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◆第1655号(2006年7月25日付)◆


健康で働き続けられる職場に
全国支部委員長会議を開催
 全厚生は7月15日、全国支部委員長会議を横浜市内で開催し、全国23支部の代表者など41人が参加。9月に開く第70回定期大会議案についての意見交換と当面する夏季闘争の取り組みについて意思統一を行いました。

◆委員長挨拶
誇りがもてる職場に

 会議の冒頭に挨拶した杉下委員長は、小泉構造改革は格差を広げ貧困を増大させている。公務員攻撃は、単に公務員に向けられたものではなく、社会保障改悪など国民に向けられたもの。国民とともに小泉構造改革とたたかい、展望を切り開こうと強調。社会保険庁改革問題については、雇用を守り、労働条件を改善していく立場を改めて示し、健康を守り、明るく生き生きと誇りを持って働ける職場にしていく方針をつくりあげるために、積極的な発言を、と呼びかけました。

◆議案草案
現状打開の処方箋を

 全厚生大会議案については、運動方針案草案と、全厚生規約の一部改正案について杉浦書記長が、財政方針と予算案を福士書記次長が報告。当面する社会保険庁改革に対する取り組みについては、飯塚副委員長が、夏季闘争の取り組み強化について宮田組織部長が報告しました。
 運動方針案の作成にあたって杉浦書記長は、「職場の仲間が、仕事に生活に必死になりながら、苦悩し、希望を見いだせずにいる現状を診断し、いま、何をなすべきか、たたかいながら展望をどう見いだすか、大会方針の中で、現状打開の処方箋を示していきたい」と述べ、(1)情勢の特徴(2)全厚生運動の基本方向(3)憲法・社会保障闘争の前進を(4)社会保険庁改革に対する取り組み(5)職域・部門の課題での前進をめざす(6)基本要求の前進をめざす(7)頼りになる労働組合をつくる(8)全厚生の団結と機能を高める、の8つの柱で構成し、運動方針では、構造改革の害悪が全面的、全国的に吹き出しているとして、憲法を生かし、「もうひとつの日本」をめざすたたかいの流れを太くする活動方向を提案したいと述べました。
 夏季闘争の取り組み強化については、宮田中執が提案し、7月25日の国公労連第3次中央行動への結集を呼びかけました。

◆討論
展望が見える議案に

 討論では、議案草案に沿って、たくさんの意見が出され、のべ34人が発言しました。
 運動方針について、「独立行政法人で賃金や労働条件の課題を前進させるために、項を起こして、しっかり記述を」、「障害者自立支援法は、障害者の自立を阻害する法律であることは明らか。構造改革で障害者を切り捨てていいのか。実態と運動の方向性を議案に著したい」などの意見や、「年金・社会保障制度をより良くしていく、職場が励まされるような運動方針を」、「社会保険庁の廃止と健保公法人・ねんきん事業機構への移行で、全厚生の組織はどうなるのか、明らかに」、「年金『不正』免除問題での政府やマスコミの騒ぎ方は、年金制度の貧困さを覆い隠し、国民の年金への批判を職員に転嫁させる意図がある。年金講師団活動を復活させ、年金制度を憲法25条の理念に近づけるよう、制度問題で徹底的にたたかいたい」、「人事評価制度の取り組みとたたかいを鮮明に」など、運動方針案への積極的な意見が出されました。
 これらの意見を踏まえ、8月中旬には大会方針案を提案することを確認しました。

リレーずいそう
●自治体を非核平和の砦に
 「平成の大合併」で全国の自治体数は 3329から2006年3月末には1890へとほぼ半数になりました。それと同様に非核平和自治体宣言は2002年に2654自治体あったものが2006年には1301自治体とほぼ半数に激減しました。
 さらに小泉政権の三位一体の財政の押し付け政策による自治体財政の脆弱化に伴い、非核平和予算が削減されるなど困難な状況も生じています。
有事法制と国民保護法が制定され、そしていま憲法9条の改悪が画策されているとき、私たちの住んでいる自治体を非核平和の砦にして行くことが求められています。
 私の住む東村山市では、原水協・被爆者の会と東村山市が共催をして原爆被爆展、平和の集い、平和コンサートなどを開催するとともに、行政と一体となって、3つの駅前に宣言塔を設置する、8月6日・9日に防災無線を使い黙祷を呼びかけるサイレンを鳴らすなど、さまざまな非核平和施策を進めています。この「東村山方式」は、いま全国に広がりつつあります。
 今年は、日本国憲法公布60年目、国連第1回総会決議第1号(核兵器の廃絶を取り扱う委員会の設置)決議から60年目の節目の年です。核兵器廃絶と平和憲法を守る活動に、決意を新たに取り組んで行きたいと思っています。
(ハ病研支部 組合員)

