見出し

◆第1728号 (2009年9月15日・10月1日付)◆


社会保険職員の雇用確保に全力
全厚生第73回定期大会を開催
日本年金機構の設置凍結を
 全厚生労働組合は9月12・13の両日、静岡県熱海市で、「国民本位の社会保険行政の確立と職員の雇用確保に全力をあげよう!」をメインスローガンに、第73回定期大会を開催。全国から代議員・傍聴者など107人が参加し、2009年度の運動方針案と財政方針案を満場一致で採択し、たたかう方針を確立しました。
 大会は、年金記録問題を解決するためにも、安心年金つくろう会をはじめとする広範な運動で、日本年金機構の設置を凍結させ、公的年金制度の安定的・専門的な運営を確保しよう。年金機構設立に伴う分限免職を断じて許さず、雇用を守ろうと意思統一しました。
 討論では、のべ40人が発言。「国民の年金権を守るために、日本年金機構の凍結を」、「社会保険庁の分限免職対象者への再就職支援は形骸化している」、「障害者自立支援法を廃止し、国立更生援護機関にかけられている攻撃をはね返そう」、「独立行政法人の見直し廃止や整理合理化計画を許さず、厚生科学研究の体制強化をはかろう」などの意見が出され、奮闘する決意を固めあいました。
 大会は、大会宣言と「日本年金機構の設置凍結と社会保険庁職員の雇用確保を求める決議」を採択し、新役員を選出しました。

委員長挨拶
国民生活優先へ転換を
組織強化へ決意を固めよう
 飯塚委員長は、冒頭、この1年間、国民生活擁護、全厚生運動の発展のために、職場・地域で奮闘いただいた全ての組合員への感謝を述べると共に、新たな政治情勢の中、さらに奮闘する決意を固めあおうと呼びかけ、社保庁の廃止・解体に伴う雇用問題を中心に挨拶しました。
 特に、先に行なわれた解散・総選挙において、民主党が過半数である241議席を大きく上回る308議席を獲得する一方、自民党は119議席と、公示前の3分の1へと歴史的な大敗を喫したこと。このことは、自民・公明政権によるアメリカや大企業の利益を優先する「構造改革」路線に厳しい国民の審判がくだされたことを意味するとともに、雇用の破壊や社会保障制度の相次ぐ改悪から、真に国民生活を優先する政治路線への転換が求められた結果でもあると強調しました。
 しかし、民主党は、「公務員制度の抜本的改革」として「国家公務員の人件費を2割削減する」などと主張していること。人口比では世界的に見ても圧倒的に少ない定数の中でギリギリまで努力している公務員労働者の、安易な人員削減や労働条件の引き下げは、労働者全体の生活にも大きな影響を与えること。また、独立行政法人の廃止を含めた抜本的な見直しや障害者自立支援法の廃止など、民主党の政策は、全厚生のどの分野にも大きく影響を及ぼすことを指摘しました。
 特に年金政策では、来年1月に設置が決定している「日本年金機構」への対応は明確にされていないこと。国民的課題である記録問題の解決が未だ展望が見えない中で、国の責任も国民の権利も曖昧な日本年金機構の設置凍結を求める取り組みは、雇用確保の観点からも重要であり、緊急に取り組みの強化が求められていると強調しました。また、国立更生援護機関のあり方や試験研究機関における独立行政法人のあり方など、制度・政策研究にも総力を挙げて取り組もうと呼びかけました。
 最後に、年金機構に移行した場合の全厚生組織の再編にむけた考え方にもふれると共に、積極的な討論を呼びかけました。

