臨時国会開会 私たちの声と運動で 公約守らせ国民要求の実現を |
新政権のもとで、雇用・暮らし・いのち守る国民要求をただちに実現させようと、臨時国会開会日の10月26日、国民大運動実行委員会などによる国会請願デモが行われ、全厚生はじめ300人が参加しました。激しい雨の中、「労働者派遣法を抜本的に改正しよう」「沖縄新基地反対」「後期高齢者医療制度を廃止しよう」とシュプレヒコールを響かせデモ行進。主催者あいさつした中央社保協の相野谷事務局長は、「鳩山政権は羅針盤をもたない船のように右往左往している。私たちの声と運動で国民要求を実現しよう」と呼びかけました。
先の総選挙で自公政権による「構造改革」路線に厳しい審判を下し、真に国民生活を優先する政治路線への転換を求めた国民の願いに対し、新政権では早くも公約修正の動きが・・・「姥捨て山」「年齢で差別するのか」と激しい批判を浴びた後期高齢者医療制度の廃止や、障害者自立支援法の廃止などは民主党のマニフェストでも掲げていた国民への約束。また、年金記録問題は国の責任で早期に解決すること、日本年金機構では記録問題がうやむやになる可能性があることから、社保庁を廃止し「歳入庁」を創設することも民主党は強調していました。
しかし、「ミスター年金」として自ら希望して厚労大臣になった長妻議員は、後期高齢者医療制度の廃止先送りや、日本年金機構の「予定通りの設置」を表明しました。
また、23日の記者会見では、「重大な不祥事を起こした年金業務に、懲戒処分歴のある人がかかわるのはいかがなものか」と述べ、自民・公明政権が決定した「懲戒処分を受けた職員は年金機構には採用しない」意向を表明しました。
「マニフェストは国民からの命令書」「幹部は常に携行するように」と訓示した長妻大臣自ら公約を修正し、前政権の方針を継承することは国民に対する裏切りではないでしょうか。大臣自身が「年金問題は50年前から積みあがった重大な不祥事」といいながら、なぜ現在の職員に責任を転嫁するのでしょう。年金記録問題での国民の怒りは、生活できない年金に対する怒りの表れであることは明らかです。また、払った保険料に見合う給付を求めることは当然の事です。日本年金機構は、民間から1000人余も採用する一方で経験ある社保庁職員を排除し、そのうえ懲戒処分を理由にさらに職員を減らした場合、日常の事業運営も年金記録問題の解決も一層困難になることは明らかです。国の責任による年金記録問題の解決を最優先し、国民の権利を速やかに保障するとともに、安心して生活できる年金制度を作るために、日本年金機構の設置の凍結を強く要求するものです。
私たちの声と運動で、年金記録問題の解決と社保庁職員の雇用確保を勝ち取っていきましょう。
年金記録整備と雇用確保を 国公労連・全厚生が共産党に要請 |
全厚生と国公労連は、臨時国会に向けて各政党に対して、年金記録問題や雇用問題での意見交換を申し入れていますが、10月21日、日本共産党との懇談が実現。異常な記録整備の状況や矛盾する民主党の日本年金機構設置問題、相当数の分限免職も予想される雇用問題などについて情勢報告と意見交換を行いました。意見交換には、国公労連、全厚生本部、業務センター支部、神奈川県支部から8名が参加し、共産党は、小池晃参議院議員が対応しました。
本部からは、「機構の設置は民主党の主張と大きく矛盾している。批判的な報道をしているマスコミもある。いずれ記録問題以上の大変な事態が危惧される。特に、記録整備の異常な実態は国会の中でもぜひ明らかにして欲しい。職員の雇用問題もこのままでは数百人が分限免職となる危険性が大きい。経験ある職員の解雇は記録問題の解決にも逆行する」。業務センター支部からは、「特別便に伴う記録調査では年内解決が至上命題とされ、異常な事態が進行している。事務所にもその影響が及び逆に国民の怒りが広がっている」、「再裁定問題でも公表されている実態より深刻である」。神奈川県支部からは、「事務所でも記録調査を11月中に終了させろとの指示が急遽出され対応できない事態になっている。何でも解体までに済ませるというスケジュールありきの事業運営が行われ、真のサービスができない状況である」など深刻な実態を報告。
小池議員は、「今のやり方では、本来受け取るべき年金を直ちに支払う、という課題はどんどん先送りされてしまう。社保庁解体も国の責任放棄であり許されない。国民の立場に立った解決に向けて努力したい。ポイントを整理し改めて意見交換など行いたい」と表明しました。
全厚生・国公労連は、今後も民主党、社民党、国民新党などの連立与党に対して要請を強め、記録問題の実態と解決などについては自民党にも要請していく考えです。
リレーずいそう |
