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◆第1618号(2005年5月25日付)◆


給与構造「見直し」許すな

全国支部委員長会議開く

 全厚生は5月14日、全国支部委員長会議を東京都内で開催。春闘の中間総括とともに、給与構造の「見直し」を許さないたたかいをはじめ夏季闘争と、社会保険庁改革に対する取り組みの方向を確認しました。
 会議には、今年4月7日に結成されたばかりの全厚生基盤研支部から亀岡支部長と小浦書記長が参加し決意表明しました。

社会保険は国が直接運営を
 会議の冒頭、あいさつした杉下委員長は、社会保険庁改革をめぐる動きについて詳しく解明し、「公的年金の運営主体の組織形態の在り方について、外局化や独法化など、さまざま議論があるが、国の責任で、国の機関が直接責任もって運営すべき」とあらためて強調。また、社会保険庁が6900人もの定員削減計画や成績主義賃金など民間的手法の人事管理を導入しようとしていることを厳しく批判。「国民不在の小泉『構造改革』路線の政治を改めなければ、ますます危険。国民の声の届く国会にしよう」と呼びかけました。

夏季闘争の具体化意思統一
 杉浦書記長は、05春闘の中間総括と夏季闘争の具体化を含む当面するたたかいの基本方向について提案。春闘の到達点について、憲法改悪阻止のたたかい、3・5社会保険シンポジウムの成功、全厚生基盤研支部の結成、ニューヨーク行動への代表派遣の取り組みなどを紹介しつつ、たたかいは現時点でせめぎ合いのさ中であると強調。夏季闘争はじめ当面するたたかいの基本方向を@当局交渉の実施A庁改革に対する取り組み強化B憲法改悪阻止C女性交流集会の成功D国公権利裁判のたたかいE平和の取り組みの前進F学習・教育活動の推進G給与構造「見直し」に対するたたかいの8点にわたって具体的に提案しました。組織拡大・強化については、宮田組織部長が報告提案しました。
 社会保険庁改革問題では、飯塚副委員長が報告し、「社会保険庁改革に対する職場討議資料第2弾」の骨子を提案。5月27日に開催する社会保険プロジェクト会議で具体化することを確認しました。

対話と日常活動を重視して
 給与構造「見直し」問題については、国公労連の岸田書記次長を講師に理解を深めました。岸田さんは、今年8月の人事院勧告では、基本給一律5%程度の引き下げ、30代後半以上の職員では最大7%の引き下げが行われる動きがあること。18%〜3%の地域手当を新設し、東京都区部で現行水準を維持しつつ、地方の給与を引き下げることなど、資料をもとに解説、夏季闘争の重要性を訴えました。
 討論では20人が発言。組織活動については、組合員加入促進での職場の率直な意見などが紹介され、対話と日常活動の重要性をあらためて確認する議論となりました。また、社会保険庁改革問題や給与構造「見直し」問題での怒りと闘いの決意などが熱心に語られました。
 最後に、NPT再検討会議要請ニューヨーク行動に参加した宮田中執がNPT会議の意義や国公代表団の奮闘ぶりなどを報告しました。 

リレーずいそう
● JR脱線事故に思う
 多くの痛ましい犠牲者を出したJR西日本の脱線事故。カーブでのスピードオーバーが事故につながったが、それが運転士個人の責任にされるのではなく、安全よりも利益の追求に邁進していた同社の企業体質に焦点が当てられるきっかけになったことはまだ救われる気がする。
 人件費抑制でベテラン層が極端に薄い、新型ATS装置の未設置、カーブに入る前の直線の距離不足、無理なスピードアップを必要としたダイヤ改正。いわゆるドル箱路線を持てない環境だったとしてもなぜここまで安全性を損なうとわかりきった形での利益増加策をとってきたのだろうか。
今回マスコミは今まで報じることをしてこなかった「日勤教育」や秒単位の遅延実態調査、さらに誰も中止を言い出せなかった社内ゴルフコンペなど健全とは到底いえない「ものの言えない」企業の精神風土を問題視しているが、「日勤教育」のことを聞いたときすぐにJRが分割民営化されたときのことが頭に浮かんだ。
 国鉄は族議員たちの国策で作られた大赤字の黒字化を宿命付けられ、1986年これまた国策で民間企業にされた。しかも純粋な民間企業とは違い、今も政治の影響を受け続けている。
 このとき分割民営化に反対した国労の組合員をターゲットにしてすさまじい国家ぐるみの不当労働行為が行われ、職場では100人以上の自殺者を出し、多くの職員が国鉄を去った。清算事業団に送りこまれ、仕事も与えられず飼い殺しの状態に置かれた挙句切り捨てられた組合員がJRへの復帰を求めて今も闘っておられる。今回の事故は、19年前の「国鉄処分」で作り出された特異な企業体質のいわば延長線上にある。国も連帯責任を負っているのだ。そう思えてならない。
(大阪支部 組合員)


