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◆第1759号 (2011年8月15日付)◆
塩原・伊東センターの存続を
障害者福祉を拡充せよ

 全厚生は7月15日、社会福祉支部代表者会議及び施設管理室長交渉を行いました。交渉には、全厚生から今井副委員長、田口副委員長、杉浦書記長、小出中執、西田書記、塩原・伊東・国立リハ・福岡の各支部代表が出席。施設管理室からは、黒澤室長、三尾谷補佐らが対応しました。
 交渉の冒頭、杉浦書記長が要求趣旨を説明。人事院勧告に基づかない賃金引き下げは行わないこと、国立更生援護機関の組織再編について、塩原・伊東センターを廃止せず、障害者の権利保障及び障害者福祉の拡充の立場にたって、機能の充実強化を図るよう要求。職員が誇りと魅力を感じられる施設づくりを要求しました。
 これに対し、黒澤室長は、塩原・伊東の統廃合は政府決定。先日、国リハの大臣視察の際も、同等な趣旨の発言があったと聞いていると回答。伊東支部からは、「なぜ廃止になったのか説明ができない。責任ある者が説明に来て欲しい」と説明責任を果たすよう求めたのに対し、「だれがどういう形で行くかを検討する」と回答。塩原支部からは「募集停止はしたが、学年の推移や卒業生の扱い、今後の職員配置などが不透明で説明できない」と現状を訴え、丁寧な説明を求めました。国リハ・伊東の医師、看護師の補充問題は、引き続き努力すると回答しました。
 厚生労働省節電実行計画の取り組みについて、塩原では過渡の反応により運営に支障を来しているため改善を求めました。これに対し黒澤室長は、「各センターが過渡の反応にならないよう、利用者優先で対応していきたい」と回答しました。
 労働条件の改善要求では、定員状況について確認。室長は「施設全体では、661名の定員となっている。施設廃止に伴う退職勧奨は行わない。具体的な定員要求は、国リハ管理部と相談していく」と回答。昇格要求では、介護員長3級が実現したことを評価し、引き続き各職種の昇格改善について、主体性をもって努力するよう求めました。
 諸手当については、介護員の夜間特殊業務手当の改善を求めました。さらに、人事異動については、本人の意思を十分尊重することを求め、交渉を終了しました。


厚生科学研究の体制強化を
独法は国の責任で拡充せよ

 全厚生は7月27日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。全厚生から、伊藤副委員長、杉浦書記長、小浦中央執行委員、西田書記、感染研支部、国衛研支部、ハ病研支部の代表や厚研連委員会の代表など計9人が出席。厚生科学課からは、塚原課長、小平総括補佐、飯野補佐が対応。
 冒頭、伊藤副委員長は、国民の健康と福祉を向上させる上で国立試験研究機関の役割が重要になってる。国民の期待に応える体制確保に向け、厚生科学課の引き続く努力を求めました。
 これに対し、塚原課長が一括回答。試験研究機関の拡充の課題については、「研究所の使命を果たすため、研究の重要性に十分配慮した人員配置が行われるよう、引き続き定員の確保に努めたい」と回答。東日本大震災後の復興で抜本的な研究体制の強化を求めたのに対し、「公衆衛生、厚生科学研究分野における役割が最大限発揮できるよう災害対策全体を見据えた体制の整備に努めていきたい」と回答。独立行政法人研究所の課題では、国が責任をもって拡充することを要求。これに対し、「独立行政法人を所管する立場として両法人の必要性は、十分説明し、組織再編、統廃合のような動きがあれば、各試験研究機関との十分な合意形成を踏まえ進めたい」と回答。
 国立医薬品食品衛生研究所の府中移転計画の凍結状態を踏まえた課題では、「移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費は、積極的に対応していきたい。移転計画が円滑にすすむよう研究所とともに方策を検討していく」と回答。国立保健医療科学院の研修業務体制の充実・強化の課題では、「研修機能、研究環境の充実強化を図るため総務部に『研修・業務課』を設置。科学院の研究者・職員の意向も科学院内の協議の中で反映されるものと認識している」と回答。感染症研究所の感染症危機管理体制に対する労働条件確保や検査検定や品質管理、情報システム管理に関わる研究・業務体制を抜本的に強化することを要求。これに対し、「危機管理体制時の労働条件確保の予算措置は、必要に応じ財政当局と相談したい。国家検定・検査や品質管理及び情報システム管理に関わる研究は、重要な業務の一つ。今後とも国家検定・検査の信頼性を確保していく」と回答。また、パワーハラスメントの課題では、医薬基盤研究所での問題等を指摘し、対策強化を求めました。


