雇用確保の課題では、最終の取り組みを意思統一。組織強化の課題では、異動した組合員を確実に対応し、国公共済をアピールして加入に結びつけることが重要であることを強調。春闘で奮闘しあうことを確認しました。


不当解雇撤回特別決議(要旨)

 全厚生組合員が解雇撤回を求め人事院に審査請求を行なってから丸3年。全厚生15事案の人事院公開口頭審理は、延べ59日間行なわれ、2千人以上の傍聴者がたたかいを支えてくれました。1月28日の最終陳述書提出期限をもって全ての事案が結審。審理を通じて、あらためて解雇の不当性が明らかになりました。人事院が事実を正しく評価するならば、分限免職処分は必ず取り消されなければなりません。
 たたかいも大きく前進しました。昨年11月2日の「社保庁不当解雇撤回中央総決起集会」には600人以上が参加し、闘争団の合唱構成「とどけよう39人の声」は、大きな感動と共感を広げました。毎月18日の厚労省・人事院本院前での要求行動に多くの仲間が駆けつけています。全国各地で宣伝、学習会、決起集会が取り組まれ、支援の輪が広がっています。人事院宛署名は年内に5万8千筆を集約。引き続き20万筆の目標に向け奮闘が必要です。
 私たちは、全てのカを結集し「公正・公平な立場ですみやかに処分取消の判定を」の声で人事院を包囲し、解雇の自由化・公務の民営化を許さず、働く仲間のくらしと権利を守り要求前進の一里塚を築くため、たたかいに勝利するまで団結して奮闘します。


団結集会で絆を強く

 中央委員会終了後、団結集会を開催しました。ミカバンドによる演奏でスタート。また、青年劇場有志が、制服向上委員会の「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を披露、芝居『真珠の首飾り』の一部を朗読しました。
 各職場や闘争団当事者の決意表明など大いに交流。近畿支部を中心に、闘争団を励ます自作の歌「はな」を歌いました。最後は、参加者全員で輪になり「がんばろう」を熱唱して団結を深めました。


Back  to HOME