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◆第1698号(2008年5月1日付)◆


非常勤含め雇用確保に万全を
08春闘重点要求で大臣官房人事課長交渉
 全厚生は4月25日、賃金改善要求や社会保険庁の廃止に伴う雇用問題など08春闘の重点要求について、大臣官房人事課長交渉を行いました。交渉には杉下委員長、儀同・田口・杉浦の各副委員長、飯塚書記長、峰書記次長、木立中央執行委員が出席し、人事課は、渡延人事課長、唐澤参事官以下関係者が対応しました。
 冒頭杉下委員長は、凄まじい定員削減、総人件費抑制政策など厳しい状況の中で、職員の気持ちや生活実態に応える賃金改善のために積極的な姿勢を示していただきたい。また、昨年の勧告でも一定触れられた非常勤職員の単価・雇用形態・休暇等の改善に向けて、厚生労働省として関係省庁に強く意見を述べていただきたいと要求。また、社保庁改革に伴う異常な職場実態の中で、自己都合退職や長期病休者が急増している。深夜までの残業も恒常化し、土・日出勤に伴う振替休日の取得も困難を深めている。こうした中、連日のマスコミ報道などもあり、雇用不安に拍車がかかっている。他部局、他省庁への転任も含めた厚生労働省としての努力姿勢を、社会にそして職員に示すべきだ。非常勤職員も含めて雇用の確保に万全を期すよう強く求める、と重点要求について人事課長の回答を求めました。

雇用問題は法に基づき対処と回答
 これに対し渡延人事課長は、給与決定については従来から民間準拠を基本としているところであるが、職員の士気や生活に直結する大きな問題であり、人事院等関係機関に必要な意見等を申入れていく、と回答。
 記録問題では、厳しい行財政状況下ではあるが合理化努力を行ったうえで、必要な予算及び人員の確保に努力。また、社保庁においては、特にメンタル面のサポート対策の実施など健康管理対策に一層努力していきたい。機構に採用されない職員については、社保庁長官が分限免職を回避する様々な努力を行ったうえで国家公務員法の規定に基づき対処されるものと認識している、と回答しました。
 定員確保については、国民生活の安全・安定を確保するための施策を強力に進めていくため、真に必要な増員の確保について最大限の努力をしていく。勤務時間については、現在人事院において所定勤務時間の短縮についての検討が進められていると承知している。残業実態の改善については、この間様々努力してきたところであるが、今後とも管理者の意識を高めかつ定着させたうえで、帰りやすい職場環境をつくるなど努力していく、と回答しました。
 人事評価制度については、制度官庁を中心に活用方法など詳細設計にかかる検討が行われているところである。こうした状況を見ながら、今後必要に応じ申入れ等対応していきたい。独立行政法人の労働条件等は、各法人の理事長の責任において決定されるべきものと考えるが、安心して研究活動等に従事できる研究、労働環境が確保され労働条件が維持されるよう厚生科学課及び各法人に伝えたい、と回答。
 非常勤職員の給与等については、昨年の人事院勧告において、実態の把握に努めるとともに、実態に見合った適切な給与が支給されるよう必要な方策について検討していくこととされたところであり、検討状況を踏まえ適切に対応していきたい。また、休暇制度等の処遇改善についても昨年人事院関係局長あて要望したところであり、今後も機会を捉えて要望していく、と回答しました。

現場の切実な思い踏まえて対応を
 杉下委員長は、「公務員が首を切られるようなことはあってはならない。極めて不満の残る回答だ。健康問題でも実態をしっかり受け止めて改善策を示してほしい」と再度の回答を求めました。
 人事課長は「省を超えた課題であり、国民の期待が職員に跳ね返っている面もある。OBや社労士の協力など非常体制の中で努力を重ねている。思いは共有していると思う」と基本的な考え方を示しました。
 個別課題では、田口副委員長が本省の人員増や執務環境・労働条件の改善について、「国会関係などを中心に厚労省は、他省庁に比べても残業が多く、異常な未払いが発生しているのではないか」と、冷房など執務環境の改善も含めてさらなる努力を求めました。
 また、峰書記次長は、異常な社会保険職場の実態について「特別便が集中しているが受入体制が不十分なこともあり、かえって国民の信頼を損ねている面もある。長官からは正念場とのメッセージが出されているが、現場は極限の状態が何ヶ月も続いている。こうした中で新組織への不安も増している」と、厚労省としての努力を求めました。杉浦副委員長は、健康・栄養研と医薬基盤研との統合問題について、「具体的な対応については厚労省に委ねられているものであり、当該法人や労働組合の意向を十分尊重し対応してほしい」ことを強調しました。

