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◆第1672号(2007年4月1日付)◆


公的年金事業の「分割・民営化」反対法案提出で全厚生中央執行委員会が見解を発表
「日本年金機構法案」「国民年金法等の一部改正案」の廃案へ全力を
 政府は3月13日、「日本年金機構法案」および「国民年金法等の一部改正案」を閣議決定し、国会に提出しました。
 全厚生は、これらの法案の国会提出にあたって、「公的年金事業の『分割・民営化』に反対する」との中央執行委員会の見解を発表しました。
 見解では、「日本年金機構法案」について、公的年金の運営を新たに設置する「日本年金機構」(非公務員型の公法人)に委任し、実務の多くを民間委託するという年金業務の分割・民営化法案であり、新組織への移行にあたって、社会保険庁職員の引継規定が措置されていないばかりか、選別採用の枠組みが設けられていることは、重大な問題であると、批判しています。
 「国民年金法等の一部改正案」については、国民年金保険料未納者に、国民健康保険の「短期被保険者証」を発行して権利を制限する制裁措置が設けられていることに対し、言語同断であると表明しています。
 これらの法案に対して全厚生は、老後の命綱である公的年金の充実と、全額国庫負担による最低保障年金制度の実現にむけて、労働者・国民の権利擁護を求める広範な人々と力を合わせ、廃案をめざし全力でたたかうことを決意表明しています。
 見解の全文は別掲のとおりです。

公的年金事業の「分割・民営化」に反対する
〜「日本年金機構法案」などの国会提出にあたって(見解)〜

1.政府は3月13日、「日本年金機構法案」および「国民年金法等の一部改正案」を閣議決定し、国会に提出した。法案は、公的年金の運営を新たに設置する「日本年金機構」(非公務員型の公法人)に委任し、実務の多くを民間委託するという年金業務の分割・民営化法案である。また、新組織への移行にあたって、社会保険庁職員の引継規定が措置されていないばかりか、選別採用の枠組みが設けられていることは、重大な問題である。

2.老後の命綱でもある公的年金の業務運営を営利企業に委ねることは、社会保障制度に対する国の責任放棄であり、安心・安全の崩壊である。民間企業による不祥事は連日のように報道されている。民間委託が不祥事根絶の方策になり得ないことは明白である。加入者や受給者の貴重な年金個人情報や加入事業所のデータなどが、企業の営利目的に流用される危険性は否定できない。

3.公的年金は、50年から60年に及ぶきわめて長い間の記録・保険料の管理が求められるものであり、安定的、効率的な運営のためにも適用・徴収・給付・相談等の一体的運営が必要である。この間の度重なる制度「改革」の中で、複雑な経過措置が設けられ、正確な理解と運営のためにも、専門性と継続性が強く求められる。入札によって業者が入れ替わることも予想され、倒産もありうる営利企業による公的年金事業の運営は、ふさわしくないものと考える。

4.職員の雇用不安は深刻である。社会保険庁職員からの採用については第三者機関で検討するとしているが、雇用・労働条件に責任を負わない者が関与すること自体異常といわざるを得ない。この間、分限免職の発動まで議論されているが、断じて容認できない。社会保険庁職員は、不祥事について既に処分という制裁を受けている。信頼回復にむけて一丸となって努力している職員に対し、使用者である政府は、雇用に責任を負うのは当然である。

5.「国民年金法等の一部改正案」では、国民年金保険料未納者に、国民健康保険の「短期被保険者証」を発行して権利を制限する制裁措置が設けられている。国民年金法と国民健康保険法は、経過や目的も異なり全く別の制度として設置されている。保険料未納の制裁を他の制度に課すことなど言語道断である。
 また、本来国が負担すべき事務費を、恒久的に年金保険料を充当する措置も含まれている。不祥事の原因の一つに事務費への保険料充当問題があったことは明らかであり、保険料は年金給付のみに使用することを強く要求する。

6.構造改革路線により、国民生活の「格差」と「貧困」が拡大し、社会保障制度を直撃している。国民年金の加入対象者の4割が未納・未加入・免除、厚生年金の対象事業所の3割が未加入と、公的年金制度の空洞化は悪化の一途をたどっている。公的年金を論ずるなら、組織改編ではなく制度の改善こそ急ぐべきである。
 全厚生は、老後の命綱である公的年金の充実と、全額国庫負担による最低保障年金制度の実現にむけて、労働者・国民の権利擁護を求める広範な人々と力を合わせ、廃案をめざし全力でたたかうものである。

2007年3月16日
 全厚生労働組合中央執行委員会

働くルール確立を
07年春闘で政府・人事院が回答
 3月22日、政府・人事院は国公労連の07年統一要求に対し、春闘期における最終回答を行いました。回答は、「人事院勧告制度の尊重」(政府・総務省)、「官民較差に基づく適正な公務員給与の水準確保」(人事院)などと従来の枠内にとどまったものとなりました。
 国公労連は、総人件費削減の具体化反対、11、000円(2・9%)のベア要求をはじめ、官民給与比較における企業規模100人への「回復」、初任給の抜本改善、休息時間の廃止・拘束時間の延長にも対応した所定労働時間の短縮、法制度の隙間をついた非常勤職員の任用や処遇の改善・均等待遇などを重点に政府・人事院を追及してきました。
 しかし人事院は、ベア要求に正面から応えないばかりか、比較企業規模の変更は考えていないとして昨年の「見直し」を正当化、当面1日7時間45分への短縮にも明確な姿勢を示さず「民間準拠」にもとづく検討という回答にとどまりました。
 一方、非常勤職員の処遇改善に向けた検討、長時間過密労働の規制や厳正な勤務時間管理、メンタルヘルス対策の強化などについては一定前進的な回答をせざるを得ませんでした。これは、定員削減の強行と増大・困難化する業務のもとで、必死に公共サービスを支えている公務労働者の実態にもとづく主張の反映であることに確信を持ち、勧告期に向けて具体的な要求実現のために、運動と追及を強めることが求められています。

