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◆第1608号(2005年2月5日付)◆


全厚生第46回中央委員会を開催

国民の願う社会保障行政の確立を

 「憲法9条を守り、国民の願う社会保障行政を確立し、誇りと希望のもてる職場を築こう」と全厚生労働組合は1月22日、第46回中央委員会を東京都内で開催。05年春闘方針案、統一要求案、補正予算案を全会一致で採択し、歴史動かす春闘の決意を固め合いました。
 中央委員会は、春闘アピールと、「国民の期待に応える社会保険行政の確立をめざす特別決議」を採択。真の社会保険庁改革実現と社会保険業務の市場化反対、春闘を全員参加でたたかうために真剣な討論を行いました。来賓として、国公労連の堀口委員長、全医労の渡辺副委員長、全労働の高木副委員長が出席し、挨拶をしました。  中央委員会に続き、全厚生新春旗開きを開催し交流しました。



委員長挨拶  真の社会保険庁改革を

 中央委員会冒頭、杉下委員長がこの間の情勢に触れながらあいさつ。昨年12月に閣議決定した新行革大綱は、行政組織の大リストラ計画を打ち出し、独立行政法人化や徹底した民間外部委託などで、公務員を5年間で3万3千人削減する方針であること、規制改革・民間開放推進会議は、公務の民間開放、市場化の05年スタートを決め、社会保険業務を市場化テストのモデル事業として実施することを閣議決定したこと、今年に入って経済財政諮問会議が公務員の総人件費削減を提言したことなどを紹介。05年は、公務員攻撃と国民いじめの政治が行われる厳しい情勢であると述べ、国民の権利にかかわる公務の仕事を、国の責任を投げ捨てて、民間のビジネスチャンスにさらすことの愚を厳しく批判。春闘で全力を挙げてたたかおうと呼びかけました。
 また、1月14日に発表された社会保険庁の不祥事調査報告書について、全厚生は、これらの犯罪行為に厳しく抗議するとともに、関係者の厳正な処分を求める。不正が二度と発生しないよう、労働組合の役割を発揮し、徹底した真の社会保険庁改革を求めることを強調しました。この春闘で、国公労連・全労連に結集するとともに全厚生の組織にかかわる問題に対して、心一つに団結して力が発揮できるよう、中央委員会での深い議論を呼びかけました。

書記長提案  憲法に基づき春闘をたたかう

 議案提案では、杉浦書記長が春闘方針案を、福士書記次長が、04年度補正予算案を提案しました。
 杉浦書記長は、05年国民春闘は、50年の節目であると同時に、全厚生の今と将来にとっても重要な節目、厳しい時だからこそ希望への転換点にし、憲法に基づいて私たちのたたかいを構想し、05春闘をたたかおうと述べました。
 真の社会保険庁改革の実現と社会保険業務の民間開放阻止など全厚生の中心的課題も、小泉「構造改革」を跳ね返す中でこそ実現できる。この「構造改革」と憲法改悪は一体的にすすめられており、この2つをやめさせることが、将来への道を切り開く唯一の道であり、春闘の中心課題だと述べ、この2つを車の両輪としてたたかうことを強調しました。具体的には、「憲法9条の会」のネットワークを広げ、「憲法の語り部」を80人組織し、憲法遵守職場宣言に取り組む。社会保険庁改革に対しては、学習・討議、要求書の提出で職場からたたかう、地域での宣伝強化、3月5日シンポジウムの成功、共同を広げる取り組み、新聞投書行動を提起しました。
 つづいて、重点課題(1)給与構造の見直し(2)公務員制度改革(3)賃下げ攻撃に歯止めをかけ、生活改善をめざす(4)独立行政法人医薬基盤研究所の課題(5)憲法25条を生かす社会保障の確立(6)権利確立の裁判闘争について具体的に提起しました。
 存在感ある労働組合へ、全員参加型の春闘を、要求実現の最大の力となる組織強化・拡大とともに全力でとりくもう。歴史が動く瞬間を希望への転換点にしようと呼びかけました。


