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◆第1756号 (2011年5月15日付)◆
許さない ! 政府の一方的な賃下げ
国家公務員の賃下げ625万人に影響
厚生行政の役割発揮こそ復興への最大の貢献

 政府・総務省(片山総務大臣)は国家公務員給与の一方的な削減を強行しようとしています。5月13日、国公労連に対し、「公務員賃金の引き下げ法案」を今通常国会に提出することを前提として具体的に提案。その内容は、「2014年3月までの3年間、国家公務員の俸給と一時金の1割削減を基本に引き下げる」ものです。俸給月額の削減率は、(1)本省課室長相当職員以上=10%、(2)本省課長補佐・係長相当職員=8%、係員=5%、さらに俸給の特別調整額(管理職手当)=一律10%、期末手当及び勤勉手当=一律10%という削減内容です。
 国公労連は同日、中央闘争委員会を開き、「政府の一方的な賃金引き下げ提案は認められない」との声明を発表。賃下げ反対の取り組みに総力をあげ、政府・総務省との団体交渉を精力的に行っています。
 そもそも政府の賃下げの理由である民主党の総人件費2割削減方針そのものに根拠や道理がありません。真っ先に公務員賃金の削減を打ち出すことは、消費税の増税を始めとした新たな国民負担増にむけた露払いです。
 しかし、政府は「極めて異例の措置」などと言って強行する構えです。事態は、重大局面です。国家公務員の労働基本権が制約されている下で、その「代償措置」である人事院勧告に基づかずに賃金を引き下げることは、明確に違憲・違法です。現行制度に基づかない公務員賃金の大幅引き下げであり、到底認められるものではありません。
 戦後最大の大災害である東日本大震災に対し今、被災者支援と被災地域の復興・再生のために国をあげて懸命な努力が行われています。命と人権、雇用、暮らしを最優先にした対策が急務であり、国民の安心・安全を確保する国の役割発揮が強く求められています。公務員としての復興への貢献は、賃下げで捻出した財源を差し出すことではなく、行政としての責任を果たすことです。私たちにとっては、厚生労働行政の役割を果たすことこそ、重大な使命です。
 国家公務員の賃金は、関連機関や地方公務員はもとより、民間労働者の賃金にも影響します。労働運動総合研究所(労働総研)は、625万人の賃金に影響し、消費の冷え込みと国内生産の縮小、税収の減少につながり、景気がさらに悪化するとの試算を発表しました。
 何の道理も根拠もない、国家公務員の賃下げは、断じて許せません。


第82回メーデー
社保庁職員の不当解雇を撤回しよう!
署名・ビラ配布・式典で訴え

 「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」をメインスローガンに、東日本大震災の被災地支援・復興をめざして、第82回メーデーが全国各地で開催され、全厚生の各支部が参加しました。
 東京代々木公園での中央メーデーには、2万1千人が参加。全厚生は、本省・年金機構本部・感染研・国衛研の各支部と本部、闘争団の当事者、OBなど60人が参加しました。「社会保険庁職員の不当解雇撤回!憲法25条が生きる社会を」の横断幕を先頭に、新宿まで元気よく行進。恒例の団結交流集会で交流を深めました。

中央メーデーの式典で訴えた闘争団・発言要旨

 社会保険庁の解体と一体で525名もの職員が解雇されました。このような解雇を許せば、公務も民間も、正規も非正規も首切りが当たり前の世の中になってしまいます。
 私は、年金の仕事に誇りをもっています。今でもすぐに年金の職場に戻りたい。全厚生闘争団は、政府の乱暴な解雇に対し、撤回を勝ち取るまで闘います。すべての解雇と闘う仲間とともに闘います。ご支援よろしくお願いします。


