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◆第1619号(2005年6月5日付)◆


年金は政府が運営責任
社保庁有識者会議が最終報告

 社会保険庁の組織の在り方、業務運営の在り方等を議論してきた「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」は5月31日、最終報告書をとりまとめました。(要旨別掲)
 焦点の組織の改革では、年金と政管健保の運営を分離した上で、それぞれ新たな組織を設置するとし、年金の運営主体については、「国に対する国民の信頼を基礎として、国の責任の下に、確実な保険料の収納と給付を確保し、安定的な運営を図ることが重要」「政府が直接に関与し、明確かつ十全に運営責任を果たす体制を確立することが必要」としています。
 年金組織については、政府が運営責任を果たすとしていますが、法的位置付けは明確にしておらず、今後政府部内で検討を続けることになります。
 政管健保の運営主体については、国とは切り離された全国単位の公法人を保険者として設立するとしています。
 組織の構造改革及び職員の意識改革等では、(1)大幅な人員の削減(2)民間企業的な人事・処遇の導入(3)地方組織の抜本改革を行うとしています。
 改革の実施計画について、新組織の設立は08年秋としてスケジュールを示しています。

社会保険は国が直接運営を
 私たちは、今回の有識者会議の報告内容には、いくつかの点で重大な問題意識を持つものです。
 年金と医療の分離については、社会保険庁の「解体」議論の中で突然持ちだされたもので、利用者の立場や運営がどうあるべきかとの視点から議論されたとはいえません。事務の効率性や行政サービスの点、特に国の責任放棄・縮小につながる政管健保の「公法人」には問題があると考えます。
 人員の大幅削減は、現場と業務の実際を無視したもので、政府がごり押しする公務員の過酷な定員削減のターゲットにされており、また、「市場化テスト」の大幅な拡大は、民間企業の利益のために、行政の責任と役割を変質・後退させるもので、到底認めることができません。
 また、「民間企業的な人事・処遇」の導入、能力評価、業績評価を給与処遇に活用することについては、仕事への意欲は仕事そのものであり、お金で動機付けをしようとする考えは、職場に混乱をもたらし、協力・共同して業務を遂行する組織の活力をむしろ後退させるものです。
 しかしながら今後、政府・当局は、今回の報告に基づきその具体化をはかってきます。私たちは職場を基礎に討論、学習を深め労使交渉を重視するとともに、国民本位の社会保険行政の確立、働くルールの確立をめざし、国民的視点で積極的に打って出る取り組みがいよいよ重要になっています。

社保庁有識者会議「最終報告」(要旨)
☆公的年金の運営主体
(1) 組織の形態
独立行政法人は事業運営の効率化、サービスの質の向上などが期待できる
しかし、組織形態の在り方だけでなくいかに組織の構造及び機能を設計するかによる
保険料収納率の向上が最重要課題。業務全般に政府が直接に関与し、運営責任を果たす体制を確立することが必要
(2) 組織の機能の在り方
国民の意向の反映、内部統制の確保などの実現を図るため「年金運営会議(仮称)」を設置する
年金受給者や保険料負担者の意向を反映させるため、「運営評議会(仮称)」を設置し、運営会議と緊密に連携
新組織の長は年金制度改正が必要な場合厚生労働大臣に提案を行う
(3) 組織の構造改革及び職員の意識改革等
定型的業務の外部委託の拡大、組織のスリム化の計画的推進
都道府県ごとの社会保険事務局(47カ所)をブロック単位に集約化する
☆政管健保の運営主体
国と切り離した全国単位の公法人を設立財政運営は都道府県単位を基本とする

リレーずいそう
● ディープインパクト
 先日、「社会保険庁改革の在り方について」の最終とりまとめが行われました。ほぼマスコミ等で報道されていた内容となりましたが、これから我々は一体どうなるのでしようか?。なぜ、ここまで攻撃を受けるのでしょうか!。改めるべきことは改めるべきですが、あまりにも理不尽ではないでしょうか。
 他の省庁のことを言って申し分けありませんが、何とも納得できないことがあります。外務省改革は一体どうなったのでしょうか。マスコミもあれだけ大騒ぎして結局、中途半端な改革しかしていないのにこれでいいのですか。全くどう考えても納得できません。
 様々な問題については改めて言う必要はありませんが、政治的要因や庁幹部の問題であり、なぜ我々がこれほど非難されなければならないのでしょうか。庁幹部は本当に反省しているのでしょうか。反省の弁を聞いたことがないと思うのですが。
 改革のためやるべきことは確かにたくさんあるとは思いますが、我々の人権まで無視しているような状況には憤りを覚えます。
 国民本位の社会保険制度をつくるため、努力する決意は充分持っています。大変厳しい状況ですが、皆さんがんばりましょう。
 好き勝手なことを書きました。
 話は変わりますが、ディープインパクト強かった!史上最強になってもらいたいです。
(愛媛県支部 組合員)