News
言論・表現への弾圧許すな
世田谷国公法弾圧事件第4回公判

 世田谷国公法弾圧事件の第4回公判が7月20日、東京地裁104号法廷において開かれ、傍聴席96を上回る傍聴者が参加。公判前の昼休みに、東京地裁前で宣伝行動(写真左)を行いました。公判では、証人調べが開始され、検察側が証人請求した、4証人について、検察側主尋問が行われました。次回公判は9月13日です。

権利としての年金支給を
学生無年金障害者訴訟の勝利めざす集い

 7月23日「学生無年金障害者訴訟の勝利をめざすみんなのつどい」が、東京都内で開かれ、全国各地から裁判の原告・弁護団・支援者など約280名が参加、全厚生も参加しました。つどいでは、「権利としての年金支給制度」を確立させ、障害者の経済的な自立と社会参加の保障をもとめるために、最高裁勝利判決にむけて、力を合わせてたたかうことを確認しました。

第19回全厚生機関紙フェスティバル参加紙募集
 支部・分会の教宣活動を応援する「第19回全厚生機関紙フェスティバル」を開催します。みなさん、ふるってご応募下さい。
 支部・分会・専門部で2005年8月から2006年7月までの間に発行した機関紙、およびメール配信されたニュース、ホームぺージに掲載されたニュースが対象です。参加申し込み書(各支部に送付)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。メールニュースの場合は全厚生のアドレスに送信してください。ホームぺージの場合は、URLをお知らせ下さい。
 締め切りは8月4日(金)です。

職員の雇用を守り、安心して
暮らせる年金制度の確立を
第52回日本母親大会の全体会で訴え
 第52回日本母親大会が7月22〜23日長野県で開催され、全国からのべ15000人が参加しました。全厚生は愛知県支部と本部から3人が参加。社会保険庁改革問題を訴えるビラを4500枚配布し、愛知県支部の杉崎伊津子さんが、8000人が参加する全体会のステージ上から社会保険庁改革問題を訴え、参加者の共感を呼びました。
 22日は、4テーマ27の分科会、シンポジウム、講座、現地見学、特別企画と計39の企画で盛りだくさんに行われました。
 23日エムウエーブでの全体会では炎天下、会場入り口で、国公労連女性協と愛知県国公女性協の協力のもと14人で、「保険料免除問題はなぜおきたのか」「安心して暮らせる年金制度の確立を」と社会保険庁改革問題を訴えるビラを4500枚配布。ビラは好評で、「無年金の人が増えるのが心配」「安心できる制度にしてほしい」との声も寄せられました。
 全体会では、記念講演「地球の母であること」と題して作家澤地久枝さんが講演。午後は「守ろう!生かそう!憲法・教育基本法、手渡そう!子どもたちに戦争のない世界を」をテーマに構成劇で、各地、各職場の運動を報告しました。そのなかで全厚生は、「安心して暮らせる年金制度の確立を/全厚生労働組合」の横断幕と全厚生女性部ののぼり旗を持って登壇。杉崎さんは、年金保険料免除問題が起きた背景には、「異常なノルマ」と「成果主義」「目標達成の圧力」があったこと。年金制度の根本的な問題や社会保険庁の責任問題は棚上げして、現場の多くの職員が処分されようとしていること。2008年10月には、社会保険庁は組織解体が行われること。度重なる年金制度の改悪で、年金に対する不信や不安は高まり、保険料未払者は増え、免除者は270万人。将来、膨大な低年金者、無年金者が生まれることを紹介し、今こそ、安心して暮らせる年金制度をと訴え、会場から共感と励ましの大きな拍手がわきました。
 母親大会参加者は、外に出て行って訴えれば、共感と支持が広がることを実感し、たいへん励まされると共に、今後も、あらゆる機会をとらえて訴えていけば、展望を切り開いていくことができると確信。元気をもらった母親大会でした。

保険料免除問題など議論
第5回社保支部代を開催
 7月16日、横浜市内で社会保険支部代表者会議を開催し11支部21名が参加しました。
 支部代表者会議では、職員の健康問題や業務問題、国民年金保険料の納付免除にかかわる不適正な事務処理問題、継続審議となった社会保険庁改革関連法案などについて、活発な議論が交わされました。 
 特に、職員の健康問題は慢性的な超過勤務、休日出勤の実態が赤裸々に報告され、超過勤務手当の不払いの実態や職員のメンタルコールド増加など労働条件の悪化が各県共通に報告され、働くルールの確立に向けた議論がされました。国民年金保険料の納付免除にかかわる不適正な事務処理問題については、徹底した原因解明と真の再発防止策を明らかにさせるとともに、現場の職員のみに責任を押し付けることは断じて許さない方向性を確認し運動の具体化について議論が交わされました。
 また、国公労連06年夏季闘争7・25中央行動にあわせた「社会保障・年金制度の今を考える〜保険料免除問題はなぜおきたのか〜」シンポジウム(主催、国公労連、厚生共闘)の行動提起が行われ、成功に向け全体で確認をしました。

