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◆第1610号(2005年2月25日付)◆


中央執行委員会が声明を発表

不祥事の再発防止の徹底と国民本位の社会保険行政を

行政の民主化をめざして
 2月18日、全厚生労働組合中央執行委員会は、一連の社会保険庁の不祥事に対して行政の民主化をめざし不祥事の再発防止の徹底と、国民本位の社会保険行政の確立に向け声明を発表するとともに、3月中旬に予定している社会保険庁交渉にむけて「私の一言」はがき行動を取り組むことなどを決定しました。  年金制度不信にたいする苦情が絶えない中、本庁を主体とした一連の不祥事は、現場でまじめに働く職員に批判の矛先が向けられ業務運営に支障をきたすとともに職員の働きがいまでも奪っています。二度とこうした不祥事を繰り返さないようにするためにも、「私の一言」を記入した組合員の切実な声を厚生労働大臣、社会保険庁長官へ提出していきます。みなさんのご協力をお願いします。

一連の不祥事と社会保険庁改革について
2005.2.22
全厚生労働組合中央執行委員会
 巨額の監修料や特定業者との癒着など相次ぐ社会保険庁の不祥事に対し、国民の不信と怒りが集中し、独立行政法人化や民営化の動きが強まっている。21日に開催された「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」においては、(1)医療と年金の分離の検討(2)年金制度論からの新組織の検討などを柱とする座長私案が示され、5月にも最終案の取り纏めが行われようとしている。
 日々の暮らしや老後生活のために社会保障制度の充実を求める国民の声が益々強まっている中でのこうした事態に対し私たちは、社会保険行政の現場に直接携わる者として、極めて残念であると同時に、社会保険庁幹部に対する激しい怒りを禁じえない。とりわけ国家公務員倫理法制定後も特定業者から日常的になんのためらいも無く餞別や接待等を受けていた事実には、怒りを通り越して情けなくさえ思う。私たちは、当該職員の厳正な処分を求めると共に、国民の権利としての社会保障制度を守り、胸を張り安心して働ける職場のためにも、真の社会保険庁改革の実現に向けて奮闘する決意をまず表明するものである。 一連の不祥事の背景には様々な要因が考えられるが、一実施庁である社会保険庁が国家予算にも匹敵するような巨額の金銭を動かす中で、感覚が麻痺してしまっていること。さらに、1997年の財政構造改革法の制定により、それまで国の一般財源で措置されていた年金事務費が保険料財源に切り替えられたことなども影響し、構造的な麻痺に輪をかけてしまったことは否定できないと考える。私たちは、来年度からは全額一般財源に戻すよう強く要求してきたが、多くが引続き保険料財源により措置されることとなった事は極めて遺憾である。
 また、1947年の地方自治法制定以来2000年の地方分権一括法による廃止まで続いた「地方事務官」という変則的な身分制度が問題の根底に横たわっていたことも大きな要因と考える。国家公務員でありながら、都道府県知事の指揮・監督を受けて行政に携わるという摩訶不思議な身分制度に置かれてきたこと。一つの制度でありながらも運用は都道府県によって相異があったこと。こうした中で三層構造、社会保険一家として批判されている組織・機構が構築されてきたことなどである。私たちは、早くから本来の国家公務員として、そして、国の行政機関としての位置付けを求めて運動してきたが、長年放置してきた国・政府の責任は大きいものがあることを指摘しなければならない。
 同時に、様々な批判の元ともなったグリーンピアの多くが歴代厚生大臣の地元に建設されてきたことや、財政構造改革法の経緯を見てもわかるように、時々の政治の流れに大きく左右されてきたことなども、真の社会保険庁改革のためには指摘しておかなければならないことと考える。
 社会保険庁改革の根底には、年金や医療保険制度の相次ぐ改悪に対する国民の不信や不安が横たわっている。同時に私たちは、こうした国民の声を「社会保険庁改革」にすり替え、消費税増税や更なる制度の改悪を狙う動きには断固反対する。
 産業構造や就業構造の変化そして経済の長期低迷、さらに予想もしないような少子社会を迎え、制度や組織のあり方について今ほど抜本的な検討が求められている時期はない。私たちは、行政への監視と同時に行政運営に対する積極的な提言等が少なからず弱かったことを省みながら、一連の問題の真の原因を究明し、憲法25条に保障された国民の権利としての社会保障制度、そして国の責任で国民本位の行政サービスが確立される組織・機構を展望し、国民的な運動の構築に向けて奮闘するものである。


