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◆第1761号 (2011年11月15日付)◆
厚労省は不当解雇を撤回せよ
人事院は処分取り消し判定を行なえ

 道理なき525人の分限免職(不当解雇)の強行から1年10カ月。前例のない国家公務員の大量解雇に対して、全厚生組合員は39人が元気にたたかっています。人事院の公開での口頭審理は全国10都道府県・15事案で行われ、2月から9月までに一巡。証人尋問を通じて解雇の不当性を立証してきました。
 日本年金機構に採用されない職員に対しては、政府の解雇回避努力が閣議で決められていました。その最も有効な方法は、厚労省への転任または省庁間配転です。しかし、政府の具体的な方針もなく、厚労省は解雇を回避するという自覚もなく、責任も果たさない、無責任な対応だったことが浮き彫りになりました。この到達点を踏まえ、人事院に対して、歴代の厚生労働大臣や人事課長などの重要証人の申請を行っています。
 全厚生闘争団はこの間、支援の輪を大きく広げてたたかっていきました。日本航空不当解雇撤回裁判原告団と共にたたかい、乱暴な解雇を許さない共同の取り組みにも参加してきました。さらに、今年の1月から毎月交互に、人事院と厚生労働省前で要求行動を積み重ねてきました。人事院に対しては、不当処分の取消の判定を早期に行うよう要求。厚生労働省に対しては、不当解雇の撤回を要求しています。年末最後は12月19日の厚生労働省前行動です。また、12月18日午後には、全厚生闘争団の勝利めざす意思統一会議及び決起集会を全労連会館で開催します。
 仲間の人生が踏みにじられ、生活と権利が一瞬にして壊された暴挙は、絶対に許せません。不当解雇撤回を勝ち取るまで、共同の取り組みを大きく広げて、全力で奮闘しましょう。


おしらせ

◆11月25日(金)9:00〜18:10
全労連・MIC・東京地評
争議支援すべての争議の早期全面解決を!争議支援総行動
◆12月18日(日)13:30〜17:00
会場:全労連会館2Fホール
全厚生闘争団の勝利めざす意思統一会議及び決起集会
◆12月19日(月)12:15〜12:50
不当解雇撤回
厚生労働省 要求行動


くらし壊すTPP参加ノー
社会保障改悪許すな

 11月10日、全労連・国民春闘共闘などの主催で国民要求実現中央行動を実施。住民本位の復興、暮らしを壊すTPP参加阻止、社会保障改悪・大増税反対を中心課題に据え、国民の願いと要求実現をめざし行動しました。
 政府は今、「社会保障・税の一体改革」と称して社会保障を切り捨てる一方で、消費税の大増税を企んでいます。「2010年代半ばまでに、消費税率を段階的に10%に引き上げる」方針です。今年の12月には、消費税増税と社会保障改悪の具体案をつくると言っています。
 さらに野田首相は、TPP(環太平洋連携協定)の交渉参加に向けて、「関係国との協議に入る」ことを一方的に決めました。関税を原則撤廃し、農産物の輸入を自由化し、医療保険制度の分野で、市場開放を推し進めれば、「日本の農業はつぶされる」「国民の安全・安心は守れない」と多くの団体が反対表明を行い、怒りの声がわき上がっています。国民の声を無視して、野田内閣が暴走しています。この秋、国民犠牲の政治をストップさせる国民的な共同を大きく広げるために奮闘しましょう。


憲法違反の賃下げ法案は撤回せよ

 人事院勧告に基づかない国家公務員の賃下げ法案を廃案にするたたかいは、重大局面を迎えています。
 政府は10月28日、人事院勧告を無視し、人勧を実施するための給与法改正法案を提出しないこと、国会で継続審議となっている「賃下げ法案」の早期成立のために最大限努力することを閣議決定。これは、政府による憲法違反の暴挙です。さらに閣議決定では、独立行政法人に対しては、国家公務員の給与の見直しの動向を見つつ、必要な措置を講ずるよう要請すること、さらに独立行行政法人の総人件費についても厳しく見直すことを言及しています。
 人事院は閣議決定に対して、「国家公務員給与改定に当たり人事院勧告を尊重することは、憲法上の責務というべきものです。現行の憲法及び国家公務員法の体系の下で人事院勧告を実施しないことは、極めて遺憾であります」との総裁談話を発表し、国会審議でも同趣旨で意見表明しています。  臨時国会での最終盤に入ります。事の本質を伝え、国会闘争を軸にして、全国での取り組みを強化しましょう。


