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◆第1732号 (2009年12月1日付)◆


分限免職回避へ使用者責任果たせ
厚生共闘 厚労大臣官房長に要請
 厚生共闘(全厚生と全医労で構成)は11月30日、社会保険庁職員の分限免職回避に向けて使用者責任を果たすよう厚生労働大臣官房長に要請しました。厚生共闘からは、岩崎議長、飯塚・岸田副議長、杉浦事務局長が出席。厚生労働省からは、大谷官房長、宮野人事課長、蒲原参事官らが対応しました。
 冒頭岩崎議長は、「年金記録問題解決のために社会保険庁職員の雇用確保は不可欠。年金業務に熟達した職員は国民の財産。雇用をつかさどる厚生労働省が一人の分限免職者も出さぬよう特段の努力を」と要請。飯塚副議長は、「行き先の決まっていない職員の不安と怒りは極限に達しており、悲痛な叫びが本人や家族から寄せられている。長妻厚生労働大臣に、この思いを届けていただきたい」と陳情書を手渡し、分限免職回避に向けた最大限の努力を要請しました。
 これに対し、大谷官房長は、「我々には分限免職回避の努力義務がある。要請の趣旨はよくわかる。これまでも省内で努力してきた。みなさんの思いを政務三役にも伝えていく」と回答しました。

具体的雇用対策を早期に示せ
雇用確保求め社保庁長官と交渉
 全厚生は11月24日、社保庁職員の雇用確保を求めて社会保険庁長官と交渉を実施しました。社会保険庁廃止まで1カ月となった重大な局面の中で、希望者全員の雇用確保に向けて使用者責任の追及と具体的な雇用対策の早期提示を求めました。
 全厚生から飯塚委員長、山本副委員長、杉浦書記長、平丸書記次長、木瀬・木立・國枝・峰・横田の各中央執行委員が出席。社保庁からは、渡邉長官、薄井総務部長、樽見総務課長以下関係者が対応しました。
 飯塚委員長は、希望者全員の雇用確保と具体的な対策を一日も早く示すと共に、陳情書に寄せられた職員や家族の切実な思いを受け止め分限免職回避のさらなる努力を求めました。
 これに対し渡邉長官は、懲戒処分者は機構に移行させない、不採用者等については分限免職回避努力を行うとした「閣議決定」の枠の中で、様々な努力を行ってきたこと、厳しい情勢ではあるが現在も努力中であることを述べながら、「個々の職員と面談を行い、その意向を十分に確認し、しっかり対応していきたい」、「その手順に一刻も早く移りたいが、大臣や政務三役のご指導の下行わなければならないもので相談中である」と現在の状況等について回答しました。

貴重な財産である職員の雇用を
 山本副委員長が、「分限回避努力中というが、退職を強要しているとしか思えない実態やハローワークの資料だけ持ってきて『自分で探せ』と言われたり、官民人材交流センターがまったく機能していない実態がある。こうした中でも雇用の決まっていない人は、記録調査、裁定、相談、徴収など様々な思いの中で一生懸命頑張っている。一月以降この人たちがいなくなって、まともに事業が出来るとは思えない。閣議決定を変更できないというが、経験ある職員・人材の必要性についてもっともっと強調して欲しい。10年、20年かけて税金を費やして育んできた財産であることを受け止めるべきだ」と要求しました。さらに、任期付職員や非常勤職員の雇用が確保されるよう社保庁の努力を求めました。
 これに対し薄井総務部長は、「年金機構で平常業務と記録整備をどのような形で行っていくか、決定されている体制には記録問題が勘案されていない。人、物、金をどう集中的に活用し記録問題を解決していくか重要な課題である。そういう位置で予算も要求し、必要な体制の確保に努力している。まだ方針が明確になっていないが、設立委員会に、准職員になるかもしれないが、再度の追加募集ができないか働きかけている。業務に精通した職員の確保については、特定業務契約職員の募集に当たっては、即戦力という観点も踏まえながら経験者をできるだけ確保していただきたいと思っている。分限免職回避については、これまでも努力してきたし、これからも限られた時間の中ではあるが、最大限の努力を行ってまいりたい」と回答しました。
 國枝中央執行委員が分限免職回避の具体的な努力、平丸書記次長が信頼回復のためにも国民の立場に立った記録整備と経験ある職員の雇用について、木立中央執行委員が、年金機構の安定的な運営のためにも任期付職員や非常勤職員の雇用確保を要望しました。

