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◆第1689号(2007年12月15日付)◆


分限免職の発動は許されない
社保職員の雇用問題等で人事課長交渉
 全厚生は12月4日、社会保険庁改革に伴う新組織設立に向けた雇用問題や、年金記録の適正化問題などを中心とする秋期年末闘争の重点課題(9項目)について、大臣官房人事課長交渉を行いました。交渉には、杉下委員長、杉浦・田口両副委員長、飯塚書記長、峰書記次長、小出・三角両中央執行委員が、当局からは、渡延人事課長、唐澤参事官以下関係者が出席しました。
 冒頭、杉下委員長は、(1)7月10日の官房長交渉で、社会保険庁改革に伴う新組織への採用問題では、日本年金機構に採用されない職員については、任命権者である社会保険庁長官が、分限免職を回避する最大限の努力を行ったうえで、社保庁廃止時に国家公務員法にもとづいて分限免職もあり得る旨回答しているが、社保庁が担ってきた業務自体がなくなるわけではなく、高齢化社会を迎えますますその役割は重要になっている。分限免職条項の適用、発動は絶対行うべきではない。(2)定員問題では、業務実態が全く考慮されていないことから、行政の責任と役割の発揮が困難。その上、労働条件に重大な影響を与え、健康破壊が深刻になっている。行政需要にみあった人員増が必要、(3)独立行政法人の目的を無視した議論が政府を中心に行われているが、国立健康・栄養研究所及び医薬基盤研究所の整理合理化は行わないこと、などについて要求しました。

国立栄養研は大臣判断で統合の方向(人事課長)
 これらに対し渡延人事課長は、(1)年金記録問題については国民の不安の解消を図るために、厳しい行財政状況下ではあるが、合理化努力を行ったうえで、必要な予算及び人員の確保について最大限努力しているところである、(2)機構の職員の採用については、自動的に引き継ぐのではなく機構の設立委員が厳正な審査のうえで決定することになる。採用されない職員については、分限回避の努力を行ったうえで、国家公務員法にもとづき廃止時に分限免職になるものと認識している、と回答しました。
 さらに、(3)定員については国民生活の安全・安定を確保するための施策を進めていくために、真に必要な増員の確保について最大限の努力をしていく、(4)勤務時間については、現在、人事院において所定勤務時間の短縮についての検討が進められているものと承知している、(5)恒常的な残業実態の改善については、特に本省においては、国会、予算といった他律的側面があり、難しい面もあるが、管理者の意識を高め、職員が帰りやすい職場を作っていくことが重要と認識している、(6)メンタルヘルスについては、相談医、電話相談、カウンセリング事業などを実施しているが、今後とも健康・安全対策の充実を図っていく、(7)人事評価制度については、必要な情報提供を行うとともに、公平性・客観性・透明性・納得性を担保し、職員育成にも配慮する仕組みを確立する観点から、必要に応じ制度官庁に申入れなど行っていきたい。
 続けて、(8)国立健康・栄養研究所について閣僚折衝が行われ、舛添大臣の判断として他機関との統合が示された。具体的な統合先などは今後省内の各意見等を踏まえ、機能を十分考慮し一定の調整を図りたい、(9)行政職(二)及び医療職(二)などの職種の上位級の適用については、人事院に対して毎年行っている給与改善要望において、改善を要望しているところである、(10)非常勤職員の休暇制度等の処遇改善についても官房長から人事院に要望したところである、などと一括して回答しました。

異常な労働条件の改善を
 これに対し杉下委員長は、「雇用問題については地方厚生局や他部局への採用枠の拡大、また、他省庁への可能性など今後も十分話し合っていく必要がある」と引き続く努力を申入れました。
 引き続き個別課題について、峰書記次長が、年金記録問題を契機に激増する資格照会・年金相談等の中で、記録の補正・早期整備が厚生労働省の大きな課題となっている。氏名のない記録の確認・補正処理が新たに発生し、夜間、休日も含め全職員一丸となって対応しているが、精神的にも肉体的にも限界を超え、体調不良、特にメンタル系の疾患が急増し、退職者の急増にもつながっている、など異常な職場実態にふれ改善を求めました。また、飯塚書記長は、 新組織への職員採用に当たって、育児など様々な条件を抱えている女性職員の広域人事への配慮等について厚生労働省としての努力を要請しました。
 人事課長は、(1)記録問題等でのこの間の努力は認識している。欠員補充については選考採用なども具体化していく予定である、(2)広域人事が原則となっているが、育児休業、介護などについては個々の状況などを見ながら対応していくことになるのでは、などの考え方を示しました。

