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◆第1704号(2008年8月1日付)◆


役割発揮できる研究環境に
大臣官房厚生科学課長と重点要求で交渉
 全厚生は7月10日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。交渉には全厚生から、杉下委員長、儀同・杉浦各副委員長、飯塚書記長、亀岡中央執行委員及び、感染研支部、国衛研支部、基盤研支部の代表計9人が出席。厚生科学課からは、矢島課長、坂本研究企画官、稲葉総括補佐、飯野補佐が対応しました。
 冒頭、杉下委員長は、
国民の健康と福祉を向上させるために試験研究機関の役割・使命が格段に高まり、研究所の拡充が求められている。安定・安心して、見通しをもって厚生科学研究を推進するために厚生科学課として最善の努力、役割発揮を強く要請するとともに、重点要求に対する誠意ある回答を求めました。これに対し、矢島課長が一括回答。「独立行政法人国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所の統合・業務見直しなど『整理合理化計画』の具体化にあたっては、当該法人及び労働組合の意向を尊重し、十分な協議のうえ、実施すること」を要求。これに対し、「独立行政法人の労働条件等は、各法人の理事長の責任において決定されるべきもの。当職から回答すべきものではないと考えるが、独立行政法人を所管する立場として必要に応じ、安心して研究活動等に従事できる研究、労働条件に維持されるよう法人運営に係る必要な指導、助言を行っていきたい」と回答しました。
 国立医薬品食品衛生研究所の府中移転計画の状況について、労働組合に随時情報提供を行うとともに、実行にあたっては当該職員、労働組合と十分な協議のもとで進めること。老朽化している現在の研究施設について、必要な整備を継続して行うことを要求。これに対し、「府中移転については、今後は2013(平成25)年度末移転を目処とした具体的な取り組みを進めているところ。府中市地域まちづくり条例や地域住民の意見を尊重しながら進めるとともに、新しい施設の設計等に当たっては、より良い研究環境を保持した施設整備とする観点から、必要な対応を行いたい。移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費は、積極的に対応したい」と回答しました。
 国立保健医療科学院の教育研修の課題では、各機関・研究者との協力体制をはじめ、充分な体制確保を要求。これに対し、
「科学院で行われる教育研修は、院内に関係研究部の研究者等で構成される研究課程委員会等を設け、研修時期、研修内容、研修人員、講師の人選等について所要の検討・調整を行い、円滑な研修ができるよう努めている。また、院内に専門家がいないコースについても、『教育研修運営協議会』を設置し、講師派遣等の調整を行っている上、今般、新たに研究運営委員会を設置することとした。今後も関係機関の過度の負担にならないよう配慮しつつ、必要な研修体制を確保していきたい」と回答。感染症を取り扱う研究公務員の業務の責任や困難性に対応した処遇(手当支給)の改善を行うことを要求したのに対し、「公務員全体の中で検討されるべき事項と認識している。厳しい財政状況の中、感染症対策の対応のための新たな手当制度を創設することは困難と思われるが、各研究機関における職員の勤務実態を踏まえ、手当の支給が妥当であると各研究機関から要望があれば、人事課に依頼していきたい」と回答。「研究所に勤務する非常勤職員の業務や技能を適正に評価し、賃金・労働条件を改善する要求に対しては、「非常勤職員は、各研究機関の運営において実情に応じた役割を担っていると認識している。賃金・労働条件については、常勤職員との均衡を考慮しつつ、各研究機関の実情に応じた適正な対応がなされている」と回答しました。

雇用確保へ全力を
全国支部委員長会議を開催
 全厚生は7月12日、横浜市内で全国支部委員長会議を開催し、9月に開催する全厚生第72回定期大会に向けての意見交換と当面する夏期闘争について意思統一。会議には、21支部38人が参加。国公労連の川村副委員長が激励に駆けつけ、第30期中央労働委員会労働者委員候補の淀房子さん(前全医労副委員長)が訴えを行いました。翌13日には、社会保険支部代表者会議を開催しました。
 会議の冒頭挨拶した杉下委員長は、社会保険をめぐる情勢に触れ、年金再生会議が最終整理を公表し年金機構基本計画が閣議決定されようとしているが、懲戒処分者は一律不採用、削減ありきの有期雇用、大幅人員削減の一方での民間からの大量採用、外部委託の拡大など職員の雇用と年金業務の安定的運営からして到底容認できる内容ではないと批判。職員の雇用確保へ、自由法曹団の力強い支援も受けて、国公労連のもとで取り組む決意を表明しました。
 運動方針案への考え方と骨子は飯塚書記長が提案。討論では17人が発言し、「情勢を組合員に伝え、社保庁バッシングにきっちり反撃していこう」、「雇用確保へ組合員が安心できる方針を示したい」、「『安心年金つくろう会』を各地で結成しよう」などの意見が出されました。また、原水爆禁止世界大会への結集呼びかけ等もありました。
 運動方針案は討論を踏まえ、8月中旬に提案することを確認しました。

