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◆第1623号(2005年7月15日付)◆


現場の声に耳傾け労使協議尽くせ
社会保険庁次長と「庁改革」問題で交渉


 全厚生は7月11日、社会保険庁と交渉を実施しました。
 今回の交渉は、5月31日に、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」が最終とりまとめを行ったことを受け、「庁改革」問題を議題として行いました。
 交渉には全厚生から本部役員及び支部の代表が、社会保険庁からは小林次長、宇野総務課長、柳田職員課長等が出席し対応しました。

成績主義導入やめよ
 冒頭、杉下委員長は、全厚生は今回の有識者会議のとりまとめ内容には、いくつかの点で重大な問題意識をもっていること、また、どれをとっても職員の労働条件に密接に関わる重大な問題であるとともに、職員の協力なくして実現できない課題であり、現場の声に耳を傾け労使協議をつくすことが改革を進めるうえで極めて重要だと主張。また、全厚生はこの間、国民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考えるシンポジウムを開催したこと等を紹介し、今後の組織の在り方問題、業務量やサービス向上に関係なく削減先にありきの定員問題、競争や差別・分断の能力・業績主義導入問題、とりわけ評価を給与処遇に活用すべきではないこと等、全厚生の基本的主張を述べ、社会保険庁の回答を求めました。
 これに対し小林次長は、総括的にこの間の社会保険庁改革の経過にふれ「我々は長官を中心に社会保険庁改革を成し遂げなければならない。平成20年から新組織で動き出すが、その間の3年間は大変大事な時期。実施庁として職員のやる気を出させるための人事評価システムの構築を図って行かなければならない。国民から見える形で変わっていく必要があり、我々にとって非常に大きな課題」と回答。あくまでも人事評価システム導入に前向きな姿勢を示しました。
 飯塚副委員長は「昨年の夏以降、緊急対応プログラムを実施しているが、現場では協議時間もなく一方的に行われている。実施にあたっては労使協議を尽くして欲しい。また広域人事にあたっては社会保険の歴史的経過から本人の意向を十分尊重してほしい」と発言。宇野総務課長は「私どもも職員の労働条件に関する部分は労働組合と忌憚のない意見を交わしていきたい。広域人事は、平成12年度から国家公務員になっているので仕方がない。ただ異動にあたっては職員の意向確認を踏まえていく」と回答。

支部代表から切実な声
 その後、各支部代表が現場からの要求発言。「今国民が求めているのは早急なサービスの改善。定員配分が不均衡であればサービス・スタンダードが実行できない」。「職場では何のために広域配転するのかという声が上がっている。もし広域配転を実施するなら本人の意向を無視した異動を強要しないこと」。「新規業務・臨時業務がすぐに実施で現場は混乱している。具体的な体制が確保されていないなかで、一方的にやれといわれ、病気になりそうな状況」。「昨年も話したが、超過勤務、メンタルヘルスが一向に改善されない。多くの部署で休職者が増えてきている」。「事務所の課長クラスにメンタルヘルスが増えてきている。不祥事問題にからんだ対応や、統計業務などでしわ寄せが来ている」。「個人の評価が賃金に直結するのは問題。国家公務員のやりがいは国民に喜ばれること」。「国民年金の実態は大変厳しい。努力をしなければならないが、不況・若者の雇用不安などの経済の状態から、納付率を上げるというのは大変難しいという声が聞かれる」と発言。
 宇野総務課長からは「みなさんの意見ももっともだというところもある。社会保険庁をどうしていくか議論する必要がある」と回答。

要求と乖離した回答
 まとめにあたり杉下委員長が「能力・業績主義の考え方の議論にはすれ違いがある」と指摘。最後に小林次長から「国民の方と接している第一線の職員の意見を聞く構えでいる。我々は改革をつきつけられている。いつまでも協議のための協議を繰り返すことは許されない。ある時までに結論を出さなければならない」との回答。我々の要求との乖離を感じさせる交渉でした。

