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◆第1697号(2008年4月15日付)◆


官製ワーキングプアをなくせ
非常勤職員の処遇改善と「雇い止め」の規制を
 全厚生は08春闘において、非常勤職員の切実な声を聞き、要求に反映させ、実現への取り組みを強めるために、2種類の非常勤職員アンケートに取り組みました。

「生活苦しい」が66%
 ひとつは、昨年10〜11月、国公労連(非典型職員用)「はたらくみんなの要求アンケート」として、本省庁、研究機関、福祉部門で取り組み、3支部68人から回答を得ました。(国公労連全体では2950人分集約)
 1時間あたりの時間給は表(2)のとおりで、ここからも年収200万円以下のワーキングプアが公務の職場にも多数存在することが分かります。
 生活実感については「かなり苦しい」が27・9%、「やや苦しい」が38・2%にも上りました(表(1))。任期期間終了後の継続勤務については54・5%が考えていると回答しています(表(3))。
 意見としては、「厚生労働省下の職場でワーキングプアを増やして良いのか」、「賞与、退職金が出ないと、とても月給は低賃金すぎて苦しい」、「セクハラ防止対策をしっかり」、「育児休暇を導入して欲しい」、「昇格がない、住宅手当が出ないので、一人暮らしだと厳しい」、「仕事の責任は重いわりに、給与や福利厚生などで正規職員との格差を感じる」、「雇用契約条件が最初から明示されず、途中から一方的に変更される、民間企業ではありえない」など。この現状を変えていく事が急務です。

低賃金・不安定雇用の改善を
 社会保険職場については今年1〜2月に、非常勤職員アンケートを実施し、8支部493人から回答を得ました。業務に充実感があるかとの問いには、62・3%があると回答しています(表(4))。 意見としては、「年金受給者や、加入者の人から『不明だったこと、疑問に思っていたことがよくわかりました』と喜んでもらえたときに、充実感はある」と業務に誇りを持って取り組む一方で、「ない」と回答した人からは、「仕事は充実感があるが、低賃金・不安定な雇用条件で全体的には充実感はない」、「仕事は大好きですが、賃金や雇用等不安定な要素が多く、実態は誠意・奉仕精神で相談業務が行われている」といった低賃金や不安定雇用に対する意見が多数を占めました。
 賃金については、「時給800円台はおかしい、1円でも上げてほしい」、「せめて1000円以上に」、「10年いても新人でも同じ賃金はどうかと思う」のように、賃上げ・昇給への意見と「日給制ではなく月給制に」、「年2回の調整休暇をなくし、ボーナスも出すようにしてほしい」との意見が多数ありました。雇用形態についての不満も大きく、「更新辞令の『任期を一日とする』はあまりにも侮辱的」などの意見がありました。
 新組織での勤務希望については、69・9%が希望すると回答しました(表(4))。

全厚生に結集して要求実現を
 全厚生はこれらの要求アンケートの結果を踏まえ、国公労連に結集し政府・人事院を追及したのをはじめ、厚生労働大臣あて要求書に非常勤職員の要求を掲げて、春闘期の人事課長交渉に臨みます。
 政府・人事院は3月19日、国公労連の08年統一要求に対する春闘期の最終回答のなかで、非常勤職員の処遇改善について前進的な回答を行いました。人事院は、今年の勧告を目途に、「給与決定に係る指針」の検討を表明。総務省も初めて「政府としての必要な対応を考える」と回答しています。夏季闘争の中でさらに前進させるために、非常勤職員のみなさんに全厚生への結集を呼びかけるとともに、官製ワーキングプアをなくすたたかいを強めていきましょう。
 全厚生の大臣あて要求内容は次のとおりです。
 非常勤職員制度を抜本的に見直し、処遇を改善すること。
 (1)いわゆる「雇い止め」の規制や昇給制度の導入など、非常勤職員制度を抜本的に見直すこと。
 (2)常勤職員と同様の勤務実態にある職員については、同一労働・同一賃金の原則にもとづき、常勤職員と同等程度の給与を支給すること。また、退職金及び一時金を支給すること。
 (3)非常勤職員の休暇等については、常勤職員に準じた制度に改善すること。当面、無給とされている休暇を有給にするとともに、夏季休暇、結婚休暇、介護休暇、看護休暇や育児休業などの制度化をはかること。

