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◆第1724号 (2009年7月15日付)◆


国民の期待に応える研究体制を
大臣官房厚生科学課長交渉を実施
 全厚生は7月7日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。交渉には全厚生から、飯塚委員長、亀岡副委員長、杉浦書記長、松野中央執行委員及び感染研支部、国衛研支部、ハ病研支部、栄研支部の代表や厚研連委員会の代表など計13人が出席。厚生科学課からは、矢島課長、坂本研究企画官、小平総括補佐、飯野補佐が対応しました。
 冒頭、飯塚委員長は、
国民の健康と福祉を向上させる上で国立試験研究機関の役割が重要になっている。国民の期待に応える体制確保に向け、厚生科学課の引き続く努力を求めました。これに対し、矢島課長が回答。
 独立行政法人国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の統合にあたり、国民の健康と福祉を向上・発展させる厚生科学研究をめざし、当該法人及び労働組合の意向を尊重し、具体化・実施することについては、「独立行政法人の労働条件等は、各法人の理事長の責任で決定されるべきもの。独立行政法人を所管する立場として必要に応じ、安心して研究活動等に従事できる研究、労働条件を維持されるよう中期目標、中期計画等を通して法人運営に係る必要な指導、助言を行っていきたい。統合の具体化にも所管課として必要に応じて指導・助言していきたい」と回答。

国衛研の移転に伴う諸要求実現を
 国立医薬品食品衛生研究所の府中移転計画の状況について、労働組合に随時情報提供を行うとともに、実行にあたっては当該職員、労働組合と十分な協議のもとで進めること。老朽化している現在の研究施設について、必要な整備を継続して行うこと。移転に伴い転居を強いられている職員のために公務員宿舎を必要戸数確保することを要求。これに対し、「移転にあたっては、府中市地域まちづくり条例や地域住民の意見を尊重しながら進めるとともに、新しい施設の設計等に当たっては、より良い研究環境を保持した施設整備とする観点から、研究所全体の合意形成を踏まえた対応が必要であると考えている。移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費は、積極的に対応したい。転居を強いられている職員がどの程度いるか把握していないが、各々の通勤時間等を勘案し適切に配慮されるものと考えている」と回答。
 国立保健医療科学院の教育研修の課題では、各機関・研究者との協力体制をはじめ、充分な体制確保を要求。これに対し、「科学院で行われる教育研修は、院内に関係研究部の研究者等で構成される研究課程委員会等を設け、研修時期、研修内容、研修人員、講師の人選等について所要の検討・調整を行い、円滑な研修ができるよう努めている。また、院内に専門家がいないコースも、『教育研修運営協議会』を設置し、講師派遣等の調整を行っている上、昨年3月に研修運営委員会を設置することとした。今後も関係機関の過度の負担にならないよう配慮しつつ、必要な研修体制を確保していきたい」と回答。

新型インフル対応の体制と予算を
 国立感染症研究所の新たな課題として、新型インフルエンザに対応する緊急業務体制及び労働条件確保のための予算措置を行うことを要求。これに対し、「本年4月にインフルエンザウイルス研究センターを新設し、組織体制の強化を図った。今般の新型インフルエンザの発生に対し、インフルエンザウイルス研究センター及び感染症情報センターを中心に検体の検査及び情報の収集・解析等を休日、昼夜を問わず行ったところ。常日頃から職員の職場における健康管理は最も重要なことと認識している。このような緊急事態に対して、組織の中で支援体制を構築し、特定の者に負担が掛からないよう配慮する必要があると認識している。今般の対応は、通常以外の時間勤務の割り振りは、原則、振替又は代休の取得により対応しているが、振替等ができない勤務は、予算措置も含め調整している」と回答。
 非常勤職員の業務や技能を適正に評価し、賃金・労働条件を改善する要求では、「非常勤職員は、各研究機関の運営で実情に応じた役割を担っていると認識している。賃金・労働条件は、常勤職員との均衡を考慮しつつ、各研究機関の実情に応じた適正な対応がなされていると考えている。本年4月の人事課長通知により、『非常勤職員に対する給与の支給について』が示されたところ。試験研究機関に対しても適正な給与の支給に努めるよう周知したところである」と回答しました。