リレーずいそう
●来年こそは勝利を
 WBC連覇、松井、イチローの活躍など、2009年は野球の話題が目立ちました。高校野球ファンの私にとっては、花巻東高校、日本文理高校の躍進など、甲子園も見応えがありました。
 しかし、残念なことに、夏の甲子園において私の地元秋田の代表校は初戦敗退でした。しかも今年で12年連続です。
 遡ると、現ヤクルトスワローズの石川投手が高校3年時の1997年に勝利して以来負け続けています。これまでのワースト記録が13年連続(青森、山形)らしく、記録更新まで王手がかかってしまいました。全てが完敗というわけでなく、接戦での敗退(特に今年は惜しかった・・・)が多いため、余計悔しさが残ります。
 ところが、夏は12年間で0勝ですが、春のセンバツ大会では過去5年間で2度ベスト8に進出するなど、結果を残しています。けれど、どうも夏に勝てないのです。土壇場での勝負弱さ、精神面の脆さが目立ちます。
 夏の初戦突破に向けて、高野連では指導者の育成や野球教室、強豪校との試合等に力を入れているようです。それが功を奏してか、秋季東北大会において秋田商業高校が優勝し、センバツ出場を確実にしました。
 春には強い秋田、センバツ大会での勝利も期待しますが、とにかく来年は夏に1勝し、連敗記録をストップしてもらいたいところです。
(秋田県支部 組合員)

News
分限免職は許さない
国公労連が厚生労働省に申し入れ

 国公労連は11月26日、厚生労働省に対して「分限免職は行わず、すべての社保庁職員の雇用確保を求める申し入れ」を行いました。申し入れは、国公労連の川村副委員長と瀬谷中央執行委員、全厚生杉浦書記長で行い、厚生労働省官房人事課の伊東人事調査官と社保庁総務部職員課の小野塚上席調査官外1名が対応しました。申し入れにあたっては、今春にとりくんだ「社会保険庁で働くすべての職員の雇用を確保してください」団体署名約1500団体分(3月に1250団体分を提出済み)を提出しました。

分限免職回避へ最大限の努力を
大臣官房人事課長交渉を実施
 全厚生は24日、社保庁職員の雇用問題を中心に、大臣官房人事課長と交渉を実施しました。
 全厚生から飯塚委員長、田口・山本両副委員長、杉浦書記長、平丸書記次長、木立・國枝・小出・峰・横田・松野の各中執が出席。人事課からは、宮野人事課長、蒲原参事官以下関係者が対応しました。
 冒頭飯塚委員長は、雇用の確定していない職員500名の分限免職の危険性が強くなっていること、官民人材交流センターによる斡旋は事実上機能していないこと、第一義的には公務部門への配置転換であり、安易に民間斡旋などは本末転倒であること、緊急雇用対策を実施する厚生労働省が、百人超もの分限免職を行うことは社会的にも認められないことなどを指摘し、希望者全員の雇用確保とそのための具体策を一日も早く示すよう求めました。さらに、当該職員の不安と怒りは極限に達しており、大臣にあてた、悲痛な叫びが本人や家族から寄せられていることを紹介し、分限免職回避に向けた特段の努力を求めました。

あらゆる可能性を検討と人事課長が回答
 これに対し宮野人事課長は、「分限免職回避の取り組みとして再就職等支援対策を行ってきた。具体的には、年金機構を希望しなかった職員を対象に准職員への再応募や、官民人材交流センターを活用した斡旋、厚労省をはじめとした各省庁、地方公共団体への受入などを要請してきた」、と経緯を述べたあと、「大変厳しい状況ではあるが、分限免職回避の方策についてさらに良い知恵がないか検討を行っているところである。その際には定員の状況等を勘案しつつ、厚労省へのさらなる配置転換の検討や、官民人材交流センターを通じた再就職など、できる限りの努力を行いたいと考えている」と回答しました。
 飯塚委員長は、職員や家族の悲痛な叫びには何らこたえていないと人事課長のさらなる回答を要求。人事課長は、「あらゆる可能性を検討している」とコメントしました。
 國枝中執が、官民人材交流センターが機能していない実態を報告し、「官も民もどこかで採用できるような対応・体制を検討して欲しい」と分限免職回避努力対象者としての切実な訴えを行いました。また、平丸書記次長は、遅々として進まない記録整備の実態を告発。国民の信頼回復のためには、経験ある人材の確保は不可欠。1月以降も国が責任を持って対応できる体制を措置し、雇用確保の責任を果たすべきだ」と追及しました。