大会宣言
 全厚生労働組合は、「国民本位の社会保険行政の確立と職員の雇用確保に全力をあげよう!」をメインスローガンに静岡県熱海市で、第73回定期大会を開催した。この1年間のたたかいの経験と教訓を持ちより、職場と地域に根ざし、共同を大きく広げる2009年度の運動方針を全会一致で確立した。
 総選挙の結果は、国民に犠牲を強いる構造改革を推進してきた自民党政治に対する審判となった。労働者・国民が切り拓いたこの歴史的な到達点にたち、さらに、切実な願いと要求が届く政治を実現するために、奮闘することが重要になっている。
 全厚生は、国の責任と国民の権利を曖昧にするとともに、年金行政に精通した職員を排除し、年金行政をさらに混乱させる日本年金機構の凍結を強く要求し、その実現のために全力をあげる。機構設立による分限免職を断じて許さず、雇用を守るために揺るぎない決意でたたかうことを誓いあった。
 職場の仲間は、厚生労働行政の担い手として、国民と向き合い日夜、奮闘している。本省庁の恒常的で終わりのない残業実態は、すべての職場に広がっている。働くルールの確立は待ったなしの課題である。働き続けられる労働条件の確保は、人間らしく生きるための基礎となる。労働組合として、この根本要求の実現のために奮闘する。
 貧困と格差を是正し、社会保障を拡充し、働くルールを確立することこそ、厚生労働行政の使命である。老後が安心できる公的年金制度を確立する、国立福祉施設にかけられている攻撃をはね返し、障害者福祉の拡充をめざす、独立行政法人の見直し廃止や整理合理化計画を許さず、厚生科学研究の体制強化をはかる。そのために、全厚生の総力をあげる。平和なくして社会保障の前進はない。憲法9条と25条を胸に刻み、国民と共にたたかう意志を改めて表明する。
 いま、新たな歴史の扉が開かれた。結成64年目を迎え、頼りになる労働組合として、着実に活動を前進させる。たたかいなくして、要求の前進はありえない。労働者の誇りと希望をもって、大会方針を全面実践し、共同の力で展望をつくる。この決意を全厚生のすべての仲間たちの総意として、正念場のたたかいに全力をあげる。
 以上、宣言する。
2009年9月13日
全厚生第73回定期大会

第1号議案
雇用確保へ全力を
国民的な共同を広げよう
 杉浦書記長は冒頭、今年の大会は、全厚生にとって正念場のたたかいになると述べ、総選挙後の新たな政治情勢の下で、労働者の誇りと希望を持ってたたかうために、第1号議案「2009年度運動方針(案)及び秋季年末闘争方針(案)」を提案しました。
 情勢の見方では、総選挙結果は、自民党政権に対する歴史的審判となった。これは、国民・労働者が切り拓いた歴史的な到達点であることを強調。大会後に鳩山政権が誕生するが、要求闘争にとっても重要な意味を持つと指摘。全厚生の基本要求を掲げ、「国民の中へ、国民とともに」(国公労連の基本スローガン)の観点を重視して、要求前進の取り組みを一層強めることが求められると述べました。
 社会保険庁改革の課題は、この秋の取り組みが極めて重要であり、新たな意思統一が必要であると指摘。国の責任と国民の権利を曖昧にする日本年金機構の設置の凍結を強く要求し、その実現をめざすこと。この取り組みと一体で、雇用確保に全力をあげる具体的な取り組み方針を提起。さらに、大仕掛けの攻撃をはね返すため、国民的な共同を広げる重要性を強調。「安心年金つくろう会」の活動を全国で展開するために努力しようと呼びかけました。
 試験研究機関の課題では、独立行政法人は新政権の下で、ゼロベースでの見直しが行われることが想定されると指摘。「整理合理化計画」との関連を含め、政府方針を見極め対応する、2つの独法研究所の重要な役割を国民的にも明らかにする活動を提起。国立福祉施設の課題では、「国立更生援護機関の今後のあり方に関する検討会」で指摘された機能の一元化のための組織要求が明らかになり、施設の統廃合を含む再配置構想も示される情勢にあると指摘。秋の施設管理室交渉は、厚社連の政策活動を重視して実施することを提起。本省庁の職場では、働き続けるために、恒常的な残業実態を改善する活動を引き続き強めることを提起。
 こうした切実な要求実現をめざすには、団結を強めることがどうしても必要であり、すべての支部で、要求実現のたたかいと一体で、組合加入の取り組みをすすめることを提起。団結と共同の力でたたかい抜こうと呼びかけました。