リレーずいそう
● お寺巡り
 ここ最近、時間を作ってお寺巡りに出かけるようになりました。昨年は西国33カ所霊場を巡り、今年は坂東33カ所霊場を巡りに関東のお寺を訪れています。
 お寺巡りなんて、お年寄りのすることで、もっと違うことに興味を持ったらと言われますが、いざいくつものお寺を巡ると意外に時間とお金と体力を使うものだということがわかりました。車を使わず、公共交通機関と歩きで出かけていますが、歩いて数キロとか公共交通機関の待ち時間が長かったとしても、それをそのまま受け止め、何十分もかけて歩いたり、合間を使って寄り道をしたりと、あるがままの状態を楽しんでいます。
 お寺巡りの日は、いわば自己実現の場なのかもしれません。普段の生活の中でいろいろなことに振り回され、ただ時間だけが過ぎ自己が消費されるのではなく、何か自分で成し遂げたという足跡を残しておきたい。そして自分自身が変わっていけばいいな。そんなことがお寺巡りを始めた動機です。敢えてお寺巡りを選んだのは、単に観光だけで終わらせるのではなく、また、異なる環境の中に1人で身を置き、自分自身を変えていきたいという願望の現れだと思います。
 最近、値段の安いことから、寺の宿坊に泊まるとか、プチ修行が注目されていますが、特に若い方は、ぜひ、お寺巡りをしてみてはいかがでしょうか。今の生活環境から離れて、違った何かが見えてくると思います。
(愛知県支部 組合員)


平和キャラクター イラスト募集
 全厚生女性部は被爆60年の今年、核兵器廃絶と憲法9条を守る運動に活用するため、平和をイメージしたオリジナルキャラクターのイラストを募集しています。応募資格は全厚生組合員とその家族。はがきに黒のペンかマジックでハッキリと書いて(カラー不可)、氏名・支部名・年齢・家族の場合は組合員名を書いて送ってください。
<締め切り>3月10日
<送り先>〒100-8916千代田 区霞が関1-2-2 厚生労働省低 層棟3階 全厚生労働組合女性 部 平和のイラスト係
応募者全員に図書カードをプレゼントします。
子どもたちの応募大歓迎(^-^)


「国民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考える」シンポジウム
日  時3月5日(土)13:00〜17:30
会  場クレオ大阪北(阪急京都線淡路駅から徒歩10分)
大阪市東淀川区東淡路1-4-21
TEL 06−6320−6300
パネラー芝田英昭 氏  立命館大学教授
堤 修三 氏  大阪大学大学院教授(元社会保険庁長官)
浜田陽太郎 氏 朝日新聞記者
杉浦公一 氏  全厚生労働組合書記長
コーディネーター 飯塚 勇 氏  全厚生労働組合副委員長
主催全厚生労働組合
後援国公労連 厚生共闘 中央社保協 全日本年金者組合


