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◆第1639号(2006年1月25日付)◆


小泉構造改革に反撃を
全厚生第47回中央委員会を開催
 全厚生は第47回中央委員会を1月21日に東京都内で開催し、小泉構造改革に反対し、もうひとつの日本を目指して、06春闘をたたかう決意を固めあいました。中央委員会には、中央委員と本部役員はじめ66人が参加。杉下委員長があいさつし、春闘方針案を杉浦書記長が、補正予算案を福士書記次長が提案。国公労連の堀口委員委員長が来賓挨拶しました。討論の後、方針案・補正予算案を全会一致で採択しました。中央委員会終了後、同じ会場で、06年新春全厚生旗開きを開催し、翌22日には、福祉部門と社会保険部門がそれぞれ支部代表者会議を開催しました。

組合員の雇用確保に全力
杉下委員長が挨拶し表明

 中央委員会の冒頭、杉下委員長は、「06春闘は、全労連が提起している『もうひとつの日本をめざす闘争』に結集することと、全厚生が直面している課題に全力をあげることの2つを柱にしてたたかう」と述べ、主に社会保険庁改革を巡る情勢に触れながら、挨拶しました。委員長は、「全厚生は、社会保険庁の解体的組織再編には反対であり、政管健保は国の責任で全国一体的に運営すべきと主張している。また、能力・業績主義重視の人事評価や市場化テスト、大幅な人員削減には反対であり、全厚生の団結を強めたたかう」と強調。さらに、昨年12月に業務目的外閲覧で社会保険庁が3千人あまりを処分したことに関連して、「この懲戒処分を自民党は、社会保険庁の廃止後に立ち上げる新組織任用への差別選別の理由にしようとしているが、業務目的外閲覧行為をもって分限免職することは違法行為である。移行にあたり不当な差別や選別があってはならない。全厚生は全員の雇用へ全力をあげる」と述べました。あわせて、国民投票法の阻止はじめ憲法を守りたたかおうと呼びかけました。

公務破壊に反撃する世論を
杉浦書記長が春闘方針提案

 春闘方針を提案した杉浦書記長は、「今春闘は小泉構造改革への反撃のとき、『小さな政府』は大きな国民負担であり、公務破壊に反撃する国民世論の形成でもうひとつの日本をめざそう」と述べ、具体的たたかいを提案しました。今春闘は、要求を大切に職場を基礎にたたかうとともに、地域での統一行動への結集を重視。社会保険庁の解体的組織再編にたいしては、国民的なたたかいを進め、通常国会においての闘争を強化する。勤務時間(拘束時間の延長)問題、研究機関課題や障害者自立支援法のもとでの国立福祉施設のあり方問題などに全力で取むなど。「我々は行政のプロとして、憲法25条を守る厚生労働省の職員としての誇りを国民に示していこう」と呼びかけました。
 討論は全体で22人が発言、職場実態や春闘の取り組み方にたいする意見、社会保険庁改革にたいする支部の取り組み、障害者自立支援法後の施設のあり方についての職場の取り組みなどを発言しました。(発言は2面)
 総括答弁で杉下委員長は、「全厚生は国家公務員法のもとで人事院に登録された団体として活動している。我々の団結権は憲法28条に保障されており、組合員であることで選別するような行為は違法である。全厚生は組合員全員の雇用を実現するため役割を果たす」と改めて決意を表明しました。

リレーずいそう
●ネットショッピング
 最近、インターネットで買い物をすることが増えました。「アマゾン」という本屋さんでは、本やCD、DVDに、電化製品まで買えます。検索機能があるので、実際に店頭に行くより商品が見つけやすく、便利です。
 ところでそのアマゾンのHPにアクセスすると、まず自分の名前で「ようこそ」というウェルカムメッセージが出て、「お勧め商品」なるものがずらっと表示されます。どうもこれまで検索をかけた著者名やジャンルなどを基にして私の趣味嗜好を判断している模様。今のところかなり的外れなのですが、この手の推定システムは今後どんどん進歩するでしょうし、買い物を続けるほどに精度が上がってくることも予想されます。
 言ってみれば、この店を利用する都度、個人情報を提供しているわけで、販売側はその情報をもとに「待ち」から「攻め」の姿勢に転じてきた、そういう構図です。洋服屋さんに行って、店員がぐいぐい前に出てくる感じに近いかもしれません。もたもたしてるお客さんのために最適の商品を選んでくれるのですから、スピーディーで効率的な買い物ができるというものです。
 でも、意思決定にまで割り込んでくる店員はやっぱりうっとおしい。聞いたことにはすぐ答えてくれる、でも後は静かにお客さんの決断を待つ。これが理想的なお店ではないかと思います。良い商品と充実した検索機能があれば、それだけで私は満足です。
(京都支部 組合員)