解雇撤回闘争の前進を
北海道社会保険支部を結成

 北海道では、全国に先駆けて2月2日から3日間、人事院の公開口頭審理が行なわれました。しかし、北海道の社会保険職場には全厚生組織がないことから、たたかいの輪をさらに広げるため、全厚生への結集が求められていました。
 当事者2人はこの間、北海道国公の支援の下、北海道労連や年金者組合、自由法曹団など広範な支援の中で奮闘。昨年9月に開催された年金集会では解雇撤回闘争への決意を表明し、道内の労組・民主団体への要請などを積極的に取り組んできました。そうした中、社保OBを中心に「闘争団を支えるOB有志の会」(10・12・4)、安心年金つくろう北海道連絡会を結成(11・4・20)。制度改善と解雇撤回を運動の両輪とすることが確認されました。
 不当解雇撤回闘争をさらに前進させるには、母体となる全厚生組織の結成が必要との機運があらためて高まり、年金機構職場からも賛同者が得られ、4月27日、北海道社会保険支部を結成しました。
 4月27〜29日の人事院審理・初日の夜に開催された結成総会には、多くの仲間が参加し、新たなスタートを祝福しました。整理解雇4要件の形骸化や解雇の自由化を狙う政府・財界の横暴を許さず、労働者の生活と権利を守り、年金機構職員の労働条件改善に向けて、ともにたたかう方針を確認。支部長には遠藤忠夫さん、書記長には越後敏昭さんが選出されました。

支部長からの一言

 当事者2人と全厚生闘争団を支える取り組みの中で、展望ある運動を展開するには全厚生の組織が必要と、小さな支部を立ち上げました。この間の全厚生本部、北海道国公のご尽力に感謝し、労働組合の大切さを大事に頑張りますので宜しくお願いします。
(北海道社会保険支部長)


「みんなで支える団結カンパ」にご協力を

 昨年の第74回定期大会で決定した財政方針には、全厚生の闘争財政を確立するため、(1)10年度一般会計に、救援資金特会から400万円を借り入れること、(2)期末手当支給時に全支部でカンパに取り組み返済にあてること、を決定しました。
 この方針に基づき、冬に続き6月期末手当にあわせ「要求前進と組織づくりをめざす一時金カンパ」に、200万円を目標に取り組みます。全支部・協議会が力を合わせ、全厚生の財政を確立し、運動を進める力をさらに大きくひろげましょう。ご協力よろしくお願いします。


業務センター事案で口頭審理
面接官が恣意的に評価

 社保庁の解体・民営化に伴い不当にも分限免職(整理解雇)された全厚生組合員39人が、処分の取り消しを求め人事院に不服申し立てを行い、全国各地で人事院による公開口頭審理が行なわれています。東京では4人が申し立てを行ない、そのうち旧社会保険業務センター職員(2人)に対する口頭審理が、5月9日から11日にかけて、東京・霞ヶ関の人事院本院で実施されました。
 2人とも懲戒処分を受けていることから、日本年金機構を希望することが出来なかったために、厚生労働省等公務部門への転任を希望していました。審理では、厚生労働省への転任候補者を選考する「面接」の内容が焦点となりました。
 面接を担当した厚生労働省側証人への反対尋問では、AからEまでの5段階評価であるにもかかわらず、C評価についてはさらに4段階に細分化されていたこと、細分化は面接要領にもなく、判断基準も示されていないこと、各地の審理の中でも、Cを細分化したとの証言は初めてで、傍聴席に驚きが走りました。
 また、過去の懲戒処分歴は評価の参考にしないとしながらも、処分の内容を特記事項に記載していたり、「もの言いがはっきりしなかった」「応答ははっきりするが自己中心的な面が強い」などの理由で低い評価にしたと語るなど、客観的な基準による判断ではなかったことが明らかに。さらに、分限免職回避努力にかかわって人事課に担当者はいたのかとの質問には回答せず、厚労省の基本姿勢も問われました。
 厚労省への転任不可が分限免職に直接影響する被懲戒処分者に対し、特段の枠の確保も意識もなかったなど分限免職回避努力の不十分さが浮き彫りになりました。

まともな回避努力せず

 閣議決定では、「日本年金機構に採用されない職員については、退職勧奨、厚生労働省への配置転換、官民人材交流センターの活用など分限免職回避に向けてできる限りの努力を行うこと」とされているにもかかわらず、厚労省への転任内定が先行して行なわれました。閣議決定どおり年金機構への採用者が決定した後に転任者の選考を行なっていれば、これほどの分限免職者は発生しませんでした。懲戒処分歴のある職員は年金機構を希望できないため、厚労省への転任以外は、他省庁への転任、官民人材交流センターによる民間への就職斡旋しかありません。しかも他省庁への要請は極めて形式的で、転任はわずか9人。その上厚労省は525人の分限免職を行なう一方、農水省等の余剰人員20人を受け入れています。年金機構発足時に300人を超える正規正職員の欠員があったにもかかわらず、有期雇用の准職員しか再募集を求めなかったことも重大です。厚労省や社保庁の分限免職回避努力の問題点が明らかになりました。


