見出し

◆第1658号(2006年9月5日付)◆


公務破壊攻撃に反撃を
第70回全厚生定期大会議案のポイント
 9月15日から3日間、静岡県伊東市で全厚生第70回定期大会を開催します。大会の焦点や情勢の見方など、議案のポイントを杉浦書記長に聞きました。

 今年は、全厚生結成60周年を迎えます。全厚生運動の節目であるとともに、社会保険庁改革や公務破壊の攻撃に対し、反撃の大きな流れをつくる意思統一の場にしなければなりません。知恵と力を総結集する大会にしたいと思います。

◆全厚生運動の基本方向を確認し、たたかいを前進させよう。
 厳しい情勢だからこそ、改めて、労働組合の原点にかえり、3つの基本方向を大切にして、運動を前進させましょう。(1)組合への信頼と強い団結なしには、たたかいを前進させることはできません。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」です。この立場を貫き、たたかいます。(2)構造改革は、行政の本来の役割を変質させています。「何のため、誰のため」に厚生労働行政があるかを真剣に問い、行政民主化のたたかいを積極的に位置づけます。(3)構造改革路線は、社会保障行政をターゲットにしています。この路線を転換させるために統一した力、共同の力で、今と未来を切りひらくために、たたかいます。

◆9条改憲を許さず、憲法闘争の前進をめざす。
 改憲の動きが、強まっています。自民党総裁選の中で、改憲論議がエスカレートしています。有力候補とされる安部晋三内閣官房長官が「改憲を政治日程にのせる」と発言し、次期政権の最大の課題に憲法「改正」を位置づけようとしています。
 秋の臨時国会では、「改憲手続き(=国民投票の手続きと国会の改憲発議の手続き)法案」が焦点になります。さらに教育基本法の改悪も改憲と一体でねらわれています。この国のあり方が問われ、重大な岐路に立っています。
 地域での宣伝や署名活動を強化し、学びながら、たたかいます。国公労連に結集して、「9条改憲反対」新聞意見広告カンパの取り組みをすすめます。

◆社会保険庁改革に対する取り組みを最重要課題に位置づける。
 社会保険庁改革に対する取り組みは、全厚生の最大の課題です。改革は、「組織改革」「業務改革」「意識改革」からなっていますが、国民の立場に立った社会保障の視点が全く欠如しています。雇用問題の発生が懸念される事態がすすんでいることも見逃せません。雇用不安をあおり、「命令と服従」の人事管理を強要していることは許されることではありません。
 秋の臨時国会では、継続審議になっている「ねんきん事業機構法案」の審議が行われます。社会保険庁改革のねらいと本質を国民の中に明らかにしていくことが大切です。
 雇用破壊、社会保障解体を許さず、国民の願う社会保険行政の確立のために、取り組みを強化します。

◆職域・部門の課題での前進をめざす。
 本省庁では、多くの職員が過労死ギリギリの過酷な残業を強いられています。長時間残業の改善、誇りをもって健康で働き続けられる職場づくりをめざし、ねばり強く取り組みます。
 試験研究機関では、4つの国立試験研究機関と2つの独立行政法人が併存しています。ともに、厚生科学研究を担う研究所であることには変わりません。「国立研のあり方」を問いながら、政策活動を強化し、誇りと働きがいのもてる研究所・職場をつくるために運動をすすめます。独立行政法人では、労働組合の役割が極めて重要です。栄研支部、基盤研支部の対策を強化します。
 社会福祉施設では、障害者自立支援法にもとづき、この10月から施設体系の見直しを含め、本格的な移行がはじまります。施設の運営にかかわる諸問題の解決のため全力をあげます。国立施設の役割が発揮できるように、厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)の政策活動を強化し、運動をすすめます。

リレーずいそう
●短い夏の終わりに
 昔は人事院勧告といえば、いくら給与があがるのだろうかと楽しみであり、差額がもらえることを当てにして衝動買いしていましたよね。そういえば「人勧の凍結反対」なんて要求もありましたが、今は引下げ勧告の連続で、むしろ「凍結してくれ」と祈ってしまいます。
 さて、今年の勧告はみなさんもご承知のとおり「水準改定なし」となりましたが、思わず「ほっ」としてしまったのはわたしだけでしょうか…。以前の比較方法なら上がっていたという夢は見ないことにして、とりあえず下がらないことを喜ぶ。すっかり「イジメられっ子」体質が染み付いてしまっています。
 秋田県、特に私の住んでいる鷹巣地区は、お盆が過ぎれば朝・夕涼しくなり、短い夏の終わりを感じます。(そういえば先日ビアガーデンに行ったら、まだ8月だというのに今年の営業はもう終了しましたと言われました。)
 昨年の豪雪が脳裏をかすめ始めると気になるのが「灯油」の値段。こちらは一向に下がる気配がない。このままでは本当に身も・心も・懐も凍る冬となってしまいそうです。
 『分会長、ここはひとつ何か対策を考えだ方良ぐねッスか?』
 『おめの言いでぇ事はわがった。まず飲みに行ぐべ』
 また嫁に叱られる…
(秋田県支部 組合員)

