見出し

◆第1693号(2008年2月15日付)◆


新組織へ社保庁職員の優先採用を
年金業務・組織再生会議ヒアリングで意見表明
 日本年金機構の「職員の採用」及び「外部委託の推進」についての基本的な事項に関する意見を整理することを任務としている「年金業務・組織再生会議」は、同会議がすでに公表している「中間整理」に対する意見や社会保険庁改革に対する意見を聴取するとして、1月23日、首相官邸会議室において、労働組合に対してのヒアリングを行い、全厚生からは杉下委員長、杉浦副委員長、飯塚書記長他が出席しました。
 ヒアリングは、冒頭、杉下委員長が全厚生としての意見表明を行い、その後、各委員から意見・質問が出され、やりとりが行われました。

年金記録問題は歴史的・複合的要因が背景
 杉下委員長は、信頼を損ない国民に多大なご迷惑をおかけしていることに心からお詫びしたい、また、国民から厳しい批判が突きつけられているが、重く受け止めている、と述べた上で、社保庁改革について、年金記録問題について、「職員の採用についての基本的な考え方」について、「外部委託の推進についての基本的な考え方」について、国民の信頼回復に向けて、という5点にわたり意見を表明しました。
 当面の最大の課題である年金記録問題については、歴史的・複合的な要因が背景にあり、そのときそのときにおいて確実に実施する必要な体制が確保されてきたのかが問われる、と述べた上で、職員自らが記録整備に全力をあげるとともに、国の責任による実施体制の確立が必要であることを主張しました。
 新組織への職員の採用については、雇用問題は職員、家族にとって、労働と生活そのものに関わる最も重要な課題であり、また、新組織における安定的、確実な業務運営の確保は重要な課題であり、業務の適正執行に見合う人員の確保とともに、知識・経験を有する社会保険庁職員の優先的採用を、また、「処分」が考慮要素として不採用になるとすれば、二重制裁となり、二重制裁は行うべきではないと強く求めました。
 業務の外部委託については、これまでの外部委託の実際はどうであったのかを検証するとともに、外部委託は競争入札で行われ、短期間で受託事業者が変わることなど、専門性や継続性、一体性をどのように確保していくかは重要な課題。大量・定型的な業務を中心として、結果責任の伴う完結型を基本とすべきと主張しました。
 国民の信頼回復については、失われた信頼を回復するのは容易なことではないが、職員は年金の専門家として、責任と誇りをもって年金を担えるのは私たちだと、精一杯がんばっていると述べ、意見表明の最後に、雇用確保に万全を期していただきたいこと、分限免職が論じられているが、国公法の規定に照らして重大な問題があり、分限免職は行うべきではないと強く主張しました。 

パブリック・コメントに皆さんの意見を
 全厚生の意見表明に対して各委員から、複雑・困難な業務であるといっているが、例えばどういうものか。高い専門性が求められるというが、実際の業務に生かしてこなかったのではないか。社保庁のどこに問題があるのか。組合との関係においてどういう問題があり、どう改善しなければならないのか。反省という言葉があったが、本当に反省しているのか。システム改善で、人がいらなくなるかもしれないが、受け入れるのか。度重なる不祥事について、組合はいつごろから問題を認識していたのか、等々の多くの意見・質問がだされ、その一つひとつに対して、杉下委員長が実際の経験などもまじえて回答を行いました。
 再生会議は、最終報告のとりまとめに向けてパブリック・コメントを求めています。(応募は、再生会議のホームページからとなります。)新しい機構をどのような組織とするのかは極めて重要な問題です。再生会議は、業務の外部委託の積極的な推進がシンボリックなテーマだとしていますが、委託ありきではなく、年金業務が常に安定的に正確に遂行されることを基本に、検討がなされなければなりません。
 今回の組合に対するヒアリングが有効に生かされるとともに、広く国民の意見を踏まえ、「中間整理」の内容に固執することなく、検討することを求めるものです。

