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◆第1621号(2005年6月25日付)◆


核兵器廃絶 子ども達に平和を
第29回全厚生女性交流集会in 広島を開催

 全厚生女性部は、6月11日から12日、「誓いをあらたに、明日を守ろう〜未来ある子らのために 戦争のない世界めざして」をテーマに広島で第29回全厚生女性交流集会を開催。憲法改悪の動きが急を告げる中で迎えた被爆60年を、核兵器廃絶と平和への転機の年とするために、私たちにできることから実行しようと、第35回国公女性交流集会に連動させて開催したもの。15支部52人(8人の子ども含む)が参加しました。
 交流集会は11日に、「ヒロシマと廣島を訪ねる」似島フィールドワークと夕食交流会。12日に、NPT再検討会議要請ニューヨーク行動の報告と被爆体験を聞く記念講演。午後から自由参加で平和公園のフィールドワークを行いました。

被爆地ヒロシマと軍都廣島を訪ねて
◆似島フィールドワーク

 似島は、広島港から船で20分ほどの瀬戸内海に浮かぶ島。広島県原水協理事の湯川寛子さんの案内で、日清戦争の時から軍事的に利用されてきた似島に、今も残る検疫所跡や弾薬庫跡などを見て歩きました。湯川さんから、広島は、朝鮮半島への侵略の拠点として利用された軍都「廣島」であったこと、似島の検疫所も原爆投下直前までは、生きて帰ってくる人も少なく閑散としていたこと、原爆が投下されてから約1万人の被爆者が運ばれてきたことなどを聞きました。おびただしい数の人骨が発見された馬の焼却炉跡や、昨年新たに遺骨が発掘された場所にも行きました。原爆の犠牲者をどこのだれともわからぬまま土に帰さざるをえなかったヒロシマの深い傷跡をたどり、「二度とこのような戦争を起こさないよう、あなたたちががんばって」とのメッセージを受け取ることが出来ました。
 夕食交流会では、参加者の話に感心したり共感したり、「将来の夢当てビンゴゲーム」で大いに笑い、楽しく交流しました。その後も、仲間同士、積もる話を夜が更けるのも忘れて語り合いました。

核兵器廃絶への誓いをあらたに
◆被爆体験談を聞く

 記念講演では、19歳の時に原爆の被害にあった新見愛枝さんから、原爆投下直後のヒロシマの様子や、子孫の代まで続く放射能の被害など、なまなましい被爆体験談を聞くことができました。二度と新見さんのような苦しみを繰り返してはならなと、核兵器廃絶への誓いをあらたにしました。
 参加者は、平和の尊さ、ともに行動する仲間のいるすばらしさを実感し、職場・地域で奮闘することを確認しあいました。

リレーずいそう
●3つのヨカこと
 福岡の雑餉隈という町に初老の女将がひとりの小さな居酒屋があった。
 店の片隅にひっそりと飾られた白黒写真には、若い頃の女将とニッコリと微笑む長身の男性がいた。写真の人は誰かと尋ねても女将は教えてくれなかった。
 ある日、店でおでんをつまみに芋焼酎のお湯割りを飲む私の顔を、女将は怖い目つきで見つめてヤオラ話しかけてきた。「あんたチョット格好ヨカけん、あたしがヨカことば教えちゃる」。女将が言うところの「ヨカこと」をまとめると、一つ目は絶対に結婚する気がない女性とはしてはいけないこと。二つ目は絶対に自分のお金を払って遊ぶこと。三つ目は絶対に女性からお金をもらって遊ばないこと。「する」とは何なのかはご想像にお任せするとして、どれもこれも絶対のつく「3つのヨカこと」である。
 『西鉄ライオンズ銘々伝ー獅子たちの曳光』によると、伝説のプロ野球チーム・西鉄ライオンズの4番打者大下弘さんはチームの若手に遊蕩を教えた。しかし野球選手として身をもち崩さないよう、わざわざ遊郭や水商売のお姉さんから「3つの教え」を若手に説いて聞かせた。この本の中で大下弘さんは、店にひっそりと飾られた写真と同じようにニッコリと微笑んでいた。
 女将のありがたい忠告のおかげで、私は女性との危機的な関係に陥らずにすんでいる。なお居酒屋の店先の長暖簾には白抜きの文字で「ひろし」と記されていた。
(函館支部 組合員)

