見出し

◆第1690号(2008年1月1日付)◆


国民の年金守るため年金専門家として前を向いて行こう!
やめるな!あきらめるな!社会保険の仲間
全厚生に結集し労働条件勝ち取ろう
女性部事務局長 

 女性が仕事と子育てを両立するために、長い間、多くの女性たちが望み、取り組んできた結果、やっと獲得できた権利が育児休業であり、介護休暇・子の看護休暇制度です。この権利がそのまま、新組織に移行するわけではありません。この権利を維持・発展させるには、自らが組合に結集し、団結の力で情勢を切り拓くしかありません。男女がともに仕事と家庭生活を両立し人間らしく働き、くらすことのできる労働条件の確立を求める運動に女性パワーを発揮していきましょう。

専門家として自信もとう
業務センター支部 支部員

 年の初めのいい機会です。改めて考えたいと思う。年金記録問題の発生以来、心身ともに疲弊している人は少なくない。へこんだり、みじめになることも多い。でも、一番の被害者は受給者をはじめとする国民だ。いまいる者が精一杯、その説明責任を果たし、解決を図っていくしかない。もう一度自信をとりもどうそう。僕らは年金、社会保険の専門家としてこれまでやってきたではないか。僕らはこの問題から逃げるわけにはいかない。国民とともに年金の確実な未来をつくっていく決意をしよう。

年金講師団活動で理解広げ
愛知県支部 支部員

 昨年、年金記録問題で、職場が混乱・奮闘しているという話をする機会がありました。
 マスコミ報道をふまえ、非難が集中するかと思いきや、職場は違えども同じ働く仲間として、心配する声がほとんどでした。また、講師活動の後、ある組合から、檄布をいただき大きく励まされました。もっと現場の思い、年金記録問題の本質について伝えていきたいです。

年金守る会で幅広い共同を
大阪支部 支部員

 全厚生運動、今年のキーワードは「年金まもれ、雇用まもれ」。年金記録問題や年金事業の民営化で国民の怒りと不安の声が高まっています。これらの声を「ひとつの要求」にして「年金まもれ」を合い言葉に、全国に「年金をまもる会」を作って国民的大運動を進めることです。その運動が、私たちの雇用を守ることにもつながります。

誇りを持って堂々と働こう
京都支部 支部員

 私たちは、いままで不十分さはあっても、精一杯、被保険者・国民のためになる仕事をしよう、そういう制度をつくろうとがんばってきました。いま大切なことは、誇りを持って堂々と働くことです。誰が何と言おうとも、責任を持って年金を担えるのは、私たちです。新たな信頼関係を広げるため、国民のみなさんと正面を向いて語りましょう!

新春から宣伝行動で国民に知らせ
神奈川県支部 支部員

 社会保障制度は、国民の健康で文化的な生活を保障する最後の砦であり、社会保険は、社会保障制度を支える大切な一本の柱です。運営母体が民営化されても憲法25条に基づく国の責任が軽減される訳ではなく、業務運営も国民生活切捨ての利益追求が許されないのは当然の事です。社会保障を守り発展させ、職場に働く仲間の雇用を守るために、神奈川県支部は、08春闘の中で、街頭宣伝、講師団活動など積極的に運動を展開する決意です。

社会保障は国が責任を
中央社保協事務局長 

 激動の1年がはじまりました。昨年終盤、「消えた年金」問題での政府公約がウソであったことが明らかになり、マスコミからも、あらためて社保庁解体への疑問の声があがっています。今こそ年金をはじめ、社会保障に国が責任を持つということはどういうことか示す時です。皆さんのご奮闘に期待しています。共にがんばりましょう!