News
● 女性の労働条件改善を ―大臣宛「女性の要求書」を提出―
 全厚生女性部は5月24日、厚生労働大臣宛の「女性の労働条件改善に関する要求書」を人事課に提出しました。これは、これまでの要求書にこの間の議論と今年2月に実施した女性の要求アンケートの結果を反映させ充実させたもの。給与構造の「見直し」改悪は行わないことなどの基本要求から、社会保険庁改革に対する要求、女性の登用・採用はじめ、子の看護休暇などの制度改善要求まで13の柱に79項目の要求書となっています。提出には金子女性部長、木立女性部事務局長、杉浦書記長が出席。人事課は井上補佐らが対応しました。


給与構造の基本的見直しやめよ
署名や人事院交渉など取り組み強めて

 人事院は5月18日、国公労連に対して「給与構造の基本的見直し」(措置案)を提案してきました。人事院による「給与構造見直し」の狙いは、地域別民間賃金水準の反映にあります。そのため、現行の俸給表水準を一律5%下げた上で、従来の調整手当を地域手当に再編し、3・6・10・12・15・18%の6段階の支給区分で従来以上の思い切った地域間配分の見直しを行おうとしています。
 俸給引き下げと地域手当の影響は、勤務地・年齢等によりやや複雑ですが、地方に勤務し、地域調整手当の支給をうけていた中高年齢者への影響が甚大で、賃下げ幅が7%以上になる職員が生じる危険性があります。
 俸給水準の見直し内容は一律引き下げではなく、年齢段階や級・号俸の違いで大きな差が生じます。具体的には、30歳代半ばの職員が適用される号俸を起点にして、それより高い号俸は5%を上回る最高7%まで引き下げるとしています。他方現行1〜2級、3級前半号俸の水準は現状維持としています。大幅な年齢間給与配分の見直しであり、中高年層の志気や、退職金を含めた生涯賃金に大きな影響を及ぼします。
 また、これまでの特別昇給と普通昇給を廃止し、勤務成績を反映した「査定昇給」に切り替えるとしています。そのため現行の号俸を4分割にします。標準者の昇給は4号俸とし、要努力者は3号俸以内、良好者は6号俸、特に良好者は8号俸と昇給に差をつけようとするものです。勤勉手当についても、「標準」の成績区分の成績率を現行の一般職員70/100から65/100に引き下げようとしています。それに伴う原資を「特に優秀」「優秀」者に振り分けるとしています。大部分の「標準」職員は5/100引き下げられ、少数の「特に優秀」「優秀」な職員は引き上がることになります。
 人事院は査定昇給の導入や勤勉手当に反映する「実績」は、現行の勤務評定で「評価」するとしています。評価制度が未確立なのに、「成績主義」を強化することは容認できません。
 全厚生は「給与構造見直し反対署名」の取り組み強化に加え、全組合員による人事院総裁宛「自筆請願署名」の取り組みを展開します。また、各ブロック国公でおこなわれる地方人事院への要請や交渉、6月24日と7月26日に行われる中央行動に結集し、たたかいを進めます。


