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◆第1716号 (2009年3月1日付)◆


障害者の権利保障の立場で
国立更生援護機関の今後のあり方検討に意見
 全厚生は2月26日、障害保健福祉部企画課施設管理室に対して、「国立更生援護機関の今後のあり方に関する検討についての意見」を提出しました。
 全厚生はこれまで障害者福祉の向上の立場から、国立施設の機能充実や福祉現場で働く職員の処遇改善を目的に活動してきました。今回の意見書は、この到達点に立って、全厚生社会福祉支部連絡協議会(厚社連)として取りまとめたものです。
 なお、今回は視力障害センター養成部門についての意見です。

あり方検討会を傍聴
全厚生から10人参加

 全厚生は2月27日、「国立更生援護施設の今後のあり方に関する検討会(第4回)」の傍聴行動を実施しました。この行動は、09年春闘方針にもとづき具体化したもので第3回検討会の傍聴に続き2回目の取り組み。今井副委員長、杉浦書記長、小出中央執行委員、社会福祉支部から全体で10人が傍聴しました。午前9時45分に全厚生本部に集合して打ち合わせ。その後会場に移動して午前10時から傍聴行動に入りました。検討会での議題は「『国立更生援護機関の今後のあり方に関する検討会』の取りまとめ」で、配布資料「取りまとめに向けての概要案」にもとづき、各委員の質疑及び意見表明などが2時間にわたり行われました。
 傍聴行動終了後、参加者で意見交換を行いました。
 なお、取りまとめにむけた最終第5回検討会は3月25日(水)午後2時〜4時に開催されます。全厚生は引き続き、傍聴行動に取り組みます。

国立更生援護機関の今後のあり方に
関する検討についての意見(要旨)
社会福祉ならびに障害者行政・施策は、憲法25条の下で、障害者の権利保障の立場に立ち、豊かに発展させられなければならない。

1.障害者の立場に立った検討を
予算や職員定員の制約がある下で、国立施設総体としては機能と役割を縮小する方向になり、多くの障害者の要求や希望に逆行しないか危惧する。
障害者施策が大きく変わろうとする時、福祉充実の視点や障害者の立場に立って検討し、方向づけられることを期待する。

2.視力障害センターのあり方
利用者の減少が問題になっている。その原因を様々な角度から分析しなければならない。
現象のみで視力障害センターの必要性に言及するような短絡的な議論にするべきではない。
障害者手帳を所持する18歳以上の視覚障害者に対する支援の実施者は国立施設が担っていくことは制度上からも明らか。

3.視覚障害者の現状と「あはき師」養成の課題
@特別支援学校(盲学校)の実態と対象地域
国立施設は全国を対象に利用者募集を行っている。実際は設置地域からの応募が多数を占める。
A早期訓練の必要性
障害者手帳の交付を待たずに早期に学習・訓練を開始することは、残存視力を最大限に活用でき難しい医学の学習をしておく上で大変有効。
B視覚障害者の就労について
「あはき師免許」の取得は、視覚障害者の職業的自立を達成するために極めて重要。
C「あはき師」免許取得へ一層の支援
逐年、難易度が増している「あはき師」免許取得のために、しっかりとした事業体系に組み込んだ上で、国立の責務として免許取得を支援する必要がある。
D研修制度の強化の必要性
健常者の有資格者が逐年増加し、今後一層増えることが予想される。健常者ととともに業を続けるためには、研修体制の強化がどうしても必要。
E視力障害センターの「自立訓練(機能訓練)」での課題
「自立訓練(機能訓練)は、国立施設が実践の中から積み上げてきた経験や技術を駆使して、多くの視覚障害者の自立を支援することができる事業体系に変えていくことが重要。

4.おわりに
国際的な人権の発展の成果を正しく踏まえて、国内法の抜本的な見直し、障害者施策、さらに国立施設のあり方の検討を行うことが求められている。
地方にある国立施設のあり方の検討にあたっては、縮小方向ではなく、その充実にむけた真摯な議論を展開させていくべき。

リレーずいそう
●雑感
 昨年8月に国立身体障害者リハビリテーションセンター元部長による贈収賄事件が発覚。元部長は逮捕され、11月には公判が行われ贈賄側と収賄側が事実関係を認めました。センターでは、第三者委員会が設置され「病院における医療機器納入にかかる不祥事の検証と再発防止のための第三者検証委員会報告書」がHPに掲載されました。内容構成は、1設置目的等、2検証、3再発防止に向けての提言、4終わりに、となっています。
 だけど、この報告書、ちょっと合点がいかないところがあるんです。なぜなら、「管理監督者の処分」が明記されていないからです。
 昨年の係長会議資料には、特に、倫理法に基づく処分の中に「管理監督者の処分:第三者検証委員会の検証結果等を踏まえ、管理監督職員の処分を行う。」とあります。しかしながら、第三者委員会報告では、「管理監督者の処分」は行われた様子は無いし、「処分内容」も明記していません。
 ただ、国リハニース303号によると岩谷総長の念頭挨拶で「しかるべき処分をいただき」と明言しているので、処分の行方については多くの職員が大変大きな関心をもって見守っています。
 一般職員であれば、何らかの事を起こした時には、直ちに処分されるのにと思うのは私だけでしょうか。
(国立リハ支部・組合員)