リレーずいそう
●還暦
 「リレー随想」の原稿を頼まれたので、「この前書いたよ」と答えたら、「みんなにそう言って断られました」とのこと。「少し早いんではないか、うちの順番は一寸飛ばして欲しいな」と言いつつ断れませんでした。
 今回は還暦について書いてみます。40年前、自分が社会保険職場に就職した頃は60歳といえばもうお年寄りと感じていました。その時代は55歳から年金が支給されていましたし、自分の親を見てもやっぱり歳だなと思っていたからです。ところがいざ自分がその歳になるとまだまだ60歳は若いと自分では思っています。(他人はどう思うかは別として)
 人生一回りしたので、心機一転もう一度色んな事に挑戦して行こうと思います。
 もし、閻魔様がお迎えに来たなら是非言いたい事があります。
 還暦(60歳)・・・とんでもないと追い返せ。
 古希(70歳)・・・まだ早いと突っ放せ。
 喜寿(77歳)・・・せくな老い楽これからだ。
 傘寿(80歳)・・・なんのまだまだ役に立つ。
 米寿(88歳)・・・もう少しお米を食べてから。
 卒寿(90歳)・・・としに卒業はないはずだ。
 白寿(99歳)・・・百のお祝いおわるまで。
 茶寿(108歳)・・まだまだお茶が飲み足らぬ。
 皇寿(111歳)・・そろそろ譲ろうか日本一。
 どうでしょう、皆さんも一緒に閻魔様ならぬ社会の鬼を追い返して、国民本位の住みよい日本をつくりましょう。
(大分県支部 組合員)

News
社保職員の雇用守る支援
国公女性協拡大代表委員会を開く

 国公労連女性協は2月2・3日、都内で拡大代表委員会を開催。(写真)13単組2ブロック12県国公48人が参加。全厚生は、小出女性部長、木立女性部事務局長が出席し、社会保険庁職場では雇用不安と業務に忙殺され、退職者と心の病が急増している現状を紹介し、雇用守る運動に支援を訴えました。委員会では、春闘方針とアピールを採択。委員会の期間中、参加者の手で、社保庁職員の仲間を励ますための折り紙を添えたしおりを700個作成しました。

青年の処遇改善を意思統一
国公青年協の拡大代表者会議開く

 国公労連青年協議会は2月2日、都内で拡大代表委員会を開催。(写真)8単組1県国公から参加があり、全厚生青対部からは、統計情報支部の和佐田裕子さんと傍聴で西田書記が参加しました。笠松議長の挨拶、浅野国公労連書記次長による情勢報告に続き、執行部が青年の処遇改善を求める08年春闘方針案について提案。全厚生は和佐田代表委員が本省職場の実態を、西田書記が平和大会の取り組みについて報告しました。方針案は満場の拍手で承認されました。

社会保険職員の雇用を守って春闘全力
厚生労働省・社会保険庁に申し入れ
街頭宣伝、労組・団体への要請など多彩に

安心できる年金制度に
社会保険事務所前等で宣伝行動

 「社会保険庁は年金記録問題の責任ある解決を!」「安心して暮らせる年金制度を!」と国公労連は、東京国公、全厚生とともに、2月7日の東京社会保険事務局・新宿社会保険事務所前宣伝行動を皮切りに14日までの間、千代田・港・中央の各社会保険事務所前での早朝出勤時間帯宣伝行動と、虎ノ門交差点周辺、新橋駅前での昼休み宣伝行動を行いました。
 2月7日は16人が参加し、ハンドマイクで、「社会保険庁を解体・民営化をしても、年金制度は良くなりません」、「安心して暮らせる最低保障年金制度の実現が必要です」、「低所得者に負担の大きい消費税を社会保障の財源とすることは問題があります」と訴えながら、2月16日に開催する年金シンポジウムへの参加も呼びかけ、400枚のビラを配りきりました。市民の反応も非常によく、「シンポジウムは誰でも参加できるのですか」、「年金問題を解決しないままに、消費税アップなど許せない」など対話もすすみました。

体制整備と雇用確保を
社会保険庁職員課へ申し入れ

 社会保険庁に対し国公労連は2月7日、年金記録問題の完全解決のための体制整備と職員の雇用確保を求め、申し入れを実施。国公労連から川村副委員長と香月書記次長、全厚生から杉浦副委員長と飯塚書記長が出席し、社会保険庁は眞柴職員課長らが対応しました。
 国公労連の川村副委員長は、「国民の信頼回復において、年金記録の整備が最重要課題であり、業務執行体制の確立にむけた具体的な対応策を明らかにするとともに、職員が業務に専念できる環境の整備をすること。特に、自主退職者の大半は将来展望が見えないことが最大の要因であり、雇用不安の要因を排除することが決定的に重要であること。社保庁として、雇用確保の姿勢を示すとともに、具体的な方策を明らかにすること」などを強く申し入れました。また、非常勤職員の雇用問題についても「重要な課題だ。コールセンターの統合などで大量の相談員や非常勤職員の雇い止めが発生するのではないか。使用者として、雇用の確保が当然求められる」と具体的な方針とスケジュールを早期に明らかにすることを要求しました。