リレーずいそう
●富士山に登って
 人に趣味を聞かれたときには、お金と時間を一番使っているのが趣味なのかなあと考えているので、一番お金を賭けているのが「飲み」で、時間を割いているのが、「ボーイスカウト」と答えている。
 そのボーイスカウトの発団四十周年行事として七月の連休に富士山登山をしてきた。七年まえにも発団行事として登っているのだが今回、実際に富士山に登って驚いたことがあった。
 それは、お手洗いの使用料が一律二百円掛かること、富士山全てのお手洗いがバイオ処理になっていたこと。
 そして、ゴミ拾いをしながら登山をするのだが今回は、ゴミがまったくと言って良いほど落ちていなかったことだ。
 先回の時は、用意した買い物の袋がいっぱいになり、特にタバコの吸殻がどこそこに落ちていてゴミの山と言われていたのが、変な意味で納得できた。
 富士山は、世界遺産に登録できなっかた理由がゴミといわれているのを山を管理している方々が意識しているのと、ここ最近、環境を真剣に人々が考え始めているからと思う。
 また、外国人の登山者が増えたので、日本一の山という日本人の意識かと思う。
 みんなが、一人ひとり意識して、行動すれば環境も変えられるし、年金制度も安心・信頼できる制度に改善できるかな。
 今日も、いろいろ意識してガンバロウかな。
(愛知県支部・組合員)

全厚生第72回定期大会公示
 全厚生規約第17条の規程に基づき、全厚生第72回定期大会を下記の通り招集いたします。
1. 日時
2008年 9月13日(土) 10:30から
      9月14日(日) 15:00まで
2. 場所
熱海『水葉亭』
〒413-0002 静岡県熱海市伊豆山190-1
TEL 0557-81-7145
3. 議題
(1)第1号議案
  (1)2008年度運動方針(案)
  (2)2008年度秋季年末闘争方針(案) 
(2)第2号議案
  (1)2007年度決算報告及び2008年度財政方針・予算(案)
  (2)2007年度会計監査報告
(3)第3号議案
  予備費の支出について(案)
2008年7月30日
全厚生労働組合
中央執行委員長 杉下茂雄

2008年度
全厚生本部役員選挙公示
 全厚生規約第36条および同選挙規則第3条第1項の規程により、2008年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。
1. 投票日
2008年 9月14日(日)
2. 投票場所
熱海『水葉亭』(全厚生第72回定期大会会場)
3. 立候補届出期間
2008年8月18日(月)〜9月8日(月)
立候補届用紙に必要事項を記入のうえ、選 挙管理委員会事務局 (全厚生本部書記局 内)まで提出して下さい。
4. 被選出役員名および定数
(1)中央執行委員長   1名
(2)中央執行副委員長 若干名
(3)書記長         1名
(4)書記次長       1名
(5)中央執行委員    若干名
(6)会計監事       2名

2008年7月31日
全厚生労働組合
選挙管理委員会委員長

安心して暮らせる年金を
安心年金つくろう会が宣伝行動
 安心して暮らせる公的年金制度を作ろうと、公務労組連絡会、年金者組合など11の労組・団体で5月28日に発足した「国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会」(安心年金つくろう会)は、7月25日夕方、新宿駅西口駅頭で、ビラ配付、署名などの宣伝行動を取り組みました。行動には、8団体から23人が参加し、「年金財源に消費税増税でいいのか」「社保庁解体で年金制度の運営は大丈夫か」とそれぞれの角度からの訴えと制度改善に向けた支援を呼びかけました。
 安心年金つくろう会は、この間、年金業務・組織再生会議や厚生労働省への申入れなどを行ってきました。また、(1)日本年金機構における職員の大幅削減や民間委託は行わず、国の責任で記録問題の解決と安定的な運営体制の確保(2)消費税を財源とせず全額国庫負担による最低保障年金制度の創設(3)年金受給資格期間の短縮をはじめとする制度の改善、などを求め、広範な署名活動などを呼びかけています。

