見出し

◆第1632号(2005年11月5日付)◆


本格実施は十分な検証・検討を
社保庁新たな人事評価制度の試行を実施
 今、多くの民間企業で能力・実績に基づく成果主義が導入されています。この成果主義は、1995年の日経連報告書「新時代の日本的経営」をきっかけに、バブル崩壊以降の長期不況の中で「経営改革の切り札」として、総人件費の抑制・削減と利潤拡大を主な目的に導入されました。ところが導入して10年足らずにもかかわらず、その弊害や様々な問題点が指摘されています。評価者にとっては常に差をつけなければならず、また、評価される側からは、評価に対する不満が蓄積し、かえって円滑な仕事の流れを滞らせ、職員の意欲を阻害しているといわれています。
 成果主義を巡るこうした情勢の中、「国家公務員としては異例」(9/27日経)とマスコミからも指摘された人事評価制度が社会保険庁に導入されようとしています。実績評価と能力評価の具体的な運用マニュアルや評価シートも示され、本格実施に向けて試行も行われています。民間企業でもその功罪が鋭く問われ、また、公務職場でも様々な試行が繰り返されている状況の中で、チームワークが基本となる組織運営と行政サービスの向上が求められる社会保険職場になぜこうした評価制度が導入されようとしているのか。私たちは、様々な角度から検討し要求を対峙していく必要があると考えます。
 新たな人事評価制度は、事務所課長以上を対象に10月から試行が行われ、来年4月から本格実施に入ります。なお、それ以外の職員は18年度試行、19年度から本格実施の予定です。評価は「能力評価」と「実績評価」により行われ、それぞれグループ別に5段階の相対評価となります。また、評価は、組織区分ごとに一次評価、二次評価、最終評価の三段階評価が基本となっています。

社会保険庁へ第一次質問書提出
 現在、制度や評価マニュアルの説明そして実践をふくめた事務局主催の伝達研修が行われています。全厚生は「異様な」と指摘されるような新たな人事評価制度は、(1)職員の労働条件に直接かかわるものであり十分な協議と条件整備が必要であること(2)特に試行結果を踏まえた検証と検討が重要であること(3)職員の能力育成と国民サービスの向上を目的とし給与に直接反映させないこと(4)公務職場全体との整合性(水準・テンポ)が求められること(5)評価者研修の充実と評価結果に関わる苦情処理システムの確立が求められること、などを基本にしながら問題の本質を明らかにし、あわせて様々な疑問や意見等を集約していく考えです。そうした立場から第一次質問書を社会保険庁に提出しました。今後職場討議や庁の回答などを検討しながら要求書を提出していきたいと考えます。なお、基本的な考え方と質問書の内容については、全厚生新聞号外を配布します。

リレーずいそう
●我が家
 我が家の前には広い畑と雑木林があります。
 春には若葉が芽吹き、夏には葉が青々と茂り、遠くのマンション郡が見えなくなります。畑の里芋は人の背ほどに伸びています。朝になると小鳥が畑に下りてきて、土に首をつっこみ、小鳥も朝食のようです。畑は一年休耕、次の年に里芋が植えられ、それが毎年繰り返されます。世の中が騒々しくなっても同じ営みが繰り返されます。大地は我関せず、堂々と生きているように思います。
 秋の今ごろは葉が黄色くなり始め、雪が降り出すと葉はしっかり落ち、遠くのマンション郡ははっきり見え、遠くにあるはずなのになぜか、近くに感じてしまいます。夕日はやはり秋が格別でやや肌寒く感じる日、空気がすんでいるなぁと思う日は西の空が赤く染まるのです。
 しかし、最近はオゾン層のせいなのか、ピンク色なのです。それも上品に思うのですが、やはり、赤くもゆるほうが昔の人が読んだ短歌や俳句を思い出させてくれるように思います。絵心があればスケッチでもと思うのですが、残念ながら才がないので写真を撮っています。大雪の写真を見ると、歩くことが大変だったなぁとか、連日降ったなぁとつい苦労したことが思い出されます。春夏秋冬、それぞれに顔があり、私を癒してくれているようです。
(秩父学園支部 組合員)