リレーずいそう
●ベトナムとの出会い
 私とベトナムとのつながりも、かれこれ10年になります。当初は全厚生の皆さんにご協力をお願いし、多くの浄財や激励を頂きました。あらためて御礼申し上げます。
 交流から始まったスポーツやマッサージ指導は大きく花を咲かせることができました。スポーツでは、視覚障害者サッカーの普及に力を入れました。ベトナムで国内大会を開催、ついにはアジア大会まで開催することが出来ました。ベトナムで一番の人気スポーツは男子ではサッカーです。視覚障害があっても大好きなサッカーが出来る喜びや感動は、子供達の表情や全身から満ちあふれていました。
 日本の多くの視覚障害者の職業としてマッサージがあります。この経験や技術を活かして、ベトナム視覚障害者の職業自立ができないかと、マッサージ交流を始めました。1996年9月には、2年過程のマッサージ専門訓練校ニャックワン(日光盲学校)を開設するまでになりました。点字の教科書を作り、日本から解剖模型を持って行きました。空港税関のX線に、模型の骸骨が綺麗に映って大騒ぎになったことも懐かしい思い出です。
 先月に日光盲学校を訪れました。机やエアコン、トイレなどが壊れ始めています。長い間頑張ってきたなと思いながら、費用を工面しないといけないので思い複雑です。
 10年を目標に取り組んで来ましたから、そろそろ現地スタッフが中心となって運営できるような、システムや人材を作りたいと考えています。
想いは必ず実現するものということも学びました。目標の実現に向けて、もう少し続けてみようかなと思っています。
(副委員長)

News
後期高齢者医療制度やめよ
撤回求めて4.9国会前要求行動

 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めて4月9日、昼休み国会前行動を実施(写真)。この制度は(2)これまで保険料負担のなかった扶養家族を含めて、75歳以上の全ての高齢者から保険料を徴収(1)月額1万5000円以上の年金受給者は年金から保険料を天引き(3)保険料滞納者は保険証を取り上げ、窓口で医療費全額を負担させる(4)75歳以上を対象にした別建ての診療報酬で、高齢者に差別医療を強いるものです。4月15日の保険料天引きを前に参加者から怒りの訴えがありました。

第79回メーデーに参加を
中央メーデーは代々木公園

 第79回メーデーは5月1日、憲法9条を守ろう!労働者の雇用を守れ!ただ働き残業をなくせ!人間らしく働くルールを確立しよう!なくせワーキングプア!などをスローガンに全国で開催されます。中央メーデーは、今年も代々木公園が会場です。9時30分から文化行事が始まり、祭典は11時から、メーデー行進は午後から、全厚生は新宿コースです。デモ行進終了後、団結交流集会を行います。みなさん、参加しましょう。

職員の命と健康を守る
第7回定期大会で意思統一
 厚生労働本省労働組合共闘会議(本省共闘)は3月21日、霞が関中央合同庁舎第5号館内の会議室において、第7回定期大会を開催しました。
 本省共闘は、省庁再編により旧厚生省と旧労働省が統合し、厚生労働省が発足したのを契機に、本省職場に蔓延する長時間過密労働の改善、職員の健康管理対策の拡充、福利厚生の充実等について、共闘して当局との交渉を行い、要求実現を目指すため、2001年2月に結成した共闘会議です。
 しかしながら、ここ数年において、当初に比べ目に見える活動が減ってきてしまっており、その間、本省職場の劣悪な職場環境は、改善されるどころかますます悪化の一途をたどっています。
 それでも、直近では、定期大会の直前に人事課長交渉を行い、私たちの要求を直接当局へ伝えることができました、本省共闘では引き続き、「本省職員の命と健康を守る」ことを最重点課題とし、本省職場が明るく働きやすい職場になるよう引き続き奮闘していきます。
(本省共闘議長)

香川県
労働実態訴えがんばる
集会と事務局要請と駅頭宣伝
 香川県支部は3月4日、香川県労連「08春闘決起集会」で、深刻化する雇用不安や年金制度の問題点について香川支部長が発言。混雑する窓口状況や電話が鳴っても取れない職場状況をまじえながら、先行き不安から退職があいつぎ人員不足におちいり悪循環になっていることを報告。組織が変わっても年金制度はよくならないと指摘し支援を訴えました。
 3月7日には、全労連四国地区協による四国総行動「なくせ貧困、ストップ改憲!つくろう平和で公正な社会」に取り組みました。全厚生の参加者は、昼休み集会で、年金ビラを配布しアピール。三越前までのデモ行進では社保事務局前を通り、「安心できる年金制度を」とシュプレヒコール。 人事院四国事務局交渉では、森書記長が社会保険職場のただ働き、サービス残業の実態や過労死の危険さえある労働実態を訴え、人事院として実態調査を行い改善に責任をもって対処するよう申し入れました。
 香川社会保険事務局への要請には、県国公議長はじめ四役と香川支部長・森書記長が参加。事務局に、(2)年金記録問題の完全解決とそのための人員増を図り業務処理体制を確立すること(1)選別採用や雇用不安を煽ることはやめ、職員が業務に専念できる環境を整備すること(3)非常勤職員の雇用を確保すること(4)分限免職は認められないこと(5)最低保障年金制度の確立など、誰もが安心して老後の生活が送れるよう年金制度の充実・改善を求めました。
 街頭宣伝については、2月20日に琴電瓦町駅前で県国公の仲間20人(全厚生から3人)で900枚を配布。香川支部長は街頭でマイクを握り「年金記録問題の原因や社保庁の廃止・解体では問題が解決しない」と訴えました。また、3月19日にはJR高松駅前で、ときおり激しく雨が降る最悪の状況でも県国公の仲間7人(全厚生から3人)が参加し500枚のビラ配布を行いました。県国公とも相談し、次回も年金で宣伝行動に取り組むこととしています。
(書記長)

