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◆第1751号 (2010年11月1日付)◆
争議支援行動で厚生省前行動
社保庁職員の不当解雇撤回を

 10月22日全労連・東京地評の争議支援総行動が東京都内一円で開催されました。争議支援行動は6班に別れ、各争議の本社などに争議の早期解決などを訴えました。すべての争議団が12時過ぎに、社会保険庁職員の不当解雇を撤回させようと厚生労働省前昼休み集会に集結しました。
 集会では、全厚生杉浦書記長の司会のもと、全労連の大黒議長が主催者挨拶を行い、「労働者を守るべき厚生労働省が不当解雇を行うことはもってのほか、直ちに撤回を」と訴えました。連帯の挨拶では、自由法曹団の三澤弁護士が今回の分限免職処分がいかに不当処分であったのか、また分限回避努力が全くされていない事実を訴えました。続いて郵産労の廣岡中央執行委員長が「事業を継承するのであれば当然職員も継承されるべき」、年金者組合の久昌中央執行委員は「ベテラン職員の首を切ることは、年金記録問題の解決と逆行している。直ちに撤回を」と挨拶しました。
 全厚生闘争団を代表して、中本事務局次長が「年金記録問題を職員に押付けた。断じて許せない。京都では7月23日に裁判闘争に打って出た。全国には、分限免職となり、自ら命を絶った仲間がいることも知った。いま、処分を受け、再就職へ向けさまざまな職業の面接試験を受けているが、最終職歴が社会保険庁とあるだけで不採用となり大変苦労している。このような不当な分限免職を撤回させ、労働者が安心して働き続けられる社会をつくっていくため、合わせて、安心して暮らせる年金制度を確立するため力いっぱい奮闘していく」と涙ながらに決意表明を行いました。最後に、当事者でもある國枝国公労連中央執行委員のシュプレヒコールで集会を締めくくりました。
 集会後に、厚生労働大臣宛に要請書を提出しました。要請団は、杉浦書記長を団長に川村国公労連副委員長、東京地評のKさん、廣岡郵産労中央執行委員長、当事者代表でIさん(東京)、Kさん(京都)、Kさん(愛知)、Nさん(京都)で構成し、厚労省年金局総務課担当等が対応しました。要請では、社会保険庁廃止後、年金の再裁定件数が大幅に落ち込んでいる実態を例にあげ、ベテラン職員を排除したツケであることを追及しました。厚労省側は、「今回の分限免職処分は、法律に基づき適正に行った結果。要請があったことは上部に必ず伝える」として要請は終わりました。


全厚生へ仲間を迎えよう
大会決定を実践し各支部が奮闘
 第74定期大会で全厚生は、職場要求の前進と労働条件改善のため、組織拡大を柱とした2010年度運動方針案を全会一致で可決しました。こうした中、本省、年金機構本部、東北、南関東、近畿などの各支部が、組合員拡大に奮闘。大会以降20人を超える仲間を拡大しています。拡大をした各支部では、「@毎日少なくとも一人に声をかける。良かった・困った経験を集めQ&A作成する。Aランチで職場の話を聞きながら加入の声をかける。B加入申込書に一言欄を作る。」など、それぞれ取り組みを工夫しています。
 新たに加入した仲間は、「日本年金機構は大きな変革を求められている。理事会、管理部、労働組合の三つがそれぞれの機能を充分に果たすことが適正な会社運営につながることと思い加入した」、「今の時代いつ首をきられるかわからない。私も不安だからこそ、雇用を守る為の運動をきちんとしている全厚生に加入することにした」、「准職員なので、1年後が不安。安心して働ける職場づくりを目指していることがよくわかったので加入します」、「自分では言いにくくて…やっと声をかけてもらえた、もちろん、入ります」など、加入拡大の中で、加入者の労働条件改善にむけた、労働組合への期待が大きいことが伝わってきます。また、声をかけられることを待っている仲間がいることも見えてきました。職場の劣悪な労働条件を改善するためには、組織拡大・強化が大変重要です。「全厚生が大きくなれば、職場も変わる」ことに確信をもって、組合員みんなが、一歩踏み出し、自分の職場の仲間に声をかけてください。組織が大きくなれば要求は必ず前進します。みんなの力で「頼りになる労働組合」を作り上げましょう。