リレーずいそう
●八国山は残った
 私は8年前に「となりのトトロ」のモデルとなった狭山丘陵八国山(標高89・4m)の麓に居を移しました。
 八国山は、熊笹の群生、コゲラや相思鳥(そうしちょう)などの野鳥、クヌギやコナラの新緑、夏の爽やかな風、秋には見事な紅葉、冬の落葉など四季おりおり楽しませてくれます。
 毎日多忙な生活を過ごしているなか、週末の八国山の尾根歩きをとても楽しみにしています。
 しかし、この八国山も宅地開発の危機がありました。当時東村山市は、都心に近いベットタウンとして無秩序な宅地開発が進み、次々と緑が破壊されつつありました。東村山市と市民団体「東村山・自然を愛し守る会」が共同して国や都に八国山緑地の保存運動を進めた結果、1973年、東京都の事業として八国山の保存を決定し、民間会社からの土地の買い戻し、96名の地主の協力で、1977年に東京都による歴史的買収が終了し、八国山緑地が保全されることになりました。特に地主さんとの交渉には大変な努力が必要でしたが、市と市民団体は連携してこれを乗り切りました。
 先人たちの物凄いエネルギーと熱い思いで残した八国山緑地を、これからの子供たちのためにも守り発展させて行きたいと考えています。
(ハンセン病研究センター支部長)

News
青年の賃金を改善せよ
国公労連青年協が中央行動

 全厚生青年対策部は、7月8日の国公労連青年協夏季中央行動に参加しました。
 中央行動には全体で230人が参加。青年独自で取り組んだ午前中の人事院交渉と午後の総務省交渉に青年対策部佐藤事務局長(業務センター支部)が出席し、職場の実態を訴えました。昼の人事院前行動では国公労連女性協と一緒に「給与構造の改悪反対!」「青年の賃金を改善しろー!」など元気よくシュプレヒコールを響かせました。午後の学習会では、国公労連の岸田書記次長から「給与構造・地域給『見直し』・総人件費削減攻撃の現状とたたかい」と題した講演を聞き、国公法や労働法に関するテストに全員が挑戦するなど、学習を深めました。


第18回全厚生機関紙フェスティバル参加紙募集
 支部・分会の教宣活動を応援する「全厚生機関紙フェスティバル」を今年も開催します。応募紙は例年どおり、定期大会会場に展示し、交流するほか、応募紙にふさわしい賞を設け表彰し、講評を行います。
<目的>支部・分会をはじめ青年・女性部などの教宣・機関紙活動を励まし、編集内容の質的向上を支援する。
<対象>支部・分会・専門部で2004年9月から2005年8月までの間に発行した機関紙、およびメール配信されたニュース、ホームぺージに掲載されたニュース。
<参加方法>参加申し込み書(各支部に送付)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。メールニュースの場合は全厚生のアドレスに送信してください。ホームぺージの場合は、URLをお知らせ下さい。
<締切>8月8日(月)本部必着。
<講評>全厚生中央執行委員会
<表彰等>全厚生第69回定期大会で表彰します。賞状、記念品などを贈ります。


あふれる思い交流
原水禁世界大会に青年の代表を
全厚生青年部長会議を開催
 青年対策部は、7月8日の国公青年協夏季中央行動に参加し、翌9日に青年部長会議を開催しました。
 9日の全厚生青年部長会議には8支部と本部から15人が参加。
 会議の初めから「青年部は凍結中。何もできていない、存在すらアヤシイ…」「3役はいるが名前だけ。なかなか人が集まらない」「仕事が忙しくなってきて学習会の日程が決めづらい中でも、全員が青年部に加入し元気に活動している」「昔は青年部独自で新聞出していたが、今は親支部も出していない状態。世代交代できない」など各支部の現状を率直に交流しました。
 その後、佐藤事務局長から「次期青年交流集会の開催について」、宮田中執から「ニューヨーク行動に参加して」の報告がされ、「今年は被爆60年。原水禁世界大会に全支部から青年を送ろう」との提起も受けて、さらに2班に分かれてフリートーク。
 交流集会については「皆で何かやる機会もないし普段バラバラだから、皆で一緒に盛り上がりたい!」「息抜きや発見の場に」「福祉の職場も見に来て欲しい」「ハイキングや環境問題」など、様々な意見が出されました。
 また青対部全体に関しても活発に意見交流。「組合は大切だと思う。皆を引き込みたい」「世代・職場が違う人と話せる組合は楽しい!忙しい人こそ組合に参加してもらいたい」「青年部同士の活動交流やりたい。青対部で機関紙を」「青対部を盛り上げたい!」「大勢で原水禁大会に参加したい!」などなど、参加者自身の思いや意見が伸び伸びと交わされました。
 次期役員体制は、引き続き京都支部から尾崎青対部長、業務センター支部から佐藤事務局長が選任され、来年中に青年交流集会を東京で開催することを確認しました。