第2号議案
財政方針を決定
本部費今年度も据え置き
 第2号議案「2008年度決算報告」と「2009年度財政方針・予算(案)」を峰書記次長が提案。決算報告の収入では、1月の中央委員会で、財政安定運営基金からの繰り入れや納入人員の下方修正の結果、予算を上回ったと報告。支出では、社会保険庁改革に伴う雇用確保や安心年金つくろう会の取り組みなど、共同を広げる運動に結集する一方、効率的な執行に心がけ、全体として予算の範囲内で執行できたと報告。財政方針・予算(案)は、社会保険庁改革に対するたたかいが正念場であり、雇用を守り、共同を広げるための予算を提起。厳しい財政事情の下で、昨年以上に一層効率的な執行に努めることも重ねて強調しました。

本年度本部組合費
 今年度の本部組合費は、昨年度に引き続き、2006年3月時点の本部組合費の額です。なお、2006年4月以降の新規採用者の本部組合費は、左記の計算方式が適用されます。
 一般会計分=本俸×1・1%+420円、救援資金特別会計分=30円、専従役員保障特別会計分=90円の総合計。

国民本位の厚生労働行政めざそう
本省庁・研究機関・福祉施設・社会保険すべての部門から発言
 大会の討論は、12・13日に行われ、のべ40人の代議員・傍聴者が発言をしました。討論の特徴をリポートします。

日本年金機構の設置凍結と「安心年金つくろう会」の活動を広げて
 討論では、日本年金機構の設置凍結を求め、安心できる年金制度確立への取り組みや決意が報告されました。大阪支部組合員は、「これでいいのか年金問題」のシンポジウム成功を報告し、消費税によらない最低保障年金をつくることをはじめ、国民本位のよりよい年金制度をつくる運動を進めよう。業務センター支部組合員は、杉並区に安心年金つくろう会の準備会ができた。10月10日の東京安心年金つくろう会(準)結成会にも参加し、杉並の会を結成して、地域に広めていきたい。愛知県支部組合員は、待っているだけでは年金機構凍結運動は進まない。安心年金つくろう愛知の会で国会議員要請、政党要請をする。大阪支部組合員は、なぜ今、年金機構凍結を要求するのか。理由は、国民が納得する記録問題の解決をはかり、国民が安心・信頼できる年金運営組織、年金制度にするため。組合員の理解を得るために、総対話を重視しながら進めて行こう。岐阜県支部組合員は、岐阜安心年金つくろう会の運動を通じて高齢者連絡会を結成するなど、運動を広げることができた。年金機構を凍結させる運動を作り上げよう。滋賀県支部組合員は、この間、組合員と顔を合わせて話すことが大事と感じた。日本年金機構凍結は、予断を許さない状態。おかれた立場でがんばりたい。神奈川県支部組合員は、日本年金機構が凍結になった場合、ブロック支部結成などの全厚生の組織整備の方向はどうするのか、との問いかけ。傍聴の神奈川県支部組合員は、国民の年金権を守るためには、国が責任を持たなければいけない。年金機構は凍結を。神奈川労連定期大会でも訴えてきた。仲間と一緒にがんばる。

社保庁職員の雇用確保へ全力を
 社会保険庁職員の雇用確保の取り組みについても多くの発言がありました。神奈川県支部組合員は、採用が内定していない人の相談にのっている。困った時苦しい時こそ労働組合の存在が大事。新政権を自分たちの手で変えていこう。兵庫県支部組合員は、採用・転任の内定が出ず、分限免職の対象となった職員が、全厚生をたよって、加入した。広く訴えて、雇用確保へがんばりたい。兵庫県支部組合員は、懲戒処分等受けておらず、意向調査で厚生労働省のみを希望した職員で分限免職対象になっている人がいる。訴える場があれば、どこでも出かけて、このような理不尽な現実を訴えよう。神奈川県支部組合員は任期付職員の雇用問題について発言。社会保険事務所長以下正規職員21名中任期付が5名もいる。機構正規職員も不採用となり、現在准職員に応募しているが未だ内定がない状態。これまで1年以上も社会保険行政に携わり知識も習得してきた任期付職員の雇用をなんとかしたい。香川県支部組合員は、内定が出ていない人がいる。雇用確保へ支部として取り組んでいく。傍聴の大分県支部組合員は、年金機構には行かないで退職する。職場には、組合員ではないが決まっていない人がいる。どうにかしてあげたい。業務センター支部組合員は、支部では、7月に社会保険庁問題情勢学習会を開催した。非組合員も参加し、今後の処遇についての不安や要望について聞いた。年越し派遣村のネットワーのような運動を社会保険庁の雇用問題でも展開できないか、と発言しました。

