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◆第1714号 (2009年2月1日付)◆


社保職員の雇用確保に全力を
全厚生第50回中央委員会でたたかう決意
 全厚生は1月24日、第50回中央委員会を都内で開催し、安心して暮らせる年金制度の確立と社会保険職員の雇用確保に全力をあげようと、09春闘をたたかう決意を固めあいました。
 中央委員会には、中央委員と本部役員はじめ71人が参加。飯塚委員長が挨拶し、春闘方針案を杉浦書記長が、補正予算案を峰書記次長が提案。来賓として国公労連の川村副委員長、全医労の岸田書記長、中央労働委員会の淀労働者委員が挨拶しました。討論の後、方針案・補正予算案を全会一致で採択しました。
 中央委員会終了後、09年新春全厚生旗開きを開催し、翌25日には、福祉部門と社会保険部門がそれぞれ支部代表者会議を開催しました。

◆委員長挨拶
雇用確保へ支援を広げよう

 中央委員会の冒頭あいさつした飯塚委員長は、社保庁解体・民営化に伴う職員の雇用確保のたたかいに触れ、「業務は継続するも雇用継承無し、選別の採用枠組み、分限免職の発動の危険性など、異常な雇用破壊が行われようとしている」と述べ、「今、大企業の非正規雇用労働者切りが問題となっている時、雇用問題に責任を負う厚生労働省自らが、選別採用や分限免職を行うことは、法的にも社会的にも許されない」と厳しく批判。また、日本年金機構の懲戒処分者の一律不採用方針に対し、日本弁護士連合会が「違法無効の疑いが濃厚」と採用基準の見直しを求め、毎日新聞が1月11日の社説で、「トカゲのしっぽ切りでしかない。法治国家であるからには、解雇ルールなどの法律を踏まえた対応を望みたい」と批判していることを紹介。「希望者全員の雇用確保へ、広く支援を訴えていく。総選挙の結果が雇用の枠組みに決定的に影響を与える。正念場のたたかいに臨んでいきたい」と決意を表明しました。

◆方針提案
春闘は転換点 全厚生の出番

 春闘方針を提案した杉浦書記長は、「貧困と格差は自己責任ではなく、社会的責任。この国のあり方を今こそ変える時。09春闘は転換点。社会保障行政を担う者の誇りをかけて、全厚生の出番だ」と述べ、具体的たたかいを提案しました。社会保険庁改革に対するたたかいでは、雇用確保に総力をあげ、安心年金つくろう会の全国展開をめざす。全国健康保険協会での労働条件改善へ組合活動の前進。実効ある超勤規制などの働くルールの確立。国立更生援護機関のあり方検討会に対しては、傍聴行動や意見書の作成などで、施設の統廃合ありきではなく、障害者福祉充実の結論を得るよう、働きかけを強める。研究機関の課題では、栄研と基盤研の統合問題、国衛研の移転問題などで、厚生科学研究の拡充へ厚研連活動を推進することを提案。非常勤職員の労働条件改善と雇用確保へ、組合加入を進めるなど、組織の強化拡大を呼びかけました。また、服務違反問題では救援調査委員会の設置を報告しました。

