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◆第1624号(2005年7月25日付)◆


給与構造見直し許さない
全国委員長会議で意思統一

 全厚生は7月16日、全国支部委員長会議を横浜市内で開催し、全国の23支部の代表者など45人が参加。9月に開く第69回定期大会議案についての意見交換と当面する夏季闘争の取り組み強化についての意思統一を行いました。

◆委員長挨拶
自由にものが言える職場を

 会議の冒頭挨拶した杉下委員長は、社会保険庁改革問題について「先の有識者会議の最終報告の内容にはいつくかの重大な問題意識を持っている」と全厚生としての考え方を改めて示しました。「最終報告は、年金と政管健保の分離、定員の1万人以上の削減、市場化テストの全国展開、民間企業的な人事管理導入、地方組織の抜本改革をかかげているが、憲法25条に規定された国の責任を縮小することは認められない。また、どれをとっても職員の労働条件に密接に関わる重大な問題であり、労使協議を尽くすことは当然。我々は正論を言っているのであり、自由にものが言える職場でないといけない。この会議で職場に根ざした方針を作っていくために、積極的な発言を」と呼びかけました。

◆議案骨格の提案
希望が見いだせる処方箋を

 全厚生大会議案については、運動方針案の骨格を杉浦書記長が、財政方針と予算案を福士書記次長が報告しました。
 運動方針案の作成にあたって杉浦書記長は、「職場の仲間が苦しめられ希望を見いだせずにいる現状を診断し、今、何をなすべきか、どう展望を見いだすか、大会方針の中で、現状打開の処方箋を示していきたい」と述べ、情勢、結成60周年、社会保険庁改革、働くルールの確立、平和と社会保障、組織強化など8つの柱について紹介し、運動方針では、憲法を生かし、職場と地域に根ざした労働組合の活動方向を提案したいと述べました。
 夏季闘争の取り組み強化については、宮田中執が提案し、給与構造見直しを許さないたたかいを強め、7月26日の国公労連第3次中央行動への結集を呼びかけました。

◆討論
職場からのたたかい強めて

 討論では、のべ20人が発言。運動方針について、「激しい公務員バッシングの中で、給与構造見直しはしかたないという声もあるが、財界の戦略に騙されてはいけない。世の中のしくみがわかるような運動方針を」。また、「どこも仕事に忙殺されている」との悲鳴にも似た現状が報告されましたが、「だからこそ仲間づくりが大切」「組合が必要ということを示す方針に」などの意見が。超勤実態調査や家族交流会の実施、オールナイトスケートの取り組みなど生き生きとした活動や計画が紹介され、参加者を励ましました。
 今国会で審議されている障害者自立支援法案についても、多くの意見が出されました。同法案は、利用料の応益負担と自己負担の導入で、障害者が不利益を被る。利用料などの本人負担で比較すると国立施設が他施設より不利になるケースも生じ、国立施設の存続にとっても重大な問題であることが紹介され、部門会議や交渉強化などの必要性が述べられました。また、今年4月に結成した基盤研支部の取り組みの報告がありました。
 給与構造見直しなど夏季闘争の課題では、「給料削られてまで、仕事は続けられない」「地方軽視は許せない」など、職場からのたたかいを強めていく決意が語られました。
 また、部門ごとの運動前進をめざし執行機能の強化など規約整備の必要性、ブロック機能の強化、中央執行委員会の在り方検討などについての意見が出されました。
 これらの意見を踏まえ、8月中旬には、大会方針案を提案することを確認し、会議を終了しました。

リレーずいそう
●戦後60年に思う
 組合に入って、広島・長崎で被爆された方々が今も大きな被害を受けていることを知りました。が、被害の歴史を学ぶだけでなく、私たちは加害の歴史も見過ごしてはいけないと思います。
 非戦闘員に対する無差別攻撃は、もとはと言えば日本が先にしかけたものです。日本軍は中華民国の首都・南京を占領して、多数の非戦闘員を殺傷しました。中華民国の臨時首都・重慶も、日本の激しい無差別爆撃を受けました。南京の犠牲者の数を北京政府が水増ししていると批判する人がいますが、人数が問題なのではなく、そういった行為を行ったこと自体が問題だと思います。国土の多くを侵略され、多くの人命を失った中国の人々が今でも悔しく思う気持ちを慮る必要があると思います。
 日本の陸軍は、居留民の保護を名分として日中戦争を拡大していきましたが、大戦末期、ソ連邦が旧満州に攻め入ったとき、関東軍は居留民を見捨てて逃げ帰ったのです。そういう陸軍の責任者たちを、英霊などと言うのはおかしいと思います。
 蒋介石総統は、「以徳報怨(徳を以って恨みに報いる)」の考え方から、一般の日本人も軍国主義の犠牲者であるとし、安全に帰国させるようにしてくれました。多くの日本人は、その寛大な姿勢に感謝し、真摯に反省をしました。
 今の日本は、拉致被害など自国が受けた被害に目を向け過ぎていると思います。加害の歴史にも目を向け、中・韓と協調していくべきだと思います。
(業務センター支部 組合員)