核兵器廃絶を皆の力で

ニューヨーク行動に参加して(2) 伊東支部 組合員

◆5月1日
 ニューヨークパレードと大集会

 5月1日朝9時集合、セントラルパークまでパレードし、18時まで大集会に参加。その後国公労連参加者で交流。
 この日朝から天気が悪く雨が降ったり止んだりだった。ロードレースが有るからと国連本部北側の出発地点まで出かけようと外に出たときには雨は止んで曇り空、約1時間程歩いて到着。宮田さんと2人で片言の英語で12時のスタートまでの間、全厚生から持ってきた平和のタペストリーに、現地の女性にメッセージを書きこんでもらう。
 スタートする頃には徐々に空も晴れパレードには最高の天候になった。普段は歩けないアメリカの道路いっぱいに人が溢れ、大勢の外国人のパフォーマンスに圧倒されながらのセントラルパークまでの3・2kmだった。
 セントラルパーク内のヘクシャー・プレイ・グランドで18時まで開かれた大集会では、外国人のパフォーマンスや、日本原水協代表、広島、長崎両市長、被爆者、連合の代表の発言もあり、盛り上がった。その場でも署名行動やのぼり、タペストリーにそれぞれ平和のメッセージを書きこんでもらう等の行動を行った。
 夕食は国公労連の11名で初めての交流会となった。

◆5月2日
 セントラルパークで署名行動

 5月2日朝9時集合、セントラルパーク入り口にて12時まで署名行動。午後、国連見学。
 セントラルパーク入り口のコロンバスサークル周辺で、全労連の一部と国公労連の11名が2名づつのチームに分かれて、署名行動を行った。 宮田さんの持ってきた英語のアンチョコと片言の英語でニューヨーカーからの署名を貰ったり、外国からの観光客から署名を貰ったり、中には「私は、兵器賛成です」と断られたり、始めは難しかった署名活動も段々慣れてくると楽しくなり、次々と声を掛ける事ができ、外国人にも慣れてきたかなと思う頃には用紙も無くなり、他の人の手伝いをしたり、と難しい中にも楽しさも有り納得行く署名行動ができた。
 国連見学は、セキュリティーチェックが厳しく、飛行機に乗るときと同じようだった。国連の見学ツアーに参加した。が、解説が英語で気を抜くと何を言っているかが分からなくなり大変だったが、普通では見られない会議場などが見学でき貴重な経験となった。

これからも平和運動に参加したい
 ニューヨークでの集会の時の話はすべて英語で、同時通訳がされたのですが、いまいち何を言っているのか分からない事などもあり、聞き取りに苦労しました。言葉の壁が厚く私の前にあり、もっと英会話の勉強が必要だと考えさせられました。話は変わりますが、予定の時間の合間をぬって、グラウンドゼロや自由の女神などの観光にも連れていってもらい、充実したニューヨーク行動をしてきたと思います。ですが、ニューヨークはとても遠かったでした。
 これからも仕事の合間に出席できるような平和運動などに参加していきたいと思いました。
(つづく)


ギャラリー平和キャラ (7)

大分県支部 組合員の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。  〈評〉ピンクと水色のハートの天使がひしと抱きしめ合っています。平和って、お互いを理解し、認め合うところから始まるのかもしれません。世界中を愛と平和で満たし、ほのぼのとさせてくれるキャラクターです。

みんなの国公共済会
支部の取り組み紹介します <連載(4)>
まさかの時の心の支え
 晴天の霹靂という諺がありますが、私にとって昨年と一昨年は、正にこの諺がピッタリのできごとがありました。
 一昨年の初め、新庁舎に移って間もなく、慣れない環境と入所生の受験時期での仕事の忙しさが重なって、職場の階段を14段落ちてしまいました。不幸中の幸いで、肋骨1本と腰の骨を折っただけですみました。
 また昨年の夏は、巨大な台風が次々と襲ってきて、実家の屋根が捲れて、垂れ下がってしまいました。突然屋根がなくなって、雨が家の中に降ってきた時の家族の気持ちはいかばかりだったか、察するに余りあります。家財にも、相当の被害が出ました。
 という訳で、私は思いがけずして、2年続けてセット共済と火災共済の給付金をいただきました。とても助かりました。元気な時は、自分にこんなことが起こるなんて考えられませんでした。でも実際に経験すると、日常が大変になるだけでなく、いかに出費が嵩むかを痛感しました。
 まさかの時のために、いざという時のために、共済会に加入しておくことは、お守りと同じだと思います。普段は意識に上らないけど、まさかの時、いざという時の心の支えになると思います。
 また、職場の共済会担当の方はもちろん、本部の担当の方々も、とても親切です。書類だけ見ていても分からないことがありますが、電話でお尋ねした時に、丁寧に分かりやすく説明していただき、とても安心いたしました。皆様も、まさかの時のこと、考えてみられてはいかがでしょうか。
(福岡支部 組合員)

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