リレーずいそう
●育児奮闘
 三月に子供が生まれた。育児の中で、子供の成長には日々驚かされる。先月末に頸が座り、先週は手を見てひとりで遊んでいる。一昨日は「いないいないばあ」をすると声を出して喜んでいた。当直開けの今日は、帰宅すると怪訝そうな顔で見つめられ、しまいには泣かれた。
 この時期の赤ちゃんは体の機能をつかさどる中枢神経(脳・脊髄)が発達途上のため、幾つかの原始的な反射が見られる。唇に指を持って行くと吸いついてくる吸啜反射、手の中に指を入れると握る把握反射、顔を向けた側の手足が伸び、反対側の手足が曲がる緊張性頸反射などの反射が見られる。こうした赤ちゃん特有の反射は、脳が発達してくる生後数ヶ月までに自然に消えてくる。これらの反射について今までは教科書でしか知らなかった。理屈は知っているが、実際の状態は見ていない。そのため、ここぞとばかりに、日々いろいろな反応を確認しつつ、子供の成長を楽しんでいる。妻に見つからないようにこっそりと。
 さらに最近の楽しみは、子供と一緒に入るお風呂である。下腿部から順番にマッサージしながら体をゴシゴシ。仕事の疲れも吹っ飛び、お風呂で一緒に遊んでいる。
 小生にもこんな時期があったはずで、お父さんには確認しづらいが、親に対して不思議な感情が涌いて来ている。
 また、これから自分のした事と同じように多くのことがあるのかと思うと、少し頭が痛い。性格は妻に似てくれることを祈る。
(函館支部 組合員)

News
労働基本権の回復を
全労連公務部会権利討論集会

 国や地方自治体職員の労働組合が結集している全労連公務部会は6月19〜20日にかけて、熱海市で「第17回権利討論集会」を開催し、公務員制度改革や労働基本権回復などについて学習・討論を行いました。集会には飯塚委員長が参加し、社会保険庁解体に伴う雇用破壊、業務の民間委託の問題点や、安心して暮らせる年金制度の確立に向けた取組み等について報告し、支援を訴えました。

働くルールを確立しよう
NTTリストラ反対集会

 大企業中心の社会を転換し、働くルールを確立しようと「NTTリストラ反対集会」が6月20日都内で開催されました。NTTは02年から11万人リストラを強行し、退職に応じなければ異職種・遠隔地配転を強行しています。集会には飯塚委員長が参加し、NTTの闘いにエールを送るとともに、労働者の権利を無視し、雇用を破壊する社保庁改革の異常性と問題点を訴え支援を要請しまた。

8月の主なスケジュール
3日 原水爆禁止世界大会・国際会議(〜5日)
6日 原水爆禁止世界大会・広島
7日 原水爆禁止世界大会・長崎(〜9日)
8日 第11回中央執行委員会
27日 国公労連第55回定期大会(〜29日)

核兵器のない平和で公正な世界を
原水爆禁止2009年世界大会・長崎
8月7日(金)開会総会(長崎市民会館体育館・文化ホール)
8日(土)分科会・分散会(長崎市内他)
9日(日)閉会総会(長崎市民会館体育館・文化ホール)