当局の再就職支援形骸化許さず
一人の分限免職者も出させない

 当局による分限免職回避努力が形骸化しているとの告発もありました。秋田県支部組合員は、支部で分限免職対象者の相談会を開いた。当局の再就職支援に対する不安というより、不満が多く出された。当局の言動からは、職員の今後の人生を大きく左右する緊急事態の鍵を握っている緊迫感が感じられない。最大限の努力をしなきゃいけないのは誰だ!!と言いたい。当局に雇用問題報告会を定期的に開催することを要求している。京都支部組合員は、京都の再就職支援室は、担当も明確にできないほど、無責任な対応で、機能していない。当局に、「分限免職回避はできません」と社会保険庁に対して上申させよう。愛媛県支部組合員は、支部で分限免職対象者に集まってもらい、学習会を開いた。再就職を支援するという官民人材交流センターは、民間人材派遣会社テンプスタッフに委託されており、再就職支援とは名ばかりで、ズサンなものだ。組合員が減少したが、ここで巻き返しをはかりたい。統計支部組合員は、社会保険庁の緊迫した状況の中、本省部門の支部として何ができるか考えてきた。小さな支部だが、霞ヶ関の建物の中に旗を立てていくことが重要と考える。これからも一緒にがんばっていきたい。

京都不当処分取消訴訟に支援を
 京都支部組合員は、昨年、京都支部の役員2名に対し無許可専従行為を行い、それを惹起したとして、減給20%2ヶ月の不当な懲戒処分がされた。2人は、人事院に不服申立を行い、京都地裁に処分取消を求め提訴した。次の公判は、11月26日、世論を作ってがんばりたい。京都支部組合員は、新たに服務規律違反で懲戒処分された。処分理由が納得いかない、と発言。また、傍聴の大阪支部組合員からは、服務違反問題にかかる刑事告発についての談話や京都の懲戒処分取消訴訟について、国公労連はもっと報道してほしいとの要望も出されました。
 愛知県支部組合員は、年金記録問題で発言。国民の年金を守るために旧台帳情報をすべてオンラインに載せて欲しい。傍聴の神奈川県支部組合員は、仕事では、「チャングムの誓い」のように「その人は何を知りたいか」を考え年金相談に応じ、組合では、「雲霧仁左衛門」のように「急ぎ働きはしない」と活動していると紹介。

全国健康保険協会分会で奮闘
 昨年10月に発足した全国健康保険協会分会からも発言がありました。京都支部組合員は、健保協会になって、当局から、組合代表の意見を聞かれることが多くある。民間になると労働基準法だけでなく労働組合法などいろいろな法律が関係しており、勉強しながら進めている。夏期休暇もなく、有給休暇も半日単位でしか取れない労働条件を改善していきたい。岐阜県支部組合員は、国家公務員とは違い、残業の不払いはなく、仕事も充実している。支部ごとに差がある。横の連携も密にしてすすめたい。神奈川県支部組合員は、欠員補充のための新規採用者は、いきなり栃木や沖縄に赴任させられている。全国異動とはいえ、行き過ぎではないか、と発言しました。

国立更正援護機関の統廃合ではなく、障害者施策の充実発展を
 福祉部門からは3人が発言しました。福岡支部組合員は、国立更生援護機関の今後のあり方検討会を傍聴してわかったことは、あり方検討会は施設管理室の用意した組織統廃合の結論ありきで進められ、委員がそれを追認する形で一度も議論されていないことも含め結論が出されたこと。この最終報告を前管理室長は「参考に」と言っていたのに、現室長は忠実に実行しようとしており矛盾がある。塩原支部組合員は、あはき師として生活の自立をはかるための養成課程は、障害者自立支援法がそれを断念せざるを得ない状況にした。本来、視覚障害者のあはき養成は国の責任で守っていかなければならない。視覚障害者にも広く呼びかけて一緒に運動していくことも大事。国立リハ支部組合員は、あり方検討会の結論は、リハを中心とする機能の一元化。人事と予算も自立支援局として一元化する。7つの部署から成り立っている。自立支援法で応益負担になり、結果、国立施設の利用者も減った。政権が変わり、応能負担となるなら、障害者の暮らしも、あはき養成も変わってくるのではないか。組織再編ありきではなく、現状は自立支援法によるものだったことを政党や議員に訴えて、状況を変えて行きたい。障害者への対応が、お金の有る無しや住んでいる地域で差があってはならないと述べました。

