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◆第1712号 (2009年12月15日付)◆


国の責務果たす国立施設に
社会・援護局施設管理室長と交渉
 全厚生は12月1日、社会・援護局施設管理室と社会福祉支部の重点要求及び労働条件改善の基本要求にもとづき交渉を実施。交渉には、全厚生から飯塚委員長、今井副委員長、杉浦書記長、小出中執及び、函館・国立リハ・伊東・神戸・福岡・別府の各支部代表が出席。施設管理室からは、難波室長、堤補佐らが対応しました。
 交渉の冒頭、飯塚委員長は、国立施設のあり方について、厚生労働行政に対する国民の見方は大変厳しいと指摘。障害者自立支援法をはじめ社会的弱者に対する国の責務を果たすための努力を強く求め要求趣旨を説明。これに対して難波室長は、「総務省等から国立施設のあり方等で指摘され、国立施設の役割・機能を有識者会議で検討している。22年度頃から数年かけて組織の見直しに反映したい。高等課程の募集停止は、利用者の減少が著しいため20年度から対応した。障害者自立支援法は様々な議論が行われている。利用負担は実質的には3%程度。施設体系の見直しは障害児の年齢超過児の対応が問題となり、秩父学園が影響を受けることが予想される。障害者自立支援法下では国立施設も影響を受けるのできちっと対応したい」と総括的に回答。その後、今井副委員長の進行で要求課題ごとにやりとり。

あり方検討では障害当事者や組合の意見反映を
 平成21年度概算要求の重点は、「国リハの組織要求は理療教育課を設置する。増員は国リハ新事業の頸髄損傷、発達障害等に重点を置く。秩父学園では地域移行に伴う職員を配置。定員削減は21年度が最終になる」と回答。増員要求では伊東支部から「PT1名の増員」を要求。室長は「増員要求は極めて厳しい。資料を十分用意しないと取り上げてもらえない。医療部門の人数は別府と変わらないため施設内でも十分議論して組み立る必要がある」と回答。組織再編やあり方に関する問題は、「基本的には全て公開。ご意見は直接でも施設を通してでも、どしどし出してほしい」と回答。有識者会議と管理室の関係では、「事務局として問題意識を整理し提出している。有識者会議がどう結論をだすかは有識者会議の問題。結論を参考に、どの様な絵を描いて組織をつくるかは行政(管理室)の仕事」と回答。有識者会議に障害当事者や組合代表の発言が必要ではとの指摘については、「座長の判断で参考人は発言している。事務局からは参考人を指定できない」としました。
 また、「機能の一元化」というキーワードを問い質したのに対し、機能の一元化は「各施設の運営の仕方が微妙に違うため、効率が悪いのでは、国の機関として統一してサービスを提供する必要があるとの問題認識。一つの体系の中に組み込めば、事務部門等は相当な合理化ができる」と説明しました。

人事評価制度は福祉施設には馴染まない
 国リハにおける宿日直勤務の労働条件の改善では、国リハ当局と話あって欲しいとしながら「問題があれば具体的に出して欲しい」と回答。文科省で始まる教員免許更新制について、現施設職員には直接関わらないとしながら、「統合により授業時数が極端に少なくなる場合には自立訓練に部分的に携わることも考えられる」と回答。定員削減では、福岡の調理師、国リハの放射線技師等の状況を例に追及。昇格については、介護員長3級、医療職(二)を中心に追及。
 人事評価制度のリハーサル試行では、福祉施設には馴染まないことを強調。制度作りに主体的に関わり、評価者研修をはじめ、育成型の制度とするよう要求。室長も一定の理解を示しながら「方法はそれほど難しいものではない。自己評価等に有効」との認識を示しました。
 全厚生は引き続き、厚社連(全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)の交流を重視し、具体的な提案ができるように政策活動を強化します。

1月の主なスケジュール
5日 国会開会日の国会請願デモ
7日 春闘共闘・新春早朝宣伝
9日 憲法改悪阻止9の日宣伝行動
14日 日本経団連・金融庁包囲行動
21日 公共サービス商品化反対・定時退庁宣伝行動
23日 第4回中央執行委員会
24日 第50回中央委員会
25日 社会保険・社会福祉支部代表者会議
30日 国公労連第132回拡大中央委員会

