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◆第1769号 (2012年7月15日付)◆
不当解雇撤回、賃金改善を
厚生共闘 大臣官房長と交渉

 厚生共闘(全厚生と全医労で構成)は6月26日、大臣官房長交渉を実施。厚生共闘は岸田議長、山本・佐藤副議長、杉浦事務局長、香月・田口事務局次長が出席。厚生労働省からは、岡崎官房長、小川人事課長、樽見参事官らが対応しました。
 冒頭、岸田議長が要求の趣旨説明。(1)人勧に基づかない大幅な賃下げが行われている下で、生活と労働の実態にふさわしい賃金水準に改善するために最大限の努力を行うこと、(2)官民比較を唯一の根拠とした退職手当の引き下げを行わないこと、(3)国立ハンセン病療養所の医療、看護、介護の充実を図るため、医師、看護師、介護員等の増員を行うことを要求。続いて山本副議長が社会保険庁の廃止にともなう分限免職処分の撤回、2年3カ月の有期雇用で採用された非常勤職員の安定した雇用を早期に確保することを要求しました。
 これに対し、岡崎官房長が賃金課題では、「個人的には一生懸命、色々な職場で日々努力しているのは認識しており、震災復興が理由とされているとはいえ、職員の給与引き下げは心苦しい。しかし、国全体で大震災からの復興をということでスキームが決められたもの。なんとか2年間ということでご理解をいただきたい」と回答。退職手当の課題では、「退職手当は引退後の生活に関わることであり、これが安易に決まることは好ましくない。制度論、官民比較の中できっちりした対応が必要だ。みなさん方の思いが伝わるような対応はしていきたい」と回答。ハンセン病療養所の課題では、「療養所の状況は理解している。看護師、介護員の離職の多い中で欠員補充ができるようにしたい。定員確保も来年度にむけて、しっかり努力していきたい」と回答。社保庁職員の解雇撤回の課題では、「社会保険庁改革の中での対応だった。分限免職は近来なかったことだが、撤回はできない。色々な努力をした中での対応だった。個々の職員の相談にはのっていく。地方厚生局の有期雇用非常勤職員の雇用確保は、可能な対応はしていく」と回答しました。
 これに対し、岸田議長が再要望。賃金課題では、「今年の賃金改善要求は、例年以上に切実だ。民間との賃金格差を直ちに改めるべきだ」と主張。社保庁問題では、「納得できない回答だ。分限免職処分の出発点となっている閣議決定の撤回なくして解決はない。処分撤回を再度求める。非常勤職員の安定した雇用確保の方針を明確にすべきだ」と要求しました。
 岡崎官房長は、「仕事に見合った賃金は重要。仕事の中身を政府部内で理解してもらうよう対応していく」、「閣議決定の撤回はできないが、個別の対応は出来るだけのことをしていきたい」と回答しました。

「公務員賃下げ違憲訴訟」原告団紹介(2)

こんな理不尽なことはゆるされない/中央執行副委員長
 今回、公務員賃下げ違憲訴訟の原告の一人として参加することになりました。
 なんでこんなに公務員がいじめられるのかおかしいですよ。こんな理不尽なことがゆるされて良いわけがありません。
 退職金カット、年金もカット、定年制も延長されない。この上消費税値上げなどローンのある者は生活が成り立ちません。
 仲間の声を受けて、職場の皆さんに支えて頂き、たたかっていきたいと思います。
 
ごく自然に「おかしい」と手を挙げた/中央執行委員
 不当解雇撤回闘争に取り組む全厚生で訴訟慣れ?しているからか、ごく自然に「これはおかしい」と原告団に手を挙げました。(全体をみると意外に女性の数が少ないようで、驚いています。)公務員は真面目ですが、真面目と言いなりになることは違います。今回の賃下げは全ての労働者の賃下げにつながっていきます。労働者の権利を守るため、おかしいことはおかしいと声を上げる訴訟団に、ご支援、ご協力をお願いいたします。
 
新しい民主制度誕生の時代を生きている/感染研支部支部長
 恐らく我々は新しい民主制度誕生の時代を生きている。アントニオ・ネグリは「様々な領域の管理・統制に多数の人々が直接参加する新しい民主主義」を予想している。代議制にかわる直議制の導入であろうか。より一層の情報共有と個々の自律が前提と思われる。カントが言う自律であろうか。日本国憲法は国民に自律を求めている。憲法に言われるまでもなく自律的人間を心がけてきた私は、今、原告となる決断をした。多くの同士に感謝。