「みなさん 年金のスペシャリスト 誇りもってがんばれ」
自由法曹団の弁護士と懇談
 12月14日、公務労組連絡会・国公労連・全厚生の主催で、「守れ!国民の年金制度・今社会保険庁の職場では」懇談会が開催され、自由法曹団の弁護士7人と全厚生13人、公務労組連絡会、国公労連、全医労、全労働から、全体で28人が参加し、懇談。全厚生から職場の状況について発言があり、弁護士各氏からは、 「今回、あたかも現場の職員の責任であるかのようなキャンペーンが先行している。これに反撃するには、事実を見せていくしかない」、「もともと社会保険庁には、すべての国民の年金を扱えるだけの体制、システム、機構があったのか、その検証が必要」、「相手の攻撃は、社会保険庁をつぶすことが目的であり、これをやらせないたたかい、年金制度を守るたたかいこそ重要だ。そのたたかいに勝つことができれば、おのずと雇用も守られる」、「国民を味方につけるためにも、地域に『年金守る会』をつくるなど、足を出そう」、「みなさん年金のスペシャリスト、自分の仕事に恥じることはない、誇りをもって。年金制度は、俺たちが守るんだ、というたたかいをしよう」など、たくさんの助言があり、参加者は大いに励まされました。

国立健康・栄養研究所の灯を消すな
大臣官房厚生科学課長と交渉
 全厚生は12月10日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。交渉には全厚生から、杉下委員長、儀同・杉浦各副委員長、飯塚書記長、亀岡中央執行委員及び、感染研支部、国衛研支部、基盤研支部、栄養研支部の代表計14人が出席。厚生科学課からは、矢島課長、坂本研究企画官、大橋総括補佐、藤谷補佐が対応しました。
 冒頭、杉下委員長は、独立行政法人の整理合理化計画策定の緊迫した情勢のもとで、国立健康・栄養研究所が国民の健康と福祉の向上に寄与するために主務省の役割発揮を強く求め、さらに重点要求に対する誠意ある回答を求めました。これに対し、矢島課長が一括回答。「独立行政法人の廃止・民営化等を前提とした、国民サービス切り捨ての『整理合理化計画』を策定しないこと」の要求に対し、「当課が所管する独立行政法人について、廃止・民営化されないよう、その業務の必要性等について、理解が得られるよう努力をしてきたところ。国立健康・栄養研究所について、大臣より他法人と統合との方針が示された。具体的な統合先や統合方法については、まだ未定。今後、省内で各方面の意見を聞きながら、検討していきたい。合理化計画の方は、廃止・民営化ということで突きつけられている。我々の話とは関係なくトップでやられている」と回答。これに対し、栄研支部からの参加者が研究所の果たしている重要な役割や厚生労働行政と一体不可分の研究活動であり、拡充こそが必要であると発言。要求を受けとめ、最後まで努力するよう求めました。

任期付でなく恒常的な研究職員の配置を
 継続的な研究業務や行政支援業務を遂行する部門については、短期雇用でなく任期のない恒常的な研究職員の配置に努めることを要求。これに対し、「任期付研究員制度は優れた研究効果を生み出す研究開発の促進の一環として研究人材の流動化を図るものと承知している。各研究機関における任期付研究員の配置に当たっては、研究部門の業務の性格や内容等、専門性に充分に考慮した上で行われていると認識している」と回答。
 国立保健医療科学院の教育研修の課題では、各機関・研究者との協力体制をはじめ、充分な体制確保を要求。これに対し、「科学院で行われる教育研修は、院内に関係研究部の研究者等で構成される研究課程委員会等を設け、検討・調整を行い、円滑な研修ができるよう努めている。また、院内に専門家がいないコースについても、『教育研修運営協議会』を設置し、調整を行っている。今後も、関係機関の過度の負担にならないよう配慮しつつ、必要な研修体制を確保していきたい」と回答。老朽化している研究施設について、予算要求を優先して行い、安心して研究できる研究環境を整えることを要求。これに対し、「国衛研は府中への早期移転が求められている。移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費については、積極的に対応したい」と回答。