◆討論
労組が頑張れば報われる

 討論は全体で17人が、社会保険職員の雇用確保と労働条件改善を求める意見、全国健康保険協会での奮闘、国立更生援護機関のあり方検討会の課題、研究機関の取り組みなどで発言しました。
 社会保険職員の雇用確保の課題では、「意向調査で職員は苦悩している。全員の雇用確保を」、「年金機構が懲戒処分歴あるものを一律不採用とするのは不当。分限免職あれば、裁判でたたかいたい」、「処分歴のある人が全厚生を頼って加入してきた」、「年金機構の労働条件は酷すぎる。全国異動できない、年金機構で働き続けられるか不安、などの切実な要求が寄せられている。労働組合に結集してたたかい取ろうと呼びかけている」などが紹介されました。
 全国健保協会からは、「民間になって、仕事は変わらないが、使用者と労働者の立場がはっきりしたことで、残業の仕方と残業手当の支払いに公務との違いが明確に現れた。残業手当は全額支給。払われていない場合は、当局と交渉し、全額支払う約束をさせた。残業手当の支給は、自分が評価してもらえるという充実感も得られ、仕事にやりがいも出てくる。労働組合が頑張れば、報われる。労働組合活動がおもしろい。健保協会が年金機構の先駆けとなるよう頑張りたい」と力強い発言がありました。
 国立更生援護機関のあり方検討会の課題では、「あり方検討会を傍聴し、施設の一元化ありきではなく、障害者福祉充実へ向けたい」、「障害者自立支援法の抜本改正を」などの発言。研究機関からは、「組織改編で厚生科学研究が縮小される」、「非正規研究職の処遇改善を」などの発言。組織拡大では、対話を重視した組合加入の取り組みの発言がありました。
 総括答弁で飯塚委員長は、希望者全員の雇用確保へ、広範な支援の輪を広げ、安心年金つくろう会の結成、市民対話集会での訴えなど、あらゆる場で訴えよう。健保協会の労働条件改善に向け、全厚生特集号(号外)を発行し、職場に呼びかけていきたい。組織拡大で献身的な取り組みに学び、組織の拡大強化に全力をあげようと呼びかけました。

リレーずいそう
●可愛い同居人
 レーシック!と聞いて「あ〜、あの目が良くなるやつね」と即座に分かった人は、ラーメンを食べる度に眼鏡が曇って困っちゃう人だと思います。かく言う私のご主人様も物心ついた時にはすでに眼鏡っ子、眼鏡を外せば歯磨き粉と洗顔料を間違えて(口の中がアワブク)、砂糖と塩を間違えて(これは気にしない♪)。悲しいかな、よもぎ饅頭と間違えてこの私を口に入れかけた事もありました(同じ色というだけで!)。
 生命の危機を感じ取った私は二〇〇九年睦月、まずは脱眼鏡宣言を!・・・ということで、ご主人様にレーシックを勧めた次第でございます。
 さて手術を終えて一週間経つのですが、いやはや医学の進歩はすばらしい。手術自体は二十分程度なのですが、こんなにも視力が良くなるとは!一番上のランドルト環すら見えなかったご主人様はどこへやら、星図表の中にしか無かったオリオン座がピカピカリン♪お月様にも陰影がくっきり!空を見上げる楽しみがまた一つ増えたとのこと。
 ただ困った事も一つ。私、いつもご主人様のかける眼鏡を揺らしては、お菓子の催促や、遊びのおねだりをしていたのですが…、最近、眼鏡がないから言いたいことが伝わらない!まさかの大誤算?ダテ眼鏡でも色眼鏡でも何でもいいから、かけてくださいよ、ご主人様。耳たぶかじっちゃうぞ!@可愛い同居人、コザクラインコより
(伊東センター支部・組合員)

News
政府は派遣切り規制せよ
1・5国会開会日昼休み請願デモ

 通常国会開会日の1月5日、昼休み国会請願デモが行われ約1000人が参加。日比谷公園や厚労省講堂で年を越した「年越し派遣村」の隊列がデモの先頭を行進。「派遣切りやめよ」「大企業は社会的責任を果たせ」「政府は企業への指導を強めろ」とシュプレヒコールを行いました。

大企業は派遣切りやめよ
1・14日本経団連包囲行動

 1月14日、全労連と国民春闘共闘、東京春闘共闘は、09春闘の闘争宣言行動として、日本経団連包囲行動と丸の内デモを実施。大企業本社が林立する丸の内のビル街に「大企業は派遣切りをやめろ!配当より雇用を!内部留保で賃上げを!」とシュプレヒコールを響かせました。