塩原センター職員の雇用確保を
施設管理室長と交渉

 全厚生は7月12日、施設管理室長交渉を実施。交渉団は、山本委員長、今井副委員長、杉浦書記長、小出中央執行委員、西田書記、塩原・国リハ支部の代表9人が出席。施設管理室は、黒沢室長、島村補佐らが対応。  冒頭、山本委員長は、国立更生援護機関の組織再編にあたり、国立施設の充実強化を図ることが重要であることを強調。その上で、塩原視力障害センターの施設廃止に伴う職員の雇用確保について、職員の意向や希望を十分に尊重し、万全の対応を要求。これに対して黒沢室長が回答。その後交渉団は課題ごとに要求実現を迫りました。

回答要旨(◇要求 ◆回答)
塩原視力障害センターについて、施設廃止までは利用者が不利益を被らないように現在の学習環境・支援体制を維持すること。働きがいのある職場環境の確保に努めること。
来年の2月に授業が終わり、無事に全員が卒業できることを期待している。その後の国家試験にも合格していただきたい。職員の数は利用者に迷惑をかけないように配置したつもり。
組織再編等の具体化にあたり、職員の身分・労働条件等の後退を招かないよう、万全の措置をとること。人事異動について、塩原で働く職員を最優先して対応すること。具体的には、転勤において、職員の意向や希望を十分に尊重し、最後まで万全の対応を行うこと。
退職勧奨せず、職員をきちっと受け入れる立場でやっていく。(塩原の職員の)要望を踏まえて、できる限りの努力をさせてもらう。
例年10月に職員一人一人から人事異動等についての意向調査を行ってる。来年の4月の異動が最後になるが、要望を踏まえつつ、最終的にはリハセンターに受け入れることで万全を期していきたい。全員リハセンターに移ることではない。
どこかの施設に行きたいという希望があれば努力を行う。希望にそった形で調整をさせてもらう。リハセンターも含めて他の3施設でトータルに考えていく。意向は尊重しながら調整したい。職員全部の意向・要望が出されるのが11月から12月。それを集めて、色々施設に打診をしていく。
塩原の職員を優先するなら、他のセンターの職員の皆さんにもご協力をいただきたい。
同じ国立施設であるきぬ川学院等への異動希望があれば、受け入れ先の状況・条件など聞いてみたい。
国立障害者リハビリテーションセンター病院の医師・看護師不足を解消するなど、サービス向上、安全確保のための体制を確保すること。
医師(不足)は困っている。医師の給与問題は、抜本的に考えなければならない。
各施設の機能強化を図るため、各施設の事業運営の自主性を尊重すること。
組織図的には一元化になった。どう一元化を図るか、見直しも含めて考えたい。
介護員の夜間特殊業務手当を夜間介護業務手当(業務に見合った手当)に改め増額すること。
昨年は力を入れて取り組んだが理解が得られなかった。今年もがんばりたい。
各職種の昇格改善を行うこと。
改善事項について、知恵を絞りつつ、努力していきたい。
団塊の世代の大幅退職による欠員を生じさせないこと。
採用抑制があり、なかなか厳しい。専門職は速やかに採用したい。事務部門は非常に厳しい。


子ども達の未来のために!
第36回女性交流集会で学び、語り合う

 全厚生女性部は6月16〜17日、「緑深まる秩父でリフレッシュ〜食生活から考えるQOL(Quality Of Life)♪」をテーマに、第36回女性交流集会を秩父で開催。国立リハ支部の協力のもと、男性や子どもを含め、9支部、40人が参加しました。
 一日目は所沢の国立障害者リハビリテーションセンターを訪問し、リハセンターの構成や役割、仕事内容について学びました。医療・福祉・就労支援サービスから、支援技術・機器の研究開発、さらに国際協力を行う事業活動までもが一か所に集約されているユニークな施設であることが分かりました。一方で、障害者自身が望むリハビリテーションは、集約された大きな施設の中だけでなく、生活の場に近い所でも提供されるべきで、地域にある国立福祉施設は国が責任をもって拡充していく必要があるとの思いを強くしました。
 夕食交流会では、参加者が職場の状況を交流し、それぞれの大変さや思いを共有。夕食後もテーマ別に学び語り合いました。
 二日目は、国立健康栄養研究所OGで元全厚生副委員長としても活躍された、大妻女子大学名誉教授の池上幸江さんから「原発事故と食品の安全」と題して、食品や水、空間の放射能汚染の実態と放射線の健康への影響、放射線から身を守る食生活について学びました。子ども達の未来のために、原発廃止・自然エネルギー活用・原発事故への対応などを、国民の立場で考えられる政府実現のため、ともに頑張ろうとのエールを頂き、奮闘していかなければという思いを共有しました。
 集い、学び、語り合うことで、参加された方はそれぞれにリフレッシュできた集会となりました。