News
合理化推進「労働契約法」反対
作成作業中止せよと全労連が座り込み

 10月24日全労連は、厚生労働省前で労働政策審議会労働条件分科会の開催に合わせた宣伝・座り込み行動を実施し、全厚生も参加。「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会最終まとめ」は(1)お金で違法な解雇を合法化(2)労働条件や雇用形態の切り下げをのまなければ解雇(3)労使委員会・使用者の「合理化」提案がフリーパスに(4)就業規則による労働条件の不利益変更が「合理的な変更」に(5)試用期間を有期雇用に悪用Eホワイトカラーは労働時間制度適用除外などの問題点を含んでいます。行動では、「研究会最終まとめ」を白紙に戻し、労働契約法の議論をやり直すよう求めました。

全厚生労働組合60周年記念!
スキー・スノボ 北海道ツアー
全厚生60周年記念! スキー・スノボ 激安北海道ツアーを企画しました。
一年の疲れを白銀の北海道で癒しませんか!
  日    程 …12月24日(土)〜26日(月)
  費    用 …36,500円〜(リフト代金別)
  宿泊ホテル …プチペンション スローライフ(北海道 ニセコ)
  募集人員 … 15人程度
 ☆ 定員になり次第締め切りになりますのでご了承ください。
 ☆ 往復航空運賃(羽田〜千歳)・送迎バス・2泊4食付(朝夕)代金含む
 ◎ 申し込み、問い合わせは、全厚生労働組合本部 福士 FAX03-3502-4706

新人事評価制度の学習・討議を
社会保険支部代表者会議で確認
 10月27日、東京都内で社会保険支部代表者会議を開催し11支部17名が参加しました。
 社会保険庁は、2008年秋の新組織に移行するまでに、定型的業務の外部委託の拡大、市場化テストの実施による外部委託の継続的な大幅な拡大、システム刷新などによる業務そのものの削減などによる合理化を徹底し人員の大幅な削減を行う。また、特に効率性などが強く求められることから民間企業的な能力主義・実績主義を導入するなどの改革を急ピッチですすめてきています。
 とりわけ、「新たな人事評価制度」は、民間大企業などで成果主義が導入され、その弊害や様々な問題点が指摘される中、「公務・公共性」が変質するのではないかとの多くの懸念がされています。
 こうした情勢の中、来年の通常国会では新組織発足に向けた改革関連法案の提出が予定され、05年秋闘、06年春闘は重大な局面を迎えています。
 社会保険支部代表者会議では、当面の取り組みとして(1)「新たな人事評価制度」に対する全厚生の基本的な考え方をまとめ、討議資料(全厚生号外)を作成し、全組合員での学習・討議を深める。
(2)今年夏の労使交渉での到達点を踏まえ、職場からの要求書の提出、交渉・上申の取り組みを徹底する。(3)国公労連に結集し「社会保障改悪」「公務員総人件費削減」阻止など地域での宣伝を強化する。など国民本位の社会保険庁改革、職員の労働条件の改善を柱に議論を深め、来年予定されている社会保障闘争など国民的な課題とも歩調をあわせ、国民本位の社会保険庁改革をめざし今後の運動を取り組むことを全体で確認しました。