News
言論・表現の自由守ろう
国公法弾圧事件で友人知人の会

 昨年9月の総選挙において、厚生労働省の職員、宇治橋眞一さんが「しんぶん赤旗」号外を配布したことが、「建造物侵入罪」にあたるとして不当にも逮捕されるという弾圧事件が発生。東京地検は、「建造物侵入罪」は微罪であるとして不起訴にしましたが、国家公務員であることを理由に、国公法違反として起訴しました。3月24日から裁判が始まりますが、裁判勝利と宇治橋さんを支援しようと、1月14日に50人近い友人・知人がかけつけ、集いが開かれました。集いでは、宇治橋さんから決意がのべられ、主任弁護人の小林容子弁護士から、この事件は言論・表現の自由に対する不当な弾圧であり、裁判で無罪を勝ちとるとともに、言論・表現の自由を守り、国家公務員の基本的人権や政治的・市民的自由の確立にむけた国民的な課題として重要だと報告がされ、参加者からは激励とたたかいの決意の発言がありました。

大企業ボロ儲けを賃上げに
06春闘日本経団連包囲行動を実施

 全労連と国民春闘共闘、東京春闘共闘は1月19日、「大企業はボロ儲けをはき出せ」「利益を労働者に還元せよ」「大企業はリストラ・首切りをやめろ」と、800
人で丸の内昼デモ、日本経団連包囲行動を実施。全厚生も参加しました。午前中はNTT持株会社・トヨタ東京本社コースと総務省・財務省コースの2つに別れ宣伝行動。総務省前では、全厚生飯塚副委員長が決意表明しました。

職場には全厚生への期待がある
第47回全厚生中央委員会で討論
 中央委員会の討論では、22人が発言しました。
 社会保険支部の中央委員からは、昨年12月の業務目的外閲覧での処分に関して多くの発言がありました。「懲戒処分は重すぎるのではないかというまわりの意見がある」、「不十分で納得のいかない調査で理不尽な処分をうけたことに不満がある」、「カード管理責任を問われたが、個人カードというなら全職員に配るべきだし、個人認証方式の改善も必要」、「ある謝金職員は、出勤していない時間帯であるにもかかわらず閲覧したとされ、カード管理責任を問われ、雇い止めとなったことに納得いかないと、人事院に不服申し立てをした。応援していきたい」など、職場では、処分の公平性に疑問と不満があることが報告されました。
 さらに、社会保険庁の解体的組織再編や大幅な人員削減計画、業務外閲覧問題での懲戒処分を新組織移行時の差別選別材料にするとの自民党の考えなどに対し、「職場では不安が広がっている」、「メンタルを病む人が急激に増えている」、「働く意欲をなくし、若い人の中に離職者が増えている」とのリアルな実態や、「業務目的外閲覧での処分を今後の選別人事に使ってはならないのは法律上も明らか。法律のプロも入れてたたかっていこう」などの意見が出されました。
 また、「不安が広がる中でも、組合を辞めない。何かあれば、労働組合がたたかってくれるという期待がある」、「交渉で当局を追及する組合の姿を見て、やっぱり労働組合はすごい。がんばってくれてありがとう、と組合員から感謝された」、「社会保険のプロとして、国民の立場に立って仕事をしてきた。この専門性は一朝一夕には作られない。社会保険のプロとして、誇りをもって仕事をしたい」、「社会保険庁改革が小泉構造改革のモルモットにされてることを国民に知らせていき、年金制度の展望を語っていきたい」との発言がありました。
 本省庁からは、「長時間ただ働き残業の改善のため、タイムカードの導入などで当局に勤務時間管理を徹底させたい」
 勤務時間の変更(拘束時間の延長)にたいしては、「子育て世代が働き続けられなくなる。民間の実労働時間も1日8時間を切っている中で、勤務時間短縮を求めていくべきで、拘束時間の延長は反対」との意見や、「福祉の職場では、休憩・休息時間は生徒のお昼休みと重なっており、生徒が相談にくれば、昼食を10分でとることもある。拘束時間の延長となるだけで反対」との意見がだされました。
 障害者自立支援法後の国立施設の在り方については、「利用料負担が大きくなり、利用者にとって国立施設としてのメリットがなくなる」、「国立施設から自己負担の少ない盲学校に移りたいとの入所者も出てきた」「障害者にとっては、質よりお金。国立施設が質をどう充実させていくかが、今後の課題」との意見。
 研究機関からは、基盤研支部が非公務員型の独立行政法人の労働組合として、就業規則の合意や36協定、給与改定などの協定の締結などの経験を紹介し、組合員ひとりひとりの要求を大切にしていきたいと発言。
 憲法の問題では、「職場9条の会」の経験や「憲法問題と一緒に自分たちの仕事について議論していきたい」、「勤通大の憲法コースをみんなで受講したい」などの意見がだされました。

青年
公務労働に誇りもとう
国公労連青年セミナーに参加
 1月14日、国公労連は青年役員を対象に「国公労連青年セミナー」を開催しました。全体で48人が参加、全厚生からは業務センター・愛知・京都・神奈川の各支部と本部から7人が参加しました。
 午前中は「私たちはどのような時代に生きているか」と題して、労働者教育協会理事の小林康宏さんが講演しました。
 午後は「公務員労働組合の『むかし』と『いま』」(山瀬徳行国公労連副委員長)、「私たちは公務労働者、労働条件とその仕組み」(小田川義和国公労連書記長)の講義を受け、参加者はノートを取るなど熱心に聞き入っていました。
 終了後は同じ会場で参加者交流会が開催され、感想交流などで盛り上がりました。

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