●社会保険庁解体
いよいよ社会保険庁が解体され、現在の社会保険庁職員もそれぞれいろいろな人生を歩んでいくことになります。ここ何年か、社会保険庁改革の名の下に職員は、さまざまな生き方をすることとなりました。この何年かの間に自分の周りの人たちは、それぞれ今までしたことのない経験をしています。
当初、残業が多くなって、共稼ぎの女性が、退職に追い込まれていきました。次に次長等の幹部クラスの管理職の退職が増え、ここ1・2年は、課長クラスの退職が多くなっています。さらに今では、若い人、中堅クラス、ベテランとすべての階層の人が職場を見捨てて辞めています。
こころの病気になった人もずいぶんたくさんいます。病気のきっかけは、受給者からの対応等がありますが、ほとんどの人が社会保険のことを真剣考え、憂えて、こころの病気になってしまいました。その病気から立ち直った人、今でも休んでいる人、また、離婚して新たな人生を踏み出す人、退職して自己破産した人もいます。
また、辞めた原因に、これまでお客さんに喜んでもらえる仕事をしていた実感があったけど、今は何もない。働いていても充実感がない。という声を多く聞きました。
はからずも社会保険庁改革の最後の仕切りを自民党でなく民主党が行います。これらの問題をおろそかにするとさらに実務に熟達した職員を失うことになります。それは、国民の願いと相反することになりませんか。専門知識をもった有能な人材をこれ以上失うことがないよう、願いたい。(静岡県支部 組合員)
News |
後期高齢者医療制度即時廃止を
全国で1万人が年金者一揆
全日本年金者組合は10月15日、「年金者一揆2009」全国統一行動を実施し、全国で1万人が参加。東京・日比谷野音の中央集会には3,000人が参加し、多彩なパフォーマンスで後期高齢者医療制度の即時廃止などをアピール。(写真上)むしろ旗川柳の最優秀作品は「聞こえたか国を揺るがす民の声」が選ばれました。
さよなら!障害者自立支援法
10.30全国大フォーラム
「さよなら!障害者自立支援法 つくろう!私たちの新法を!10.30全国大フォーラム」が10月30日、東京・日比谷野音で開催され、6,500人が参加。(写真下)駆けつけた長妻厚労大臣は、「障害者自立支援法を廃止し、4年間で、応益負担から応能負担に変える新しい制度を創設をしていく」とあいさつしました。
年金記録問題解決と雇用確保を 自民党河野太郎衆議院議員に要請 |
全厚生神奈川県支部は、年金記録問題の解決と職員の雇用確保に向けて、政党や国会議員要請行動を展開する中、10月29日、自民党神奈川選出の河野太郎衆議院議員を議員会館に訪ね、50分にわたり懇談しました。
平丸支部長と川名書記長は、資料も示しながら、年金記録問題の現状について詳細に説明。国民が今求めているのは、「記録を見つけてほしい」「訂正後の年金を早く支給して欲しい」「安心した老後を保障してほしい」であり、新政権はこの問題解決に全力を挙げることが必要だと主張しました。
年金記録問題を解決するためには、「ねんきん特別便」をはじめとした、これまでの年金記録問題の総括と、依然として特別便の回答してこない2700万人の対応、本人不利益(例:記録統合による年金額の減額)などの問題点の解決方針を示し、今後の記録管理方向性を明らかにしていくことが緊急の課題。さらには、制度改正による複雑な年金制度の中で、期間調査、再裁定等の業務を円滑に行うためには、習熟した職員の雇用確保が不可欠であることを訴えました。また、民主党のマニフェストにある、保険料流用の禁止などの事にはまったく触れず、長妻大臣が日本年金機構の設置を決めたことになどについても説明しました。
河野議員は、説明を熱心に聞き、「長妻さんは年金で厚生労働大臣になったのに、我々がやっていたことをそのまま引き続きやっているのですか」と、何度も驚きの声をあげ、「年金記録問題は、このままでは絶対解決できないから、どこかで線を引いて、方針を決めてということですね」と、全厚生の提案に理解を示しました。また、保険料流用問題については、「記録照合のシステムに保険料を流用することは私も反対でした」、雇用問題については、「現在雇用が決まってない職員の中に処分されていない職員が多くいることは知りませんでした」と述べました。さらに、「社会保険の職場についても実態を見てみたい」と意欲を示しました。
記録問題解決の英知は社保庁職員が持っている 安心年金つくろう会が政府・厚労省に申し入れ |
安心年金つくろう会は10月19日、「日本年金機構の安定的な運営と年金制度の拡充を求める申入れ書」を政府・厚労省に提出し、国の責任による公的年金の運営と、年金機構の設置が避けられない場合でも、記録の早期整備と安定的な運営のために経験ある社保庁職員の雇用確保を強く求めました。