10・29 全国大フォーラム開く
障害者自立支援法廃止と新法を

 10月29日、障害者自立支援法廃止と新法づくりを確かなものとするため、10・29全国大フォーラムが日比谷野音で開催され、全国の障害者ら1万人が参加。岡本厚生労働大臣政務官が「新法は透明性、公平性や財源が大切」と挨拶。各政党や障害者団体代表らが決意表明しました


“年金者一揆2010”全国で総決起
就活の孫と一揆だ世直しだ
 年金者組合は10月15日、今年で5回目となる年金者一揆を全国で実施。「最低保障年金実現」「後期医療制度即時廃止」などを書いたむしろ旗をかかげ、集会、パレードを繰り広げました。中央集会は2,900人が参加して日比谷野音で開催され、全厚生も参加しました。

リレーずいそう
自分の番

 私は共働きしており、夫婦力をあわせて育児をしようと決意しました。しかし負担は想像を絶するものがあり、平日も日付が替わっても交代であやす毎日。育児休業しても家事が思うように進まず、週休日夫婦交代で家事をやってなんとか家庭が回る状態、夫婦共に毎日がヘトヘトで体力の限界でした。
 育児に関する休暇取得等には同僚、上司は協力してくれましたが、なかには「権利ばかり・・・」「転勤したらどうする」などといった声も。こんな時、育児で休暇等を取得した先輩達がどんな気持ちだったのか、自分が独身時代どんな気持ちで接していたか思い出し、反省しました。
 私自身、勤務した殆どの部署で病休や育児中の職員が在籍していたため、余裕がないなか、残された職員にとってどんなに負担で腹立たしいかが分かるのです。自分が権利を行使する時、課内でその味わった気持ちを伝え、非常に気を使っています。そして一番怖いのは突然の遠隔地異動。面談、職務状況調査票を通じて配慮を要請しているところですが、介護理由でも配慮されないことがあるため不安です。
 こんな時、労働条件や処遇等で相談する窓口が存在すればと強く思っています。
 もし自分の部署に労働組合があるならば、是非加入し、利用して欲しいと思います。大事なものはなくなった時に有難みがわかるのではなく、なくなってからでは遅いのです。
(検疫所職員)

厚生共闘第32回定期大会開く
厚生労働行政を国民の手に
 厚生共闘(厚生省労働組合共闘会議)は9月29日、国公労連会議室で、第32回定期大会を開催。全医労と全厚生の持続的共闘を前進させ、要求前進を図る運動方針を全会一致で採択し、新役員を選出しました。
 冒頭岩崎議長は、厚生共闘30周年を迎え、憲法25条を活かし医療・年金・福祉・介護など、国民・労働者との共同の輪を広げる取り組みは益々重要になっていると指摘。厚生労働行政はどうあるべきか、国民とともに考え、国民の手に取り戻すために奮闘しようと挨拶。杉浦事務局長が経過報告及び2010年度運動方針案、決算報告及び財政方針案、厚生共闘規約の一部改正案を一括提案。 たたかいの基本方針では、@医療・年金・福祉・社会保障制度の改善・充実をめざすA厚生共闘の団体交渉を重視して、賃金・労働条件の改善をめざすB社保庁職員の不当解雇を撤回させるために全力をあげるC独立行政法人の抜本見直し・整理合理化への取り組みを強化するD憲法をくらしと行政にいかす「21世紀国公大運動」を推進するE政策活動を強化し、学び、交流し、共闘の強化をめざす重点課題の6点を提起しました。
 討論では、「看護師の夜勤二交替制が増える中、夜勤改善、二交替制反対を訴えている」(全医労)、「組織拡大で、17年ぶり増勢に転じた。来年も奮闘する」(全医労)、「賃金職員は独法化の厳しい攻撃の中で裁判闘争に入った。労働者の誇りをかけてたたかう」(全医労)、「社保庁職員の不当解雇を撤回し、勝って元の職場に戻る」(全厚生)、「非常勤職員とつながりをつくり、学習会も行い、組合加入で前進」(全厚生)、「国立福祉施設の統廃合に対し、施設の存続発展をめざし取り組んでいる」(全厚生)など積極的な発言で方針案を豊かに補強しました。
 大会では、「社会保険庁職員の不当解雇を撤回させ、安心できる公的年金制度を確立する決議」を採択。最後に「社会保障の充実と国民本位の厚生行政確立のために奮闘することを誓い合う」大会宣言を大会の総意として確認しました。 
 新役員4役は次の通り。議長=岸田重信(全医労)、副議長=山本潔(全厚生)・佐藤晃一(全医労)、事務局長=杉浦公一(全厚生)、事務局次長=香月直之(全医労)・菅沼伸至(全厚生)。