職員の雇用に責任を
厚労大臣官房人事課へ申し入れ

 厚生労働省に対し国公労連は2月13日、年金記録問題の完全解決のための体制整備と職員の雇用確保を求めて、申し入れを行いました。国公労連から川村副委員長、北畠中執、全厚生から杉浦副委員長、飯塚書記長が出席、厚生労働省は、大臣官房人事課の中山人事調査官と稲葉課長補佐が対応しました。
 川村副委員長は、記録問題解決のための体制整備と雇用確保、非常勤職員の雇用確保を求めた上で、厚生労働省としての考えをただしました。中山人事調査官は、「職員の辛く厳しい状況は認識している。雇用の不安も十分認識している。雇用の問題は一義的には社保庁長官が対応するものと考えているが、厚労省としても大臣以下人事課として、どう対応するのか考える必要があると思う。これからも、全厚生とも話す機会があり、意見を聞きながら対応したい。申し入れ内容については、人事課長に報告する」と述べました。

秋田県
組合員に見える活動を
第39回支部定期大会を開く
 1月19日、秋田県支部は秋田市内において2005年12月以来の約2年ぶりとなる第39回定期大会を開催しました。
 来賓の本部杉下委員長からは中央情勢や新組織への対応として新たな労働組合運動の準備について説明を受けたほか、愛知県支部宮田書記長からは同じ職場に働く仲間としての連帯の挨拶、県国公及び国公東北ブロックからは国公仲間としての激励を受けました。
 討議では、内容のある議案を提案するには至らなかったため、参加した代議員からは自分の置かれている現状や不安といった発言がほとんどであり、あらためて組合活動の必要性を認識させられるものとなりました。
 それらを踏まえて、当面の支部の目標としては、まず当局交渉の再開にこぎつけ、組合員に少しでも見える活動を目指していくことを確認しました。
 新役員は次のとおり。
 支部長  小林 利幸
 副支部長 野本 隆男
 同    安田 晴美
 同    浅野 範久
 同    大関 洋文
 同    田中 一賢
 書記長  遠田 俊治
 書記次長 内藤 英明
(書記長)

神奈川
要請行動や年金相談
県内労組・団体に働きかけ
 神奈川支部は、08春闘で、年金制度の充実に向けた共闘と、社保職場に働く労働者の雇用確保に向けた支援を要請していく事を執行委員会で意思統一。1月25日の関東ブロック国公春闘討論集会を皮切りに、神奈川医労連、JMIU、年金者組合など県内労組・民主団体を中心に、2月12日までに16団体に対し、要請行動、学習会、街頭・病院ロビー年金相談など多彩な運動を展開しました。
 こうした中、様々な要請先で、「共に頑張ろう」、「社保の現場労働者は悪くないよ、政府の政策に問題がある」、「マスコミだけが世論じゃない。窓口の親切な対応に感謝している人はたくさんいます」など心温まる激励の声が寄せられています。また、自由法曹団神奈川で開催した社会保障学習会では、参加した弁護士から、「非常勤の雇用問題や分限免職についてもっと詳しく教えて欲しい」、「神奈川支部の団総会で学習会をお願いしたい」、さらには、「もちろん、弁護士が話を聞きたいと言うときは、聞いただけでは終わりませんよ…力になります」と雇用を守る支部運動に元気と勇気の出る発言をもらいました。神奈川支部は、県内の仲間の激励を力とバネにして、引き続き、08春闘で、共闘と支援要請を積極的に展開していきます。
(書記長)

愛知県岐阜県
大企業は社会的責任果たせ
2・11トヨタ総行動に参加
 トヨタ自動車を始めとする、大企業のボロ儲けに対し、社会的責任を果たすよう訴える、「トヨタ総行動」が2月11日に行われました。
 午前は、名古屋市内・ミッドランドスクエア前で宣伝行動を行い、午後は豊田市内で決起集会を行い、その後トヨタ自動車本社までデモ行進を行いました。
 決起集会では、労働者の賃金は横ばいないし減少し、下請企業に対するコスト削減は過酷さを増しているのに対し、大企業の株主への配当は急増している実態が紹介され、こうしたボロ儲けを、労働者・下請に還元するよう社会的責任を果たすべきであり、また、大企業のボロ儲けの裏にある労働者の長時間・過密労働をやめ、サービス残業を一掃しなければならないと訴えていました。
 この集会には、愛知県支部から5名、岐阜県支部から4名(家族含む)
の参加がありました。
 また、決起集会の場を利用して、「国が国民の暮らしに責任をもつ年金制度の実現」を訴える年金ビラの配付を行い、決起集会参加者に対して300枚のビラを配付することができました。
(愛知県支部 組合員)

Back  to HOME