国リハ支部
組合員増をめざし交流会

 近年リハ支部は、組合員数がじわりじわりと減少しています。
 そこで、組合員減少の打開策?として秩父学園とリハの交流集会を9月22日にリハセンター内で行いました。内容は、前半を講演会とし、講師から「最近気になる細菌の話:大腸菌編」というテーマでお話をしていただき、後半に交流会(飲み会)を設定。当日はリハセンター企画の学習会とかち合ったため、参加が少ないかと心配しましたが、秩父とリハで20名弱の参加者がありました。また、講演内容が大腸菌という医療現場に関わるものだったこともあり、医師・薬剤師など、組合員外からも参加がありました。
 交流会では、大腸菌について日頃疑問に思っていることや日常業務についての情報交換などを行うことができ、今後の組合員増への足掛かりとすることができたのではないかという感想を持ちつつ交流会を終えました。
 この取り組みを力に、引き続き組織拡大に向け、組合員とともに頑張ろうと思います。


全国青年大集会2011
夢や希望を持ち続けられる社会に

 「我々は99%だ」とニューヨークのウォール街から始まった、貧困と格差に反対する世界的な流れに、日本でも青年が呼応しました。10月23日、全国青年大集会2011が東京で開催され、4800人が参加。全厚生は、本省・機構本部・近畿の各支部と本部から7人が参加し、社保庁職員の不当解雇撤回を求める署名を会場で約550筆集めました。参加者の感想を紹介します。

  *  *  *

 集会には全国から4800人も来ていて、高校生から社会人まで色々な団体が、学校や職場や地域での取り組みを紹介して、署名集めなどの活動もしていました。内容は身近なことから世界のことまで様々。どの団体も現状が変わってほしいと思う人たちが集まり、そのために何をするか考えながら活動しており、 とても頑張っていると思いました。この集会は、自らの活動を発信するだけでなく、同世代が周りにたくさんいることで多くの賛同を得て、お互いに協力し合うことで、それぞれの活動が今を変えるためのもっと大きな力を得る機会になると思いました。
 少しでも職場の状況や世界で起きていることに対して言いたいことがあるけど言えない人がいたら、このような集会に参加すれば同じ思いの仲間に出会えるかもしれないと思いました。

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「ひたむきに生きてたら/大丈夫だと思ってた/夢や希望だって持ってた/だけどどっかいっちゃった/OH!YEAH!/愛すべき僕の人生が今は/OH!YEAH!/社会の問題になっていたよ」  昨年のこの集会で湯浅誠さんに出会って作ったと、若いロックバンドの歌が明治公園に響きわたった。
 世界中の若者が立ち上がっている報道に、いてもたってもいられなくなった。日本でもデモや集会が行われているのに、テレビでの放送は皆無だ。自分の目で確かめたかった。そして、やっと動きだした世界を、流れを、波を少しでも大きくしたい。
 「政治家は、若者の声を聞け!大企業よりも若者を大切にしろ!」シュプレヒコールのもと、思いきり叫んだ。横断幕を掲げて、若者でごった返す表参道、渋谷を。昨年は、街行く人の視線が恥ずかしかったが、今年はこんなに気持ちがいいとは…自分の思いをハッキリと口にできるのは幸せだ。それも、こんな にたくさんの人と一緒に、心から叫ぶことができる。
 街行く人や車を運転する人の視線の奥にある思いが、好意的であるようにと祈りながら、歩いた。私には仕事があり、帰る家もあり、家族もいる。今は、未来に希望を持っている。だけど、不安である。病気になって働けなくなったら、一気に滑り落ちる気がする。だから、そうならないような、夢や希望を持ち続けられる社会にしたい。黙っていては、何も変わらない。「We are 99%!!」皆さんも声をあげてみませんか?デモや集会に参加して、思いをぶつけてみませんか?私たち99%が立ち上がれば、 世界は変わるのだから。


