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◆第1638号(2006年1月15日付)◆


国民の願いは健保・年金制度の充実
社会保険庁の「解体的組織再編」は国の責任放棄・縮小
 小泉内閣は12月24日の臨時閣議において、08年10月を目途に社会保険庁を廃止し新組織とすることや、国家公務員の「5年間5%純減」、政府系金融機関の統廃合などを中心とする「行政改革の重要方針」を決定し、1月20日開会予定の通常国会に関係法案を提出しようとしています。あわせて、一昨年の年金大改悪に続き、医療保険制度の更なる改悪を、社会保険庁の解体的組織再編とあわせ行おうとしています。

憲法25条を基本とする社会保険行政は国の責任で
 政管健保及び年金制度は、発足以来、企画・立案から執行まで国が責任を持って運営してきました。これらは、憲法25条に規定された国民の生存権としての具現化であり、基本的権利だからです。03年の閣議で、政管健保の財政運営を都道府県単位にすることは決定されていましたが、運営主体の分離までは盛り込まれていませんでした。保険料の無駄遣いや一連の不祥事等を背景とした社会保険庁改革が根底になっているとは言え、被用者保険の最後の受け皿である政管健保の分離は、国民の権利後退につながることは明らかです。
 小泉構造改革が強行している社会保障制度の大幅な切捨て政策の中、国の責任をさらに縮小し、企業負担の軽減を図ろうとする財界・大企業の狙いは明白です。

広がる格差と増える負担、「公法人化」は民営化への一里塚
 政管健保を国から分離し、新たな組織として都道府県単位の財政運営を行った場合、保険料率に大きな較差が生じることが、厚労省の試算で明らかにされています。さらに、給付費の増大等により拡大することも指摘されています。こうした方針には、多くの都道府県が疑問を投げかけ、国保保険者の集まりである全国市長会は、「国を保険者とし、すべての国民を対象とする医療保険制度への一本化」を主張しています。
 今政府・財界は、「小さな政府」を口実に、公共サービスの民間開放を推し進め、住民の暮らしや安全に対する国の責任を放棄し、行政サービスまでも企業のもうけの場にしようとしています。社会保険においても、市場化テストによる業務の民間開放がさらに拡大されようとしていますが、政管健保の都道府県単位の財政運営・公法人化は、運営組織も含めた制度そのものの民営化につながる危険性を含んでいます。
 また、適用、徴収、給付、サービスまで一体のものとして運営されていた制度を、給付業務だけ分離することは、住民の利便性や業務の効率性、ハード面の整備にかかるコスト等からみても極めて非効率的であると考えます。

国公の仲間が全国で地域宣伝を展開へ
 国の責任と負担の軽減を目的とした医療改悪を推し進めようとしている小泉自民党政権に対し国公労連は、こうした社会保険庁の解体的組織再編が、社会保障構造改革の先導役として、また、職員の選別採用なども含んだ重大な問題として受け止め、医療改悪と社会保険庁「改革」の持つ問題点を広く国民に訴えるために、社会保険事務局を中心とする「地域宣伝行動」を全国で展開することとしています。06春闘の大きな課題として広範な運動に結集しましょう。