交渉には、全労連公務部会黒田事務局長、全日本年金者組合久昌中央執行委員、日本婦人団体連合会榎本事務局長、国公労連川村副委員長・瀬谷中央執行委員、全医労岸田書記長、全厚生飯塚委員長が出席しました。厚労省は社保庁総務課梶谷課長補佐以下4名が対応しました。
冒頭、黒田事務局長が、新政権になったことや時期的な問題もあり踏み込んだコメントをお願いしたい、と現時点での具体的な回答を求めました。梶谷課長補佐は、「10月8日の年金機構設立委員会の場で大臣が『熟慮』の末、予定通り機構の発足を表明された。記録整備は4年間の国家プロジェクトとし、当面平成22〜23年の2年間で8億5千万件の照合を集中的に行う。記録整備と既存の業務強化のために22年度予算において約1800億円を追加し、正規職員等約2800人、有期職員約6500人を要求した」と状況を説明しました。
これに対し川村副委員長は、@現在でも人員が縮小されている中で、十分な体制なのか、A2800人の要員確保はどうするのか、民間人で対応できるのか、などと指摘したことに対し、梶谷補佐は、@効率化などを勘案すれば大幅な減少にはなっていないと思う、民間の英知も必要、A機構の職員であり募集をかけることになると思われるが今の段階では具体的になっていない、とコメントしました。引き続き、全厚生が「不採用となっている職員の親から切実な訴えが寄せられている。ぜひ大臣に伝えて欲しい。追加要求の職員採用にあたっては、不採用となっている職員も対象とし、そのためにも被懲戒処分者を一律排除する採用基準はぜひとも見直して欲しい」と強調しました。また、全医労からは「今の社保庁職員の雇用確保は使用者としての責任だ」、年金者組合からは「経験ある職員の活用が予算的にも記録整備の観点から見ても最も効率的ではないか」、国公労連からは「言葉だけの努力ではなく雇用責任をきっちり果たすことが求められる。そのためにも不当な採用の枠組みを見直す必要がある」、婦団連からは「不採用になっている職員の親の気持ちを受け止める必要がある。社保庁職員のスキルも知識も国民の税金で培われてきたものであり、政府としても尊重すべき。二重処分もおかしいもので採用基準の見直しが求められる」とそれぞれ問題点を指摘し、「年金業務や記録問題解決の英知は民間にはない。社保庁職員が持っている」と年金記録問題での体制強化にあたっては非常勤職員も含めた社保庁職員の雇用を優先するよう求めました。
研究機関の削減・見直し許さない 厚研連委員会を開催し意思統一 |
試験研究機関の各支部でつくる全厚生試験研究機関支部連絡協議会(厚研連)は10月19日、厚研連委員会を開催し、感染研、国衛研、ハ病研、科学院、基盤研、栄研各支部と本部から10人が参加しました。
この秋は、新政権の下で行政改革・事務事業の見直し・来年度予算編成、独立行政法人をめぐる課題や、人事評価制度など、極めて重要な取り組みになることを確認。試験研究機関をめぐる課題を共有するために、各支部の活動や研究所の実態を交流。「運営費交付金の削減が極めて厳しい」、「独法の見直しの動きがよく見えてこない」など、各機関とも、削減・見直しが行われることで重要な研究所の機能が切り捨てられないか、との不安が出されました。
こうした交流とあわせて、杉浦書記長から、民主党の独法政策や人事評価制度についての報告を受け、厚生科学課長交渉の重点要求を見直し、練り上げるための議論を深めました。
また、厚研連集会を来春以降に開催する方向で準備を進めていくことを確認。映画『沈まぬ太陽』鑑賞、秋の中央行動に積極的に参加することを呼びかけて、終了しました。
京都 分限免職回避へ全力 京都地方協議会へ名称変更 |
10月24日、日本年金機構の設置を2ヶ月後にも迎えようという緊迫した情勢のもと、京都府農協会館で京都支部第37回定期大会が開催されました。引き続き日本年金機構の設置凍結・見直しを求め、分限免職回避に全力を挙げる運動方針が提案、採択されました。また、1月からの組織変更に対応して、ブロック単位の支部の結成を目指すとともに、京都支部を「地方協議会」へと名称変更、規約を改正する議案が提案され、投票により採択されました。
討論では、質的・量的に過酷な業務の中、コミュニケーションが不足していること、また、宿舎退去、名刺交付の指示など、職員に負担ばかりが押し付けられることへの不満が表明され、今こそ労働組合の役割発揮が求められていることが明らかになりました。
(京都支部 書記長)
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