香川県 組合の意義変わらず
結成40周年記念行事開く
 香川県支部は6月25日、支部結成40周年記念行事を高松市内で開催しました。
 記念行事は、二部構成で行われ、第一部では、全厚生本部の杉浦書記長が「21世紀に労働組合の値打ちを語る」と題した記念講演を行いました。
 講演では、労働組合の歴史からはじまり、全厚生と香川県支部の生い立ちや日本国憲法の理念、社会保険庁が直面している問題について語られ、わたしたちを取り巻く情勢が変わってきてはいるが、組合の意義は変わらないということをあらためて考えさせられました。
 また、第二部においては、歴代の支部長など来賓を招いてのレセプションを行いました。
 レセプションでは、香川県支部の歴史を当時の写真をスライドで見ながらエピソードを交えて振り返り、最後は、参加者全員による「団結がんばろう」で締めくくりました。
(香川書記長)


愛媛県 国民の立場に立って
第39回支部定期大会開く
 6月25日、ウエルサンピア伊予で第39回愛媛県支部定期大会を開催。全厚生本部の飯塚副委員長をはじめ来賓が情勢報告や祝辞を述べた後、61人の組合員が参加した活発な議論が行われ、議案全てが無事採択されました。
 社会保険庁改革が本格化し、私たちに対する定員削減をはじめとした労働条件の低下や国民の目がますます厳しくなる中で、様々な意見が報告されました。厳しい状況にあっても、団結を強め、国民の立場に立って行政サービスに努めていく気持ちをさらに強くしました。
 全ての基本は健康です。健康にも充分気をつけて、1人ひとりが自覚を持って様々な問題に真剣に取り組む決意を一層固めあいました。
(愛媛書記長)

国民平和大行進が行く 5
滋賀県
三井寺で平和祈願

 6月21日滋賀県から京都への引き継ぎを行いました。滋賀県からは、西村支部長、木瀬書記長の2名が、また、京都からは川口書記長が行進に参加しました。
 当日は、梅雨とは思えない晴天でした。東京よりここまでの平和行進日記を見て、例年より行進者が少なくなっているんだなあと感じました。この日の行進を見ても、特に労働組合の旗が無いなあ・・とちょっぴり悲しくなりました。
 道中、滋賀県の三井寺では平和祈願等について住職より激励のお言葉をいただき、通し行進者が平和の梵鐘をつき世界の平和を参加者みんなで祈りました。
(滋賀県支部 組合員)

京都
「忙しさ」の攻撃跳ね返し行進

 「東京〜広島コース」は、例年6月21日に滋賀県から京都に引き継がれ、京都市内を行進するこの日を、京都支部では毎年最大結集として取り組んでいます。
 昨年、台風により、この日の行進が中止され、連年の取り組みが途絶えたせいなのか、支部としての参加者も例年より減少し、全体的にも少し寂しい行進でした。
 被爆60年の節目の行進としては、大変残念な事態であり、平和と核兵器廃絶を純粋に願う勢力へ攻撃を強める戦争をしたい人々の横暴が、労働者・国民の口を封じ、「忙しさ」で手足を縛っているのではと率直に思わざるを得ませんでした。平和憲法も危機に瀕している中、改めて労働者・国民が当事者として問題意識を持ち、みんなで真剣に考えないといけない状況であることを実感しました。
(京都支部 組合員)


ギャラリー平和キャラ (11)

岐阜県支部 組合員の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。  〈評〉平和の使者くじらくん。ひとたび潮を噴き上げれば、PEACEのしずくが一面に。アメリカ大陸周辺はもちろんのこと、アラビア海や日本海にも現れて、PEACEのしずくでいっぱいにしてほしいキャラです。

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