雇用確保と年金制度改善へ
全労連大会で支援を訴え
 労働組合のナショナルセンター(労働組合中央組織)である全労連(全国労働組合総連合)の第23回定期大会が7月23日から25日にかけて都内で開催されました。大会には加盟労働組合及び47都道府県組織から600人近くの代議員・傍聴者が参加し、全厚生からは飯塚書記長が代議員で、杉浦副委員長が傍聴で参加しました。
 全国各地での取り組みを踏まえた討論では、来年結成20年を迎える全労連運動の闘いの歴史と教訓を踏まえ、憲法を職場と暮らしに生かし、貧困と格差の是正、平和の実現のために引き続き奮闘する決意が、各地の代議員から述べられました。
 国公労連を代表して発言した川村副委員長は、社会保険庁の解体・民営化に伴う新組織の設立に関わって、処分歴のある職員を全員不採用とするなど自民党の理不尽な攻撃がかけられようとしている。労働者の権利を守るべき厚生労働省において分限免職という整理解雇が強行されようとしていること、業務に精通した職員の排除は、公的年金制度の安定的運営を損ない、国民の権利保障にも影響することなどの基本的な問題点を指摘しました。同時に、雇用問題は労働組合としての第一義的な課題であり、各単産、県労連の支援をお願いする。また年金記録問題の完全解決とともに、安心・信頼できる年金制度の確立が急務の課題であり、多くの労組、民主団体の協力を得ながら、「安心年金つくろう会」を結成した。今後、全厚生のある12府県を中心に各地に運動体の結成を予定しているので、この点でも支援と協力をお願いしたい、と全国の仲間に呼びかけました。
 大会最終日の総括答弁で、全労連小田川事務局長は、「社保庁の解体攻撃などと関わって公務でも整理解雇の危険性が出でいるとの報告があったが、国家的不当労働行為の再発を許さない立場で、全労連全体として闘いを強める」と基本的な見解を述べ、取り組みへの支援を表明しました。
全厚生は、こうした支援を背景に雇用確保に向けた使用者責任の追及と、各地での年金制度改善闘争などに全力をあげる決意です。

社会保険庁の解体・民営化を
凍結し公的年金の保障を
自由法曹団が厚生労働大臣へ意見書
 自由法曹団は7月19日、「社会保険庁の解体・民営化を凍結し公的年金の保障を」との意見書を発表、25日厚生労働大臣宛に提出しました。(以下意見書全文)

 政府の年金業務・組織再生会議は6月30日、1年足らずの審議を経て「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本的方針について」(最終整理)を公表し、この内容は日本年金機構の「基本計画」として閣議決定されようとしている。その内容は、年金記録問題などをめぐる国民の公的年金の保障への不安を解消するものではなく、専門的知識技能を有する職員を現在よりさらに減員しようとすることにより、年金記録問題の解決を不可能にするものとなっている上、社会保険庁職員にも理不尽な分限免職や有期雇用を押しつけようとするものになっている。
 自由法曹団はすでに、国民の年金権を保障し職員の権利侵害を防ぐために、「社会保険庁改革についての意見」(2008年2月25日)、全国討論集会決議「社会保険庁の解体・民営化を凍結し、公的年金制度の確立を求める決議」(5月25日)、「社会保険庁の違法状態の是正を求める緊急申入書」(6月27日)を公表してきたが、今回の「方針」は、公的年金を確立する政府の責任を放棄するものとして、厳しく批判するものである。

1 記録問題の全面的解決に向かわない「方針」
 「方針」は「組織ガバナンスの確立」や「内部統制、監査体制、コンプライアンス体制」を主張するが、その具体策は「リーダーシップ」や「職員の意識改革」、「業務処理マニュアルの整備」や「監査」である。しかし、年金記録問題を発生させた原因についての「年金記録問題検証委員会報告書」の指摘する根本的問題を何ら受け止めていない。記録問題の真の原因は、年金記録を適正に管理する方針も立てず人員体制も整えなかったことであり、歴代政府の責任が根本問題であるのに、組織全般のあり方に解消している。