研究機関の存続発展へ全力
 研究機関からは4人が発言。基盤研支部組合員は、民主党は独法のゼロベース見直し方針なので予断を許さない状況。来年度からは第2期が始まるが、次期中期計画の中で、霊長類センターと薬用植物センターの一部見直しが明記されており、和歌山研究部の廃止が挙げられた。そこに働く非常勤職員は組合員であり、対応していきたい。感染研支部組合員は、土曜に開催する研究所の一般公開日に所長よりボランティアでの出勤要請があった。急遽、支部執行部が当局に申し入れ、振り替え勤務に変更させることができた。ハ病研支部組合員は、ハンセン病研究の場の確保、前進のために努力する。今年度も厚研連交流集会を開催したい。科学院支部組合員は、国の事業の「そもそもの必要性」を問う民主党の「事業仕分け」に国立保健医療科学院の養成訓練及び試験研究に必要な経費についての記述があった。案のままだと、教育訓練、研究に必要な光熱費、非常勤職員の賃金が7割程度カットされることになり、事業が立ち行かなくなってしまう。この問題は組合だけで対処できる範囲を超えているので上層部とも歩調を合わせて行動していく必要がある、と発言しました。

平和・組織拡大の取り組み広げ
 京都支部組合員は、原水爆禁止世界大会・長崎に神奈川の仲間とともに参加した。オバマ大統領が核兵器廃絶を発言し、原爆認定訴訟が勝利するという歴史的な転換点に開かれた大会だった。来年5月のNPT再検討会議に向け、運動を強め、12月に神奈川で開催される日本平和大会に積極的に参加を組織したい。静岡県支部組合員は、3・1ビキニデーは全厚生から多くの参加があった。引き続き平和の取り組みを強めよう、と発言しました。
 財政問題では、神奈川県支部組合員は、財政方針の提案の中で、組合費収入が落ちている。安定的な組合活動をしていくために、組織強化が求められる。組合員を増やそう。業務センター支部組合員は、業務センターは日本年金機構本部となる。組合員を常に増やそうという気持ちを持っていないと、減ってしまう。一番の課題は組織拡大と位置づけている。大阪支部組合員は、全厚生青年女性交流集会in神戸の現地実行委員会として近畿ブロックで団結してがんばれた。人の出会いは財産であり、信頼できる仲間がいる。組合に一人でも多く迎え入れたい。兵庫県支部組合員は、全厚生には、他人のことで怒っている人や一生懸命になっている人がいっぱいいて、ほっとした。たたかう労働組合に入って本当に良かったと述べました。この他に、大阪支部組合員、大分県支部組合員、兵庫県支部組合員から全厚生入って本当に良かったとの想いが語られました。