News
障害者・家族の声を無視
衆議院で障害者自立支援法案可決

 7月13日、衆議院厚生労働委員会は、与党からの修正案を受けて、「障害者自立支援法案」の採決を行い、修正可決しました。同法案は、「障害者の自立を支援するための法案」であることを期待したにもかかわらず、利用料の定率(応益)負担及び自己負担導入を前提とする制度改革案であり、これまでの障害者福祉制度を実質的に後退させるもの。障害者・家族の生活実態を無視した今回の制度「改革」は「障害が重い人ほど負担が増える」「財布の中身を見ながらサービスを選択する」ことにつながります。同法案は26日に参議院厚生労働委員会で趣旨説明、28日から審議に入ります。7月20日、参議院議員会館前で座り込み行動が実施され全厚生も参加しました。


第18回全厚生機関紙フェスティバル参加紙募集
 支部・分会の教宣活動を応援する「全厚生機関紙フェスティバル」を今年も開催します。応募紙は例年どおり、定期大会会場に展示し、交流するほか、応募紙にふさわしい賞を設け表彰し、講評を行います。
<目的>支部・分会をはじめ青年・女性部などの教宣・機関紙活動を励まし、編集内容の質的向上を支援する。
<対象>支部・分会・専門部で2004年9月から2005年8月までの間に発行した機関紙、およびメール配信されたニュース、ホームぺージに掲載されたニュース。
<参加方法>参加申し込み書(各支部に送付)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。メールニュースの場合は全厚生のアドレスに送信してください。ホームぺージの場合は、URLをお知らせ下さい。
<締切>8月8日(月)本部必着。
<講評>全厚生中央執行委員会
<表彰等>全厚生第69回定期大会で表彰します。賞状、記念品などを贈ります。


生きがいある職場へ
社会保険支部代表者会議開催
 7月17日、横浜市内で社会保険支部代表者会議を開催しました。会議には11支部21名が参加し、各県の職場状況や国民本位の社会保険庁改革の課題について議論を深めました。
 参加者からは、改革推進のスピードが強調され実施体制が整わない状況で現場が混乱している実態や、職員の健康不安を訴える声が増えているなどの意見がありました。また、こうした状況を打開するためにも職場要求を軸とした社会保険庁交渉のほかに、業務問題について労使での意見交換のあり方について積極的に検討していく必要性などが議論されました。
 また、社会保険庁改革問題では、5月31日に内閣官房長官の私的懇談会である「社会保険庁のあり方に関する有識者会議」がまとめた「最終報告」についての全厚生討議資料の討議進捗状況や組合員から寄せられた意見について議論を深めました。討議資料については、本部大会までに全職場でのきめ細かい職場討議を実施することや、国民本位の社会保険庁改革を実現するために、今後予定されている医療保険制度見直しなどにむけて年金・医療保険制度改善などについて、幅広い関係団体や労組との行政研究会やシンポジウムの実現をめざしつつ「生きがいのある職場」をめざし奮闘することを確認しました。


静岡県 庁改革問題を深める
杉下委員長を講師に学習会
 7月20日、静岡県支部は社会保険庁改革と給与構造見直し(地域手当)問題について、杉下委員長を講師に、学習会を開催しました。
 杉下委員長は社会保険庁改革の組織・定員問題について、「最初に『解体』ありきの結論から始まっており、本来どうあるべきかからの議論がされているとは言えず、また、医療保険改革も同時進行していくため、現時点では有識者会議の結論がどのようになるのか不透明である。全厚生は、国民の立場に立った社会保険庁改革は進めなければならないと考えている。しかし、政管健保を国の責任から切り離すことや定員を大幅に削減して外部委託や市場化テストを行うこと、民間企業的な人事処遇の導入には反対である。このことは、労働組合がどう対応したかが問われる」と説明。また、今の社会保険庁の実態や地域手当の問題点についても明らかにしました。質疑応答では組合員から、サービス残業や業務通知が突然来て、準備ができていないまま業務を始める不安が出されました。今回の学習会は、組合員が聞きたかった問題での学習会であったため、参加者は、真剣に説明を聞き、有意義な学習会となりました。
(静岡支部長)