リレーずいそう
●人が人として生きられる社会を
 能登半島・輪島市が私のふるさとです。とはいっても、朝市で有名な輪島の中心地にはほど遠く、車で1時間はかかるという、旧鳳至(ふげし)郡門前町の辺境が私の生まれたところで、昨年3月の地震では町の多くで大きな被害を被ったところです。
 能登半島にも空港ができたこともあり、5月の連休には、87歳になる母親や親族に会えることを楽しみにここのところ帰省しています。今年は兄弟、甥姪、姪孫(てっそん)ら15人が顔をそろえにぎやかに楽しいひとときを過ごすことができました。
 ところで帰省をしていつも感じることは、現地での移動における手段(足)のことです。空港から実家まで、公共交通機関(バス)を使おうものなら、車では40分程度の距離にもかかわらず、2度乗り換えをしなければならないこともあり、いつ着くか計算が成り立ちません。おのずとバスは敬遠され、その結果、バスはますます赤字路線となり、いずれ廃止されるのではということです。
 こうした一方、人口の高齢化とともに一人住まいがますます進行しており、経済性からバスが廃止されるようなことになれば大変です。病院にいくにも、買い物にいくのもその手段はバスしかありません。まさに死活問題です。矛盾の狭間で生活している実態はなにも能登地方だけでの問題ではありません。
 ひとが人として生きていく、このことが許され
る社会、美しい自然や暖かみのある人となりを感じることができる社会、ふるさとへの旅は、また私にこんなことを考えさせ、教えてくれました。
(委員長)

News
後期高齢者医療制度廃止を
4・23国会前行動で怒りの座り込み

 4月23日、笹森清連合前会長ら4名の呼びかけによる「後期高齢者医療制度はいらない」との一日一点共闘の国会座り込み行動が行われました。国会議員会館前は端から端まで、野党4党共同提出の「後期高齢者医療制度廃止法案」の実現を求める広範な人々が座り込みました。昼の定例国会前行動では、全労連、全日本年金者組合が決意表明。国会報告を日本共産党の井上さとし参議院議員が行い、前連合会長の笹森清労働者福祉中央会会長が「イデオロギーや党派を超えた国民的運動が重要だ。戦後60年の日本の労働運動の垣根を超え、私たちはお年寄り・国民のためにこの制度廃止にむけて闘うときだ」と連帯挨拶しました。

第38回国公女性交流集会
とき 5月30日(金)〜31日(土) ところ 宮城県・松島「一の坊」
  スペシャルトーク 雨宮 処凛さん(作家)
  「語ろう 平和のこと 憲法のこと そして未来につながる生き方、働き方」
主催 国公労連女性協・東北ブロック実行委員会

年金は国が責任もって実施を
愛知「年金を良くする会」(準)がシンポ開催
 年金記録問題は、すべて末端の社会保険庁職員の責任なのか?社会保険庁を解体し、年金業務の多くを民間委託することで、安心・安全の年金制度が実現できるのか?
 こうした問題点を解明するため、愛知では、愛労連、愛知社保協、年金者組合、全厚生愛知県支部、愛知国公の5者が、ゆるやかな共闘組織である「年金を良くする会」(準備会)を立ち上げ、4月17日、名古屋市内の労働会館においてシンポジウム「どうする年金・社会保険、社会保険庁解体を考える」を開き、全厚生の仲間を含む87人が参加しました。
 シンポジストには、社会保険労務士の後藤征男さん、全日本年金者組合愛知県本部委員長の茶谷寛信さん、朝日新聞大阪本社・社会グループ記者の石前浩之さん、そして深沢愛知県支部委員長を迎えて、国公一般愛知副委員長の杉崎伊津子さん(全厚生OG)がコーディネーターとなって進行しました。

民間委託で年金を商品にするな
 後藤社労士は、顧客からの年金相談にも精力的に携わっており、「社保庁のずさんさの責任が職員へ転嫁されている。消えた年金・宙に浮いた年金については、長い年月の間に記憶も定かでなく、手続きも面倒だからと放置してきた国民にも責任がある。年金業務が民間に委託されれば、年金は商品として扱われ、もっとひどくなる。もっと、国民が怒るべきだ」と述べました。
 茶谷年金者組合委員長は、年金受給者の困窮を訴え、「消えた年金は時間がかかっても全部の解消が必要。そのためには管理や運営に国民・労働者の参加が必要。年金加入期間も25年から10年に短縮し、最低保障年金制度を確立すべきだ」と提言しました。
 深沢愛知県支部委員長は、「毎日、多くのお客様があり、座る暇もなく、体はボロボロ。今日は多くの組合員が参加しているが、送り出してくれた職場の仲間に感謝したい」と前置きし、「年金機構が委託する業務は、パーツごとに分断され、その経費は年金から支出される。委託に際しても一般競争入札のため、低価格での落札や短期間での委託業者の変更が予測され、長期的・安定的な運営は望めない」と述べました。