憲法9条守って、私にできることから
◆参加者の感想
 ◆当時の写真を見せて頂いたり、言葉だけでは伝わらないことが伝わってきてよかったです。世界の平和はどんな事があっても最優先に考えていくべきとつくづく思いました。(岐阜県支部 組合員)
 ◆原爆投下自体はボタン一つで一瞬のことでも、被害・影響は、戦後50年経った今もずっと続いている。今の日本は、北朝鮮や中国ともめたり、憲法9条を改悪しようとしたり、どんどん判断を誤った道へ進もうとしている。なんとか、一瞬の判断で道を誤らぬ様、歯止めをする手だてはないものでしょうか。(愛媛県支部 組合員)
 ◆新見さんの言葉の一つ一つが大変重い。何年経っても風化させてはいけない記憶だと思います。自分のみならず子や孫にまで及ぶ悪夢は繰り返してはならない。(国衛研支部 組合員)
 ◆戦争のリスクを一身に背負うのは庶民。いま戦争の道を突きすすむ日本を止められなかったら、私も新見さんのような被害を受けなければなりません。その時「ああ、あの時もっとがんばらなあかんかったんや」と後悔しなくてすむように、あきらめず運動しなくてはと感じました。(大阪支部 組合員)
 ◆「核兵器をなくそうと思っているのに新しい核兵器を作っている。戦争を繰り返している。戦争で解決は出来ない。時間がかかっても話し合いで平和に解決するしか道はない。今あせっています」との新見さんのお話に胸が締めつけられる思いです。9条を守るために何ができるか、自問自答しています。(愛知県支部 組合員)


不利益遡及許さない
国公権利裁判控訴審が結審
 「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」控訴審の第2回高等弁論が、6月14日東京高等裁判所第101号法廷で開かれました。裁判が始まる前取り組まれた裁判所周辺宣伝行動では、約150名が参加、控訴審の結審に当たっての原告側の主張を記載したビラを通行人に配付し「国公権利裁判」への支持・賛同を訴えました。全厚生からは本部役員をはじめ、愛知県支部から原告の後藤さんが参加しました。
 周辺宣伝行動の冒頭あいさつで国公労連の盛永副委員長は、「東京高裁は、このような不法・不当な1審判決を支持するのではなく、まともで、道理ある判決を下すよう望む」とし、「裁判勝利のために、最後までしっかり団結していこう」と訴えました。
 東京高裁第101号法廷には、弁護団5名を含む参加者で傍聴席までほぼ満席となりました。今回の弁論は国側が第1回弁論での結審を要求したのに対して、原告側が主張を補強するため第2回の弁論を要求し、裁判所がこれに応えて開かれたものです。この日は原告側が「控訴人準備書面(2)」を陳述し、国側は書面の内容に対し「争う」と答弁、結審となりました。
 その後弁護士会館に場所を移し、「意思統一集会」が開催されました。この中で国公労連・小田川書記長は「公務員に対して厳しい攻撃がある。第1審の判決はそのような周辺の状況に裁判所が追随したものであり、周辺を変える運動が必要、したがって夏季闘争に全力をあげつつ権利裁判の意義を広めよう」と行動提起をしました。
 注目の判決言い渡し日は9月29日です。


