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◆第1764号 (2012年2月15日付)◆
全厚生第53回中央委員会
輝く未来を展望して、憲法を活かす社会を実現しよう!

 全厚生は2月4日、「輝く未来を展望して、憲法を活かす社会を実現しよう!」をメインスローガンに、第53回中央委員会を開催。全国から中央委員・傍聴者など55人が参加。山本委員長が挨拶し、春闘方針案を杉浦書記長が、補正予算案を市川副委員長が提案。来賓として国公労連の木下中央執行委員、全医労の岸田委員長、日本共産党の田村智子参議院議員が挨拶しました。
 討論は、17人が発言。社会保険庁不当解雇撤回の闘争団当事者5人も参加したたかう決意を表明。また全厚生退職者会と機構本部支部OB有志の会がカンパを手渡しに駆け付けてくれました。春闘方針案・補正予算案を全会一致で採択し、2012年春闘を全力でたたかう方針を確立しました。
 中央委員会の後は、全厚生団結集会を開催し、翌5日には、福祉部門と社会保険部門がそれぞれ支部代表者会議を開催しました。

委員長挨拶/確信もち堂々と要求しよう
 民主党はいよいよ本性を現した。野田内閣の政治の冷たさは、通常国会での施政方針演説の中に全く国民が存在せず、大震災、大洪水、大豪雪で困っている国民に何ら心を寄せるものではなかった。日本の政治の「本当の冷たさを見た」というのが実感だ。
 こうした政治状況を変えるのは、この国で困っている国民一人一人の声であり力だ。いま本当に困っている一人一人が、自らの明日のために、自分のできることを考え始めている。国民を主人公にした改革の黎明期にあるのではないか。
 こうした時期の労働組合の役割は大きい。労働者の団結の力が発揮されれば、自分のできることを探している多くの人たちが、答えを探しだす力にもなるのではないか。いま労働者は、自らの要求を堂々と主張することこそが大切。さまざまな情勢を考えると「要求するなんてわがままではないか」との思いも否定できない。労働基準法では、労働関係の当事者は労働条件の向上を図るよう努めなければならないと規定している。使用者は労働条件を改善し、労働者は労働条件改善を要求することが、この規定を実践することであり、法令順守そのものであることに確信を持とう。
 私たちの運動の発展は、大震災の被災者や不況で苦しむ多くの国民の願いを、堂々と主張し訴えることができ、そのことを受け止められる国づくりにつながる。私たちの声で国民生活無視の野田内閣の暴走を止めよう。私たちが要求することが、この国を良くすることだと確信できる運動を発展させよう。

書記長方針提案/団結し元気な春闘つくろう
 今こそ、憲法25条の生存権保障や基本的人権を基礎に据え、人間らしく生き、働くことのできる社会をめざす。輝く未来を展望し、春闘を意気高くたたかおう。
 旧社会保険庁職員の不当解雇撤回闘争は、3年目。人事院闘争は、口頭審理の総仕上げに入る。京都に続き、北海道、大阪、香川での裁判で口頭弁論もスタート。2月27・28日の人事院本院での口頭審理に全力で取り組む。乱暴な解雇を許さない共同を広げてたたかう。
 要求づくりは労働組合の出発点。全ての支部で要求書を提出し、交渉強化し、粘り強く執念を持って、要求実現をめざす。非常勤職員、有期雇用職員の雇用と労働条件の抜本改善に全力を尽くす。
 組織強化・拡大は最重要課題。現在まで210人の新たな組合員を迎えた。4〜6月の運動強化期間を全力で取り組む。
 国立福祉施設の組織再編・統廃合に対し、障害者の権利保障及び障害者福祉の拡充の立場で全力を尽くす。職員の身分・労働条件の後退を招かないよう万全の措置を要求する。独立行政法人の国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の統合方針が閣議決定された。国民の健康と福祉を向上・発展させる立場で国会対応を強める。
 通常国会の冒頭から、国家公務員給与削減法案阻止のために全力を尽くす。社会保障と税の一体改革は、消費税増税と社会保障総改悪がねらい。全厚生は社会保障講師団の活動を進め、学習や闘争に積極的に寄与する。  春闘で全員参加型の活動を探求し、組合員を主人公にして、元気ある春闘をつくろう。

春闘アピール(要旨)

 全厚生は第53回中央委員会を開催し、労働者・国民のたたかいで展望を広げ情勢を打開すべく奮闘する決意をかためました。
 一昨年の大会以降、全支部・分会で組織強化・拡大に奮闘し、多くの新しい仲間を迎え増勢に転じました。組合員を増やすことは、職場の切実な要求を前進させ、働きやすい職場の実現に直結することが討論で明らかになりました。全厚生に関心を持ち、共感する人が多くいることもわかりました。まだ全厚生に入っていない人に自信を持って、積極的に働きかけましょう。
 政府は、東日本大震災と原発事故からの復旧・復興や、構造改革路線からの脱却を求める国民の声を無視し、社会保障改悪と消費税増税の「社会保障・税の一体改革」、憲法違反の公務員「賃下げ法案」最優先で、日本経済と国民生活をさらに冷え込ませようとしています。いま大切なことは、憲法を活かし安心安全な社会をつくることです。