感染症研究職員の処遇改善を
 感染症を取り扱う研究公務員の業務の責任や困難性に対応した処遇(手当支給)の改善を行うことを要求したのに対し、「公務員全体の中で検討されるべき事項と認識している。厳しい財政状況の中、新たな手当制度を創設することは困難と思われるが、各研究機関における職員の勤務実態を踏まえ、手当の支給が妥当であると各研究機関から要望があれば、人事課に依頼していきたい」と回答。「研究所に勤務する非常勤職員の業務や技能を適正に評価し、賃金・労働条件を改善する要求に対しては、「非常勤職員は、各研究機関の運営において実情に応じた役割を担っていると認識している。賃金・労働条件については、常勤職員との均衡を考慮しつつ、各研究機関の実情に応じた適正な対応がなされている」と回答。パワー・ハラスメントを防止するための指針を示すなど、具体的な対策をすすめること。独立行政法人を含むすべての機関でパワー・ハラスメントの規定を策定する要求では、「パワーハラスメント等のモラルハラスメントを防止するためには、職場の中でお互いの人格を認め、良好な人間関係を保てるような職場環境を整えることが重要であると認識している。『指針』については、今後、人事課が機会を捉え、『パワーハラスメント防止のための指針』の作成等を人事院に対して要望していくと聞いている」と回答しました。

国民の生活習慣予防のために栄研の存続を
厚生科学課長交渉で訴えた 栄研支部 支部員

 国立健康・栄養研究所(栄研)は職員47人の独法の中で最も小規模な研究所でありながら、多大な成果をあげて来ました。研究職は、医師、薬剤師、栄養士、運動療法士等で構成され、その中には疫学系、基礎実験系、体育会系の研究者、分析業務に携わる人など、各分野の研究者が一通り含まれています。生活習慣病にならず、健康でいるために何が必要かを研究するには、食事(栄養、食品、栄養素、食習慣)と運動(睡眠、休養を含む)の両面から、総合的に研究する必要があり、異分野の研究者間の共同研究が必須です。栄研では職員全員が顔見知りであるため、和気あいあいとして仲間意識があり、機能的に補い合い、ある程度自主的に、柔軟に協力し合える現在の組織であったからこそ成果が生み出せた、と思います。ですから、現状のまま単独で存続させることが重要であり、舛添大臣には「統合」という御発言を撤回して頂きたいと、厚生科学課長交渉の際に申し上げました。 
 栄研には国民健康・栄養調査、食事摂取基準及び運動基準策定のための調査研究、特別用途食品及び特定保健用食品の分析、生活習慣病予防のための重点調査研究などの業務がありますが、今後とも、これらの1つたりとも他省庁に移管する事無く、存続させて頂きたいと考えます。

行政と密接な連携とれた国民に有益な研究の灯を消すな
厚生科学課長交渉で訴えた 栄研支部 支部員

 我が国立健康・栄養研究所は、国民健康・栄養調査や、食事摂取基準、エクササイズガイド2006、標準的な特定健診・保健指導プログラムといったガイドライン策定のための基盤となる調査・研究を、厚生労働省の生活習慣病対策室や保健指導室などと協力し、推進してきました。
 この度の整理・合理化計画に関する報道により、本研究所の廃止・統合などがささやかれる中においても、国民の皆様に役に立つわかりやすい研究を粛々と推進しております。今後、本研究所の廃止・統合がどのような方向性で進められていくとしても、行政と密接な連携がとれた国民にとって有益な研究の灯を消さないよう、またそのために努力している本研究所の職員の生活が守られるよう、強くお願いいたします。