リレーずいそう
●懐かしのメニュー
 今年の夏は、あれほど暑かったのに、最近の冷え込みを考えると、何とも不思議な気がします。
 こう冷えてくると、よく鍋物がいいなどという声を聞きますが、私の場合は、ちょっと変わっていて、醤油風味の焼きうどんを思い浮かべます。
 単なる焼きうどんであれば、家でつくればいいわけですが、私としては、あるお店で何度も食べていた焼きうどんが、忘れられません。
 そのお店は、東京の四谷にあり、私が実習に通った視覚障害者のワークショップのそばにありました。店としては、喫茶&パブといったところで、ビルの谷間にある駐車場入口の横に、ちょこんとあるといった感じの店でした。もちろん、実習期間中は、指導員と一緒に行っていましたが、復職後は、機会があれば時折立ち寄っていた店です。そこの焼きうどんはというと、鉄のステーキプレートの上で焼き、うどんの上の玉子が半熟状態となったところで、テーブルに運んできて、そこで醤油を少しだけかけるのです。その醤油をかけたときのジューという音と立ち上る香りが、たまりません。これが私の、お気に入りなのです。
 ただ、そのお店は、いまはもうありません。それは、店の隣にあった駐車場のところに、マンションが建つためでした。店のあったところは借地だったため、立ち退かざるを得なかったわけです。
 その店のマスターとママさんは、とても親切な人たちで、私たちが行くと、メニューを読んでくれるのもさることながら、新メニューを教えてくれたり、やけど防止のため、ステーキプレートの取っ手部分に、ティッシュを巻いてくれたりしていました。
 これは風の便りで聞いたことですが、ママさんたちは、別の場所で店を開業せず、別の仕事をしているとのことでした。
 店が閉店してから、まだ1年半ほどしか経っていませんが、私にとって焼きうどんというのは、美味しさ以上に、そんなママさんたちとの思い出を繋ぐもの。そんな思い出を内に秘めた、懐かしのメニューになっています。
(精研支部 組合員)

News
原爆症認定行政の改善を
12.4厚労省前で折り鶴行動

 12月4日、日本被団協、集団訴訟支援ネットワーク、集団訴訟全国弁護団連絡会が主催して、原爆症認定行政の抜本的な改革を求める行動を実施。厚労省は原爆症認定を求める集団訴訟で相次いで敗訴し、認定基準見直しを迫られています。厚労省内に設置された検討会の答申を前に、被爆者らは「被爆の実態を直視した抜本的改善を」と終日行動。昼には全国から被爆者・支援者約500人が厚生労働省前に結集。被爆者が切実な実態を訴え、15万羽の折り鶴を手に「国は原爆行政をあらためろ」と厚生労働省を取り囲みました。国会で院内集会開催後、夜には都内で「集団訴訟に勝利し核のない世界を求める夕べ」が開かれました。

社会保険病院の存続を
12.14厚労省前白衣の座り込み

 12月14日健康保険病院労組は、社会保険病院・介護老人保健施設・診療所・健康管理センター、厚生年金病院を公的な施設として存続することを求め、厚生労働省前白衣の座り込み・宣伝行動を実施。(写真上)全厚生も参加。行動には、「政府・厚生労働省は6年間も地域住民を不安にし続けている」と地域住民・患者の方たちも参加しました。

集まる、食べる、しゃべる、一人にしない
女性部第12回総会で思いひとつに
 全厚生女性部は12月2日、都内で、第12回総会を開催。15人の代議員はじめ、傍聴、来賓、役員など30人が参加し、07年度運動方針案を全会一致で採択したほか、新役員を選出しました。
 総会の冒頭、金子部長が挨拶。社会保険職場の現状を紹介しつつ、「組合員を守っていける労働組合運動をがんばりましょう」と挨拶。国公労連女性協からは、橋本事務局長が「社会保険職場の問題は、公務員すべてにかけられている攻撃、雇用と労働条件守って、ともにがんばりたい。女性協として、全厚生の仲間を励ます取り組みをしたい」と激励しました。
 全厚生本部からは、飯塚書記長が挨拶を兼ねて、社会保険庁の解体・民営化をめぐる情勢や問題点について60分に渡って話をしました。飯塚書記長は「全国健康保険協会の採用基準と労働条件が示されたが、広域異動を前提とし、育児休業・介護休暇など公務で勝ち取ってきた労働条件が労働基準法や民間育児休業法の最低基準まで引き下げられるなど、女性が働き続きづらい条件になっている。今後、雇用確保に向けて当局へ使用者責任を追及するとともに、新組織での労働条件確保へ全厚生の役割は増している」と強調しました。