リレーずいそう
●冬の楽しみ方
 散歩が好きでよく山歩きに出掛けます。春夏秋冬、それぞれの季節に楽しみ方はあるかと思います。
 春は山菜取りやバードウオッチング、夏は新緑や小動物との出会い、秋は紅葉や茸取りなどなど。では冬の楽しみ方は何でしょうか。
 やはり山々の雪化粧でしょうか。雪が降りつもって真白に染まった山々はきれいですよね。晴れた日には空気が澄んでいるので遠くまで見渡すことができ、これも冬ならではの楽しみでしょう。スキー場などで遠くの山々を眺めた経験はあるのではないでしょうか。
 先日、近くの山に登った時に、マツやスギなどの常緑樹に混じってカキの実がなっていました。冬の山は「枯れ木も山の賑わい」と例えられるくらいさびしくなります。そんな中でカキが見事になっていれば当然目立ちます。冬の山にカキ?なんとも季節はずれなのだけど、やはり道行く人の目に止まっていました。どこの世界でも個性派は目立つのかもしれません。
 一方で雪の下からはもうすぐ春の息吹が芽生えてきます。そんな息吹を見つけると心もほのぼのとしてきます。そうこうしているうちに季節はまた春へと移っていくのでしょう。
 まだまだ寒い日々が続いていますが、一度散歩へ出掛けてみてはどうでしょうか。新たな発見があるかもしれませんよ。
(岐阜県支部 組合員)

News
06春闘勝利へ出足早く
新春宣伝行動と学習会を開催

 1月6日、全労連・国民春闘共闘は、06春闘勝利にむけて出足早くスタートを切るため、「1・6新春宣伝行動」を全国で実施しました。東京では、都内各駅頭でいっせいに早朝宣伝行動が行われ、公務労組連絡会・国公労連は霞ヶ関一帯での早朝宣伝に取り組み、全厚生も参加しました。同日、国公労連の新春学習会が国公労連5階会議室で行われ、フォトジャーナリストの郡山総一郎さんが、「紛争、貧困、私がであった人そして子ども達」とのテーマで写真を映しながら講演しました。

必要な体制・要員確保で研究環境守れ
厚生科学課長と重点要求で交渉
 全厚生は12月14日、大臣官房厚生科学課と試験研究機関の重点要求にもとづき交渉を実施。交渉には全厚生から、杉下委員長、伊藤・飯塚各副委員長、杉浦書記長、福士書記次長、宮田中執及び、感染研支部、国衛研支部、ハ病研支部の代表計9人が出席。厚生科学課からは、安達課長、坂本総括補佐、屋敷補佐、野澤補佐が対応しました。
 冒頭、杉下委員長が重点要求の趣旨を説明し、誠意ある対応を求めたのに対し、安達課長が一括して回答。国立試験研究機関について、独立行政法人国立健康・栄養研究所の非公務員型への見直しを行わないこと。公共性を十分に発揮し、生き生きと研究活動に従事できる研究・労働条件を確保することを要求。これに対し、「これまでの間、公務員型として位置づけてきたものであり、この体制は維持したいとの思いはあるが、閣議決定として示され、非公務員型への移行は避けられなかったもの。大幅な見直しを求められている中で、最小限のものであったと考えている」と回答。定員削減計画の中止、必要な定員確保の課題では、「18年度からの4年で10%以上の定員削減という厳しい閣議決定がなされた。試験研究機関として担う機能の維持のために、真に必要な定員の確保に努力したい」と回答。
 給与構造の改革では、調整手当の官署指定について、地域手当でも同様に行うことを要求。これに対し、「同様な指定となるよう最大限の努力をする」と回答。国立保健医療科学院の教育研修の課題では、各機関・研究者との協力体制をはじめ、充分な体制確保を要求したのに対し、「厚生科学課、科学院、国衛研、感染研等による『国立保健医療科学院教育研修運営協議会』を設け、当該分野の講師派遣等の調整を行っている」と説明。「今後とも、本協議会等の場を通じて国衛研及び感染研にとっても過渡の負担とならないよう配慮しながら、必要な研修体制を確保していきたい」と回答。感染症研究所ハンセン病研究センターの必要な定員確保(回復)の要求では、「今後とも定員については、その業務量等を勘案し不都合の生じることのないよう努力したい」と回答。運営の独立性を確保する要求では、「『ハンセン病研究センター運営委員会』が設置されている。機会を捉えて委員会を開催したいと考えている」と回答。
 また、男女共同参画社会の観点にたち、女性職員・研究者の採用と登用の拡大をはかることを要求したのに対し、「人事管理については、従来から能力・適正に基づき行っている。今後とも、女性職員の採用・登用の拡大については積極的に取り組みたい」と回答。今回、新たな課題として個人の尊厳を傷つける人権侵害行為であるパワー・ハラスメントを防止するための指針を示すなど、具体的な対策をすすめることを要求。これに対しては、「良好な人間関係を保てるような職場環境を整えることが重要であると認識している。今後、人事課が機会を捉え、『指針』の作成等を人事院に対して要望していくと聞いている」と回答。
 さらに、老朽化している研究施設について、予算要求を優先して行い、安心して研究できる研究環境を整える改善を要求。これに対し、「国衛研の施設が全体的に老朽化している状況はよく承知している。移転までの間の研究機能を維持するために必要な改造・改修に要する経費については、積極的に対応したい」と回答。新再任用制度では、希望者全員の雇用の実現を要求。これに対し、「定員の問題など制度上の問題はあると認識している。今後とも、各機関に対して、制度の趣旨、目的にかなった運用を図るよう指導したい」と回答しました。