改憲反対、守ろう生活

5.20国会包囲行動に1万人

 5月20日、国会包囲国民大行動が行われ、国公労連は中央行動配置し結集。全厚生も本省・統計・業務セ・リハ・神奈川県の各支部と本部から15人が参加しました。日比谷野外音楽堂で開催した国公労連の05年夏季闘争意思統一集会では、賃下げとなる給与構造「見直し」や5年間10%もの定員削減、公務の民間開放、「公務リストラ」攻撃に対し、国民本位の行政を確立する中央・地方のたたかいを意思統一。全厚生は福士書記次長が、社会保険の民間開放を許さず、憲法25条にもとづく社会保障の充実めざして奮闘する決意を表明しました。人事院や政府・使用者追及する中央行動、国会請願デモ、国会議員要請の他、「許すな憲法改悪!守ろう国民生活5.20国会包囲行動」集会などに1万人が参加しました。


働きがいある民主的な職場めざしてがんばります。
▲初めまして、全厚生基盤研支部です▲

 本年4月1日に厚生労働省としては初の非公務員型独立行政法人として医薬基盤研究所が発足しました。この研究所は医薬品食品衛生研究所、感染症研究所、医薬品機構の一部を切り離して複数部門が統合された組織です。医薬品食品衛生研究所支部と感染研支部から移動した組合員11人で4月7日に支部結成大会を行い、全厚生で30番目の支部となる全厚生医薬基盤研究所支部が産声を上げました。
 これまで全厚生大会などでも基盤研問題についてずいぶんと議論がなされてきましたが、いざ発足してみると引越しのドタバタもあってなかなか具体的な準備対応が出来なかったのですが、とにかく支部の立ち上げだけはしなければならないと、移動した組合員の協力で結成大会を成功させることができました。
 全厚生の支部の中では唯一そして初めての民間(非公務員)労働組合です。当然ですが国公法は適用されず、労働基準法に従うことになります。国家公務員であったこれまでとは全く異なる世界が展開しているのだということが、頭では分かっているつもりでしたが、その現場に立たされて初めて厳しさを実感し、しなければならないことが山積していることを気付かされました。
 この現実とは裏腹に、大阪本所の研究所は北大阪の長閑な山の中腹、すばらしい自然環境の中にあります。非公務員型ということで運動の進め方はかなり異なるものになるだろうとは思いますが、私たち基盤研支部だけではとても立ち行くものではありません。全厚生本部をはじめ大阪支部、近畿ブロック、全国の各支部の皆さんのご支援を宜しくお願いいたします。共に頑張りましょう。(支部長)

基盤研は「あ〜いい運動したな」って感じの距離と広さ
 大阪基盤研は不思議な建物です。南棟と北棟があって上から見ると翼を広げた鳥のよう、と言えば聞こえはいいのですが、北棟の端から端まで100メートルもあるんですよ。で、今のところ組合員は北棟に集中しています。ニュースを配るとひと運動した感じ。
 千里中央からの直行バス(約25分)は、田園風景の中を新興住宅地である「ジオ彩都南坂」を目指して上ってくるのですが、終点からまたさらに7分ほど上り坂を歩き、やっと玄関に着きます。ここでも「あーいい運動をしたなあ、ゴルフに行かなくてもゴルフ焼けになりそう」と思いながら毎日足を鍛えています。道には花壇が整備され、花が絶えることの無いよう工夫されています。
 開所して2カ月で自動車通勤者がかなり増え、駐車場が足りないかも、と言う話もあります。話だけでは語り尽くせないものがまだまだあるので、お近くにいらっしゃる機会があったら是非お寄りください。支部をあげて大歓迎いたします!
(書記長)