職員は勇気をもって国民に発言を
 石前記者は、マスコミが年金問題をいかに報じてきたかを説明。04年の「未納三兄弟」の騒動等を紹介しつつ、「スキャンダル的な取り上げ方だけでなく、どんな制度にすべきかという議論も深まりつつある」と話しました。また、年金問題の解決にあたっては、「現場の職員が一番知っている問題であり、勇気をもって国民に発言を。ひいては国民の利益に結び付けてほしい」と述べました。
 会場からの発言として、宮田愛知県支部書記長は、職場実態アンケートの結果をもとに過酷な労働実態と職員の不満が増大していることを報告。「今の事務所は自転車操業的な状況。舛添大臣の一声で4月の土日は全部開庁。我々は奴隷ではない。国民に対し、年金制度を訴える場を作っていきたい。職員に温かい言葉をかけてください」と発言しました。
 シンポジウムの最後に、会としての当面の行動として、愛知県下の16社会保険事務所前での宣伝行動を、毎週月曜日の10時から行うことが提起され、参加者全員の拍手で確認されました。
(中執)

社保庁問題、夏期闘争などで
全国支部委員長会議を開催
 全厚生は4月20日、都内において、全国支部委員長会議を開催しました。
 会議は、(1)社会保険庁の服務違反問題(2)夏期闘争関連(3)社保庁廃止に伴う新組織設立に向けた組織強化の取り組み、などを中心に、本部役員、支部代表など34人が出席しました。
 社会保険庁の服務違反問題については、年金業務・組織再生会議の要請を受け社会保険庁が行っている職員の服務違反調査において、無許可専従等の調査対象に全厚生組合員も該当しているとの中間報告が行われました。また、全厚生の調査においても、国家公務員法の職務専念義務に抵触する事実が確認されました。
 全厚生は、無許可専従の配置などについては、組織として一度も議論したことはなく、配置をしたこともありません。しかし、1989年の労働組合中央組織の再編に関わって、自治労等から全厚生へ加入した組織の中に、地方事務官時代の名残などから、当局の容認の元に一時期該当していたものです。
 社会保険庁は、4月30日の再生会議に最終報告を行うとしていることから、それらを踏まえ、今後、全厚生全体として対応を検討していくことが確認されました。
 社会保険庁解体の第一弾として今年10月に設置される「全国健康保険協会」については、既に採用予定者が内定していることや、一部の非常勤職員の募集などが行われている状況を踏まえ、それらに対応した全厚生組織の重要性を再確認し、組織強化に向けて具体的な取組みを進めていくことが確認されました。また、8月上旬に予定されている人事院勧告にむけて、国公労連等の提起する署名や中央行動への参加等を今後具体化していくことも確認されました。

相談体制の確保と欠員の補充を
社会保険庁へ休日開庁などで申し入れ
 全厚生は4月23日、先の支部代表者会議での議論等を踏まえ、社保庁へ、6項目の申し入れを行いました。また、25日に記録訂正による年金額試算について新たな通知が出されたことから、28日にも3項目の申し入れを行いました。
 申し入れの内容は次のとおりです。
〈4/23申し入れ事項〉
 (1)特別便を初めとする記録整備等に関わって、平日の夜間延長、そして休日開庁と限られた体制の中で全力であたっていますが、健康管理、労働条件確保のため、オンラインシステムが全く稼動しない休日については開庁しないこと。
 (2)休日開庁については、相談体制、労働条件等の確保の観点から、事前の十分な検討・周知期間を設けること。
 (3)年金相談、再裁定処理、記録照会、回答ハガキ等の処理体制を拡充すること。
 (4)超過勤務を縮減すること。超過勤務を行った場合は、給与法に基づいて超過勤務手当を正規に支払うこと。また、休日出勤を行った場合は、管理者責任において振替休日を取得させること。
 (5)欠員を早期に補充すること。また、任期付任用職員の採用状況、及び今後の計画等について明らかにすること。
 (6)加入者をはじめとする約1億人への特別便送付は、さらなる混雑や混乱をまねき、労働条件及びサービス確保上からも困難性を増すことは必至です。再裁定や入念調査、また高齢者への対応などを優先し、加入者への特別便送付スケジュールを見直すこと。
〈4/28申し入れ事項〉
 (1)新たな対応をするようになった経過を説明すること。
 (2)年金額仮計算書に担当職員の署名が必要な理由を明らかにすること。
 (3)業務処理体制を拡充すること。

集まって、語ろう!いきいき働きつづけるために
第32回全厚生女性交流集会in東京
6月28日(土)〜29(日)  
池袋・サンシャインシティプリンスホテル  
  1日目 国立感染症研究所ハンセン病研究センター、国立ハンセン
        病資料館、国立療養所多磨全生園の見学と交流
  2日目 全体会(池袋サンシャインシティ・文化会館701会議室)
        記念講演 伍淑子さん(前国公労連女性協議長)

●●●親子参加大歓迎●●●
1日目は親子で見学。学びの場としてください。
2日目は保育します(サンシャイン国際水族館に行く予定)。
主催 全厚生労働組合女性部

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