神奈川
非常勤職員の雇用守れ
事務局長交渉と集会を開催
 神奈川県支部は、健保協会設立(10月)に伴うレセプト点検員の公募要綱(3月26日)が示されたことで、緊急に社会保険事務局長交渉を4月3日に実施。現在、レセプトセンターで働くレセプト点検員(非常勤職員)の雇用確保に全力を尽くすように申し入れ、事務局長の雇用責任を追及しました。交渉で事務局長は、「全国社会保険協会で、採用されるように、最善の努力をしていきたい。また、不採用の場合は、事務所等での雇用を確保していきたい」と雇用確保に向けての努力を表明しました。
 また、神奈川県支部は4月9日、レセプト点検員を対象に交渉内容の報告職場集会を開催。レセプトセンターで働く24人すべての点検員が参加しました。職場集会では、公募内容の説明、交渉内容の報告と合わせて、新組織での労働組合の役割について解説しました。参加者からは、「雇用は確保されるのか心配だ」「履歴書の記載項目がわからない」「年齢を理由に不採用はあるか」など採用に対する不安の声が出されました。
 ひきつづき、神奈川県支部は、2回目の職場集会を5月下旬に予定し、状況報告と新組織での労働組合の重要性を訴え、組合加入を呼びかけていきます。
(書記長)

静岡県
情報共有し協力を約束
支部OBとの懇談会を実施
 静岡県支部は3月21日、静岡労政会館で全厚生OBと現役組合員との懇談会を10数人で行いました。
 この懇談会は、社会保険OBがいまの社会保険職場がどうなっているのかテレビや新聞等しか情報が入らないため、直接職場の状況を聴いてみたいとの声があり、開催したもの。
 支部から土日出勤、ねんきん特別便対応、新組織への問題点、退職者続出による欠員、全厚生の取り組み等について状況を説明しました。
 OBからは、ボーナス返納問題やねんきん特別便対応について庁・事務局や支部の対応についての質問が出され、お互いの情報を共有することができました。
 また、今後の対応の中で、OBから「現在別のところで働いていても、月1回の土曜日であればお手伝いしたい」との声も出され、一緒の思いを持っていてくれていることに勇気付けられました。これからも何かあったら懇談会を行うことを確認し終了しました。
(支部長)

核兵器廃絶、非核平和の日本めざして
50周年記念国民平和大行進に参加しましょう
 「ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」「核兵器廃絶」を訴えながら、広島・長崎めざして歩き続ける原水爆禁止国民平和大行進が5月6日、スタートします。今年で50周年を迎える国民平和大行進は、「核兵器のない世界を」の声を広げるとともに、非核三原則と戦争放棄の憲法9条を守る世論を高める行動にします。
 東京〜広島コースは6日、東京・夢の島「第五福竜丸展示館」前で、集会を開いた後に出発し、翌7日には、神奈川県へ引き継ぎます。全厚生は、東京〜広島(兵庫まで)の幹線コースに通し行進旗を立てます。みなさん、ご一緒に歩きましょう。

集まって、語ろう!いきいき働きつづけるために
第32回全厚生女性交流集会in東京
6月28日(土)〜29(日)
池袋・サンシャインシティプリンスホテル

 1日目 国立感染症研究所ハンセン病研究センター、国立ハンセン
      病資料館、国立療養所多磨全生園の見学と交流
 2日目 全体会(池袋サンシャインシティ・文化会館701会議室)
      記念講演 伍淑子さん(前国公労連女性協議長)
      主催 全厚生労働組合女性部

仲間との連帯を大切にし、みんなでつくろう
いきいきと働き続けられる職場を
第38回国公女性交流集会
 と き 5月30日(金)〜31日(土)
 ところ 宮城県・松島「一の坊」
 スペシャルトーク
     雨宮処凛さん(作家)
      「語ろう 平和のこと 憲法のこと
        そして未来につながる生き方、働き方」
 主催 国公労連女性協・東北ブロック実行委員会

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