核兵器廃絶を皆の力で

ニューヨーク行動に参加して(1) 伊東支部 組合員

 国公労連代表団の一員として、4月29日から5月5日までNPT再検討会議要請ニューヨーク行動に参加しました。今まで仕事でほとんど平和運動や集会に参加できなかった私としては、大変勉強をさせて頂いたと思います。
 核兵器については日本だけが被害を受けている為、映画やアニメを観たり、広島はまだ訪れた事がありませんが、長崎の平和公園には何年か前に行って来ました。あの悲劇は忘れてはいけないと思っていましたが、今回参加させて頂き新たな気持ちで、核兵器の廃絶と不使用を皆の力で訴えて行かなくてはならないと強く思わされました。
 ニューヨークでの行動リポートを日ごとに紹介します。

◆4月29日
12時間30分かけ ニューヨークへ

 成田空港15時35分発、ノースウエスト機にて空路12時間30分。4月29日15時05分ニューヨークJFK空港着、バスにてホテルペンシルバニアへ。この日はGW初日ということもあり、成田空港は非常に混雑していた。時差も有りニューヨークに到着したのも同じ日の15時、1日が長く感じられた日だった。

◆4月30日
公開シンポや労組交流会に参加

 朝9時30分集合、全厚生の宮田さんと私は、第1グループのC班サンフランシスコ組に入り行動を共にした。朝から冷たい雨が降り、午前中の署名行動は中止された。
 午後1時〜4時、セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂にて公開シンポジウム「2005NPTー核兵器廃絶へ各国政府代表と語る」(原水協主催)。午後6時〜8時、SEIU1199支部会館にて、アメリカの労働組合との交流会(全労連主催)。
 公開シンポジウムでは、国際平和ビューロー会長のコーラ・ワイス氏、パネリストとして、国連エジプト常駐代表 マケド・アブデラジズ大使、廃絶2000全米コーディネイター ジャクリーン・カバソ氏、アメリカフレンズ奉仕委員会 ジョセフ・ガーソン氏らが出席され、日本からの代表団員、市民団体等850人以上が参加した。パネリストの方々から、核保有国の核不使用の約束が2000年の会議から、まったく前進が無く約束が守られていないこと、アメリカの平和運動について等、それぞれNPT会議の重要性について発言され、質疑応答等意見が交わされた。
 アメリカの労働組合との交流会は、「全労連・アメリカ反戦労働者連盟交流集会」と題され、行われた。アメリカからの報告では、アメリカのメーデーは小規模なもので今後の課題である、との発言等された。その後、各労組から連帯旗、パンフレット等の贈呈があり、私も、いかそう憲法9条のバッジを贈呈させていただいた。
(つづく)


ギャラリー平和キャラ (6)

岐阜県支部 組合員の作品

 全厚生女性部が募集した平和キャラクターの応募作品を紹介するコーナーです。  〈評〉いたずらっ子の顔をした平和の戦士と思いきや実は天使。ハートの杖に秘められた平和パワーは絶大。世界を平和に導きます。アニメにして動かしてみたいキャラクターです。後ろ姿と横向き姿もすばらしい。

みんなの国公共済会
支部の取り組み紹介します <連載(3)>
OBにもささえ愛
 昨年8月末に 頸椎骨折により、1カ月半入院しました。頭を固定し、寝返りも出来ず、じっとしていたおかげで、退院も早かったのですが、医療費の高いのにはびっくり、いざという時には、やはり保険は助かります。以前からの生命保険は、入っていますが、年齢も高く、書き替えごとに保障内容が悪くなる一方で、保険料は上がります。国公共済会は、わずかな口数で、いざというときのために入っていましたので、最後に請求しましたところ、保険料を倍以上掛けている一般生命保険に比べ、給付額は一番多く、しかも早かったのにはびっくり。そのために皆さんの還元金は少なくなるかもしれませんが、ささえ愛と思い、ありがたくいただきました。
 底辺が広がれば、一人ひとりの負担は少ない金額でも、多くの人に喜んでもらえます。我々OBも入れるようにして頂き、引き続き掛けていて良かったと思っています。今後も多くの加入者を持ち、弱い者を助け合っていって欲しいです。
(愛知県支部OB M・T)

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