リレーずいそう
●卒業めざして
 私の住むところでは、鶯が上手に鳴く練習を始め、桜が少しずつ開きかけています 。
 春は卒業の季節、一つの節目を終えて、新しいスタートに、心弾ませている人、 期待と不安が交錯している人、様々におられると思います。私にとっての卒業は、この春もう少し先にお預けとなりました。現在学んでいる大学の卒業認定単位が、あと少し足りなかったからです。
 私が大学に入学したのは、98年の秋でした。きっかけは、自分の周囲とは違う世界を知り、広い分野からの知識を得なさいという、当時大学院で学んでおられた先輩の言葉でした。中学の時失明し、理療科教員という道へ進んだ私は、普通の大学にはいっていませんでしたので、先輩の言葉に刺激を受けたのです。以来、夜の勉強で睡魔とたたかい、外国語の面接授業でおたおたし、期末試験で一喜一憂しながら今に至っています。
 そして、卒業まであと9単位となりました。私がここまでこれたのは、平日期末試験を受けるために、時間割を変わってくださった職場の方々、家族やボランティアの方々の支えがあったからこそです。山登りでいえば9合目の苦しいところですが、私を応援してくださる方々の気持ちを無にしないよう、必ず卒業したいと思います。
(福岡支部 組合員)

女性職員の宿直試行は検討と協議を
「宿日直体制の見直し・再提案」で申し入れ
 全厚生は3月26日、「宿日直体制の見直し・再提案」に対する申し入れを社会・援護局障害保健福祉部長宛に行いました。宿日直体制の見直しは、昨年12月に提案され、各施設で議論が行われてきました。施設管理室は、意見集約の上で3月16日に再提案を行いました。リハセンターでは、4月から女性職員の宿直体制の試行を含む実施に入る提案です。施設運営と労働条件の根幹にかかわる内容であり、試行・実施後も充分な検討・改善の努力が必要になっています。全厚生は、1月24日にも、実施・結論ありきではなく、変更方向について、充分な検討・協議を行うこと等を申し入れてきました。その上で、国立福祉施設がその役割を発揮し、国民・利用者の期待に応えることができるよう基本的事項で申し入れを実施したものです。申し入れは、鈴木・杉浦両副委員長が行い、施設管理室の角田補佐が対応しました。
 申し入れ項目は次の4点です。
 (1)「宿日直体制の見直しについて(再提案)」は、環境整備等を整え、解決して実施するとしています。試行・実施に至るまで、各機関毎に協議を続け、体制及び環境整備にかかわる検討を充分に行い、改善の努力を行うこと。(2)各機関毎の対応方向について、すべての職員の合意と納得、利用者に対する理解を前提にすすめること。(3)リハセンターで行う女性職員の宿直での試行期間について、その結果を検討するために、当該支部との協議を充分に行うこと。(4)全厚生はこの間、「現行の宿日直制度を廃止し、これに代わり利用者の生命・財産の保全、快適な生活を保障するために、宿舎専任職員を配置し、新たな宿舎体制を確立すること」を要求してきました。今回の宿日直体制の見直しに当たっても、この基本要求の実現にむけて、引き続き努力すること。

大分県
雇用と生活守ろう
社保庁改革めぐる学習会開く
 大分県支部は3月3日、年金事業の分割・民営化を許さず、雇用と生活を守る観点から、「社保庁改革をめぐる情勢と問題点」について、飯塚書記長を講師に全員学習会を開催し、取組みの意思統一を図りました。
 年度末の業務が集中する中で、休日出勤を余儀なくされていること、予算の締め付けによる携帯の廃止、人事評価と新組織問題、依然として年金への苦情が多いこと、病休も多くなっていることなど様々な職場実態が報告されました。そうした中での「分割・民営化」案はさらに国民の不信・不安に拍車をかけるものであり、広く世論に訴えていくことの必要性が強調されました。早速6日の県労連討論集会では、代表が発言し理解と支援を求めました。また、8日には県労連に結集する10団体に要請行動も取組みました。
 なお、3日の学習会には、福岡県国公・恵藤事務局長と大分県国公・大島事務局長も参加され、エールをいただきました。
(書記長)

新入職員のみなさま 就職おめでとうございます!!
全厚生に入って、一緒に青年交流集会に行きませんか♪
2007国公青年交流集会inつま恋
6月15日(金)〜17日(日)

 
 内 容 オープニングライブ
       単組交流学習会、大運動会など
 対 象 国公職場で働く青年なら誰でも!
 場 所 静岡県掛川市 つま恋リゾート
         http://www.tsumagoi.net/
 規 模 500人

 国公青年協主催「2007国公青年交流集会」が、6月に静岡県内で開催されます。
 全国の様々な国公職場から500人規模で青年が集まり、ライブや大運動会、平和学習など、楽しい遊びや交流・学びを通して仲間同士の連帯を深めよう!という企画です。詳細は決まり次第お知らせします。多くの青年の皆さんのご参加をお待ちしてます!

主 催   国公労連青年協議会

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