News
社会保険職場への支援訴え
青年セミナー&青年拡大代表委員会

 国公労連と国公青年協は、2月21日に都内で第4回青年セミナーを開催。約30人が参加しました。「憲法9条の意義と戦争する国づくりを許さないために」(小沢隆一東京慈恵医大教授)・「年越し派遣村と09春闘」(井上久全労連事務局次長)の2講義と、グループトークを行いました。
 翌22日には国公青年協拡大代表委員会を開催。12単組中8単組の参加で09春闘方針の議論を深めました。全厚生は業務センター支部の佐藤執行委員が社会保険職場の実態を報告し協力を呼びかけました。

仲間どうしのささえ愛広げて
国公共済会拡大代表委員会を開催

 国公労連は2月14日に都内で国公共済会拡大対策委員会を104人の参加で開催。全厚生からは、業務センター・神奈川・兵庫県各支部から3人が参加。単組交流では、神奈川県支部の川名書記長が職場での取り組みなどを報告しました。

研究・労働条件の改善を
厚研連委員会で討議
 全厚生試験研究機関支部連絡協議会(厚研連)は2月27日、国立感染症研究所で委員会を開催。試験研究機関支部の活動交流を行うと共に、当面する取り組みについて討議しました。
 試験研究機関の重点課題では、国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の「統合」に対する取り組み、国立医薬品食品衛生研究所の府中移転問題などを重視して取り組みます。研究・労働条件の要求では、任期付研究員の任期後の採用、非常勤職員の処遇改善、国立保健医療科学院の教育研修の体制確保の課題、感染症を取り扱う研究公務員の処遇(手当)改善、パワー・ハラスメントを防止する課題などを取り組みます。さらに競争的研究資金の使い方について、現状を把握した上で要望します。
 これらの課題・要求を整理して、厚生科学課長交渉を6月下旬に準備します。
 昨年に続き、厚研連交流集会は7月段階で開催できるように準備します。
 なお、厚研連委員会には、伊藤事務局長、感染研支部、科学院支部、ハ病研支部、栄研支部、基盤研支部の代表が出席。本部からは、亀岡副委員長、杉浦書記長、西田書記が出席しました。

岐阜県
社保職員の雇用確保を
岐阜社会保険事務局に要請
【岐阜県国公発】岐阜県国公と全厚生岐阜県支部は2月18日、「社会保険庁で働くすべての職員の雇用確保を求める要請」を提出し、岐阜社会保険事務局長交渉を実施。県国公から横山議長、吉田事務局長ら6名と全厚生岐阜県支部から澤村支部長をはじめ支部・分会役員から8名が参加。当局側は神原事務局長、裏道次長、瀬上総務課長が対応しました。
 岐阜県国公の横山議長は、「日本年金機構の採用基準、『懲戒処分を受けた職員の一律不採用』は大変問題がある。年金制度の信頼確保のために、制度運営を優先することが重要であり、業務に精通した職員の採用と事業の実施が必要」と、職員の雇用確保に全力を尽くすよう要請しました。
 神原事務局長は、厳しい職場状況とともに、業務の進捗状況を説明したうえで、「社会保険庁としてあるうちに年金記録問題を解決させる、というのが国民の願いだと思うが、現実的には日本年金機構へ移行後にもずれこまざるをえないと思う」。職員の雇用問題では、「職員の希望に沿う形で雇用が確保され、『分限免職』が回避されるよう願っており、(最終的に)採用が決まらないということがないよう、私をはじめ、幹部のみんなで精力的にがんばりたい」と回答。
 全厚生岐阜県支部から、「職員には広域異動に対する不安がある。新組織での事業の円滑なスタートのために異動を最小限に抑えることが重要で、このことは事業を安定的に維持するということにもつながる」と職員の意向を十分配慮するよう要請しました。神原事務局長は「職員の希望がかなうよう最大限の努力をする」、「広域異動に対する思いも設立委員会へ伝えていきたい」と回答しました。
 最後に全厚生岐阜県支部から、住宅ローンの借り換え問題、11月末での宿舎退去問題についても、今後協議したい旨伝えました。
 岐阜県国公の野田副議長は、「社会保険庁改革は社会保険庁だけの問題ではなく、国公職場全体の問題。希望者全員の雇用確保を」と再度強く要請し、交渉を終えました。

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