リレーずいそう
● 菜園ものがたり
 3年前、地主さんから私の住む団地近くの土地を「無料で菜園に提供する」と云う話があり、応募したところ見事に当選しました。本来、対象は遊遊会員で入会資格は60歳以上、多くは子育てを終えた定年過ぎの方が多く、私は資格ナシですが、提供していただいた土地は草ボウボウ、石ころゴロゴロの荒地で整地するのに、私は貴重な戦力(後に知らされた)。と云う事で、ともかく毎休日総出で整地し、抽選で20坪程の菜園を持てました。
 野菜嫌いの2人の娘に、私が少年の頃食べた、あの味の野菜を作ればおいしく食べるに違いない、と云う思いで挑戦が始まりました。図書館からトラの巻、菜園仲間からのウンチク等を駆使し、持病の腰痛をダマシ、待望の収穫に至りました。見た目にも農家に劣らぬ出来栄え、自信を持って収穫し、夜の食卓に並びました。私の自信に満ちた顔(お酒のオイシイ事)、しかし、しかし数分後、私の自信作からある物体が。「この野菜は健康に良いのだ」など懸命の説得もムナシク却下されました。(ある物体とは程よく炒められた二匹の青虫でした)以来、私の野菜は歓迎されません。しかし、野菜嫌いの娘達にいつの日か、私の野菜がおいしいと云われる日を願いつつ、「今年もつくるゾ、私の野菜を!」畑で作業しているとき、きらわれ者の雑草はなつかしく思え、汗をかいた体に一陣の風はまるで少年時代に戻ったような爽やかさを感じ、爽快です。
(感染研支部 組合員)


News
● 平和と社会保障を守れ ―2・10中央集会に3500人―
 憲法改悪・大増税反対!平和と社会保障守れ!と2月10日、東京・日比谷野音で中央集会が開催され、全国から3500人が参加しました(写真右)。集会は、中央社保協、国民大運動実行委員会、国民春闘共闘、東京地評の主催で、集会の後、国会と銀座方面の2方向に分かれ、デモ行進。全厚生は、神奈川県支部の8人はじめ12人が参加しました。集会では、憲法・教育基本法の改悪に反対し、平和を守り抜く決意や、介護保険料・利用料の引き上げ、障害者施策の応益負担、生活保護切り捨てを許さず、誰もが安心して暮らせる社会保障を実現しようとの決意が語られ、全厚生の杉浦書記長が社会保障としての年金制度を守るために全力あげる決意を表明しました。


2・11トヨタ総行動に参加

大企業は社会的責任果たせ

 「トヨタは社会的責任を果たせ」のかけ声の中、トヨタ自動車本社のある愛知県豊田市で2月11日にトヨタ総行動が行われ、愛知県支部から6人、岐阜県支部から2人の組合員が参加しました。トヨタ自動車は、1兆円を超す利益をあげる世界的大企業でありながら、労働者の賃上げをせず、長時間労働が行われ、労働者のいのちと健康、家庭生活をないがしろにしています。
 トヨタ自動車に対してまともな賃上げ・労働条件改善を求めることは、日本のすべての労働者に関わる問題であり、「社会的責任」の追及であるとして全国的な取り組みとして行われました。まず、本社および各工場での早朝宣伝行動がありました。この日は、祝日でしたが、トヨタ自動車は稼働日のため、出勤する従業員に対して宣伝行動および「トヨタ自動車は社会的責任を果たせ」と訴えるチラシを配布して一緒に春闘を闘おうと訴えてきました。
 その後、豊田市山之手公園で、全国から1500人が参加して、トヨタ総行動決起集会と、トヨタ自動車本社前までのデモ行進が行われました。
(愛知県支部 組合員)