職員の雇用確保は政府の責務
厚生共闘 厚生労働大臣官房長と交渉
 厚生共闘(全厚生と全医労で構成)は、1月29日、大臣官房長交渉を実施。厚生共闘は、岩崎議長、飯塚・山田副議長、杉浦事務局長、岸田・峰事務局次長が出席。厚生労働省からは、大谷官房長、唐澤人事課長、宮野参事官らが対応。社会保険庁改革の課題では、@日本年金機構への採用にあたり、懲戒処分者を一律不採用とする閣議決定を見直すこと。職員の雇用に万全を期し、組織改廃に伴う「分限解雇」は行わないこと、A年金記録の適正化、国民の権利保障のために必要な予算及び人員など充分な体制を確保すると共に、職員の健康管理及び安全対策を強化することの2点で最大限の努力を求めました。飯塚副議長は、「社会保険庁職員の雇用確保は、使用者である政府、厚労省、社会保険庁の責務である」と強調。
 これに対し、大谷官房長が回答。「日本年金機構の職員については、去る12月22日の設立委員会において、職員の採用基準が決定されている。今後、学識経験者で構成される職員採用審査会の意見を聴いて、採否を決定する。これに沿って、適切に対応されるものと考えている。機構に採用されない職員は、任命権者である社会保険庁長官が、厚生労働省への配置転換、官民人材交流センターの活用など、分限免職の回避にむけてできる限りの努力を行うこととされている」と回答。さらに、「分限免職を回避するため、省内への配置転換など、厚生労働省としても一体の問題として受け止めて対応していきたい」と回答。これに対し、更に追及。飯塚副議長は、民間での整理解雇の4要件を示しながら、分限免職は到底容認できないと主張し、回避のための努力を重ねて要求。岩崎議長は、分限免職の問題は公務全体の大変な関心事。職員が不安をかかえることのないよう国の責任発揮を強く求めました。
 また、国立病院等の課題では、@国民医療の充実に向け、国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所の医師、看護師を始めとする医療従事者を増員すること。A国立高度専門医療センターの非公務員型独立行政法人にあたっては、高度先駆的な医療や政策医療を充実させ、国民医療の向上をめざすとともに、職員の賃金・労働条件を維持・改善することの2点を要求。これに対し、大谷官房長は、「国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所について、必要な人員の確保に努めたところ。NC法人の職員の給与等については、独立行政法人通則法第63条の趣旨を踏まえて、各NC法人が適切に定めるものと考えている」と回答しました。

2009年全厚生旗開き
 全厚生は1月24日、2009年旗開きを開催しました。
 旗開きには、安心年金つくろう会から、国労の小池中執、弁護士の菅野・三澤・中川の各氏、世田谷国公法弾圧事件の宇治橋さん、国公共済会の杉下副理事長が来賓としてあいさつ。アトラクションでは、松平晃さんのトランペットの演奏に沸き、西田ミヨ子さんのトークと歌に会場は感動に包まれました。厳しい時こそ団結して頑張ろうと決意を固め合いました。 

障害者の立場に立った論議を
国立更生援護機関の今後のあり方検討会を傍聴
 全厚生は1月28日、「国立更生援護機関の今後のあり方に関する検討会(第3回)」の傍聴行動を実施しました。この行動は、1月24日に開催した第50回中央委員会で決定した09年春闘方針にもとづき具体化したもので、今井副委員長、杉浦書記長、小出・木立中央執行委員、社会福祉支部から全体で14人が傍聴しました。
 検討会での議題は「国立更生援護機関の役割及び機能について」で、配布資料「現状・課題及び論点(案)」にもとづき、各委員の質疑及び意見表明などが2時間にわたり行われました。傍聴行動終了後は、参加者全員で意見交換を行いました。
 参加者の感想を紹介します。