国民平和大行進がスタート
平和の思いつなげよう

 「歩こう 核兵器のない世界へ」をテーマに、「2011年国民平和大行進」(東京―広島コース)が6日、東京都江東区にある夢の島からスタートしました。
 国民平和大行進は、1958年に始まり、今では8割近くの市区町村で毎年10万人が参加する国民運動です。東日本大震災と原発事故が起こった今年は、「大震災の被災者支援」「自然エネルギーへの転換を」との訴えもこめながら、核兵器のない世界をめざして、8月の広島・長崎のゴールに向けて歩きます。
 全厚生は7日に、機構本部支部、関東支部と本部から10人が結集し、雨の中を約20キロ行進。終結地点の川崎市役所前で、東京から神奈川へリレー旗を手渡し、平和の思いをつなぎました。
 核兵器のない世界にむけ、ぜひ国民平和行進に参加しましょう。


JAL原告団と共同で募金活動
一刻も早い被災者救援を

 新宿駅西口をご通行中のみなさん、私たちは、昨年末、日本航空で起きた不当な解雇を撤回させるために、たたかいをすすめている日本航空の不当解雇撤回裁判の原告団です。同じく、元社会保険庁職員の不当解雇撤回を求めてたたかっている全厚生闘争団です。今日は、この2つの団体が一緒になって、東日本大震災の被災者救援のための救援募金活動を行っています。ぜひとも、ご協力をお願いします。
 これは、4月22日午後6時から、新宿駅西口で行った共同行動での訴えです。
 日本航空で働く労働者は、常に空の安全を守る重要な使命・役割を担って働いてきました。また、社会保険庁で働く職員は、老後の安心を守るために懸命に働いてきました。共に、国民の幸せに生きる権利を守る仕事です。東日本大震災に対し、命と人権を最優先した復興・再生を願う思いは共通です。この1点での共同行動は、お互いに貴重な経験となりました。


存続・発展を求める会が要請行動
国会請願採択に向け奮闘

 「私たちは最後の障害者ではない」「私たち抜きに私たちのことを決めないで」。この障害者の願いに背き、塩原視力障害センターと伊東重度障害者センターの廃止を始め、政府・厚労省が一方的に国立福祉施設の再編、統廃合をすすめていることに反対し、存続発展を求める運動は、当該市議会での廃止反対の意見書採択や国会質問、地域でのシンポジウム、障害者団体による意見交換会への参加など、大きな広がりをつくってきました。
 さらに運動を前進させるため、通常国会に向けた請願署名を取り組み、様々な団体や個人から5万筆を超える署名を集約しました。全厚生は、存続発展を求める会の運動として、4月以降衆・参の厚生労働委員を中心に要請行動を展開。4/14、4/21、5/12と3回の行動では、9人の議員の賛同が得られました。
 国会は6月22日が会期末です。より多くの議員に賛同を得ること、さらに署名を広げていくことが喫緊の課題。障害者の権利保障、福祉の充実をめざし奮闘しています。


厚研連委員会ひらく
厚生科学課長交渉の準備へ

 全厚生試験研究機関支部連絡協議会(厚研連)は5月13日、国立感染症研究所で委員会を開催。感染研、科学院、基盤研各支部の代表、本部から伊藤副委員長、杉浦書記長が出席しました。
 各試験研究機関の状況を交流し、当面の活動方針を協議。7月初旬(予定)に行う厚生科学課長交渉の準備を進めることを確認しました。
 策定途上にあった第4期科学技術基本計画(政府の科学技術政策)は、東日本大震災の影響で再検討する状況です。これを踏まえ、交渉の重点要求には、大震災を踏まえた諸要求を加えることを協議。厚生科学研究分野での貢献や研究条件や環境整備、体制強化など、要求整理・とりまとめを急ぐことを確認しました。さらに昨年に続き、厚研連交流集会の開催準備をすすめます。


震災救援カンパのご協力ありがとうございました

 全厚生の震災救援カンパは
 757,955円
 が集まり、国公労連に送金しました。
 ご協力ありがとうございました。


第35回全厚生女性交流集会
働き方を考えてみよう!!
話してみませんか。私たちの仕事について

日時   6月18日(土)pm2:00〜19日(日)正午
会場   ホテルリステル新宿
 *18日:国立医薬品食品衛生研究所で交流
      夕食交流会
 *19日:職場・働き方の交流
      助言者・伍淑子元国公女性協議長
主催   全厚生労働組合女性部


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