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◆第1664号(2006年12月1日付)◆


国立施設の役割果たす施策を
施設管理室と重点要求で交渉
 全厚生は11月20日、施設管理室と社会福祉支部の重点要求にもとづき、交渉を実施。交渉には、全厚生から杉下委員長、鈴木・杉浦各副委員長、飯塚書記長、福士書記次長、泉・小出各中執及び、函館・塩原・国立リハ・神戸・福岡・秩父学園の各支部代表計17人が出席。施設管理室からは、難波室長、角田補佐らが対応しました。
 交渉の冒頭、杉下委員長は、国立施設のあり方と障害者自立支援法に伴う諸課題について総括的に問題提起を行い、さらに宿日直制度の改善を強く求め、当局の誠意ある対応を求めました。交渉では、杉下委員長の冒頭発言を踏まえ、難波室長が総括的に回答。その後、鈴木副委員長の進行で、すべての要求課題で、支部代表の発言を交えて、やりとりしました。

国立施設のあり方検討に職員の意見を
 「国立施設のあり方」の検討では、労働組合に早期に情報提供を行うとともに、職員の意見等を積極的に取り入れることを要求。これに対し、「各センターの所長をメンバーに『あり方検討委員会』を6月に立ち上げ、10月末に3回目を開催した。各センターで利用者が減少している。この現状・課題を整理し、方策を検討する。まとまり次第、報告したい」と回答。その上で検討結果の具現化にあたっては、職員全員での検討の必要性を述べるとともに有識者会議などで検討する考えを示しました。

自立支援法を真に自立できる制度に
 「障害者自立支援法」の課題では、(1)「障害者自立支援法」に伴う施設体系の見直し等の諸課題について、労働組合と十分協議すること(2)憲法25条に基づいた、真に障害者が自立できる制度にするよう改めることを要求。これに対し、「障害者自立支援法の10月施行に伴い、都道府県の指定を受けて事業を実施している。国立も民間も同じ基準でやる。新制度の定着を図り、きっちりした運営を進めるために努力したい」と回答しました。

宿日直を廃止し新たな宿舎体制確立を
 宿日直制度については、現行制度を廃止し、これに代わり利用者の生命・財産の保全、快適な生活を保障するために、宿舎専任職員を配置し、新たな宿舎体制を確立することを要求。これに対し、「障害者自立支援法の施行に伴う指定基準がある。介護が必要な方々に対する勤務体制は、夜勤体制がベースになっている。しかし、夜間の介護が必要でない場合は、宿日直の体制でよいという基準区分であり、これまでと同様にやっていく。ただし、宿日直体制の見直しを検討中である。その検討方向は、改めて示したい」と回答しました。
 また、来年度の厚生労働省の概算要求(組織要求、増員要求)は、厳しい財政状況や効率化が求められていると説明。国立の存在を示し、予算が削減されないよう努力しているが、厳しい折衝になっていることや、定員削減は、4年間で58人の削減が決まっていることを説明しました。
 今回は、障害者自立支援法の本格施行の下で、現場の実態を指摘し、改善方向や今後の課題を明らかにする出発点の交渉でした。特に国立施設の役割では、施設管理室は、民間に先駆けたモデル事業や、民間の事業者に対する指導などをあげましたが、その意義や役割を改めて問うことが重要です。また、宿日直体制の見直しでは、各センター(国立リハ・光明寮・保養所・秩父学園)ごとに行い、対象職種の問題や女性職員の宿日直体制の検討などを示唆。職場からの討議が必要です。
 今後、厚社連(全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)の情報交換や交流を一層すすめ、政策活動を強めていくことが大切になっています。

