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◆第1692号(2008年2月1日付)◆


社保職員の雇用確保へ全力を
全厚生第49回中央委員会を開催
 全厚生は1月26日、第49回中央委員会を都内で開催し、国民本位の社会保険行政の確立と職員の雇用確保へ08春闘を全力でたたかう決意を固めあいました。
 中央委員会には、中央委員と本部役員はじめ75人が参加。杉下委員長が挨拶し、春闘方針案を飯塚書記長が、補正予算案を峰書記次長が提案しました。来賓として国公労連の香月書記次長、全医労の淀副委員長、全労働の河村副委員長が出席し挨拶。討論の後、方針案・補正予算案を全会一致で採択しました。
 中央委員会終了後同じ会場で、08年新春全厚生旗開きを開催し、翌27日には、福祉部門と社会保険部門がそれぞれ支部代表者会議を開催しました。

◆委員長挨拶国の責任放棄許さない闘いを
 中央委員会の冒頭、杉下委員長は、新テロ特措法が衆議院の再議決で成立したことをはじめ、この国のあり方を根本から変えていこうとする政府・財界の攻撃について強調し、挨拶しました。全厚生に関わる(1)独立行政法人整理合理化計画による国立健康・栄養研究所の医薬基盤研究所との統合(2)見直しを迫られる障害者自立支援法(3)社会保険庁の解体・民営化のいずれもが、国が行政責任から撤退しようとする攻撃だと述べました。
 社会保険庁問題では、(1)労働条件の改善(2)雇用確保(3)「年金を守れ」のたたかいの具体化(4)新たな状況に対応する組織の確立の4点が2月3月の最重要のたたかいとなると述べ、方針に対する積極的な討論を呼び掛けました。

◆書記長提案年金守る運動が雇用も守る
 飯塚書記長は、秋闘の総括として、(1)社保庁の異常な働き方に対し、人事院に改善を求めた結果、人事院が職員課長を呼んで指導を2度も行った(2)自由法曹団の弁護士から激励を受け、「年金を守る」運動を形作った(3)独立行政法人の整理合理化計画に反対してきたが、国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所との統合が決定した(4)本省庁では、深夜に及ぶ長時間残業解消に向けて、厚生労働本省共闘(本省・統計両支部と全労働本省支部)で人事課に要求書を提出した(5)日本平和大会in沖縄に全厚生8人参加、などを報告しました。
 春闘方針についてはまず、社会保険庁問題をめぐって、安心できる年金制度を求める声が国民に広がり、政府与党内からも、年金記録問題は歴史的構造的な問題であり、政府の責任は重いとの認識が示されるなど、少しずつ世論も変わりつつあることを紹介し、この春闘では、国公労連社保対策委員会が提起する行動に結集してたたかうことを提起しました。全国健康保険協会の採用では、2月中に庁が名簿を作成、3月内定、4月決定というスケジュールであり、名簿作成において公平・公正・透明性を求め、雇用の確保に万全を期す。公的年金守る世論の構築では、消費税を社会保障に使うな!を基本に、ビラを活用し、国民宣伝を強める。2月16日のシンポジウム「守れ!みんなの年金〜社保庁改革を考える」(公務労組連絡会・国公労連共催)を成功させ、年金を守り、雇用を守る運動につなげていこうと述べました。
 また、この間実施した非常勤職員要求アンケートの中間結果を報告。新組織への雇用については希望するが73%、しないが15%。労働組合が必要と思うが54%、必要なしが1%、わからないが37%。賃金職員の労働条件改善と雇用確保、全厚生への結集の取り組み強化を呼び掛けました。
 討論は全体で21人が発言し、職場実態や社会保険の雇用確保と労働条件改善を求める意見、賃金職員の課題、平和の取り組みなどの発言がありました。(発言は2面)
 総括答弁で杉下委員長は、「全厚生62年間の歴史の中でもっとも厳しい局面。労働組合の役割がもっとも重要なとき。仲間たちの雇用を守って、労働組合の力を遺憾なく発揮しよう。みんなの雇用守って微動だにせずたたかう」と改めて決意を表明しました。

2008年全厚生旗びらき
 中央委員会に続いて開催した08年全厚生旗びらきのゲストは、フルート四重奏のチェリーブラッサムの皆さん。「サウンド・オブ・ミュージック」、「見上げてごらん夜の星を」、「幸せの黄色いリボン」などをさわやかに演奏。もう一人のゲストは腹話術師の伊藤むつ子さん。お人形のフクちゃんと世相を斬る掛け合いに会場は笑いに包まれました。部門別に参加者紹介もしながら、全体で交流。08春闘を元気にたたかおうと決意を固め合いました。