*ただいま参加者募集中!
*詳細は支部または本部へ

厚生共闘
雇用確保へ最大限の努力を
厚生労働大臣官房長と交渉
 厚生共闘(全厚生と全医労で構成)は6月29日、大臣官房長交渉を実施。厚生共闘は、岩崎議長、飯塚・山田副議長、杉浦事務局長、岸田・峰事務局次長が出席。厚生労働省からは、大谷官房長、唐澤人事課長、宮野参事官らが対応。
 社会保険庁改革の課題では、@日本年金機構への採用にあたり、懲戒処分者を一律不採用とする閣議決定を見直すこと。職員の雇用に万全を期し、組織改廃に伴う「分限解雇」は行わないこと、A厚生労働省への転任を希望する者に対し、厚生労働省への定員配置を確実に行うなど、雇用確保のために使用者として最大限の努力を行うことを要求。これに対し、大谷官房長は、「雇用確保については、分限免職を回避するため、省内への配置転換など、厚生労働省としても一体の問題と受け止めて対応していきたい。今般、分限免職回避のための取り組みを行うため、社会保険庁職員再就職等支援対策本部を設置するとともに取り組みを効果的に行うために、本部の下に本庁に社会保険庁職員再就職等支援室、各地方の社会保険事務局には、地方社会保険事務局職員再就職等支援室を設置して、分限免職回避、再就職支援等に係る施策を立案することにした。今後、本部を中心に一層、分限免職を回避するための努力を行っていきたいと考えている。その際には、定員の状況等を勘案しながら、厚労省への更なる配置転換の検討、或いは、官民人材交流センターを活用した再就職など、できる限りの努力を行いたいと考えている」と回答。 また、国立病院等の課題では、@国民医療の充実に向け、医師、看護師、介護員等を増員し、国立ハンセン病療養所の医療、看護、介護の充実を図ること。A国立高度専門医療センターの非公務員型独立行政法人化にあたっては、高度先駆的な医療や政策医療を充実させ、国民医療の向上をめざすとともに、職員の賃金・労働条件を維持・改善することを要求。これに対し、大谷官房長は、国立ハンセン病療養所の課題では、「ハンセン病問題基本法に則り、これまでも体制の強化をしてきたつもりであるし、今後も努力していきたい」と回答。国立高度専門医療センターの課題では、「NC法人の職員の給与等については、独立行政法人通則法第6条の趣旨を踏まえ、各NC法人が適切に定めるものと考えている」と回答しました。

希望者全員の雇用確保へ
政府の責任を追及しよう
全国支部委員長会議で意思統一
 全厚生は7月4日、都内で全国支部委員長会議を開催し、9月に開催する全厚生第73回定期大会に向けての意見交換と当面する夏期闘争について意思統一。会議には、19支部38人が参加。翌5日には、社会保険と社会福祉部門の支部代表者会議を開催しました。
 会議の冒頭挨拶した飯塚委員長は、「麻生首相の支持率がまた低下した。選挙の中で、国民本位の政治めざして全力を挙げよう」と強調。社会保険をめぐる情勢については、「年金積立金の市場運用で9・6兆円の過去最大の損失を出したが、大企業へ運用手数料350億円は払われており、ここに社会保険庁改革の危険な狙いがある」と指摘し、「6月25日に日本年金機構などへの採用内示が行われ、いずれにも内定しなかった者が1000人との報道もある。雇用確保は政府の責任。安心年金つくろう会を各地で作って、雇用問題を訴えていこう」と、雇用問題で全力を挙げる決意を表明し、討論を呼びかけました。
 運動方針案への考え方と骨子は杉浦書記長が提案。「労働者の誇りと希望をもってたたかおう」と基本的構えを述べた他、分限免職を許さず希望者全員の雇用確保。年金機構に対応した全厚生の組織作り。健保協会との労働協約闘争。本省庁はじめ働くルールの確立。福祉施設あり方検討会の具体化にたいする取り組み。基盤研と栄研との統合問題や国衛研の府中移転問題への対応など、具体的課題についての考え方を述べ、みんなの力で大会方針を作り上げていこうと呼びかけました。
 討論では23人が発言。社会保険各支部からは、日本年金機構への内定状況などが報告され、「内定しなかった者は辛い思いをしている。政府の責任で全員の雇用確保を。全厚生として出来る取り組みはすべてしよう」、「職員がバラバラになっている。今後どうモチベーションを高めていくか、話せる場をどれだけ作っていけるかが勝負」、「支部で相談ホットラインをつくり、個々の相談に乗っている」など雇用確保に向けた報告や提案。京都から不当処分撤回闘争について、6月25日の第2回裁判には138人もの傍聴者が参加したこと、「全厚生不当処分撤回闘争を励ます会」が結成され、支援を広げているとの報告。研究機関からは7月7日の厚生科学課長交渉、24日の厚研連交流集会の取り組みの紹介。福祉部門からは、「あり方検討会報告について、業務ベースでも施設ごとに意見を上げた。一元化・統廃合によるサービス低下を懸念している」、「施設の存続に不安を抱えつつ仕事をしている」などの意見。本省庁からは「階層別懇談会を開いて、要求集約をしている」などの報告がありました。
 運動方針案は討論を踏まえ、8月中旬に提案することを確認しました。