リレーずいそう
●自転車通勤
 「あ、しまった!」帰りの家路を急ぐ途中で自転車のライトが消えた。
 「電球が切れたのだろう‥」百円ショップなら2球は買え、ドライバー1本で交換可能な代物である。しかし、いつも無灯火運転に腹を立てている小生がこのまま自転車を走らせることは許されざる行為である。
 「背に腹は代えられん。近くに自転車屋さんがあったはずだ」街の自転車屋さんは閉店時間ギリギリだったが、滑り込みセーフで間にあった。
 作業中に店主が話し始めた。「相当年季入ってるねぇ」 そりゃそうだ、なんせ30年近く乗っている。「国産だから長持ちするんだよ、フレームを見ればすぐわかる」 小生の自転車は老朽化甚だしいが、一応BS社製だ。
 聞けば、1万円前後で売られている自転車はフレーム強度が弱すぎて耐久性はもとより、安全性も信頼できるものではないという。
 「個人でやってる自転車屋は、後継者もおらず経営も厳しい。これからますます廃業する店が増えるよ」 大型スーパー、ディスカウント店などの台頭で街の自転車屋さんだけでなくあらゆる街のお店が廃業を余儀なくされている。
 店主と自転車談義に花が咲き、電球交換だけでなく、タイヤの空気補充と簡単な点検もしてくれた。請求額は百円ショップ並とはいかなかったが、店主の人柄にふれ、少し得した気分になった。ペダルを踏む脚をいつもより軽く感じながら家路を急いだ。
(岐阜県支部・組合員)

News
派遣労働者の使い捨て許すな
派遣法の抜本めざす12.4日比谷集会

 「日雇い派遣を禁止しろ!」「使い捨ては許さないぞ!」と12月4日、日比谷野音で、作家の雨宮処凛さん、鎌田慧さんなどの呼びかけで、派遣法抜本改正を求める集会を行い、労働組合と市民、弁護士、派遣労働者ら2000人が参加しました。集会には4野党の代表が出席。組合を結成したJMIUいすゞ自動車の仲間をはじめ派遣労働者が実態を告発しました。

「消えた年金」すぐ払え
12.5年金者組合が厚労省に要請行動

 12月5日、全日本年金者組合は「『消えた年金』すぐ払え」と、4野党代表出席のもと厚生労働省に申し入れを行うとともに、冷たい雨の中、厚労省前で座り込みました。飯塚委員長が激励しました。

核戦争から子どもを守ろう
12.8平和を守る母親全国連鎖行動

 67年前に日本が太平洋戦争に突入した12月8日、平和を守る母親全国連鎖行動が全国一斉に行われ、東京・有楽町では、50人の女性が「赤紙」をデザインしたビラを配布し平和を訴えました。

国民の期待に応える厚生科学研究を
大臣官房厚生科学課長と交渉
 全厚生は12月12日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。交渉には全厚生から、飯塚委員長、亀岡副委員長、杉浦書記長、松野中央執行委員及び感染研支部、国衛研支部、ハ病研支部、栄研支部の代表や厚研連委員会の代表など計11人が出席。厚生科学課からは、矢島課長、坂本研究企画官、稲葉総括補佐、飯野補佐が対応しました。
 冒頭、飯塚委員長は、国民の健康と福祉を向上させるために試験研究機関の拡充が求められている。国民の期待に応える厚生科学研究を推進するように厚生科学課の引き続く努力を求めました。
これに対し、矢島課長が一括回答。「独立行政法人国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の統合にあたり、国民の健康と福祉を向上・発展させる厚生科学研究をめざし、当該法人及び労働組合の意向を尊重し、具体化・実施すること」を要求。これに対し、「独立行政法人の労働条件等は、各法人の理事長の責任で決定されるべきもの。独立行政法人を所管する立場として必要に応じ、安心して研究活動等に従事できる研究、労働条件を維持されるよう中期目標、中期計画等を通して法人運営に係る必要な指導、助言を行っていきたい。統合の具体化にも所管課として必要に応じて指導・助言していきたい」と回答しました。
 国立医薬品食品衛生研究所の府中移転計画の状況について、労働組合に随時情報提供を行うとともに、実行にあたっては当該職員、労働組合と十分な協議のもとで進めること。老朽化している現在の研究施設について、必要な整備を継続して行うことを要求。これに対し、「府中移転は、2013(平成25)年度末移転を目処とした具体的な取り組みを進めているところ。府中市地域まちづくり条例や地域住民の意見を尊重しながら進めるとともに、新しい施設の設計等に当たっては、より良い研究環境を保持した施設整備とする観点から、研究所全体の合意形成を踏まえた対応が必要であると考えている。移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費は、積極的に対応したい」と回答しました。

科学院の教育研修に充分な体制確保を
 新たな人事評価制度の課題では公平性、透明性、客観性、納得性を備えた仕組みとするよう現在実施しているリハーサル試行の結果を充分に検証して制度設計に活かすことを要求。これに対し、「人事評価のリハーサル試行を通じて問題点の収集を行い、今後の制度設計に活かすべく検証を行う予定である(と聞いている)」と回答。国立保健医療科学院の教育研修の課題では、各機関・研究者との協力体制をはじめ、充分な体制確保を要求。これに対し、「科学院で行われる教育研修は、院内に関係研究部の研究者等で構成される研究課程委員会等を設け、研修時期、研修内容、研修人員、講師の人選等について所要の検討・調整を行い、円滑な研修ができるよう努めている。また、院内に専門家がいないコースも、『教育研修運営協議会』を設置し、講師派遣等の調整を行っている上、新たに研修運営委員会を設置することとした。今後も関係機関の過度の負担にならないよう配慮しつつ、必要な研修体制を確保していきたい」と回答。
 非常勤職員の業務や技能を適正に評価し、賃金・労働条件を改善する要求では、「非常勤職員は、各研究機関の運営で実情に応じた役割を担っていると認識している。賃金・労働条件は、常勤職員との均衡を考慮しつつ、各研究機関の実情に応じた適正な対応がなされていると考えている」と回答。感染症を取り扱う研究公務員の業務の責任や困難性に対応した処遇(手当支給)改善の要求では、「各研究機関における職員の勤務実態を踏まえ、手当支給が妥当であると各研究機関から要望があれば、人事課に依頼していきたい」と回答。これを踏まえ、感染研支部から、改善にむけた厚生科学課の役割発揮と橋渡しを要望しました。