新テロ特措法・米軍再編・強化反対、沖縄戦「集団自決」教科書検定意見撤回を
2007日本平和大会in沖縄に全厚生から8人参加
 「新テロ特措法・海外派兵反対」「米軍基地強化の押しつけ反対」などのスローガンを掲げ、11月23〜25日、2007年日本平和大会in沖縄が開催されました。イタリア・エクアドル・韓国・米国からの海外代表を含め1300人が参加。全厚生は、秋田・大阪・統計情報・兵庫県支部と本部から8人が参加しました。
 開会総会で基調報告をした日本平和委員会の千坂純事務局長は、「たたかえば政治は動く」という運動の成果と新しい情勢の確信を力に、「さらに日米政府を追いつめよう」と呼びかけ、新テロ特措法と憲法改悪阻止、正念場を迎える米軍再編・強化反対、沖縄戦「集団自決」教科書検定意見撤回、日米軍事利権の徹底究明などのたたかいをすすめようと提起しました。
 沖縄と全国のたたかいの交流では、渡嘉敷島で沖縄戦「集団自決」を体験した吉川嘉勝さんが登壇。「戦争は終わっても、父を失った母子家庭の生活は苦しく、思い出したくもなかった。しかし今回の教科書検定問題は絶対に許せない」と体験を語りました。基地建設に反対して10年以上座り込みを続けている辺野古・東村高江からは「完全に非暴力の座り込みが、基地建設をくい止めている」と不屈のたたかいが報告されたほか、カラフルな横断幕や連隊旗とともに、全国のたたかいが交流されました。
 24日には15の分科会・シンポジウムが開催され、参加者は思い思いの分科会に参加。夕方の全体集会で各分科会の経験が交流されました。安保破棄中央実行委員会の早坂義郎事務局長が「新テロ特措法阻止、米軍基地の再編・強化反対のたたかいを憲法改悪を許さないたたかいと一体となってすすめよう」と呼びかけました。
 最終日の25日は「人間の鎖」行動。名護市にある米海兵隊キャンプ・シュワブを、1300人が手をつなぎ包囲しました。「基地はいらない」「美ら海をまもれ」などの横断幕を基地のフェンスにくくりつけて、手をつないだ「鎖」の両端へとウエーブを起こし「イラクまで届け!」といっせいに環境に優しい色とりどりの風船を飛ばしました。
 また全厚生は1日目に全厚生平和の集いを開催し、全厚生からの参加者と、沖縄在住の沖縄・兵庫社会保険事務所OBとも一緒に交流。2日目には単組を超えて国公参加者で交流を深めました。

分限免職にならぬよう最大限努力
社会保険庁交渉で総務課長が回答
 全厚生は12月19日、社会保険庁交渉を行い、新組織設立に関わっての雇用や労働条件の確保について要求の前進を目指すとともに、異常な職場実態の改善等について社会保険庁の考え方を質しました。交渉には、杉下委員長、山本・杉浦両副委員長、飯塚書記長、峰書記次長、梅田・木立・木瀬各中執が出席しました。社会保険庁からは、今別府総務課長、真柴職員課長以下関係者が出席しました。
 冒頭杉下委員長は、ねんきん特別便の第一便が送付され記録問題に国民の関心が向けられているが、検証委員会の報告でも明らかなように、複合的な要因が長年積み重なって生れた根の深い問題である。職員は全力で取組んでいるが、相談体制をはじめ早期に記録適正化のための体制確立が求められている。政府全体の理解を得て最大の努力をお願いする、とした上で、(1)6月30日現在で358人と公表されている欠員問題の具体的な補充対策、(2)他の省庁と比較して異常な数値となっている健康問題や、長時間残業の解消などに向けた対策、(3)新組織への職員については、民間等からの採用が強調されているが、年金制度は複雑・難解であり職員は自負を持って行政にあたっている。社会保険庁が担ってきた業務自体がなくなるわけではなく、本格的な高齢社会を迎えその役割はますます重要になっている。職員が安心して職務に精励できるよう雇用確保に万全を期していただきたい、と社会保険庁の努力を求めました。

欠員補充は民間からの選考採用も含め努力
 これに対し総務課長は、「機構設立にあたっての採用や労働条件は設立委員会が決定することになっている。社会保険庁としていろいろな努力をし、分限免職にならないように最大限の努力をするというスタンスは変わっていない。そのために必要な期間がとれるようにスケジュールも前倒しとなっている」「記録問題については、当初予算の範囲内で対応してきたが、特別便対策も含めて補正予算をはじめ、必要な予算・体制の確保に努力していく」「健康問題は危機感をもって対応している。欠員も9月末では病気休職者も含め700人となっている状況にあり、民間からの選考採用も含めて努力している」と回答しました。
 杉下委員長はさらに、「雇用問題で最大限の努力の表明はいただいたが、組織廃止時の厳しい状況は変わっていない。国鉄改革の際の清算事業団の設置や他省庁への積極的な受け入れなどの緩和措置も設けられていない中で、希望者の意向がかなうようあらゆる努力を強く求める」と述べ、総務課長は、「残された期間状況をみながら努力する」と考え方を示しました。