重度センターの存在価値宣伝を
伊東支部 組合員

 初めてあり方検討会に参加させていただきました。私は国立更生援護機関の機能の一元化とはどういう意味なのか疑問を持っていました。しかし、一元化についての議論は何もありませんでした。今後の議論で、一元化することによって重度センターがどうなるのか把握していきたいです。頚髄損傷に対するリハビリテーションには、環境整備が設備的にも人材的にも必要であり、重度センターの存在価値に繋がっていると思っています。この点については、今後組合活動を通じて、広く国民の皆さんに知ってもらう重要性を感じました。

障害者の望む環境整備の検証を
塩原支部 組合員

 今回の検討では、重度センターや視力障害センターに関する論議が行われる予定とのことで傍聴行動に参加しました。特に管理室提出の資料「国立更生援護機関の役割及び機能について【現状・課題及び論点(案)】」を読むと、「対象区域の重複」「利用者の減少」という論点(案)があり、危機感を持って論議に注目していました。障害者の就労支援を行う国の施設として、入所に当たりバリアとなっている経済的な問題の解決など、障害者の立場に立った論議により、障害者の望む環境整備が整っているのかを、充分検証することが先決です。そのうえで機能や役割の見直しを行うべきであり、拙速な論議による結論とならぬよう強く望むものです。ましてや減量化のための見直しだとしたら本末転倒です。

派遣切りなど雇用問題の責任を大企業と政府に迫った「年越し派遣村」
 昨年の大晦日から1月5日まで、東京日比谷公園に開設された「年越し派遣村」。自立生活サポートセンター(NPO)の湯浅事務局長を村長に、全労連・連合・全労協に加入する労組や弁護士グループが主催し、仕事と住居を失った派遣労働者ら500人の入村者と1700人のボランティアが関わりました。新年早々、派遣切りなど不況に伴う雇用問題の深刻さを世に知らしめ、政府や大企業の責任を問うなど、世論を大きく動かすきっかけとなりました。
 全厚生は本部としてカンパしたのをはじめ、地の利を生かし、足りなくなった印刷物(ボランティア登録用紙、入村登録用紙、「入村するみなさんへ」)を印刷したりと、身の丈の参加をしてきました。また、ボランティアやカンパなどで、本部はじめ業務センターや神奈川県の各支部が派遣村に足を運びました。 
 派遣村では、食事や寝具など衣・食・住・医療の提供をはじめ、生活・労働相談を行い、入村者の仕事と住居の確保へ献身的な活動が行われました。私が派遣村で出会った人たちは……派遣先を突然解雇され寮を追い出された20代の女性。「派遣切りや内定取り消しのニュースを人ごとの様に聞いていた。まさか自分が切られるとは思っても見なかった」と大きな瞳はずっと地面を見つめたまま。彼女は、派遣村で労働相談を受け、ハローワークを訪ねることに。お金の貸付も受け、仕事と住むところを確保したいと、笑顔取り戻していました。正規雇用を解雇されてから3年間、ネットカフェを利用しつつ、日雇い派遣で暮らしてきた44歳の男性。体も丈夫だし働く意欲もあるのに仕事がない。彼も労働相談を受け、「生活保護の集団申請に行く。これで生活を立て直せる」とほっとした表情で話してくれました。一緒にボランティアをした女性に、社会保険庁の解体・民営化と分限免職問題などを話しました。岐阜で高校講師をしているという彼女にも雇用不安があり、派遣切りや公務員切りに怒りを共有しつつ、共通の根っこがあるね、と共感。いつでもどこでも、社会保険庁問題を口にすることが大切と感じました。
 派遣村には、毛布やお米のほか、カンパもどんどん集まりました。市民の方が、1万円札を束にして持って来られたり…しかし、これは、地震や台風のような自然災害ではないのです!!大企業の無責任ぶりや、政府の無策ぶりに本当に腹がたちました。「派遣切りは許さない」「派遣労働者を寒空に放り出すな」と大企業と政府の責任が問われ、雇用問題がこれだけクローズアップされる中、厚生労働省自らが社会保険庁職員の「首切り」をすることは社会的に許されず、到底国民の支持は得られないと、派遣村に関わって、確信しました。
(本部書記)

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