全厚生第70回定期大会公示
 全厚生規約第17条の規程に基づき、全厚生第70回定期大会を下記の通り招集いたします。
         記
1.日時
 2006年 9月15日(金) 午後1時から
    9月17日(日) 正午まで
2.場所
 伊東『ホテル聚楽』
 〒414-0055 静岡県伊東市岡281
   TEL 0557−37−3161
3.議題
 (1)第1号議案
  (1)2006年度運動方針(案)
  (2)2006年度秋季年末闘争方針(案)
  (3)2007年統一要求(案)
 (2)第2号議案
  (1)2005年度決算報告及び2006年度財政方針・予算(案)
  (2)2005年度会計監査報告
 (3)第3号議案
  全厚生職員労働組合及び全厚生労働組合の規約改正(案)
2006年8月11日
 全厚生労働組合
   中央執行委員長 杉下茂雄

2006年度全厚生本部役員選挙公示
 全厚生規約第36条および同選挙規則第3条第1項の規程により、2006年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。
      記
1.投票日
 2006年 9月17日(日)
2.投票場所
 伊東『ホテル聚楽』(全厚生第70回定期大会会場)
3.立候補届出期間
 2006年8月21日(月)〜9月11日(月)
  立候補届用紙に必要事項を記入のうえ、 選挙管理委員会事務局 (全厚生本部書記 局内)まで提出して下さい。
4.被選出役員名および定数
 (1)中央執行委員長 1名
 (2)中央執行副委員長  若干名
 (3)書記長 1名
 (4)書記次長 1名
 (5)中央執行委員 若干名
 (6)特別中央執行委員 若干名
 (7)会計監事 2名
2006年8月11日
 全厚生労働組合  選挙管理委員会委員長

国民年金不適正事務処理問題に対する処分で
全厚生が書記長談話を発表
 社会保険庁は8月28日、国民年金業務にかかわって不適正な事務処理が行われていたとして、職員の処分を発令しました。これに対し、全厚生は31日、「国民年金不適正事務処理問題に対する処分について」との書記長談話を発表しました。
 全文は別掲のとおりです。

国民年金不適正事務処理問題に対する処分について(談話)
2006年8月31日
全厚生労働組合書記長  杉浦 公一

1.

社会保険庁は8月28日、国民年金業務にかかわって不適正な事務処理が行われていたとして、監督責任も含め職員1,752人に対し停職をはじめとする処分を公表した。
 公平・公正が求められる行政運営において、法を逸脱する不適正な事務処理があってはならないことはいうまでもない。全厚生は、当該職員を組織する労働組合として自省し、引き続き、組織的な事情や背景についての徹底した原因解明と真の再発防止策を求めて取組みを進める。

2.

処分の基本となった、「第3次調査報告書」(8月3日公表)において社会保険庁は、本庁職員の関与を否定している。しかし、3県の社会保険事務局職員は本庁職員が不正免除処理を把握していた可能性を指摘した報告を行っていること、厚生労働省の検証委員会も「本庁職員の側にも、メールなどによる情報提供で不正を広めることにつながりかねない軽率かつ不適切な行動があった」と指摘していることは重く受止める必要がある。今回の問題での本庁の責任は免れないことは、改めて指摘しておく。
 処分は、もっぱら地方庁の監督・実行責任に重きをおいた内容となっている。社会保険庁改革の最大のテーマとして位置づけられた「国民年金保険料収納率改善」に向けて、業務命令として休日や夜間も含め一丸となって努力してきた多くの職員からすれば、やりきれない思いを抱かざるを得ない。

3.