日本年金機構の設置凍結と社会保険庁職員の雇用確保を求める決議
 先に行なわれた衆議院議員総選挙において、民主党が過半数を大きく上回る308議席を獲得した。一方、自民党は119議席と、公示前の3分の1へ歴史的な大敗を喫し政権から転落した。これは、国民が自民・公明政権による「構造改革」路線に厳しい審判をくだし、雇用の破壊や社会保障制度の相次ぐ改悪から、真に国民生活を優先する政治路線への転換を求めた結果である。
 年金記録問題での国民の怒りは、生活できない年金に対する怒りの表れであることは明らかである。日本年金機構は、ベテラン職員を排除した上に職員を減らし、窓口等の各種業務を民間委託しようとしており、日常の事業運営も年金記録問題の解決もいっそう困難になることは明らかである。国の責任による年金記録問題の解決を最優先し、国民の権利を速やかに保障するとともに、安心して生活できる年金制度を作るために、日本年金機構の設置を凍結することを強く要求する。
 一方で、社会保険庁の廃止・解体、日本年金機構の設置の準備は着々とすすめられている。業務は継承するにもかかわらず、職員の雇用は一切継承しないという不当な枠組のもと、全体で1000人弱の職員が不採用とされ分限免職の可能性がある。厚労省・社保庁の不採用者への再就職支援対策は、官民人材交流センターの活用を第一義的にすすめているが遅々としてすすんでいないのが実態である。社会保険庁の廃止は国策によるものであり、分限免職回避にむけた最大の責任は政府にこそある。
 全厚生は、新たな政治情勢のもと、国の責任で安心して暮らせる年金制度の確立に向けて、安心年金つくろう会をはじめとする広範な運動をさらに発展させるとともに、国の責任も国民の権利も曖昧にする日本年金機構の設置を凍結し、年金記録の確実な整備、年金制度の改善、全職員の雇用保障に全力を挙げるものである。
 以上決議する。
2009年9月13日
 全厚生第73回定期大会

多彩に夕食交流会
 12日の夕食交流会は、トランペッターの松平晃さんによるミニステージの他、組合員による踊りや楽器演奏など多彩なプログラムで盛り上がりました。

2009年度執行体制
仲間とともにがんばります。
中央執行委員長(再) 神奈川県
飯塚 勇(いいづか いさむ)

中央執行副委員長(再) 神戸
今井 進(いまい すすむ)

中央執行副委員長(再) 本省
田口 雅之(たぐち まさゆき)

中央執行副委員長(再) 京都
山本 潔(やまもと きよし)

書記長(再) 書記局
杉浦 公一(すぎうら こういち)

書記次長(新) 神奈川県
平丸 寿博(ひらまる としひろ)

中央執行委員(新) 神奈川県
鎌田 貴子(かまた たかこ)

中央執行委員(再) 滋賀県
木瀬 知彦(きせ ともひこ)

中央執行委員(再) 業務センター
木立 圭子(きだち けいこ)

中央執行委員(再) 愛知県
國枝 孝幸(くにえだ たかゆき)

中央執行委員(再) 国立リハ
小出 千鶴子(こいで ちづこ)

中央執行委員(新) 基盤研
小浦 美奈子(こうら みなこ)

中央執行委員(新) 統計
菅沼 伸至(すがぬま しんじ)

中央執行委員(再) 秋田県
新田 献(にった けん)

中央執行委員(再) 愛知県
深沢 英二(ふかざわ えいじ)

中央執行委員(再) 感染研
松野 重夫(まつの しげお)

中央執行委員(再) 業務センター
峰 一史(みね かずふみ)

中央執行委員(再) 愛媛県
横田 真二(よこた しんじ)

会計監事(再) 秩父学園
秋山 佳秀(あきやま よしひで)

会計監事(新) 本省
市川 茂(いちかわ しげる)

書記
近藤 浩美(こんどう ひろみ)

書記
西田 志緒(にしだ しお)

総括答弁
新しい情勢の下で、機構凍結と雇用確保、制度の拡充を
 2日間の討論を受けて、飯塚委員長が総括討論を行いました。
 限られた時間の中、延べ40人から熱心な討論をいただいた。基本的には本部方針を補強していただいたものと受け止め、中央執行委員会や部門の会議等で具体化を図っていきたい。
 日本年金機構の設置凍結を目指した取り組みは、労働組合の第一義的な任務である組合員の雇用確保に直結する問題であり、安心年金つくろう会をはじめとする広範な支援のもと、機構凍結と制度拡充に向けて、当面、新しい情勢下での国会対策を強めたい。同時に、激しい情勢の変化のなかで、職場では様々な戸惑いがあることも事実であり、情勢の学習と取り組みの意思統一を強めたい。
 基本的人権や生活権を奪うような不当な不採用問題では、職場の仲間たちの率直な思いが語られた。民間斡旋ありきのような社保庁の雇用確保対策を厳しく糾弾するとともに、公務部門での雇用確保に向けて追及を強めたい。また、政治情勢を見ながら、全厚生としても他の公務労組に働きかけるなど独自の取り組みも探求したい。
 障害者政策、独法化の問題、本省の働くルールの確立など、民主党を中心とする新たな政権の中で様々な動きが予想される。64年の歴史を踏まえ4部門が一致団結し、要求の前進と組織の団結強化に向けてがんばっていきたい。