リレーずいそう
●ありがとうノート
 先日思い立って、ノートを家のトイレにぶら下げてみた。名づけて「ありがとうノート」これが結構家族の記入があるもので、おもしろい。
 「野菜炒めをつくってくれてありがとう。」「おじいちゃんが畑で作った白菜をたくさんくれました。ありがとう。」「お母さんが慰めてくれて嬉しかったです。ありがとう。」など・・・些細なことだが、言えなかったこと、嬉しかったから憶えておきたいことなどが、かたちになるのも、いい。
 小3の次男は、学校で毎日3行日記というものを書かされて(?)いる。そのうちの一行は「いいこと貯金」となっている。
なにか他の人にやってあげた、手伝った事などを書くらしい。
 はじめは、私もいい企画だと思っていた。が、クラスの子たちの文集のようなものが配られ、その欄はうちの子に限らず「なし」というのが多い。自分から「いいことしました!」というのは、小3とはいえ、やはり書きづらいのかもしれない。
 だったら、逆に、感謝したことを書いてみたらどうかな・・・?と思ったのがきっかけである。
 「ありがとうノート」に何か書こうと考えるとき、ささやかな日常にも、感謝の気持ちが湧いて、少しやさしくなれる気がする。子どもにうるさく言う前に、まずは私が優しい気持ちになろう。
 これからもこのノートをさりげなく置き、こっそり書き続けていこうと思っている。
(秩父学園支部 組合員)

08春闘スタート
浅草で「年金守ろう」と宣伝
 全厚生は1月27日昼、社会保険と福祉の支部代表者会議参加者35人で、地下鉄・浅草駅周辺での宣伝行動を実施しました。(写真左)「憲法25条を守って安心できる社会保障・年金制度を確立しよう」「消費税によらない最低保障年金制度の実現を」などを訴えるビラ300枚を配布し、2月16日に開催する年金シンポジウムへの参加を呼びかけました。

なくせ貧困!日本経団連を包囲
 全労連と国民春闘共闘、東京春闘共闘は1月18日、08春闘の最初の大衆行動として、600人が参加して厚労省・日本経団連を包囲する行動を実施。昼はジャズバンドを先頭に大企業が立ち並ぶ丸ノ内をデモ行進しました。(写真上)

全厚生第49回中央委員会討論
雇用の確保を最重点に、全厚生に結集してたたかおう。
 第49回中央委員会では、21人が発言しました。
 社会保険の各支部からは、「雇用の確保を最重点に取り組んでいる」との発言があり、「忙しくても、疲れていても、組合員は結集してくれる。仲間の団結を力に、組合員を信頼して頑張る」、「組合員相談会を開いた。雇用確保へ、頑張りたい」、「『雇用を守れ』署名の対象を広げて頑張りたい」などの決意が。また、新組織について、「労働条件確保へ学習資料の作成など、早めの取り組みを」との意見がありました。「年金を守る」運動については、積極的に受け止める意見があり、「年金問題シンポジウムの開催が決まってる」と具体的な取り組みの紹介もありました。非常勤職員の雇用確保と処遇改善については、「賃金職員は雇用不安を抱えながらも、相談業務など誇りを持って働いている。要求実現へ頑張りたい」、「実施した非常勤職員アンケートをもとに、非常勤集会を開催する」、「非常勤や委託が増えており、待遇改善したい」など多くの意見が。
 非公務員型独立行政法人の課題については、「独立行政法人の整理・合理化計画反対で闘った。廃止の対象となっていた国立健康・栄養研究所も、医薬基盤研究所と統合されることになり、いいとは言えないまでも、運動の成果として残った。前向きに捉えて頑張りたい」。
 研究機関の課題では、「感染症研究者の危険手当の要求に対して、厚生科学課長交渉でわずかだが前進が見られ、組合で要求していくことは大切と認識した」、「国衛研は、『食の安全』が注目され、食品安全委員会もでき、業務量が増える一方で、定削で人が減り大変厳しい状況。若い研究者から不満も出ており、意識実態調査を実施したい」。
 福祉の課題では、 「あはき養成高等課程の募集が今年4月からなくなる。障害者施策は、全体として後退しており、危機感を抱いている」。
 日本平和大会の参加者からは、「沖縄の集団自決の体験談を聞き、歴史の真実を伝えていくのは私達の責任と強く感じた」との発言がありました。