リレーずいそう
●父のこだわり
 父は岡山県倉敷市の出身で、若い頃から郷里に婚約者が居たらしい。東京での学生生活を満喫した後、親の期待を裏切って静岡で途中下車して高校の教師になってしまった。そのうえ、土地の女性と結婚して親の顔を潰した。親は大変に怒ったそうである。
 多趣味の人であった。登山歴は長く、子の出生の時はいつも山に入っていて不在だったと、後年祖母が嘆いていた。因みに私は6人兄弟である。山の写真が残っているが、父の持ち物は水筒とカメラのみである。重い荷物は強力が担ったそうだ。それを聞いて私は以前より父を尊敬しなくなった。 夏は白い麻のスーツを着、白いエナメルの靴を履いた。春、私が厚いセーターを着ていると黙ってブラウスを買ってくれたのには驚いた。
 生涯自分の家を持たず、次々新築の家を好み、家族が増えれば広い家に移り住んだ。 しかし、子供達には家を持たせ、庭には必ず松を植えさせた。先日、十数年ぶりで父のふるさとを訪ねた。伯父たちも既に鬼籍に入っていて従兄が家を継いでいる。従兄の話によれば、昔は家の周囲にぐるりと松が植えられていたそうだ。父が松にこだわる理由がここにあった。最晩年、しきりに家に帰りたいと言って長兄を困らせた。父にとって自分の家とは松に囲まれた生家以外にはなかったのである。
(静岡県支部 組合員)

News
教育基本法改悪案は廃案に
衆議院での与党採決強行に抗議

 自民、公明の与党は、11月16日の衆議院本会議において教育基本法改悪法案の「採決」を強行。今国会での成立を狙っています。教育基本法改悪を許さない各界連絡会や国民大運動実行委員会など5団体は翌17日、東京・日比谷野外大音楽堂で教育基本法改悪阻止11・17中央大集会を開催(写真上)。5000人が参加し、「強行採決糾弾!」「改悪法案を必ず廃案に!」と国会請願デモを行いました。また、11月29日には再び日比谷野外大音楽堂で、「教育基本法改悪の強行を許すな11・29中央集会」が開催され、2500人が結集。全厚生も参加しました。

行政サービスの商品化反対
国公労連秋年闘争第3次中央行動

 11月29日、国公労連秋年闘争第3次中央行動が実施され、全厚生も参加しました。行動は、昼休みの「退職手当・退職年金削減反対!」総務省前要求行動に始まり、「国民本位の予算実現、行政サービスの商品化反対!」財務省前要求行動(写真上)、「憲法9条守れ、教育基本法改悪阻止!」国会請願デモ、最後に「06秋年闘争勝利!行政サービス商品化反対!総決起集会」が行われました。集会では、全厚生から飯塚書記長が決意表明。社会保険庁の分割・民営化は、すべての公務破壊につながる、と支援を訴えました。

みんなで励まし合って働き続けよう
女性部第11回総会で思いをひとつに
 全厚生女性部は11月18日、第11回総会を東京都内で開催。代議員20人と傍聴や役員、来賓など全体で30人が参加。06年度運動方針案と予算案を全会一致で採択し、新役員を選出しました。総会では、杉下委員長、国公労連女性協の阿部議長、青年対策部の尾崎青対部長が挨拶しました。
 方針の提案は木立事務局長が、社会保険庁改革に対する取り組みをはじめ、昇任・昇格、男女共同参画、メンタルヘルス対策、仕事と子育て両立支援策の改善などについて提案しました。
 討論では10人が発言。勤務時間問題では、「長時間残業の上に、休息時間廃止・勤務時間延長で、昼食も満足に取れず疲労が蓄積。所定内労働時間の短縮と実効ある超勤規制を」との切実な声が。短時間勤務制については、「取得したい該当者も多く、実効ある制度に」、「周りの人にどう影響が出るか不安」など。
 職場実態については、「定員・予算削減で女性も休日出勤・長時間残業に巻き込まれ、健康が脅かされている」、「成績主義強化で働き続けられるか不安」、「障害者自立支援法実施で利用者も職員も混乱」、「賃金職員の賃金が安すぎる」、「社会保険庁攻撃で働く誇りを奪われ、過密労働と雇用不安でメンタルを病む人が急増」などの実態が。
 そういう中でも、「働き続けようと仲間と励まし合って定年まできた」、「女性部で新入組合員歓迎会を開いた」などが紹介され、「励まされた。参考にして、女性部ならではの活動をすすめたい」との発言もありました。
 討論のまとめで金子部長は、「職場の現実はたいへん厳しいが、自公政権の狙いは、国民の批判や不満を庁改革にすり替えてかわし、構造改革を進めることにある。社保庁への攻撃は社会保障への攻撃に他ならない。国が責任持ち運営する年金制度と、雇用保障を求める署名に取り組み、運動を広げよう。諸先輩が勝ち取ってきた権利を守り、4部門協力して、バトンを若い世代に繋げていこう」と呼びかけました。