処分歴を理由に排除するな
安心年金つくろう会が
年金機構設立委員会に申し入れ
 安心年金つくろう会は12月8日、日本年金機構設立委員会に対して「日本年金機構の基本計画等に関する申し入れ」と資料として自由法曹団の意見書(「社会保険庁の解体・民営化を凍結し公的年金の保障を」、「社会保険庁職員の雇用保障を求める意見書」)を提出し、職員の採用基準の策定にあたって処分歴のある職員の排除を行わないことなどを要請。飯塚委員長と年金者組合の九昌中央執行委員、国公労連の川村副委員長の3人で行い、設立委員会の事務局である厚生労働省年金局総務課が対応しました。
 要請にあたって川村副委員長は、「年金記録問題の解決のめども立たない中での社会保険庁の解体には反対」と基本的な立場を表明するとともに、「年金機構への移行が避けられないとするならば、業務が正確に遂行されることが大前提。そのためにも業務に精通した職員の雇用は不可欠だ。過去の処分歴を理由に機構から排除しては、専門性は確保できない」と述べました。年金者組合の九昌中執は、「記録が統合されても、再裁定処理に1年もかかっている。人が足りないことは明白。年金機構から現在の社保庁職員を排除して、安定的、専門的な業務処理が行えるのか。専門的な知識を持った職員が年金業務を担うことが、安心・信頼できる年金制度の条件だ」と訴えました。
 対応した職員は、申入書と添付資料は設立委員会の奥田碩委員長に渡し、申し入れの趣旨を伝えると答えました。

京都
希望者全員の雇用を要求
第36回定期大会で確認
 【京都支部発】京都支部は、12月6日、第36回定期大会を開催しました。多くの来賓にお越しいただき、杉浦書記長からは特別講演として京都支部を応援する熱いメッセージをいただきました。
 執行部からは大会議案の提案に加え、服務違反調査による役員2名への懲戒処分の取消しを求める訴訟を準備する特別議案が提起されました。裁判を闘うためには組合員の総意が必要であり、大会後引き続き、全組合員に理解と協力を呼びかけていくこととなりました。
 今年は健保協会が発足してはじめての大会でした。討論では協会分会の代議員から現状が伝えられ、異なる職場の間で認識を共有する機会となりました。職場の混乱、健康不安など、深刻な問題が訴えられましたが、支部の闘う姿勢を支持する発言もあり、逆境の中でも希望者全員の雇用を堂々と要求していく方針が確認されました。
 新役員は次のとおり。
支部長   山本 潔
副支部長 中本 邦彦
同      北久保和夫
同      足立 仁孝
書記長   藤江 成夫
書記次長 川口 博之
同      波多野智明

近畿B
社保の労働実態改善を
人事院近畿事務局と交渉
 【全厚生近畿ブロック発】11月29日、ひょうご共済会館で、第9回全厚生近畿ブロック総会がありました。総会には、滋賀県・京都・大阪・兵庫県・神戸・基盤研の各支部から代表が参加しました。勝井議長の沢田研二「我が窮状」歌の話から始まり、それぞれの支部の取り組みや現状報告と終始アットホームな雰囲気で行われました。
 初参加の兵庫県支部小川さんも、柴田支部長から話を振られ「公務労働における超勤」について発言するとともに、「職場では、今までと違うことや自分の正直な意見を言うと頭ごなしに否定されることが多かったけれど、全厚生のみなさんは、私のちょっとした疑問や意見に対しても真剣に聞いてくれて、それについてのいろいろな話をしてくれる。感心しているし感謝している」と述べました。
 総会では、社保庁職員の雇用を守るとともに国民の求める真の社会保険庁改革を進めることや安心年金つくろう会を近畿各県に広げようとの方針を全会一致で採択しました。
 新役員は次のとおりです。▽議長 勝井正(大阪支部)▽副議長 西村伊智朗(滋賀県支部)、山本潔(京都支部)、柴田旬子(兵庫県支部)、淵上正寛(神戸支部)、亀岡洋祐(基盤研支部)▽事務局長 川口博之(京都支部)▽事務局次長 谷口啓三(大阪支部)

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