管理者は勤務時間・健康管理責任の認識を
 引き続き山本副委員長が、(1)退職や病休に加え、定員削減による採用抑制が欠員に拍車をかけている。補充対策の強化を、(2)超勤手当もまともに支給されない上に代休も取れず、連続勤務者が多数発生している。特別便も恒常的な業務となりどう対応していくのか、また、健康管理は管理者の義務ではないのか、(3)非常勤職員なしには業務が回らないのが実態。国民のバッシングなどが集中する現場の中で努力をしているが、今後の雇用がどうなるのかいまだに示されていない。安心して働ける方向性を、とそれぞれ改善を求めました。
 総務課長は、「欠員対策ではまず合格者名簿から10・11月で約40人採用。あと50名から60名を予定している。しかし、従来を上回るペースで退職者が発生していることから、民間からの採用を現在進めている」「非常勤職員の処遇改善は厳しい財政状況の中、できる限りの努力はしている。雇用問題では再生会議の議論を踏まえて具体的に対応することになる」と回答しました。また、職員課長は、超勤縮減や健康管理に関わって、「人事院から改善の申し入れもあったところであり努力していきたい。恒常的な超過勤務は健康管理、事務能力、家庭との関係などにも影響を与えるものであり、これまでも適正な管理について管理者に指示し、訓令改正など一定の対策なども取組んできたところである。予算の枠の中での対応であり、厳しい状況ではあるが、引き続き努力していきたい。また、精神的健康問題では人事院調査でも中央省庁平均の5倍の病休取得者となっており、大変憂慮している。今までもカウンセリング体制の強化や専門医による直接面談など取組んできたが、一層努力していきたい」と回答しました。

希望者名簿は育児・介護などに配慮を
 これらを踏まえ梅田中央執行委員が、異常な欠員を抱える職場実態をもとに、選考採用にあたっての具体案などを示しながら早期解消を求めました。また、峰書記次長は、記録訂正に伴う再裁定が通常の5・6倍になっていること、更に今後も異常な伸びが予想されることなどから予算確保、環境整備など法令にもとづいた対処を求めました。さらに、木立中央執行委員が希望者名簿の作成にあたり、広域異動が基本となっている中で、育児・介護など様々な状況を抱える女性への配慮を、木瀬中央執行委員が、戸別訪問や窓口など国民との接点の中で大変な努力をしている非常勤職員の処遇改善と、新組織への希望者全員の雇用を訴えました。
 これらに対し総務課長は「しっかり受け止めて対応していきたい」とコメントしました。最後に杉下委員長が「今現場は必至に頑張っている。組織の再生のためにも専門性をどう活用するかが重要だ。社会保険庁として自信を持って対応し、労働条件と雇用についても努力してほしい」と重ねて強調し、交渉を終了しました。

沖縄で感じた命、平和、憲法
自分にできることから行動を
 昨年11月23〜25日、沖縄で開催された日本平和大会(記事は2・3面)に参加した全厚生のみなさんに参加しての感想を寄せていただきました。

歴史を受け継ぐ責任、平和の尊さ
統計支部 支部員

 日本軍の手榴弾によって身内同士で殺し合った集団自決の証言は、何も考えられないほどのショックでした。米軍新滑走路建設が予定される辺野古地区では、美しい海と砂浜に大きく鉄格子が張られ、市民を危険に晒し、生態系までも壊そうとすることがあまりにも哀れでした。
 現在も米軍占領下のように広域を米軍基地に占拠される沖縄、その返還された場所に作られた佐喜眞美術館にある沖縄県外の画家が描いた集団自決の大きな絵、この絵が伝える歴史を、我々世代は確実に受け継がなければならない責任とともに、平和の尊さを強く感じた3日間でした。

祖国復帰運動から受け継がれる熱い思い
秋田県支部 支部員

 9歳で沖縄戦を体験し、那覇市職員として瀬長市政を支え、祖国復帰運動に尽力された宮里政秋さんよりお話を伺いました。戦後全面占領下での人々のたたかいは凄まじく、特に瀬長亀次郎の那覇市政で、米軍の圧力の中、それに対抗する市民のエネルギーには圧倒されました。9月29日の沖縄県民大会には教科書検定意見撤回を求め11万人が参加。戦争を生き抜き、平和を願いたたかってきた人々の熱い思いが脈々と受け継がれていると感じました。
 私の住む秋田には米軍基地はなく、戦闘機の騒音や墜落の危険におびえながら過ごすこともありません。「いつになったら平和になるの?」沖縄戦を経験した地元女性の言葉にはっとさせられた気がします。沖縄で学び、感じたこと、そして人々の熱い想いを、周囲や次の世代に少しでも伝えることができれば……と思います。