2 専門性のある職員の充実の要請に背を向ける「IT体制」と人減らし
 「方針」は「IT体制の確立」を唱え、機構をできる限り「スリム化」するという。しかし、これまでも「IT」は導入されてきたが、人間の関与する作業に多くの不備があり、専門性のある職員の人員体制の充実をはからなければどんな機械やソフトを導入しても砂上の楼閣である。「方針」は、公的年金制度を専門性のある職員によって安定的に支えることに背を向け、年金記録問題を誠心誠意解決する意思も見通しもないまま、やみくもに人員削減のみを追求するものであり、国民の公的年金の保障を崩壊させるものである。

3 職員の意欲を高められない人事制度
  「方針」は「人材登用の仕組み」や「職員のモチベーションを高める人事・給与体系、人材育成」を導入するという。しかし、現在の社会保険庁の職場は、将来の見通しもなく、違法な長時間労働や休日労働が蔓延する異常な状態であるのに、これを放置し、さらに専門性ある職員を減らすことを強調すれば、とうてい職員に人間らしい働き方を保障することはできない。小手先の人事制度をいくら変えても、専門性を発揮し得る人員体制の確保と違法な長時間労働の是正の見通しが示されなければ、職員の意欲を高めることはできず、有為な人材の流出は止まらないであろう。

4 さらなる「外部委託」では「国民サービスの向上」ははかれない
 「方針」は「国民サービス向上や情報公開の取組の充実」が重要だという。しかしその具体策は業務の「外部委託」を追加していくというものである。現在の年金相談体制についても、専門性のある職員が不足しているため長時間待たされる、コールセンターに電話をしても知識のない非正規労働者がマニュアル通りの対応をするのみで不安の解消につながらないという声がある。経費削減のみを強調してさらに業務の外部委託を拡大すれば、年金について相談をよせる国民に対するサービス低下はさらに深刻になる。

5 職員の権利を侵し多数の法的紛争を免れない「採用審査」
  「方針」は機構設立時の職員「採用」で、多数の民間出身の職員を採用しながら、専門性ある社会保険庁職員の分限免職も行うとし、懲戒処分歴のある者は正規職員に採用しないという。しかし、年金業務の知識経験のない者を採用しながら専門性のある社会保険庁職員を採用しないことは、能力の実証に基づく採用を義務づけた現行公務員法制に反するものであり、国民の付託にも背くものである。また新たな民間出身の職員を採用しながら専門性ある社会保険庁職員を免職することは、労働関係法規と裁判例に照らしてもとうてい許されない。さらにすでに一定の懲戒処分が確定している職員について、その処分の内容や理由にかかわらず一律に機構職員として採用しないことは、実質上二重処罰にあたり、適正手続の保障の見地からも許されない。もしこのような職員の権利を侵害する取り扱いを強行するなら、多数の法的紛争を招き、その対応で多大な社会的損失と浪費が生じることが避けられない。

6 社会保険庁の解体・民営化を凍結し公的年金確立のための国民的論議を
 公的年金制度は憲法25条の生存権保障のために確立しなければならないものであるところ、今回の「方針」は、年金記録問題についての根本的な指摘も受け止めないまま、社会保険庁職員の権利侵害と人減らしを進める無責任きわまりないものである。自由法曹団は、憲法25条の保障する公的年金の確立に逆行する社会保険庁の解体・民営化の凍結と公的年金確立のための記録問題の原因と責任の究明のための国民的論議を、あらためて呼びかけるものである。

第21回全厚生機関紙フェスティバル参加紙募集
 支部・分会の教宣活動を応援する「全厚生機関紙フェスティバル」を今年も開催します。応募紙は例年どおり、定期大会会場に展示し、交流するほか、応募紙にふさわしい賞を設け表彰し、講評を行います。
<対象>支部・分会・専門部で2007年9月から2008年8月までの間に発行した機関紙、およびメール配信されたニュース、ホームぺージに掲載されたニュース。
<参加方法>参加申し込み書(各支部に送付)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。メールニュースの場合は全厚生のアドレスに送信してください。
<締切>8月20日(水)本部必着。
<講評>全厚生中央執行委員会
<表彰等>全厚生第72回定期大会で表彰します。賞状、記念品などを贈ります。
<Eメール> zenkosei@zks.dp.u-netsurf.ne.jp

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