国公青年交流集会in蔵王に参加

雪の上でハッスルハッスル

 2月11〜13日に山形県蔵王坊平ライザスキー場で、国公青年交流集会「DACHA ZOO BESHITA」が開催され、全国から152人が参加しました。全厚生からは、本省・業務センター・京都支部と本部から6人が参加しました。
 1日目は開校式に続いて、国公労連の小田川書記長が「評価制度について」と題して講演。その後、班ごとのグループトークで学びを深めました。2日目は雪上運動会「チキチキ第1回パブリンピック〜天下一舞凍会ハッスルハッスル」!「20人21脚」や「雪上サッカー」など、思いきり体を動かしました。3日目は地元の婦人部の方に「花笠踊り」を習い、山形の伝統芸能に触れました。連日の夕食交流会では、参加者全員が自己紹介するなど交流を深め、大いに盛り上がりました。仲間を増やし思い切り楽しんだ3日間となりました。
 本省支部から参加した巣鴨さんの感想を紹介します。
 「全国から若者が集まる交流の場に参加できたことを嬉しく思います。業種、勤務地がそれぞれ異なる者が、ゲームを通じて仲良くなり、協力してチームの勝利へ頑張っている姿は素晴らしいことだと思います。雪上でのスポーツは思ったよりも大変で、筋肉痛や風邪にも悩まされましたが、良い体験をさせていただきました。まさしくハッスルハッスルでした。花笠もなかなかふれられない貴重な体験で勉強になりました。」
(本部)


勤通大・在京学習会を開催

科学の目を育てよう

 全厚生は、昨年末の中央執行委員会で、学習の重要性を確認し、勤労者通信大学の受講を組織化することを意思統一しました。本部をはじめ、中央執行委員が中心となり総勢16人(2月22日現在)が受講することになりました。2月16日、「勤労者通信大学・在京学習会」を全厚生本部で開催、全厚生受講者だけでなく、全労働の受講者も交え、総勢9人でおこないました。
 1回目は「科学的社会主義入門」講座で、本部書記長の杉浦チューターが、「世の中おかしいことだらけだが、『科学の目』を持ち、物事の本質を理解できる力をこの勤通大を通じて養おう」と講義。学ぶ意義と併せて、マルクスが生まれた時代の、歴史的背景も学ぶことができました。
 その後は、食事をしながらの討論。初回ということもあり、自己紹介の中で、勤通大の受講の意気込みや抱負など、各々の思いを語ってもらいました。
 今後も月に1度位のペースで学習講座を行うことを確認して終了。次回は3月11日に行うことを決定しました。


社会保険は国民の財産

静岡県支部  組合員

 社会保険事務所に働いて40年になろうとしています。子育ての時期はもとより、いつもお客さんの立場で考えてきたと思いますが、それが根っこから、蹴飛ばされ崩されている気がします。
 解体とか、民営化とか新聞報道で言われて、それに「同感!!」という投書なども見られます。そもそも年金でも、保険でも国民のものなのに、民営化などしたら公的なものでなくなってしまいます。
 太平洋戦争の後、民主主義の時代で国民福祉が進んだと思います。受益者負担で強いものが生き残り、弱いものは黙って我慢しなくてはならない、そんな時代に逆戻りさせてはいけないと思います。一部の人の不祥事でどさくさにまぎれるようにして、国民の財産まで失ってはならないし、そのために私たちは、真に国民の側に立って、国の機関がやらなければならない行政を守らなければならないと思います。

ピカピカの小学1年生の原稿を募集中
 今年もピカピカの1年生の原稿を募集します。今年小学校に入学する組合員の子どもさん全員が対象です。みなさんの応募をお待ちしています。
 子どもの氏名(漢字)(1)氏名のふりがな(2)入学する小学校名(〇〇市立〇〇小学校)(3)大きくなったら何になりたい?(4)お父さん、お母さんからのメッセージ(支部・組合員名)を100字以内で。顔がはっきり写っている写真を送って下さい。デジタルデータもOK。写真(プリント)はお返しします。締め切りは、第1次が3月15日、第2次が3月31日です。お礼に図書カード(千円分)をさしあげます。
 くわしくは、支部の教宣担当者、または全厚生本部まで。



「国民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考える」シンポジウム
日  時3月5日(土)13:00〜17:30
会  場クレオ大阪北(阪急京都線淡路駅から徒歩10分)
大阪市東淀川区東淡路1-4-21
TEL 06−6320−6300
パネリスト芝田英昭 氏  立命館大学教授
堤 修三 氏  大阪大学大学院教授(元社会保険庁長官)
浜田陽太郎 氏 朝日新聞記者
杉浦公一 氏  全厚生労働組合書記長
コーディネーター 飯塚 勇 氏  全厚生労働組合副委員長
主催全厚生労働組合
後援国公労連 厚生共闘 中央社保協 全日本年金者組合

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