平和は何においても原点
大阪支部 支部員

 新米軍基地建設反対の座り込みをしている辺野古は、県民の8割が計画に反対する中、11年間にわたり市民が建設を阻止し続けています。ここから基地ですという有刺鉄線には、「基地はいらない」「自然をこわすな」などいろんなメッセージのリボンがまきつけられていました。のどかで美しい風景で、ここだけ異様でした。
 3日目は、米海兵隊キャンプ・シュワブで「人間の鎖」行動に参加。地元のおじいがマイクで「感激でいっぱいです!ありがとう!」と何度もおっしゃっていたのに感激しました。
 帰ってからママ友達と話しました。平和でこそ、子ども家族と楽しく暮らせる、組合活動もできる。平和は何においても原点ですね。

真実を知り命の尊さ学ぶ
兵庫県支部 支部員

 戦跡巡りで訪れたガマは、生き地獄と言われる沖縄戦を生々しく感じさせるものでした。奥は真っ暗で、ジメジメと湿った足元には、ガラスや陶器のかけらが散乱し、今でも人が生活していた気配を感じさせるものでした。私が入った潮平権現のガマは日本兵の占領を受けず、村民の半分が生き残ったそうです。そう、日本軍の占領を受けたガマでは虐殺や集団自決の強要が行われ、生存率は3分の2。どうして?と疑問を抱かずにはいられないはずです。
"軍隊は、住民を守らなかった"大会で、何度も耳にした言葉です。沖縄戦では15 万人、県民の4人に1人が戦死。生き残った住民の多くは「集団自決」の記憶を恐れ、事実を話さなかったそうです。しかし、話さない事は、隠すことに加担している。戦争では、弱い者から命を奪われる。軍人より一般の日本国民、そして韓国や中国から強制的に連れてこられた人たち。私たちは加害者としての責任もあります。そして現在、イラク戦争など紛争地域に、沖縄から米軍が飛び立っています。
 真実を知れば知るほど人を信じられなくなるが、真実を知り、命の尊さを学ぶことが何より大切だとガイドの方は締めくくられました。沖縄の人たちが一歩踏み出してくれたことで、私たちは真実を知る機会を得ました。真実を知り同じ過ちを繰り返さないこと、大切な命や美しい自然を守っていくことが平和な世界につながると思えた3日間でした。

憲法9条と25条の尊さ実感
本部 

 集団自決・沖縄戦の証言は、強烈に記憶に残りました。
 砲弾が嵐のように降り注ぐ「鉄の暴風」の中、友人や家族ともバラバラになり、日本軍からも見放され逃げまどった生々しい体験が語られました。「死は鴻毛より軽い」と教えられた時代、1人1人の生死が自己責任に委ねられた当時を想像させられました。
 福祉が国民の権利でなかった時代から、戦後、憲法第25条に生存権を明記することで、全ての人が人間らしく生きることを国民の権利・国家の義務としたことの尊さを実感。誰もが平和で人間らしく生きられる社会にするために、憲法第9条を守るとともに、1人1人が大切にされる社会保障を守り発展させることも重要なのだと考えさせられました。

事実を知り、聞き、考える機会大切
秋田県支部 支部員

 戦後労働組合の結成に奔走し、現在は作家として沖縄戦の真実を伝えている方のお話を聞きました。戦後、沖縄出身者は差別を受けたという内容が特に印象的でした。過酷な勤務条件で働いても賃金は安く、使用するトイレも分かれていて、間違って使っただけでトイレに閉じこめられたとも。戦後もなお続く差別や偏見の根の深さに考えさせられました。事実を知るだけでなく、色々な人の話を聞いて、考える機会が大切なのだと思います。

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