青対部
青年交流集会で元気に
第6回実行委員会で確認
 青年交流集会実行委員会は、11月18日に都内で第6回実行委員会を開催し、5支部と本部から8人が参加して青年交流集会の総括を行いました。
 どの職場も長時間過密労働で厳しい状況にある中でも、多くの青年を集めて交流集会を成功させることができたことを皆で確認し合いました。一方で、全支部からの参加には至らなかったこともふまえて、今後、支部の青年が元気になっていくには?など議論しました。「支部全体で大々的に青年に声をかける取り組みまではいかなかった」、「ここ数年で青年部が消滅。声をかけたくても青年組合員がいない!」、「青年は多いけど、皆忙しくて声をかけづらい」、「全厚生青年対策部と支部とのパイプをもっと太くしていくことが必要」など、率直に交流しました。
 最後に、交流集会のディスカッションでの結論をふまえて、それぞれが「今後、自分にできること」を発表。「もっと仲間を増やして、社会保険庁改革学習会を開きたい」、「活動に参加できない組合員の相談相手になり、当局交渉に反映させたい」、「平和の話で対話していく。『組織は縛られる』というイメージを変えていきたい!」など、思いを交流し、各支部で実践していくことを確認して、会議を終了しました。

構造改革路線を検証
国公労連第3回行研集会開く
 国公労連は11月17日、「構造改革路線の検証〜グローバル化と行財政・司法のあり方」をテーマに、第3回行政研究集会を東京都内で開催しました。これは、国民生活の「格差」や「貧困」が拡大し、まともに働いても普通の生活さえできない「ワーキングプア」が社会的問題となるなど、異様な実態の根底には、2001年4月に発足した小泉内閣の「構造改革」路線があることを改めて検証し、とりわけ、アメリカをはじめとする規制緩和・民間開放を狙う「新自由主義」とのかかわりを公務の職場から明らかにするために開催したもの。内外から300人が参加しました。
 午前中は各単組よる調査報告。午後は、都留文化大学の後藤道夫教授による「格差・貧困の拡大と政府の役割」との記念講演。自治労連、首都圏青年ユニオン、農民連、交通運輸労働組合共闘会議、保険医団体連合会、郵産労、全労連「もうひとつの日本」闘争本部によるパネルディスカッションが行われました。
 全厚生からは、飯塚書記長が「グローバル化と社会基盤(年金)」について、多くの企業で導入されつつある「確定拠出年金」や多額の年金積立金の市場運用などの狙いが、アメリカや財界の要望によるものであり、企業の責任放棄、保険・証券会社等のビジネスチャンスの拡大でもあることなどについて報告と問題提起を行いました。

新年号「組合員のひろば」の原稿募集中
 全厚生新年号「組合員のひろば」に音楽大好き!全厚生カプリチオーソな人々を掲載します。音を奏でるのが大好きな人、音楽をこよなく愛する人を大募集。カプリチオーソとは、音楽用語で、「気まぐれに気ままに」という意味。気まぐれに気ままに音楽を楽しんでいる人の記事を募集します。
<内容> ピアノ、バイオリン、ギター、サックス、尺八、太鼓etc.楽器ならなんでもOK。演奏会を開いたり、オーケストラやバンドに参加したり、CD出しちゃったりのスゴイ人から、「○十の手習い」で始めたばかりの人まで、演奏だけでなく関連グッズの収集家となってしまった人も、どんな方でも。また、歌も、オペラ、ジャズ、ロック、演歌etc.とジャンルは問いません。舞台やミュージカルに出演するほどのスゴイ人、作詞作曲を手がける人、バンドで歌ってる人、カラオケにハマっている人、どんな方でも。
<写真> 演奏中のカラー写真1枚
<記事> 11字×15行
<締め切り> 12月18日(月)本部必着
<投稿要領> 上記内容に、支部名、氏名を書いて下さい。紙焼きの写真はお返しします。投稿いただいた方全員に1,000円分の図書カード、またはミュージック・ギフトカードを進呈。メールでの投稿もOK。アドレス:ZENKOSEI@zks.dp.u-netsurf.ne.jp
*詳しくは支部教宣部、または、本部教宣部へお問い合わせ下さい。

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