女性部
女性の登用拡大を
女性の要求で人事課と懇談


 全厚生女性部は9月8日、人事課との懇談を実施。これは、春闘期に実施した女性の要求アンケートをもとに作成し4月13日に提出していた厚生労働大臣宛「女性の労働条件改善に関する要求書」のなかの重点項目に絞って行ったもの。小出女性部長、多田副部長、梅澤事務局長、清水・橋爪・山下の各幹事が出席。人事課は、伊東人事調査官と風間補佐が対応しました。
 基本要求では、社保庁職員の分限免職撤回とともに、使用者責任で安定した雇用を確保することを要求。育児休業明けの職員への職業斡旋や2年3ヶ月の厚生労働省非常勤職員の雇用期間延長を求めました。非常勤職員の労働条件改善では、10月からの期間業務職員制度の適用について、現在雇用されている非常勤職員に不利益が生じない運用を要求。育児・介護責任を有する職員に対し転居又は長時間通勤を伴う異動は配慮すること、また、異動できないことを理由とした昇任・昇格差別を行わないことについて、福祉部門にある具体的事例を挙げて改善を要求。研究機関については、感染症研究所における非常勤職員の労働条件改善のために予算の確保を要求。また、国の方針である女性研究者の登用比率の向上について、問題点を指摘し強く要求しました。制度改善については、子どもの看護休暇の対象年齢を小学6年生まで引き上げるよう求めました。
 これらについて、伊東人事調査官は、関係部課に伝えるとともに、個別問題については調査をすると回答。引き続き、女性の要求実現のために尽力いただくことを要請し、懇談を終えました。

本 省
非常勤職員の処遇改善を
学習会開き人事課へ申入


 人事院は今年の勧告時に、非常勤職員の日々雇用を廃止し、期間業務職員制度を新設。会計年度末日までの任期とするなど一定の処遇改善を行いました。制度が大幅に変更されることもあり8月20日、本省支部で学習会を開催。未組合員の非常勤職員40人以上が参加し、全体で55人で開催。
 非常勤職員からは、「超過勤務手当が出ないのはなぜか」、「夏季休暇が欲しい」、「雇い止めにおびえず安心して働き続けたい」などリアルな実態と切実な要求が出されました。 これらの声に応えるため9月28日、厚生労働本省労働組合共闘会議(全厚生本省支部・統計支部、全労働本省支部で構成)は、「期間業務職員制度の運用に係る申入書」を人事課に提出。@当該者の不利益とならないよう4月1日施行にすることA共済組合に加入させること。夏の期末勤勉手当の除算がされないよう、現在採用されている非常勤職員について年度末の雇用中断日を設けないことB現在非常勤職員で希望する者について雇用継続をすることの3点を申し入れました。引き続き、希望する者がいつまでも働き続けられるよう求めて行きます。
 本省支部は、非常勤職員のランチ会を定期的に開催し、つながりを作りながら、仲間を増やして、要求実現に向けて運動を広げることを方針としてきました。10月に入って、「働きやすい職場環境にしたい」、「自分の働く実態を知るためには組合が必要だと思った」など、3名の非常勤職員が全厚生に加入しました。
 支部は、来年人事院勧告に向けて、期間業務職員の夏季休暇新設や産前産後休暇の有給化などの実現を目指し、仲間を増やして、諸要求を勝ち取る決意です。(本省支部書記次長 渡名喜まゆ子)