京都
励ます会も結成
不当処分取消訴訟第2回裁判
【京都支部発】全厚生不当処分取消訴訟の第2回口頭弁論が6月25日、京都地方裁判所101号法廷で行われ、職場の仲間14名をはじめ退職した先輩方や京都の労働者、年金者組合などから100席の傍聴席を上回る138名が駆けつけました。
 今回は、被告側から訴状に対する答弁書と被告準備書面の提出があり、原告側は原告準備書面によって、訴訟の争点と被告の主張の特徴などについて陳述しました。
 被告は、@当局が事業運営に関して、職員団体に説明し協力を求めたことA職員団体を日常の業務や事業運営の中に位置づけていたことB労使間で業務や組織・機構に関する課題でも勤務条件にかかる事項は交渉課題として整理してきたことC支部が行政サービスの拡充をめざす7事務所構想、行政サービスの向上をめざす窓口課の設置、業務の効率化を意図する業務の集約化や組織・機構の見直しなど、積極的な提案を行ったこと、等を認め、支部の活動の本質を認めていることが明らかになりました。
 処分に至った調査については、曖昧で漠然とした内容に終始し、事実調査の名に値せず、証書についても証拠価値が存在しないことも明白になり、被告の主張そのものによって、原告の主張の正当性が裏付けられるかたちとなっています。
 被告は被告準備書面において、懲戒処分の違法性の判断枠組みについて論じ、「懲戒権者の裁量」を強調しています。しかし、多くの判例でも明らかなことは、懲戒事由の認定は事実に基づかなければならないことです。事実認定に当たっては、懲戒権者の裁量は許されず、懲戒事由が明らかに認められない場合はその処分は違法であることが指摘されました。
 第3回の口頭弁論の期日は、9月10日午前11時から101号法廷です。
 第2回口頭弁論終了後、弁護士会館の会議室で報告集会を開催し、続いて、「全厚生不当処分撤回闘争を励ます会」の結成総会を開きました。
 全厚生近畿ブロック勝井議長は挨拶で、この裁判を闘うことは@不当な処分を取り消すことAすべての労働者への攻撃をはね返すことB公務労働の民主的発展をめざすことC安心できる年金制度を実現する運動を大きく進めることなど広範な意義をもつことを強調。準備会の経過報告ののち、会の目的や申し合わせ事項を確認しました。
 また、同日同会場で、「川口・北久保両君を励ます京都の会」も結成。両会はお互いに補い合って、内外に支援を広げていきます。

全厚生雇用相談ホットライン
03-3501-4881(本部書記局)
zenkosei@zks.dp.u-netsurf.ne.jp(Eメール)
 社会保険部門の組合員のみなさんの不安や疑問に適切に対応するため雇用相談ホットラインを開設しました。新組織等への不採用、疑問、質問など、何でもご相談ください。

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