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◆第1627号(2005年9月5日付)◆


憲法と年金守るたたかいに全力を
全厚生第69回大会議案のポイント

 9月16日から3日間、静岡県伊東市で全厚生第69回定期大会を開催します。大会の焦点や情勢の見方、運動方向など、議案のポイントを杉浦書記長に聞きました。

 掛け値なしに、この国の在り方が問われています。改憲の動きが政治の舞台にのり、公務の市場化・民間化をすすめる攻撃が加速しています。
 こうした攻撃と一体ですすめられている社会保険庁改革は、引き続き、全厚生の最重要課題です。
 大会議案では、日本国憲法を生かし、たたかいの土台に据えることを提起しています。過去幾多の試練に堪えた血と汗の結晶である憲法に学び、全厚生運動の歴史にも学び、みんなの力で前進できるよう、希望を語る大会にしたいと思います。

改憲を許さない取り組みをすすめます。
 日本国憲法が制定以来、重大な岐路に立っています。最大のターゲットは、憲法9条です。その目的は、武力行使ができる自衛隊を海外派兵させることです。
 たたかいの基礎となり、土台をなす憲法の行方は、国民・労働者、労働組合にとって、最大の関心事であり、最優先の課題です。憲法を守る「9条の会」の運動が大きく広がっています。全厚生は、改憲を許さず、草の根から憲法を守る運動をすすめます。憲法9条と25条の意義や相互の価値を探求し、国公労連が提起する「憲法の語り部」の取り組みを積極的にすすめます。

全厚生運動の原点にかえり、たたかいを前進させよう。
 今、厚生労働行政は、社会保障切り捨ての政策、定員削減の強行、公務の民間化などにより、本人の意思とは裏腹に国民に犠牲を強いる結果になっています。
 こうした時、来年60周年を迎える全厚生運動の歴史を振り返り、たたかいを前進させることが大切です。全厚生規約第3条には、「社会保障の確立のために行政の反動化に反対し、わが国の平和と民主主義の確立に寄与する」と記しています。これは、全厚生が常に、労働条件の改善とともに、社会保障の拡充、厚生労働行政の民主化のために活動してきた、まさに原点です。
 全厚生は、「何のため、誰のため」に厚生労働行政があるかを真剣に問い続け、国民の願いに応える厚生労働行政の確立をめざして奮闘します。

社保庁改革に対する取り組みを最重要課題に位置づけます。
 社会保険庁改革の取り組みは、最重要課題に位置づけます。
 内閣官房長官の私的懇談会「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」は5月31日、最終報告を公表しました。さらに、厚生労働大臣主宰による「社会保険庁新組織の実現にむけた有識者会議」
が設置され、2005年末までに組織の具体的なあり方をまとめ、2006年の通常国会に関連法案を提出する構えです。だれも経験したことのない情勢の下で、@継続的な改革に対するたたかいの構えをつくり、体制強化に努める、A労使関係を重視し、職場討議を力に取り組む、B国公労連に結集し、公務・公共サービス切り捨て・商品化に反対する宣伝行動を積極的に取り組む、C国民的な運動の構築をめざし諸団体との共同の取り組みを強めます。

年金講師団活動を新たに開始させよう。
 新たな情勢の下で全厚生の年金講師団活動を開始させます。
 今、医療、年金、介護など社会保障の「一体的な見直し」がすすめられています。財源問題では2007年の消費税増税をもって、決着させようとしています。年金制度の在り方も、抜本的な見直し議論になっています。
 全厚生の年金講師団活動は、04年の年金闘争をリードする積極的な役割を果たしました。社会保障の立場から老後が安心して暮らせる最低保障年金制度の確立をめざす国民的な討議を呼びかけたことは、年金闘争の重要な貢献になりました。この活動経験を生かし、社会保障を語る年金講師団を意気高く開始させましょう。

リレーずいそう
●職場移転
 皆様、残暑お見舞い申し上げます。
 私の職場、国立精神・神経センター精神保健研究所は、今年の3月末に、千葉県市川市から、当センターの武蔵病院と神経研究所のある、東京都小平市に移転しました。
 もちろん、これは当センターの統合化への流れによるものです。
 当初は、研究所は統合して1つの研究所になると言われていましたが、それぞれの研究所が、同じ施設内に入る形で、現在に至っています。
 私は中途失明で視覚障害者となってから、すでに10数年がたちました。
 今回の職場移転で、当然、通勤のことが話題となりましたが、運がよいことに、移転先となったところには、以前通っていたところでしたので、実際のところ、さほど問題にはなりませんでした。
 確かに職場環境が変わったことで、最初のうちは緊張の連続でしたが、これもまた運よく、移転先にも知人が数名いたことで、気が楽になったような気がしています。
 いまやいたるところで組織再編といわれていますが、私の職場は、何とか新たなスタートを切っています。
 もちろん、このままということはなく、あくまでも再編の流れの途中であることは事実です。
 ただ、こうした流れの中においても、職場の中で、何とか立ち回れる環境に、また手助けをしてくれる仲間に、改めて感謝している、きょうこのごろです。
(精研支部 組合員)