池上幸江さん講演より 放射線から身を守る食生活の提案


第30回国立試験研究機関
全国交流集会に参加して

 大震災・原発事故を集会テーマとして第30回国立試験研究機関全国交流集会が6月21日つくば研究交流センターで開かれ、全厚生から3名が参加した。
 午前中は記念講演、個人アンケート結果報告、情勢・基調報告が行われた。午後は2つのセッションにわかれ、第1セッションのパネルディスカッションに参加した。
 日本原子力研究開発機構労組より福島原発事故・放射能汚染問題の現段階と課題について、底が抜けなかったスリーマイル事故に比べはるかに厳しい状況でいまだに処置が済んでないと報告があった。科学ジャーナリスト賞を受けた「プロメテウスの罠」(同名で出版)について取材現場から報告された。1954年から続けられていた放射能観察の予算が突然削られた等の生々しい話が聞けた。産総研からは「省エネ対策・技術普及と研究機関の課題」について、原発と火力を下げても節電と再生利用でカバーでき、温暖化対策とも矛盾しないと報告され、眼前の靄がにわかにはれたような気がした。一般参加の方も積極的に発言された。
 全体的に内容が盛りだくさんで時間が足りない感があったが、新たな知見も得られ有意義な時間であった。


最高裁で無罪判決を勝ち取ろう
国公法弾圧2事件でシンポ

 6月30日、東京都千代田区の星陵会館で国公法弾圧2事件(堀越事件、世田谷事件)の最高裁無罪判決と表現の自由を勝ち取ろうと、「最高裁は『表現の自由』を守れるか」6・30シンポジウムが開かれ、会場いっぱいの370人が参加。1部が基調報告と2つの講演、2部がパネルディスカッションの構成でした。
 講演では、青木理氏(ジャーナリスト)が公安警察の実態を報告。「公安警察は、情報収集が主な任務である。警察があらゆる情報を管理し、これを放置すれば日本は警察国家になってしまう」と強調しました。青井未帆教授(憲法学)が「統治する側は表現の自由を規制する。憲法は権力の暴走に歯止めをかけるもの」と述べました。
 参加者からは、「警察組織の異常さが分かった」、「表現の自由は勝ちとって守るもの」等の感想が出されています。
 2事件が上告されて2年が過ぎました。検察時代に堀越事件を担当した古田裁判官が今年4月上旬に定年退官したことで審理が本格化します。なんとしても大法廷回付を実現するため、シンポジウムの成功を弾みにして、世論の支持を広げる学習会の開催や「大法廷回付と違憲無罪を要請する署名」の推進をお願いするものです。


運動の力で悪政を変えよう!
怒りの国民大集会

 消費税大増税、社会保障大改悪、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)への参加など、野田内閣と民主、自民、公明3党による悪政をはね返す、「いのちと暮らしを守れ!怒りの国民大集会」が6月23日、都内で開かれました。全国から2万4000人が参加。「怒りを運動の力に変え、たたかいをいっそう強め、悪政阻止にむけ全力をあげましょう」との集会アピールを採択しました。


北久保和夫さんの身分と権利を回復せよ
厚生共闘 厚生労働大臣宛に申し入れ

 厚生共闘(厚生省労働組合共闘会議)は6月28日、「北久保和夫さんの身分と権利を回復するための申し入れ」を小宮山洋子厚生労働大臣宛に行いました。申し入れは、杉浦事務局長、香月事務局次長が行い、上沼人事調査官が対応しました。
 人事院は2008年9月3日、北久保和夫さんに対して京都社会保険事務局が行った懲戒処分について、2011月9月1日付で取消判定を行いました。
 北久保さんは、この懲戒処分により日本年金機構への採用を強く希望し、応募していたにもかかわらず職員候補者名簿に登載されず、厚生労働省への転任もされず、2011年12月31日に分限免職処分となりました。
 懲戒処分の取消で、分限免職の前提がなくなりました。厚労省は、直ちに北久保さんの身分と権利を回復しなければなりません。しかし現在まで、身分と権利の回復は行われていません。
 申し入れ事項は、(1)厚生労働省は、北久保さんに対して誤った懲戒処分を行ったことを謝罪すること。(2)分限免職処分の前提となった懲戒処分が取り消された事実を受け止め、北久保さんの分限免職処分を取り消し、厚生労働事務官の身分と権利を回復すること。(3)厚生労働省の責任において、北久保さんの意向を踏まえ、日本年金機構の正規職員とすること。


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