国立更生援護機関、独立行政法人の課題
 小出中執は、国立更生援護機関の組織等の見直し、組織再編構想について、充分な説明を行うこと。現場の声や意見を反映させるために、全厚生との充分な協議を行うことを求めました。
 独立行政法人の「見直し」の課題では杉浦書記長が、国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所について、国民の命と健康を守るために国が責任をもって拡充するよう関係方面に働きかけを行うことを求めました。さらに、行政刷新会議の「業務仕分け」に国立保健医療科学院が対象になり「見直し」の方向となったことについて、公衆衛生の第1線に立つリーダーを養成するために、研修機能、研究機能を充実・強化すること。各機関との協力体制を確保し、拡充を図ることを要望しました。

社保庁職員の雇用確保を
11.18中央行動で終日訴え
 社保庁職員の雇用問題をめぐって様々な報道が行われる中、国公労連は11月18日、09秋年闘争11・18中央行動に先駆けて、「分限免職するな、社保庁職員の雇用守れ」の独自課題で厚労省前要求行動を実施しました。
 主催者を代表して川村国公労連副委員長が情勢報告。自由法曹団団長の菊地紘弁護士が激励しました。また、日本年金機構を第一希望として意向調査票を提出していたにもかかわらず不採用となった全厚生組合員から、「懲戒処分も受けてなく、まじめに職務を遂行していたにもかかわらず、不採用となり、未だ理由も告げられない。機構に継続雇用されるか否かは人生を左右する重大な問題。今の仕事を奪われたら、終わりだ。私たちの人生をもてあそぶようなことはやめてほしい」と切実な訴えがありました。最後に厚労省にむけシュプレヒコールを行いました。
 行動には報道関係8社が取材に訪れ、TBS、ANN、TV東京が当日のニュースで放映するなど大きな関心が寄せられました。
 日比谷野音で開かれた「09秋年闘争要求実現・中央総決起集会」では飯塚委員長が「使用者責任を徹底的に追及し、ひとりの分限免職も出さない」と決意を表明し、支援の訴えを行いました。
 デモ終了後、全厚生は、各省の全閣僚(大臣・副大臣・政務官)に対し、雇用の確保を求める要請行動を独自に展開しました。行動の最後は新宿駅西口で宣伝・ビラ配布行動を取り組み、終日奮闘しました。

職員の雇用確保を
社民党に年金記録問題等で要請
 全厚生は11月26日、年金記録問題の解決と職員の雇用確保に向けて、社民党の福島瑞穂党首、及び、阿部知子衆議院議員を国会議員会館に訪ね、それぞれの秘書と懇談しました。懇談には、飯塚委員長、平丸書記次長、神奈川県支部川名書記長、自由法曹団神奈川支部の神原弁護士が出席しました。
 懇談で全厚生は、「年金記録問題が解決していないなか日本年金機構に移行すれば、記録問題解決どころか通常業務も滞る。大幅な人員が削減され、しかもベテランの職員が採用されない中で、新たな年金記録問題も発生しかねない。このままでは500人あまりが分限免職となる。年金業務に習熟した職員の雇用を確保し、年金記録問題の解決へ、力を発揮していただきたい」。また、神原弁護士は、「政府は、サービス残業に耐え献身的に業務をこなしている職員をスケープゴートにし、国民からの批判をかわしてきた。被懲戒処分者を分限免職とすることは二重処罰にあたり、法的にも許されない。ぜひ、長妻大臣に進言していただきたい」と要請しました。
 対応した秘書は、「被懲戒処分者を日本年金機構に採用せず分限免職することは二重処罰にあたり、このままでは訴訟に発展すると認識している。労働者の権利を踏みにじる行為を新政権はしてはいけない。一方で、党内に、社会保険庁関係者への不信があるのも事実。皆さんが被保険者の権利を守るための環境を作れと言われていることも理解できる。民主党へ働きかけをしていきたい」と述べました。

近ブロ
組合の大切さ再確認
第10回近畿ブロック総会
 全厚生近畿ブロック協議会は11月28日、滋賀県のピアザ淡海(滋賀県立県民交流センター)において定期総会を開催。
 参加した各支部からは、日本年金機構発足1カ月前の職場の混乱、裁判闘争の経過報告、先にスタートしている健康保険協会での労使関係、福祉職場では合理化・縮小化されようとする施設の問題点など、活発な討論が行われました。また、府県別に支部を構成する社会保険関係者を、近畿社会保険支部及び近畿厚生局支部の結成を予定することを決定しました。
 山本中央執行副委員長が講師として学習会を実施、「日本年金機構発足に伴う問題点」について、最新の情報を含めて講義を受け、労働組合の大切さを再認識しました。
(滋賀県支部 組合員)

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