10月以降施設体系の対応
社会福祉支部代で議論
 全国支部委員長会議の翌日の16日、社会福祉支部代表者会議が開催されました。函館、塩原、神戸、福岡の視力障害センター支部と、国リハ支部が参加、本部からは鈴木副委員長、杉浦書記長、今井中執、宮田中執、近藤書記が参加しました。 会議では14日に行われた管理室からの説明を受けて、障害者自立支援法の下での10月以降の施設体系を中心に話し合いました。6月27日に開催された指導課長会議の資料から施設の認可基準の骨格が示されましたが、スケジュールからすると、9月末ぎりぎりに政省令が出されることや、施設の運営規定の作成など、いろいろな不安材料が浮かび上がりました。施設入所支援事業では、宿日直勤務が残存する可能性が強くなってきており、組合要求である宿舎体制の確立、専任体制からは程遠いものとなっています。宿日直にあたる生活支援員の職種も明確になっておらず今後詰めていく必要があります。
 また、この間会議の中で討論された「独自署名」については、施設体系移行後に新たな問題が発生する可能性が高いため、現段階では、障全協が取り組んでいる請願署名に協力することを確認しました。

障害者自立支援法施行後の国立施設の実態(連載9)
職員も利用者も大混乱、体調崩す人も
国立身体障害者リハビリテーションセンター

 障害者自立支援法にかかわり、当センター更生訓練所ではここ数ヶ月、幹部は認可にむけて体制作りに躍起である。昨年度4月更生訓練所の運営に関する合同委員会発足、夏には中間報告、9月には指導部・職能部全員参加によるグループディスカッション、11月からワーキンググループによる検討会という経過を経て、「選ばれる施設」を目指し、すでに4月から新事業を展開してきた。

体制づくり優先で軽視される専門性
 4月からは理療教育課程利用者のケースワーク業務が指導部指導課から理教部へ移管。職員も利用者も大混乱であった。移管した側の指導部や職能部でも、新体制で業務量が明らかに増え、また多様な支援を必要とする利用者が増える中、本格実施となる10月以降の姿が見えないまま、定員を充足することを求められている。職員はサービスの質の確保という面から職員1名に対し利用者何名の体制を用意すればいいのかなど、先の見えないことに不安を募らせている。また、つい最近まで専門性云々を取り沙汰されていたのに、その専門以外のことを何ら特別な研修も無く割り当てられ、専門性とはなんだったのかと不満を抱くものも少なくない。通常業務を抱えながら、移行の準備をするということなので会議は勤務時間外に開始されることが当たり前になってきた。年休はますます取りづらくなり、体調を崩し、長期にわたって休む者が増える、それによって更に業務が更に停滞するなどの問題も生じてきている。
 更生訓練所としての組織はそのままだが、業務分掌は組織をまたいだ形で作成されており、直属の課長が職員の職務の具体的内容・状況を把握しにくくなってきている。責任の所在も不明確になり、職場の風通しは部の壁を取り払っても逆に悪くなった感がある。

宿舎体制も未定、職員に広がる不安
 宿舎体制に関しては介護への対応や三交替制勤務の可能性もあるなどとも聞き、同性介護の必要性などを考えると、勤務体制が大きく変わる可能性もあり、特に女性は危機感を抱いているが、その後の情報は何も無い。現行の宿日直勤務が残存する場合においても、宿舎体制についてはなんら変わらぬまま利用料のみが上がっているという事態になりかねない。

欠食で体調を崩し、訓練を欠席する例も
 各施設で話題になっている食事の問題もやはり無視できない。当センターでも食事管理の必要な利用者が金銭的理由で自炊を始めたり、もともと朝食をとるよりは寝坊したほうがいい、あるいは好き嫌いが多いといった利用者が好きなときに好きなものを食べるという生活になり、体調を崩して訓練を欠席するという例が見られている。
 政省令が出されるのが9月末頃ということだが、それでは10月にとても間に合うとは思えない。3年後に見直しを行うことになっているが、早くも問題が噴出していて不利益を唱える利用者が多数いる。利用者を困らせることなく喜んでもらえる制度設計に直ちに改革して欲しいと思う。
(国立リハ支部 執行委員)

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