つたえよう ひろげよう
憲法のあるしあわせ

第35回国公女性交流集会in広島に参加

 6月10〜11日、第35回国公女性交流集会が広島市内でひらかれ、382人(12単組41県国公)が参加。全厚生からも7支部15人が参加しました。
 ドイツ文学翻訳家の池田香代子さんが「100人の村から憲法が見えた」と題し、記念講演。「憲法は権力者の暴走にたがをはめるもの」と、憲法制定時の歴史的背景や、憲法13条の重要性を語り、「憲法の中心は一人ひとりが大切にされる社会をつくること。そのために、@身近な人に憲法の素晴らしさを話すAメディアで頑張る人を支えるB地産地消の実践を」と3つの行動を呼びかけました。
 その後、「過労死のない、命を大切にする社会を」と過労死裁判のたたかいを「働くもののいのちと健康を守る広島県センター」副会長の木谷照子さんから、青年が戦争を語り、歌で楽しく平和運動をすすめる「沖縄・ヒロシマ・ながさき青年平和交流会」実行委員長の斎尾亜利さんから報告がありました。
 アトラクションは、男性合唱「国鉄広島ナッパーズ」の歌声。働く“誇り”を力強く歌いあげるステージに感動。
 2日目は8つの分科会を開催。被爆の体験を聞く分科会をはじめ、憲法、メンタルヘルスや食の安全、男女平等や働き方について語り合いました。
 最後にアピールを参加者全員で確認しました。


OB会 憲法9条守る運動を
第8回総会を開催
 全厚生退職者会(OB会)は、6月18日、東京・赤坂で第8回総会を開催し、14名が参加しました。
 大倉修二会長のあいさつ、三原實事務局長が活動報告と活動方針案を提案。ともに「憲法9条」を守る運動に賛同し協力することを強く訴えました。
 恒例の学習会は、社会援護局OBで、現在中国残留孤児援護基金常務理事の竹之下和雄氏を講師に、「中国残留孤児問題と今後の日中友好の展望」と題して、残留孤児発生の歴史から中国人が見る日本人の印象や文化の違い等を話していただきました。
 参加者全員が近況報告を行い、懇親会でのなごやかな歓談のうちに閉会しました。

☆ ★ ☆ ピカピカの小学1年生 ☆ ★ ☆
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全厚生組合員の「ピカピカの小学一年生」全員集合。今号で掲載はおわりです。
〈コメント説明〉
(1) 子どもの氏名(ふりがな)
(2) 大きくなったら何になりたい?
(3) お父さん、お母さんからのメッセージ。
松田 湧斗くん
(1) まつだゆうと
(2) サッカー選手
(3) 小学生になったら、友達を大切にし、周りから愛される人になってください。

国民平和大行進が行く

視覚障害者の通し行進者とともに 3

 6月4日、函館地区の国民平和大行進に地区国公議長として参加しました。今年の行動では、例年のコースと違い、日本海コースへの参加要請がありましたので地区国公のほとんどの単組が北海道大学水産学部正門前から合流しました。既に七重浜駅からの宣伝カーと行進者13名と共に約35名が合流し、内3名が函館支部からの参加で函館駅前グリーンプラザを北海道最終目的地として約5キロの行進を行いました。
 今回の行進で特徴的だったのは、通し行進者の中に女性の視覚障害者の方がおられ、ガイド役の方と先頭を歩いていたことです。この方は、ゴール地点での自己紹介で広島から来られた原爆症の方であり、今から60年前に広島で被爆し、40歳頃から視力が低下し、現在光が分かる程度の障害(光覚弁)であるということで実体験を通し強く平和を求めたアピールをされていたことがとても印象的でした。
 行進は翌日の青森に引き継ぎ、北海道での役目を終えました。
(函館支部 組合員)


ギャラリー平和キャラ (9)

愛媛県支部 組合員の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。  〈評〉平和の光で世界を照らす太陽くん。争いごとが始まると、「待った!」を掛けて、間に入り、まるくおさめる不思議な力の持ち主。かわいさあふれるキャラクターです。

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