社保職員の雇用と労働条件守って頑張る
 06年度の総括と07年度の運動方針案を提案した木立事務局長は、(1)平和に対する取り組み(2)全厚生、国公労連での取り組み、他団体との協力・共同(3)女性独自課題(4)女性部活動(5)学習に対する取り組みの5項目を柱に、社会保険職員の雇用と労働条件守るたたかい、仕事と子育ての両立支援対策、制度改善、母性保護などの取り組みを提案しました。「職場は年々厳しく、女性の活動をつづけるには、困難な状況にあるが、 女性の特技でもある『集まる、食べる、しゃべる、学ぶ、知らせる、行動する』で、元気を出して、組合員が一人で悩みを抱えないように、ひとりぼっちにしないように、女性らしい活動をしていきましょう」と呼びかけました。
 討論では、参加代議員全員が発言。本省庁からは、昼休みのヨガやフラワーアレンジメント教室、ランチ交流会など女性部活動や日本平和大会in沖縄の参加報告のほか、子育て真っ最中の女性が一度子どもたちに夕飯を食べさせに帰宅した後、再出勤して深夜2時頃まで残業を行っている職場実態などが報告されました。独立行政法人の整理合理化計画反対の課題では、研究所の果たす役割を国民にアピールしていく必要性が強調されました。福祉の職場では、視力センターにおける女性の宿直問題や国立リハ支部で女性の組合加入が続いたことなどの報告。社会保険支部からは、年金記録問題などで職場の混乱した状況がリアルに語られました。夜遅くまで残業し、休日出勤の代休も取れず、人事評価制度が雇用不安に拍車を掛け、精魂尽き果てたなかでも、「泣きごと言ってもしかたない」と、「年金問題のスペシャリストとして、誇りをもって働きつづけたい」など、前向きな発言がありました。最後に「総会宣言」を採択して閉会しました。
 新役員は次のとおり。
 ▽部長 小出千鶴子(国立リハ)▽副部長 金子菊枝(神奈川県)、川田和美(統計)、建部絵美(国衛研)▽事務局長 木立圭子(業務センター)▽幹事 清水美穂(業務セ)、鈴木真弓(神奈川県)、橋爪順子(本省)、山下和予(感染研)▽会計監事 黒沢智子、望月千津子(以上本省)

本省
残業問題解決へ全力
第48回支部定期大会を開く
 11月27日、本省支部は第48回定期大会を開催しましました。
 冒頭、神山支部長のあいさつでは、社会保険庁改革問題に触れ、国の責任を放棄した強行採決、日本年金機構に移行するにあたっての分限免職は許されないことであり、本庁を組織する支部としても、運動を強めていく決意が語られました。
 菊池書記長からは、今年の残業アンケートでは、机上配布や省内に協力を呼びかけるポスターを作成し、各フロアーに張り出すなど力を入れて取り組んだ経験が報告がされました。アンケートの結果は、1ヶ月の平均残業時間が79・3時間と霞が関でワースト2となり、このような長時間過密労働の実態の中で、心の病が急増していることも明らかとなりました。引き続き本省支部では、残業問題を重要課題として位置づけ、また、非常勤職員の処遇改善や再雇用、平和問題についても取組みを強めていく方針が確認されました。
 新役員は次のとおりです。
 支部長  神山 正
 副支部長 田口雅之
 書記長  菊池竹人
 書記次長 渡名喜まゆ子
(本省支部 組合員)

愛知県
全厚生の存在発揮を
第41回支部定期大会で確認
 12月1日、名古屋市にある労働会館において、愛知県支部第41回定期大会を開催しました。例年ならば平日1日かけて開催するところを、なかなか平日に休めない職場実態から事務所が開庁をしていない土曜日に開催しました。大会当日は午前中に本部の杉下委員長を講師に情勢学習会を実施し、午後から定期大会を開催しました。
 大会冒頭、執行委員会を代表して深沢支部執行委員長があいさつ。その後、愛知国公・京都支部より来賓の挨拶をいただきその後、宮田書記長が議案提案をおこないました。
 議案討論では非常勤の組織化の話や、職場実態、社会保険庁改革にともなうさまざまな不安、組合の存在意義など、率直な意見が出されました。
 すべての議案は賛成多数で可決、最後に深沢支部執行委員長の団結ガンバロウで閉会しました。
 新役員は次のとおりです。
 支部長  深沢英二
 副支部長 寺井唯哲
 同    鈴木定雄
 同    塚本智行
 書記長  宮田健一
 書記次長 後藤秀利
 同    國枝孝幸
(愛知県支部  組合員)

統計
組合員の声集め活動
3年ぶり支部総会で確認
 統計情報支部では、11月29日に支部総会を開催しました。三角副支部長の司会により総会が進行され、冒頭、本部杉浦副委員長、本省支部神山支部長から連帯の挨拶を頂き、その後、梅沢書記長から議案の提案が行われ、満場一致で可決されました。
 統計情報支部では、前回、平成15年に支部総会を開催して以来、3年ぶりの支部総会となってしまいましたが、公務員バッシングの流れに流されず、公務の正当性を訴え、国民本位の公共サービスを維持するための運動を推進し、また、度重なる賃金抑制やますます過酷となる超過勤務など、心身ともに疲弊しきっている状態の中で、健康で安心して生活できる環境を追求していくため、組合員の声を集め、諸要求実現のために団結して頑張っていくことが確認されました。
 支部総会終了後、懇親会が開かれ、改めて組合員同士の親睦が深まったところです。
 新役員は次のとおり。
 支部長  菅沼伸至
 副支部長 三角美智子
 書記長  梅澤明子
(統計支部  組合員)

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