京都
たたかう組合が必要
第33回支部定期大会を開催
 京都支部は、12月17日に第33回定期大会を開催しました。今回は、初めての土曜開催で、開催ぎりぎりまで代議員の確保に苦労し、大会開始時には成立していない状況でしたが、今年採用された新しい組合員から壮年層まで幅広い参加があり、最後には予定を上回る代議員の参加で大会は成功しました。
 発言では、多忙を極める職場の状況や不安が訴えられ、また、なんでもトップダウンで進められる今日の職場の状況が報告されました。そういう状況だからこそ「たたかう労働組合が職場に必要である」ことが多くの発言者の意見をしめ、労働組合に対する期待の大きさが確認されました。そして、支部が先頭になり、職場の要求をもとに奮闘していく決意を固めあいました。
 

大分県
支えあってこそ組合
第6回支部定期大会で確認
 大分県支部は、第6回定期大会を12月17日に開催しました。来賓に全厚生本部の飯塚副委員長を迎えて現況説明を受け、組合員一同厳しい状況を再認識しました。
 支部長は、「公務員労働者に対する攻撃で厳しい状況が続いている。最近は報告物が増え、中には残業が80時間を越えている人もあり、異常な状況になっている。また、人事評価制度は相対評価が取り入れられ厳しい内容となっている。力ある者が得をする状況が作り出されてはいけない。弱い者もまとまり支えあってこそ労働組合」と挨拶しました。
 運動方針案は、書記長が提案し、今後も「国民の中に国民とともに」を基にして職場・地域での闘いを展開していく必要性等を強調、採択されました。
 引き続いて飯塚副委員長を講師に、学習会を行い、終了後は会場を変えて組合員OB を交え懇親会をしました。
 

60周年
支部を越えて交流
スキー・スノボ北海道ツアー
 全厚生60周年記念事業の一環として、12月24日〜26日にスキー・スノボ北海道ツアーを開催しました。
 統計情報支部・業務センター支部・神奈川県支部・退職者会・本部から16人が参加。組合員の家族も参加するなど、にぎやかなツアーになりました。
 飛行機が千歳空港につくと、長距離バスに乗りニセコスキー場へ。宿に荷物を置いて、早速午後からゲレンデに向かいました!
 メンバーはスキーもスノボも初心者から上級者までと様々。上級者が初心者をリードし助け合うなどして、2日目・3日目には皆で一緒に大自然を満喫しました。
 夕方には宿のおいしい夕飯をすませた後、近くの温泉へ出かけて温まり、また夜はクリスマスケーキを前に盛り上がるなど、初対面の参加者も支部を越えて交流を深めました。
 帰りは、大雪のためもう1泊!?の心配もありましたが、飛行機は大幅に遅れたものの欠航を免れ、全員無事に帰路につきました。
(本部 組合員)

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