なくせ貧困、ストップ改憲
国公労連第130回中央委員会を開催
 いよいよ、春闘の本番です。国公労連は1月30日、第130回中央委員会を開催。08春闘方針(案)、08春闘統一要求(案)を満場一致で決定。
「なくせ貧困、ストップ改憲!つくろう平和で公正な社会」をスローガンに、08国民春闘を全国で旺盛に展開することを確認しました。
 冒頭、国公労連福田委員長は、構造改革路線と国民・労働者との矛盾が拡がっていると指摘。世論が政治を動かす情勢にあり、反転攻勢に転ずる春闘として全力でたたかおうと呼び掛けました。
 春闘方針の基本方向は、(1)「構造改革」路線の変更を求める国民的共同の発展に責任を果たす、(2)労働基本権確立など憲法の完全実施をめざす産別統一闘争を強化する、(3)組合員の労働実態と切実な声をふまえた要求で政府・人事院を追及する、(4)要求づくりと職場討議を重視し、徹底して地域結集を追求する、(5)すべての運動を組織拡大に結実させ、産別組織の整備強化を図るの5つの柱。さらに、社会保険庁「改革」に対する取り組みでは、宣伝活動の強化や、公的年金を守る国民的な共同づくり、雇用確保の取り組み等を特別に位置づけています。
 国公労連統一要求では、賃金等の改善では、国家公務員の賃金を月額平均1万1千円(2・8%)引き上げることや、公務職場に働く労働者の最低賃金を月額相当15万円(時給千円、日給7千5百円に引き上げることを決定しました。
 この中央委員会には、杉浦副委員長、飯塚書記長が参加。飯塚書記長が、社会保険庁改革の課題で全力をあげる決意を述べ、発言しました。

年金改善と雇用確保を
社会保険支部代で意思統一
 全厚生は1月27日、都内で社会保険関係支部代表者会議を開催し、年金改善闘争や雇用確保に向けた具体的な取り組みの意思統一を行いました。また、記録整備に関わって職場実態を無視した異常な対応が続く中、行政サービスと労働条件の確保に向けて、社会保険庁への申入れ等を強化していくことも確認しました。
 ねんきん特別便に対する裏メール問題では、当局責任が全く明らかにされていないこと、システムも含めた抜本的な見直しが求められていること、平常業務が困難であり、膨大な再裁定・期間調査などの処理が滞留していることなどが明らかにされました。こうした中で人事評価制度が形骸化し、凍結も含めた見直しの必要性も指摘されました。
 「日本年金機構」の採用基準や業務委託の範囲等について検討している再生会議が、広く国民の意見を求めていることから、職場の実態を踏まえた様々な問題点等を出していく取り組みなどについても議論を深めました。

あり方問題で政策活動強化
社会福祉支部代会議で確認
 第49回中央委員会の翌日の1月27日、社会福祉支部代表者会議を開催。
会議には、今井・杉浦副委員長、函館支部、国リハ支部、秩父学園支部、伊東支部、神戸支部、福岡支部が参加。春闘での社会福祉部門の取り組みについて協議しました。
「国立更生援護機関に関する今後のあり方検討会」(中間報告)に関わって、国立リハセンターの今後の在り方や組織等の見直しについて、国立リハ支部から報告を受け、引き続き政策活動を強化していくことを確認。
 宿日直体制の見直しでは、4月から光明寮で新しい体制に入ることから、施設管理室に対して、体制及び環境整備などで申し入れの準備を行うことを確認しました。併せて、先行して実施している国立リハでの実施状況を検討し、改善課題を明らかにすることを確認。こうした諸課題を各支部でも協議し、取り組みを進めながら、春闘段階での本部交渉を準備していくことにしました。
 また、2月から開講する勤労者通信大学の「新・労働組合コース」を積極的に受講することも全体で確認しました。

シンポジウム
守れ!みんなの年金 社保庁改革を考える
〜 どうする「宙に浮いた年金」〜
日時 2月16日(土)13:30〜17:00
場所 全日通会館 東京都千代田区霞ヶ関3-3-3全日通霞ヶ関ビル8F TEL 03-3581-2261
     シンポジスト
      朝日新聞記者 松浦 新  氏
      日本大学教授 永山 利和 氏
      中央社保協事務局長 山田 稔  氏
      弁護士 菊池 紘  氏
     コーディネーター
      公務労組連絡会事務局長 黒田 健司  氏
主催 公務労組連絡会・国公労連

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