組織拡大をすすめ全厚生第75回定期大会へ
全国支部代表者会議開く

 全厚生は7月23日、東京・南青山会館で全国支部代表者会議を開催。全厚生第75回定期大会の準備のため、運動方針案(骨子)を中心に討議。要求実現や組織強化・拡大の取り組み報告などを活かし、運動方針(案)を仕上げるための意思統一。提案した運動方針(案)骨子は、以下のとおり。
 [1]全厚生運動のこの1年間、新たなたたかいの到達点、[2]情勢の特徴と基本の構え、[3]たたかいの旗印(基本要求)、[4]組織強化・拡大を前進させよう、[5]誇りをもって生きいきと働ける職場をつくろう、[6]不当解雇撤回のたたかいを前進させよう、[7]労働基本権回復、民主的な公務員制度の確立をめざす、[8]国民が求める社会保障の確立をめざす、[9]国立福祉施設の組織再編・統廃合に対する取り組み、[10]厚生科学研究を拡充させる取り組み、[11]平和・憲法・社会保障のたたかいを前進させよう。
 また、4月27日に結成した北海道社会保険支部に対し、山本中央執行委員長より支部旗とのぼりを贈呈しました。
 支部代表者会議の終了後、全厚生闘争団・団結交流集会を開催。当事者16人を含め、各県での取り組み報告、全国弁護団・中川弁護士からの報告、全医労・岸田委員長の連帯あいさつ、全厚生各部門からの激励、当事者の発言などで交流を深め、たたかう決意を固め合いました。


全厚生と日本年金機構
組合活動や団体交渉に関する基本協約を締結

 全厚生と日本年金機構は8月9日、「労使間の取扱いに関する基本協約」を締結しました。
 この基本協約の締結によって、労働組合活動の基本ルールを確立しました。団体交渉のルールでは、機構本部とブロック本部との団体交渉を明確にしました。機構の施設使用及び施設内の組合活動なども明確にしました。これにより、会議室を使用して職場集会を開催することが可能になりました。また、掲示板設置のルールもでき、全厚生組合員がいる職場(年金事務所等)では、代表者を明確にすることで掲示板が設置できます。在籍専従制度も確立しました。
 全厚生として、「基本協約の手引き」を作成しました。社会保険各支部(協議会)で、組合活動をすすめる上での事務手続等を確認し、職場を基礎として活動を直ちに開始しましょう。
 なお、基本協約は、2011年8月1日付とし、周知徹底期間を約1カ月設け、9月10日が実施日となります。


原水爆禁止2011年世界大会
被爆体験を聞き核廃絶を誓う

 8月7〜9日、「核兵器のない平和で公正な世界を」をテーマに、原水爆禁止2011年世界大会が長崎で開催され、国内外から7800人が参加。全厚生からは、ハ病研、機構本部、リハの各支部と本部から4人が参加しました。
 参加した2人の方から、感想を寄せてもらいました。

 3月11日の大震災と津波、福島第一原発事故の被災者救援とエネルギー政策の抜本的転換を求める世論の高まりのなか、今年の大会は歴史的な大会であったといえます。国公労働者平和の集いでも「世界で一番わかりやすい放射能の話」として漫画家・長崎大学客員講師、長崎市平和宣言起草委員の西岡由香さんの講演を聞き、政府やメディアによる情報操作の危険性についても学ぶことが出来ました。
 被爆者の高齢化が進むなか、実体験を伺う貴重な機会であったことはもちろんですが、被災者の生の声を聴き、福島が第三の被爆であったこと、それがこともあろうにまたもや日本で起きてしまったことに、これ以上、不幸な出来事を繰り返してはならないとの思いを強くしました。

  *  *  *

 原水爆禁止世界大会に初めて参加しました。長崎で3日間、核兵器のない世界を願う人たちの話をたくさん聞いて、いろいろ学ぶことができました。
 一番心に残っているのは被爆者訪問の分科会で、13歳の時に被爆した女性と話をしたことです。原爆の威力は爆心地から12キロ離れた家の近くにいてもすごくてこわかったという話は、資料館よりもずっと原爆のおそろしさを伝える力があると思いました。家族も被爆して、爆心地に近い学校にいた兄、原爆症になった両親、熱傷を負った夫、被爆二世の子どもが亡くなったという話は聞いていて悲しくなりました。話すのがつらいのでこれまでは黙ってきたけれど、核兵器廃絶への願いから被爆体験を語ることにしたそうです。核兵器は一瞬で多くの人の命を奪うだけではなく、放射能により被曝した人やその子どもまでずっと苦しむことになるのがよくわかりました。
 原水爆禁止世界大会には高校生から高齢者まで幅広い年代の人たちがいろいろな国から参加していましたが、核兵器のない世界を実現するために一緒に行動を考えることはとても大事なことだと思いました。