 公務員攻撃を跳ね返し、職場の切実な要求を実現するため、大いに討論し堂々と要求しましょう。厚生行政に携わる労働者の誇りを取り戻すべく、国民に喜ばれる仕事づくり、体制づくりも、ますます重要です。
 社会保険庁解体に伴う分限免職処分の取消を求めるたたかいは、いよいよ大きな山場。JALの不当解雇とたたかう仲間とも連帯し、労働者の誇りをかけたたたかいを前進させましょう。
 私たちは、要求討議をすすめ、多くの労働者・国民と交流し共同を広げ、厚生行政の拡充と自らの要求実現を一体に前進させるため、「要求が実現する」こと、「たたかっている」ことを実感し、多くの仲間に共感の広がる運動を大いにすすめましょう。
 2012年春闘を全組合員の総力を結集し大いに奮闘しましょう。

2012年2月4日 
全厚生労働組合第53回中央委員会 

討論 働きがいある職場に
 中央委員会の討論では17人の中央委員等が活発に発言しました。

◇仲間との対話・交流を
 機構支部は、秋に開いた職場懇談会で組合員の交流を行い、実態を把握し、当局に申入れ書を提出したと発言。関東支部は、6月に准職員で入り、身近に労働組合があった。先輩役員の熱心な話で執行委員になり、日々勉強中と発言。近畿支部は、新しく有期雇用で働く仲間を迎えた。また雇用継続署名の取り組みをがんばる組合員の姿に、目の前の仲間を大切に共に活動することが、組合を大きくし、信頼をつくると発言。近畿支部は、年金事務所門前の早朝宣伝で組合加入を訴えてきた。健保協会では、病気休職中の組合員の職場復帰を協会本部に直接要請。当局の姿勢を退職から職場復帰に変えさせ、本人を支えることができたと発言。

◇学び・語り・平和を
 近畿支部は、労働学校を開催し学習を深めてきた。今期は夏期講習も計画、社会保障講師団のDVDをつくっている。有期雇用問題でブロック長交渉を実施。他支部との情報交換を行い、実りある交渉を実施していくと発言。中部支部は、支部大会でパワハラでうつ病になる職員がいる話など組合員の思いが多く出された。職場を基礎に組合員との対話を進める重要性を再確認したと発言。関東支部は、有期雇用職員間で採用時期によって、更新切れとなる条件の違いが話題に。最近忌引き休暇でトラブルもあり、就業規則や労働条件の権利学習が重要だと発言。機構支部は、原水禁世界大会や平和大会など、平和の取り組みに参加。組合のイメージも変わり、楽しかった。組合員拡大でもがんばりたいと発言。

◇福祉・研究・本省の各部門で取り組み前進
 塩原支部は、施設閉鎖の準備が進められ、人事異動が切実な問題になっている。入所者が1人でもいる限り最後までサービス低下させること無く人員確保を施設長に要求すると発言。基盤研支部は、組織発足後初めて理事長交渉を行い、パワハラの相談員を作ること、昇格改善、非常勤の雇い止め問題など前進したことを報告。本省支部は、非常勤職員への声掛け、学習会も開催し組合員拡大を進めた。公募のあり方で期間業務職員のアンケートを集めて懇談会を行い、45人が参加。要求をまとめ1月末に人事課に申し入れを行ったことを発言。

◇社保庁職員の不当解雇撤回闘争を全力で
 北海道支部は、今は不当解雇撤回闘争が中心で全力ですすめている。裁判では、組合と支える会が一緒になり職場が離れている困難を乗り越え奮闘していると発言。東北支部は、秋田闘争団総会・激励集会は前回を上回り結集。青森県の学習会でも訴え、東北で解雇撤回のたたかいの輪を広げていると発言。機構支部は、職場復帰の運動とともにTPP交渉の問題や消費税増税反対、働く権利侵害など国民犠牲の攻撃を跳ね返す運動と一体で取り組むことが重要だと発言。中部支部は、JALと社保庁の闘争は労働者の関心が高く、公務職場は出先機関の廃止の課題で危機感をもって結集し、たたかっていると発言。

◇組合活動の歴史を語り
 ハ病研支部は、ハンセン病の新患は世界に1年間で25万人いる。専門分野の研究者がいなくなっていることが心配。40年間組合員として学習し活動できたことを皆さんに感謝したいと発言。近畿支部は、全厚生に加入して4年8カ月。組合結成時からの歴史を振り返り発言。困難を克服して支部長として奮闘し、役員を育ててきた経験を生かし、今後は真実を見抜ける労働者を育てるために教育分野でがんばる決意を述べました。