News
郵政民営化法案を否決
衆議院解散で9月11日総選挙

 8月8日、小泉首相が「構造改革の本丸」と位置づけた郵政民営化法案が参議院で否決され、それを契機に衆議院の解散が行われました。衆議院解散にともない、「障害者自立支援法案」も廃案となりました。同日、「郵便局の全国ネットワークを守れ」「郵貯・簡保の資金を日米金融資本のくいものにさせるな」と郵政民営化に反対して、参議院前で終日座り込み(写真上)が行われ、全厚生も参加しました。
 総選挙は、8月30日公示、9月11日投票で行われます。

選挙に行って、仕事、働きがい、くらしを変えよう

9月11日は総選挙です。

 8月30日公示、9月11日投票で総選挙が行われます。小泉首相が登場してからの4年間、小泉「構造改革」のもとで、あなたの仕事やくらしはどう変わりましたか。

公務員減らせの大合唱にくじけないで
 定員削減と業務量の増大で、長時間過密労働が強いられ、夜遅くまで「ただ働き残業」しているのが普通になってしまった…なんて現実はありませんか。
 世間では、「公務員減らせ」の大合唱。「全体の奉仕者」として日々、こつこつと仕事をこなし、公共サービスを担ってきた公務員が、肩身の狭い思いをしなければいけない理不尽さに、涙がこぼれたことはありませんか。
 日々の仕事に、憲法25条「国民の生存権」を保障する国の責務の一端を担っているという誇りは見いだせますか。
 今回の総選挙では、何が問われているのでしょうか。郵政民営化をきっぱりやめさせること。消費税とサラリーマン大増税計画を中止させること。憲法9条改悪を許さず平和を守ること。
 それだけでなく、私たちにとっての大きな争点は、公務員の定員・総人件費削減を中止させること、社会保険の民営化を許さず、国の責任で運営させ、誇りのもてる職場にすること、ではないでしょうか。

仕事や働きがいは政治とかかわってる
 総選挙の結果によっては、公務の市場化や公務員削減が加速されるかもしれません。私たちの仕事や働きがい、くらし、平和は、政治の流れと大きくかかわっています。
 総選挙は政治を変えるチャンス。選挙に行って、私たちの未来を自らの手で切り開きましょう。


世代も国も越えて、核兵器廃絶に動きだそう

青年が輝いた世界大会
原水禁大会in広島に参加

 今年の世界大会の特徴の1つは、青年の参加が多かったことです。海外からも、フランスから70人が参加したのをはじめ、イギリスやニュージーランド、リトアニア、韓国、米国、フィンランドなど様々な地域・国の青年も加わり、活発に交流しました。
 4日に行われた「世界青年のつどい」には、主催者の予想をはるかに上回る3000人が集まりました。つどいには秋葉市長も出席し、「平和市長会議は、今年8月6日から来年の8月9日までを『継承と目覚め、決意の年』と位置づけます」として、次のように語りました。
 「『継承』とは、被爆者の思いを私たちの思いとして継承することです。世界中の戦争の被害者たちの思い『こんな犠牲、こんな思いはもう他の誰にもさせたくない』との思いを継承すること。そして『目覚め』は、核兵器があなたを守る、核兵器が必要なんだという考え方、ある意味では我々が呪いをかけられている、そこから私たちの持つ本来の責任に目覚めること。その上で行動することを決意する。そういう年にしたいと思います。」
 5日の青年の分科会では、全体で1000人の青年と65人の被爆者が、世代も国も越えて交流しました。被爆者や長く平和活動に取り組んできた方々からは、「こんなに多くの青年が聞いてくれて嬉しい」「今までこういう交流なかった。頼もしい!」という声が多く聞かれました。青年の側からは「『死んでも生きても地獄』と、生きることに負い目をもつ被爆者の姿に衝撃を受けた。その被爆者の勇気ある証言がボク達に力を与えている!みんなで核兵器のない世界を創りましょう!」(愛知の学生)との発言も。海外の青年も、初めて聞く被爆体験に衝撃を受け「自国に戻ったら大勢に伝えたい」と口々に発言しました。被爆者と青年が、お互いの思いに触れた感動的な分科会になりました。
 苦しみを乗り越えて語り出す被爆者の思いに感動し、またより多くの人が目覚めれば本当に社会を変えることができる!と確信した大会となりました。
(本部書記)


ギャラリー平和キャラ (15)

基盤研支部 組合員の家族の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。

〈評〉頭の翼で羽ばたいて移動する天使。体は、ぷよんぷよんでだっこすると気持ちいいのかも。ハートの力で世界を包み、星の光で世界を照らす。この天使に出会うと平和を愛するようになる。かわいいキャラです。

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