ビラ配布で声をかけ対話を重ね共感へ

 機構本部支部では、職員に全厚生を知ってもらうことから始めています。拡大月間を決めて加入お誘いビラを配布しています。そのビラから、加入した方もいます。
 毎月拡大対象を決めて声をかけています。定期的に声をかけることが功を奏しているようで、その結果が出ているのが、お台場の事業場です。過半数組織を達成することができました。
 対話の積み重ね、業務の信頼関係の構築、そうしたことから職場での職員の気持ちをつかんでいるのが、新たな組合員拡大につながっています。
 新入歓迎会や職場アンケートも行いました。組合員の声を大切にし、要求を確立し、それに共感してもらうことで加入につなげる。その拡大で要求実現を目指します。


処分者側、経緯を説明できず
人事院 口頭審理・岐阜事案ひらく

 分限免職処分の取り消しを求めている堀井さん(岐阜事案)に対する公開口頭審理が7月26日から28日までの3日間、岐阜市文化センターで開かれました。
 この公開口頭審理では、処分者側3名、申立者側3名の証人と申立人に対してそれぞれ尋問が行われ、地元や東海地区の労働組合、民主団体、秋田県、京都府などからも支援者やOBなどのべ130名が傍聴席を連日満席にしました。
 処分者側の証人尋問では、配転名簿に登載されなかった経緯などを証人が説明できず、分限免職回避の努力がきわめて不十分であったこと、証拠として出された面接票の評価は「B(任用したい)の上」で、他の配転者と比較しても問題はないことなどが明らかになりました。
 申立者の堀井さんは、記録問題など繁忙の職場で一時病気休職となった経過、職場復帰後は配転を強く希望していたが、処分者側が分限免職回避努力として動いたのは社会保険庁廃止までのわずか6ヶ月間で、分限免職の回避そのものが無理であったことなどを証言しました。


解雇撤回
日本母親大会で支援訴え

 7月30〜31日、第57回日本母親大会が広島で開催され、8500人が参加。全厚生からは、5支部と本部から9人が参加しました。
 1日目は全体会開始前に、支える会リーフ2000枚を配布し支援を訴え。全体会でも登壇しアピールしました。
 2日目は47分科会が開催されました。分科会「安心できる年金制度を」には全厚生から2名が参加し、社保庁の不当解雇と年金機構の混乱の現状、憲法に保障された年金制度を求める運動を取り組む決意を訴えました。


震災ボランティア体験記

 7月14日〜17日、宮城県でのボランティア活動に近畿社会保険支部から3名で参加しました。初めての事で不安を感じながら現地にむかいました。1日目は石巻〜南三陸町〜気仙沼を周り被害の甚大さを実感しました。2日目〜4日目に民家で瓦礫撤去、自宅の泥の排除、側溝の掃除をし復興のお手伝いをしましたが、まだまだ進んでいない状況です。人手もぜんぜん足りないと感じました。
 あまりにも被災地域が広範囲であるため手付かずの所もたくさんあり、これから復興を遂げるのにはかなりの時間が必要だと分かりました。被害の状況はメディアではわかりません。多くの方々が東北に足を運んで状況を知り、伝えることが何よりも必要だと思います。東北のラジオでは観光地に足を運んでほしいと言っていました。現地の方は復興に向けたアピールをして頑張っています。
 復興に向けて何が必要であるかということを多くの方が感じることが何よりも肝心だと思いました。


不当解雇撤回 当事者の決意(2)

当事者の決意

 社保庁廃止、分限免職の強行から早くも1年8ヶ月余りが経過しました。この間愛媛では、全国に先駆けて昨年4月28日に愛媛支援共闘会議が結成され、現在までに41団体、241名の方が会員になっていただいています。
 この支援共闘会議を中心に様々な取り組みをおこなっていますが、愛媛闘争団長である私をはじめ、四人の解雇当事者と、支援共闘会議で事務局長と毎週のように闘争団会議を開催し、意見交換をしながら運動を進めています。
 人事院の口頭審理は終了しましたが、審理の中で明らかになった今回の分限免職処分の違法性や不当性を多くの国民、県民に幅広く、粘り強く広め、私たちの闘いへの理解と共感を得ることが、闘いを勝利に導くカギになると思います。
 全国の仲間の皆さんのご支援、ご協力をお願いします。


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