元気に明るく、打って出よう
山本委員長が討論のまとめ

 春闘で組合員の声をつかむことが大切。組合に入っていて良かったという思いを語ること。職場集会を持ち、みんなの声を聞き、みんなで活動しよう。一人ひとりが自らの要求でたたかい実現する、そのために組合が寄り添っていこう。
 全ての職場に有期雇用職員がたくさんいる。安上がりな雇用を拡大してきた社会が問題であり、あきらめずに問題解決のために頑張ろう。交渉を積み重ね、交渉でひとつでも光るものを見つけ、それを足がかりに要求前進をめざそう。
 組合も学習し成長する、それとともに管理者も使用者として育てていかなければならない。勤通大を活用して大いに学習しよう。
 分限免職撤回のたたかいも、人事院で厚労省幹部官僚の証人尋問が行なわれる。重要な時期を迎えた。結果を恐れず大いに地域や職場に打って出て、宣伝に取り組もう。  今春闘、元気に明るく、多くの皆さんと手をつなぎ、力一杯奮闘しよう。

団結集会で絆を強く
 中央委員会終了後、団結集会を開催。神奈川合唱団による活気溢れる太鼓の演奏で幕を開け、福祉職場や女性部、青年部からの活動報告など大いに交流しました。近畿支部が、全厚生闘争団を励ます自作の歌「はな」を披露。三澤弁護士による社保解雇撤回闘争の経過報告の後、四国支部から闘争団に力強いエールが送られました。  最後は、神奈川合唱団の音頭により、参加者全員で「がんばろう」を熱唱して団結を深めました。


賃下げ法案を廃案に
国会前で座り込み行動

 憲法違反の賃下げ法案阻止のたたかいは、重要な段階にあります。野田内閣は、消費税増税ありきの社会保障と税の一体改悪の中で、身を切ると称して、公務員賃金削減を国民総犠牲の露払いにしようとしています。
 今、全国で消費税増税反対、賃下げ法案廃案めざし、宣伝行動が取り組まれ、中央では国会前座り込み行動を展開しています。国民春闘で、野田内閣の暴走をストップさせる国民的な共同を大きく広げて奮闘しましょう。


施設運営に責任を
福祉支部代表者会議

 2月5日、社会福祉支部代表者会議を開催。塩原支部は、施設長交渉を行い、電気ポットと冷蔵庫の使用を認めること、異動については希望を尊重した異動、職員の減少により宿日直業務が過重にならぬよう配慮することを要求。通常業務に加え、閉鎖へ向けた業務で負担が増加していると報告。リハ支部からは講師対応で授業は何とかなってもその他の業務が回らないこと、福岡支部からは宿日直ローテーションがきついと特に女性から声が上がっていること、伊東支部からは「もうすぐ閉鎖になる」という情報から、利用者が減少していること、リハへの異動が急に行われ、補充がないことが報告。具体的な取り組みとして、塩原の節電対策について、管理室長交渉で過度にならないよう指示しているとの回答を生かし、再度確認する。最後まで施設運営に責任を持つように当局に要求する。施設・障害者のために働きぬく準備を進めていこうと意志統一しました。


有期雇用職員の雇用継続を
社会保険支部協議会

 2月5日、社会保険支部協議会を開催。(1)各支部・各県協議会の現状と取り組み、(2)機構本部・ブロック本部交渉の報告、(3)有期雇用職員の雇い止め問題、(4)春闘期の取り組みについて討論。機構本部との基本協約締結後の掲示板確保、職場集会や学習会の開催、事務所前早朝宣伝行動など各支部工夫した行動の報告を出し合い意見交換。
 特に、有期雇用職員の雇い止め問題では、要求前進の障害となっている予算や政策上の根本問題が浮き彫りに。署名で寄せられた多くの切実な訴えを知らせ、議員要請・地域との共同の闘い・粘り強い交渉などさらに幅広い運動を展開することを確認。さらに、組合員拡大と運動の発展のため、交流行事・学習会・職場集会を開催すること、職場要求前進のための「要求アンケート」実施を確認。
 不当解雇撤回や、職員が健康で安心して働き続けられる職場を目指し、春闘で全力を尽くすことを意思統一しました。


不当解雇撤回特別決議(要旨)

 社保庁不当解雇撤回のたたかいは、全労連規模の運動に輪を大きく広げ、人事院・厚労省を追い詰めてきた。人事院追加口頭審理が2月27・28日に決定された。責任ある立場にあった4名の証人尋問は、真実を問う絶好の機会であり、たたかいの大きな成果である。京都15名に加え、昨年12月15日に北海道・大阪・香川で4名が提訴し法廷闘争も始まった。年金改善の運動と一体で進展させることが重要である。
 行政の民営化・スリム化のもとでの分限免職とJAL不当解雇に見られる労働組合を敵視し整理解雇四要件を無視した首切り策動は、構造改革路線そのものである。官民一体のたたかいをさらに強化し、憲法が生かされ、安心して働ける社会を実現するため必ず勝利しなければならない。
 たたかいは山場を迎えている。全厚生は、解雇の不当性と当事者の切実な思いを語り広げ、不当解雇撤回を勝ち取るため力いっぱい奮闘する。


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