神奈川
厳しい時こそ団結を
第12回支部定期大会開く
 神奈川県支部は、10月22日、新横浜プリンスホテルで、第12回支部定期大会を開催。運動方針、決算、予算などを採択しました。大会の冒頭、平丸支部長は「社会保険庁改革の中でめまぐるしく情勢が動いている。労使協議が十分でないままの実施になり現場は混乱している。厳しいときだからこそ、自分たちの働く権利を守るため職員が団結する必要があり、そのための組織である労働組合に関心を持ってほしいし、ともに行動してほしい」と挨拶。質疑・討論では、各分会から「ただ働き残業」などの職場環境問題、人事評価制度などの労働条件問題など幅広い発言があり、白熱した討論が展開されました。また、恒例「ザ・ニュースペーパー公演」では、「小泉総理」「辻本国会議員」が緊急出演、会場を爆笑の渦に巻き込み、好評を博しました。

支部結成50周年記念レセプションを開催
 定期大会に引き続き、同じ会場で「支部50周年記念レセプション」を開催。代議員や、組合員OB・他団体など70人を超える仲間が出席。思い思いの形で交流を深めました。
 フォークシンガー谷本賢一郎のオープニングに始まり、支部の50年をつづったスライド「酒井さん職場復帰運動」「宿日直廃止闘争」「街頭年金相談」「在勤闘争」など支部のたたかいの歴史を振り返りました。最後に川名書記長が決意表明。今後も組合員一人ひとりが団結して困難な情勢を乗り越える決意を固めあいました。
(副支部長)


滋賀県
新人事評価制度を学習
第8回支部定期大会開く
 滋賀県支部は10月29日、第8回支部定期大会を開催。週末の不安定な天候が続く中、県国公の井上書記長をはじめ京都、大阪支部より激励と連帯のあいさつを受けました。参加した組合員全員が意見を出しながら議論を行い、社会保険庁改革のもと進められている「市場化テスト」に対する発言も出されました。
 大会の終了後は本部の杉浦書記長を講師に「新たな人事評価制度」の説明と全厚生としての取り組みについて学習会を実施しました。職場ではまだ全体に当局の説明が行き渡っていないため、初めて内容を聞く組合員もおり、引き続き学習の必要性を感じました。
(支部長)


愛知県
組合員と家族を守る
第39回支部定期大会開く
 愛知県支部は11月2日、名古屋市内で第39回定期大会を開催。挨拶した佐藤委員長は、職員にとって厳しい状況が続いているが、こういうときこそ組合員相互のつながりを大切に、困難に負けず、今、あらためて組合員とその家族を守り抜く決意を固めて奮闘しようと、組合員の団結を呼びかけました。
 討論では、「職場にゆとりがなくなり、コミュニケーションが取りづらくなっている」、「人事評価制度が実施されるとチームワークで仕事ができなくなる恐れがある」など、人手不足を反映した職場実態や将来に対する不安の声と共に、組合に対する期待の声も多く出されました。
 討論の後、05年度運動方針・予算案を満場一致で採択し、組合員の団結で希望の持てる明るい職場にしていくため、全力で奮闘することを確認しあいました。
(書記長)


新副委員長紹介
曲がったことは許さない頼もしい人
 副委員長の伊藤さんは、感染研の感染症情報センター第5室の室長として、日夜、細菌性疾患の細菌検査、研究のスペシャリストとしてご活躍されています。
 また、全国の公的機関研究員を対象とした細菌検査研修の唯一無二のオルガナイザー&指導者として非常に顔が広く、絶大な信望を集めています。
 更に、5時からのつき合いは非常に懇切丁寧で、深夜から朝?までOKです。しかし、以前より酒(ビール)量はかなり減っていますので、度を超さないようにくれぐれもご配慮の程よろしくお願いいたします。
 さて、組合活動ではご存知のように支部三役を何度も努められており、支部の重鎮です。特に、理に適わない曲がったことは断固許さない姿勢を貫き頼もしい限りです。昨今の公務員に対する様々な逆風に、強力に立ち向かって頂けるものと思います。
 最後に、職場は東京の田舎?の武蔵村山市の村山庁舎で少々寂しいところですので、都心での組合活動の際には、是非、夜、伊藤さんが好む「赤提灯界隈」での活発な議論などをお願いいたします。
(感染研支部 組合員)

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