不適正処理問題の背景等について全厚生は、深刻さを増す国民年金制度の構造的矛盾や、異常なノルマの設定、民間手法的な人事評価制度の問題点などを指摘すると共に、政治的な圧力や懲戒権者の恣意的判断などがあってはならないことを指摘してきたが、今回の処分では、その点は全く省みられていない。
 社会保険庁は2008年10月に組織が廃止され、「全国健康保険協会」と「ねんきん事業機構」に分離される予定であるが、新組織への移行に当たっては「職員の引継規定」は設けられていない。また、「今回の処分を重視しつつ勤務成績に基づき厳正に判断する」としているが、このような雇用不安をあおりながら、「命令と服従」の労務管理を強要することでは、公正な社会保険行政は維持できない。職員の雇用・利益確保に万全を尽くすべき使用者としての責任発揮を強く求めるものである。

核兵器のない平和で公正な世界を
2006年原水爆禁止世界大会に参加
 大会2日目の5日は、15分科会が開かれました。青年の分科会では800人以上が70のグループに分かれ、61年目にして初めて体験を語る方も含め96人の被爆者から、それぞれ証言を聞きました。初めて生の証言を聞く青年も多く、各々が平和に向け「自分に何ができるか」を深く考える場になりました。
 夕方には「国公労働者平和のつどい」に83人が参加しました。広島県労働者学習協会の二見伸吾事務局長が「『夕凪の街』から世界へ〜世界大会の意義を考える」と題し講演。「原爆投下によって生み出された日本国憲法だからこそ、核兵器廃絶を実現できる」と、憲法9条をまもる方向と核兵器廃絶の方向は同じ道筋だと示しました。また国公初の平和行進通し行進者の高木博文・元全労働副委員長が3ヶ月間の行進体験について報告。「国公労働者は、憲法の各条項を実践するためにある」と語りました。
 その後「全厚生平和のつどい」をお好み焼き屋で開催し、世界大会の感想から生き方まで、大いに懇親を深めました。
 暑く晴れわたった6日の平和記念式典で、秋葉忠利広島市長が「平和宣言」を読み上げました。核兵器廃絶の責任は私たち世界の市民と都市にあるとした上で、日本政府には「核保有国に対して『核兵器廃絶に向けた誠実な交渉義務を果せ』と迫る、世界的運動を展開するよう」要請。市民の運動が、いま国際政治を動かしつつあります。
 閉会総会では、各国の被爆者の現状が語られました。在ブラジル原爆被爆者協会理事の渡辺淳子さんは「高齢化が進み、1日半もかけ来日して治療を受けるのはとても無理」と。韓国原爆被害者協会のソン・ソンジュさんは、強制的に日本に連行され被爆した朝鮮半島の人々の現状を報告。「日本の被爆者と同等の待遇を」と訴えました。米国がマーシャル諸島で行った原水爆実験で被曝したアバッカ・アンジャインさんは「日本の原爆症認定訴訟の勝利は、マーシャルでたたかっている人・亡くなった人への最高の贈り物」と発言しました。
 行動提起では、署名行動が強調されました。日本原水協の高草木博事務局長は「核兵器廃絶の世界的な流れの源流は、地道な草の根の署名行動」とし、10月の国連総会に向け「速やかな核兵器の廃絶のために」署名をさらに世界に広げようと提起。「草の根から非核・平和の流れをつくりだすたたかいは、我々の行動にかかっている」と前進を呼びかけました。
 核兵器廃絶を実現させる確信と展望を、さらに押し広げる大会となりました。
(本部書記)

「平和であることの幸せ」かみしめよう
神奈川県支部 組合員

 世界大会初参加の私は、現地では、主に被爆者の話を聞きました。「本当は一生話したくない、でも、今伝えなければ、と思い話すことにした」という被爆者の勇気ある行動に感謝します。
 私達が被爆者の思いと勇気に応えるためには、61年たっても人々を苦しめる核兵器の悲惨さと、「平和であるからこそ今の生活があり、仕事もでき、家族と幸せに暮らせるんだ」ということをひとりでも多くの組合員や、私達の後世代(子供等)に語り伝えることではないかと思います。
 また、被爆者の方や多くの仲間から「厚生労働省の人でしょう?(原爆症認定の裁判で)控訴しないで」と言われ、厚生労働省の労働組合にいる人間として非常に恥ずかしい思いをしました。平和運動をすることは、私達の生活・仕事・家庭とささやかな幸せを守ることになりますし、今の政府の冷たい厚生行政の転換にも結びつきます。
 私も、今度は子供を連れて行き被爆者の話を聞きたいと思っています。皆さんも、是非、一度はヒロシマ・ナガサキへ行きましょう。

全厚生青年交流集会in東京
2006年10月6〜8日
テーマは「憲法&平和」

宿泊場所 新宿ニューシティーホテル
 都内オリエンテーリングや学習会、靖国神社や東京大空襲資料館の見学。もんじゃ焼き屋で食べ放題・飲み放題の大交流会。あなたも是非参加してね(^-^)/詳しくは本部青年対策部まで。

Back  to HOME