職場に真実と展望を示す
第22回全厚生機関紙フェスティバル
 大会初日、22回目を迎えた恒例の機関紙フェスティバルの表彰を行いました。「全厚生」新聞編集長の近藤書記が参加機関紙全体の講評と結果の報告を行い、飯塚委員長が各代表へ表彰状と記念品を手渡しました。
 近藤書記は、今年は10支部13機関紙の応募があったことを紹介し、「職場がますます厳しくなるなかで、どういう情報をどういう風に伝えたら、組合員や職員が元気になり、展望もって働き続けられるかを真剣に考え、工夫された機関紙になっている。今年は、それぞれの機関紙の講評をそのまま賞に反映させて、各機関紙にふさわしい賞を設けた」と述べました。この後、飯塚委員長が、一つ一つの表彰状を読み上げ、各代表に手渡しました。

本省支部 「夜明け」 *霞ヶ関のともしび大賞
業務センター支部 「支部ニュース」 *職場の太陽大賞
同「組合員のみなさんへ」 *人にやさしい組合大賞
国リハ支部「かるがも」 *組合ここに在り大賞
福岡支部「かたらせて」 *博学団結大賞
秋田県支部青年部「とらい」 *青年の絆大賞
神奈川県支部「週刊保険」 *団結夜明け大賞
愛知県支部「支部だより」 *団結スクラム大賞
同「全厚生愛知県支部のブログ」 *いつでもアクセス団結大賞
京都支部「社保ニュース」 *団結羅針盤大賞
同「協会けんぽ分会ニュース」 *労組の真髄大賞
兵庫県支部「全厚生兵庫県支部ニュース」 *団結輝く光大賞
香川県支部「支部情報」 *職場の灯台大賞

退任されたみなさん
長い間お疲れ様でした。
 今大会で、 副委員長の亀岡洋祐さん、中央執行委員の梅田忠明さん、三角美智子さんが退任されました。副委員長を務めた亀岡さんは「たいへん勉強になった。人間は希望を持つと明るいものなんだと教えてもらった」。中央執行委員を2期務めた梅田さんは、「今後は職場で地道にやっていきたい」。中央執行委員を4期務めた三角さんは「職場でがんばりたい」と挨拶しました。

自由法曹団の小部弁護士が激励
 大会2日目、自由法曹団の小部正治弁護士を講師に社会保険庁をめぐる情勢と雇用の確保、全厚生の運動の方向について学習を行いました。小部弁護士は、日本年金機構の処分者への採用差別は、行為と不利益の比例原則違反であり、二重処罰の禁止違反だ。全員の雇用継続をめざして安心年金守る活動とともに全厚生に結集してたたかおうと激励しました。

来賓あいさつ
 大会には、国公労連・岡部勘市書記長、全医労・岸田重信書記長、日本共産党・小池晃参議院議員が来賓として出席し、挨拶しました。

メッセージ
 大会にメッセージをいただいた労働組合、団体は次のとおりです。(順不同)
 国民新党、日本共産党衆議院議員高橋ちづ子、全国労働組合総連合、全労働省労働組合、総理府労働組合連合会、全情報通信労働組合、国土交通省全建設労働組合、全国税関労働組合、全国税労働組合、全経済産業労働組合、全運輸労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、全司法労働組合、全気象労働組合、国家公務員一般労働組合、日本医療労働組合連合会、特殊法人等労働組合連絡協議会、全国福祉保育労働組合、全日本損害保険労働組合、全日本金属情報機器労働組合、全日本建設交運一般労働組合、郵政産業労働組合、国鉄労働組合、全日本年金者組合、自由法曹団、日本婦人団体連合会、農民運動全国連合会、全国保険医団体連合会、全日本民主医療機関連合会、全国商工団体連合会、原水爆禁止日本協議会、安保破棄中央実行委員会、日本国民救援会、年金実務センター代表公文昭夫、日本国家公務員労働組合連合会共済会、中央労働金庫霞ヶ関支店、株式会社きかんし

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