厚生共闘 人事調査官交渉

 厚生共闘(全厚生と全医労で構成)は、11月2日(水)午前、大臣官房人事課との交渉を実施。厚生共闘は、杉浦事務局長、香月・田口事務局次長が出席。人事課からは、伊東人事調査官らが対応。
 冒頭、杉浦事務局長は、公務員労働者の賃金・労働条件の改善は、全体の奉仕者として誇りをもって働き続けるための基本課題であると指摘し、誠意ある回答を求めました。
 賃金改善では人事院勧告に基づかない国家公務員の賃金引き下げを行わないことを要求。公務員制度改革の課題では労働基本権の全面回復や公正・中立・民主的な公務員制度を確立することを要求。高齢期雇用の課題では高齢期雇用の進展(定年延長)にあわせ、職員が健康で意欲をもって働き続けられるよう、環境整備に努めることを要求。労働条件改善の課題では、メンタルヘルス対策、パワーハラスメント対策等、すべての職員の健康と安全を確保すること、非常勤職員の処遇改善などを要求。人事委調査官は、要求主旨を受け止め、組合側の実態報告を聴きながら丁寧に回答しました。


厚研連委員会開く

 試験研究機関の各支部でつくる全厚生試験研究機関支部連絡協議会(厚研連)は11月4日、国立感染症研究所で委員会を開催。感染研・国衛研・科学院、基盤研と本部から、11人が参加しました。
 当面する試験研究機関の中心課題にかかわって、杉浦書記長が政府の科学技術政策である第4期科学技術政策の概要及び行政刷新会議での独立行政法人改革の動きについて報告。国民の視点に立って厚生科学研究を強化する課題を深め、研究現場から政策・要求を示すことの重要性を確認。その後、支部活動を交流。「非常勤職員を組合員に迎え、処遇改善に向けて奮闘する」、「府中移転計画が凍結状態にあり、今後の明確な対応を求めたい」、「パワハラに対する具体的な対応をすすめる」など、研究環境・労働条件の課題を深めました。12月初旬に行なう厚生科学課長交渉に向けて重点課題を練り上げ、交渉準備を急ぐことを確認しました。


不当解雇撤回へ、決意熱く
当事者を激励する決起集会

 11月5日、秋田市内において不当解雇秋田当事者を激励する決起集会及び全厚生秋田闘争団を支える会の第2回総会が開催され、県内外から総勢63人(うち全厚生は20人)が集結しました。
 来賓の全厚生杉浦書記長が闘争団の闘いの経過と到達点を当事者からの訴えでは、長い闘いの心境を語ると共に、支えてくれる多くの仲間に感謝し、引き続く闘う決意が述べられました。
 集会では組合員から人材不足に悩む「機構職場の今」の報告や口頭審理傍聴者からの感想が述べられ、分限免職の不当性について改めて共感の声が会場を包みました。
 集会に引き続く総会では今後の具体的な取り組み方針を満場一致で確認した後、会場を移した懇親会においては、参加者全員、思い思いの言葉で当事者への励ましのエールを送ると共に自らの支援の決意を熱く語り、解雇撤回に思いを馳せる夜は更けていきました。


不当解雇撤回 当事者の決意(3)

2度と許してはいけない

 あと数カ月で社保庁の廃止から2年がたとうとしています。人事院口頭審理では、配置転換の面接が評価の基準も無く、とてもいい加減なものであり、社会保険事務局の幹部達は分限回避の努力を十分に行わなかったことが明らかになりました。本当にこんな評価基準もなく簡単に分限処分をしていいのでしょうか。
 私は、分限免職処分され職を失いました。社保庁が国会や世間のバッシングの真っただ中、一生懸命仕事をしてきました。そして何の説明もなく分限退職のリストに載りました。その中で就職先を斡旋されましたが、年齢制限が大きな壁となり新たな就職先を見つけられないまま退職になりました。自分の中でこの処分に対し納得がいかず不服申し立てをする事に決め行動に起こしました。
 このような行動の中で一人不安に思い心細かったのですが、私の起こした行動に対し支援して下さる方が現れ大変心強くなりました。
 一般企業であっても公務員であっても、このような何の判断基準も示さず評価し、退職に追い込むことはあってはならない事だと思います。労働者を解雇すると言うことは、簡単であってはならない。労働者を簡単に処分するようなことを2度と許してはいけない。そのためにもこのたたかいは勝利しなければなりません。みなさんご理解ご協力を宜しくお願いいたします。


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