全厚生書記長談話を発表
塩原利用者募集停止に抗議
 9月15日、厚生労働省社会・援護局障害福祉部企画課施設管理室は、平成23年度以降の塩原センター専門課程の新規利用者の募集を停止するとの事務連絡を発出しました。
 全厚生は9月29日、「塩原視力障害センターの利用者募集の停止について抗議する」との書記長談話を発表。「国立福祉施設の組織再編及び統廃合(案)は、政府・総務省がすすめる国の減量・効率化政策の具体化であり、かつ国立施設総体として機能と役割を縮小し、障害者福祉政策の後退につながりかねない。この基本方針を見直し、利用者の募集停止を直ちに中止し、募集の継続及びその強化を要求する」と、厚生労働省の姿勢を強く批判しました。

塩原・伊東の存続を
存続発展を求める会が奮闘


 9月8日衆議院厚生労働委員会において、 塩原視力障害センターと伊東重度障害者センターの統廃合問題で、共産党の高橋千鶴子衆議院議員と社民党の阿部知子衆議院議員が続けて質問に立ちました。高橋議員は、「利用者減には宣伝不足がある」「総務省の減量・効率化は一律ではなくメリハリをつけることは認めている」と追及。阿部議員は、「障害当事者抜きに方針が決められた」と指摘し、「大臣は当事者に会って意見を聞くこととニーズ調査をすること」を要請しましたが、長妻厚生労働大臣(当時)の答弁は、廃止方針を追認するたいへん冷たいものでした。さらに、阿部知子議員は10月22日の衆議院厚生労働委員会で再びこの問題を取り上げ、「政治の関与なしに統廃合を決めて良いのか」「内閣府と厚生労働省の障害者施策の方向性は不一致」と政府を追及しました。

那須塩原・伊東両市議会で意見書採択

 那須塩原市議会は9月22日、塩原視力障害センターの存続を求める会(会長・生田目和美)から出されていた「塩原視力障害センターの存続を求める意見書提出に関する陳情書」を全会一致で採択し、菅直人首相や細川律夫厚生労働大臣、衆参両院議長宛に要望書を郵送しました。また、栗川市長も同様の要望書を提出しました。さらに、塩原存続を求める会は10月28日、栃木県の福田知事に面会し要請しました。これは、地元新聞の他、NHK首都圏ニュースで報道されました。
 伊東市議会は9月29日、国立福祉施設の存続発展を求める会(伊東センター代表委員・望月亜矢子)から出されていた「伊東重度障害者センターの存続と発展を求める意見書採択を求める陳情」を全会一致で採択しました。これは、地元新聞の他、静岡テレビで報道されました。

民主党国会議員からも廃止反対の声

 伊東では、市議会で意見書採択したことを受け、10月4日に民主党の市議会議員、県議会議員とともに地元選出の渡辺周衆議院議員が、伊東重度障害者センターを視察に訪れ、「私としては残したいと思っている」と統廃合計画は再検証する必要があると表明しました。また、栃木県選出の谷博之参議院議員(民主党障がい者政策プロジェクトチーム座長)と懇談し理解を得たほか、中根康浩衆議院議員(衆議院厚生労働委員会民主党筆頭理事)、石森久嗣衆議議員、水野智彦衆議院議員、石原洋三郎衆議院議員に面会し要請、熱心に聞いていただいた上で協力の約束をいただきました。
 存続を求める会では、引き続き議員要請を強化しつつ、世論に訴えて、廃止方針の撤回を勝ち取ろうと頑張っています。

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