愛知県 給与構造見直しやめろ
人事院中部事務局座り込み
 東海ブロック国公・愛知公務労組連絡会は7月14日早朝から名古屋市内官庁街で「大幅賃下げを許すな、一緒に闘おう」と訴え、官庁街に勤務する人たちに訴えました。
 宣伝行動後、人事院中部事務局前での座り込み行動に入りました。各単組が次ぎ次ぎと職場の仲間の「怒りの連判状」を持って、地方切り下げ、中央優遇の給与構造を中止するように要請を行いました。
 昼休みには総決起集会に500人が参加、人事院の周りを力強いシュプレヒコールがこだましました。
 午後には北陸ブロックが貸切バスで駆けつけ、人事院交渉を実施。
 座り込み行動には愛知の民間労組の仲間も激励に駆けつけるなど、暑い、暑い一日、全厚生東海ブロックの仲間も最後まで座り込みました。 
 勧告直前の8月4日、全国統一行動が予定されています。仲間のみなさん最後までたたかいましょう。東海ブロックもがんばるぞ!
(全厚生東海ブロック協議会議長)

核兵器のない世界の実現へ
あなたも原水爆禁止世界大会に
 日本に原爆が落とされてから60年のことし、8月2日から9日まで原水禁世界大会(本大会は4日から9日)が広島・長崎の両市で開催されます。ことしの世界大会は、核兵器のない平和で公正な世界の実現へ新たな行動と共同を発展させる場として、いつになく重要な大会です。
 ことし5月ニューヨークでNPT(核不拡散条約)再検討会議が開催されました。5年前の前回会議で合意された「核兵器廃絶の明確な約束」の実行を求め、世界中から多くの政府・NGOが集まりました。しかしブッシュ米国政権はこうした流れに反し、いっそうの核固執戦略をあからさまにしています。今回のNPT会議では自ら新型核兵器開発や核使用政策をすすめながら、いっさいの核軍縮・廃絶の動きを拒絶するという横暴な態度に終始し会議を破綻に追い込みました。こうしたブッシュ政権の横暴に抗して原水禁世界大会に核兵器廃絶の願いを結実させようと、海外から300名の代表が参加します。
 毎年全厚生は世界大会に代表を送っていますが、節目の今年、青年を中心に各支部から多くの代表を送り出しましょう。

支部から代表を送り出そう

国民平和大行進が行く 6
香川県
地道な活動に意味

 7月15日、無人駅の国分駅を10名の有志が歩き始めました。私一人が旗を持って歩くものと思いきや、人の数よりも旗の数が多いという事で全員、旗を持って歩きました。
 宣伝カーのスピーカーの音を聞いて、家からわざわざ出て来る人も。少人数であるのでスピーカーで「私たちは、平和“大”行進…!!」とやられると少し面映ゆい感じでした。旗も大げさで恥ずかしかったが、沿道を歩く際の事故防止の意味があることもわかりました。
 地道な活動ではありますが途中で老人から励まされたり、走行中の車から注視する人も多く、それなりの意味がある事を感じました。
 蝉の合唱と暑い風に背中を押されながら、なんとかゴールに辿り着きましたが、被爆者の会の老人達に一人ひとり労をねぎらってもらい、冷たいお茶をいただき、疲れも吹っ飛びました。
(香川県支部 組合員)

大阪→神戸
非核神戸方式を全国に広げよう

 例年だと明石市役所発ですが、今年は神戸市役所前から元町の繁華街をぬけ県庁前、そして湊川公園までのコースを元気いっぱい行進。
 7月10日、日曜日ということもあり、雨も上がった三宮界隈は人であふれ、そんな中私たちの平和の呼びかけにも耳を傾けてくれていたように思います。毎年この時期に行進に参加するのは何度目になるか、漠然とした平和への思いも、こうやって継続していくことで確かなものになっていくような気もします。
 途中、レモン水やアイスキャンデーの差し入れがありがたく、多少弱った足取りもすぐに回復。
「非核神戸方式を全国に」と、大阪支部から神戸支部に、全厚生の平和の旗は確かに受け継がれました。行進を終えた3名は新開地で互いの労をねぎらい、冷たい泡でカンパイ。
(神戸支部 組合員)


ギャラリー平和キャラ (12)

国衛研支部 組合員の家族の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。  〈評〉ピースないたずらが大好き。ハートの杖をひと振りすれば、戦車は積み木に、弾丸は花に、人々の戦う意欲はなくなり、笑い声とともに平和が訪れる。蝶の羽のような翼で世界をふんわり飛び回る平和の天使です。

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