春闘方針を熱心に討論
最低保障年金制度の実現を

 中央委員会の討論では、19人が発言しました。
 社会保険庁改革にかかわって、神奈川県支部の組合員は、組合員は不安をかかえている。情勢と全厚生の方針を的確に教宣していきたい。中央委員(愛知県支部)は、「社会保険をもうけの道具にするな」との主張は、民主的な団体や労組には理解してもらえるが、国民には受け止めてもらえないという不安がある。中央委員(神奈川県)は、運動の方向について、今の年金制度が正しいと考えてしまえば、国営でも民営でも国民にとっては一緒。年金や医療制度は、憲法25条に明記された社会保障の権利なんだという観点がなければ、市場化は阻止できない。全額国庫負担の最低保障年金の実現をめざそうと発言。
 京都支部の組合員は、新しく提起される事業に職員の声が反映されれば仕事に確信がもてるし、組合にも積極的に参加していける。中央委員(岐阜県支部)は、職場の実態を紹介し、存在感ある組合活動をしていきたい。中央委員(神奈川県支部)は、国民が求めているのは「年金制度を良くして欲しい」ということ。社会保障としての最低保障年金制度を作らせる。国民が安心して生活できる年金制度と、職員も安心できる相談体制を求めたいと発言しました。
 中央委員(岐阜県支部)は、当局の実施通告のような提案を批判。学習を深めつつ、組合員の組合への期待や信頼に応えていきたい。大阪支部の組合員は、社会保険庁をダメにした要因について、(1)社会保険一家のいんぺい体質(2)庁の一部幹部と自治労の癒着体質(3)官民の癒着体質の3つをあげ、この体質を変えない限り、真の社会保険庁改革はありえないと発言しました。
 中央委員(統計支部)は、職場討議で、庁の多くの人たちが深夜まで残業をさせられ、残業手当も全額支払われない中、監修料の一部がタクシー代や残業代として使われていた実態があるわけで、働くルールの確立が求められているという意見が出されたことを紹介。中央委員(業務センター支部)は、幹部の地位利用のために使われてきた監修料は断ち切らなければならない。今回の不祥事に対して、支部で声明を出し、所長に提言し、全職員に配ったら、組合内外から賛同の声があがった。独法化や民営化に恐れることはない、どう転ぼうが労働者は負けないぞ、というかまえが大事と発言しました。
 神奈川県支部の組合員は、プロ野球労組の教訓も紹介しながら、国民の支持を得られる全厚生運動の必要性を発言。中央委員(京都支部)は、「民間は善で公務が悪」か「民間は悪で公務が善」ではなく、この社会の中で、公務には公務の民間には民間の果たすべき役割がある、と宣伝の強化を発言しました。
 中央委員(感染研支部)は、医薬基盤研究所の課題について発言。中央委員(本省支部)は、レクリェーションを足がかりに対話を深め、組織拡大・強化をすすめていきたいと決意表明。
 中央委員(函館支部)は、給与構造の見直しについて、人事院は地域別の官民格差是正を言うが、全国異動のある職場では深刻な問題であり、反対だ。中央委員(愛知県支部)は、東海ブロックでの学習会などの経験を紹介しました。
 中央委員(福岡支部)は、メンタルヘルス対策の強化を発言。中央委員(神奈川県支部)は女性部の取り組みを、中央委員(業務センター支部)は、青年部の取り組みを紹介しました。


福祉支部代開く
自立支援給付法を学習

 1月23日、社会福祉支部代表者会議を開催。7支部と本部から10人が参加しました。
 再任用者は、過去4年間で教育職と医療職だけ、行(一)・(二)、福祉職は実現していません。希望者全員の再任用が実現するよう運動の強化が訴えられました。
 定員削減は、削減見合い分の増員でかろうじて現状を維持しているが、併任ポストが増え、業務量増でもう限界だという切実な声が出されました。
 宿日直問題では、従来からの要求「現行の宿日直制度を廃止し、新たな宿舎体制を確立すること」に対する施設管理室の対応が遅々として進んでいません。昨年秋の交渉で回答を受けた今後の日直体制の考え方と宿直の当面する問題点について、窓口で追及を行うことを確認しました。
 その後、障全協(障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会)の吉本哲夫会長を講師に招き、障害者自立支援給付法案(仮称)の概要と問題点について学習会を行いました。支援費制度でも問題となっているサービス提供体制の不足やサービス利用料の「応益負担」導入など障害者の生活を圧迫する問題の多い内容であるとの指摘がなされました。


社保支部代で確認
シンポジウムの成功へ

 1月23日、東京都内で社会保険支部代表者会議を開催し11支部32人が参加しました。公務職場の官民競争入札(民間開放)や社会保険庁の解体的議論が一方的にすすめられる中、春闘方針及び補強・具体化案を早急に実践することを全体で確認しました。
 早急に取り組む行動としては、(1)全組合員の学習・討議をあらゆる機会に行い本部オルグも活用し徹底する。(2)昨年秋の労使交渉での到達点を踏まえ、職場からの要求書の提出、交渉・上申の取り組みをたたかいの出発点として徹底する。(3)国公労連として取り組む「公共サービスの商品化反対のキャンペーン」に結集し、地域での宣伝を強化する。(4)3月5日(土)に大阪で開催する「国民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考える」シンポジウムを共同の取り組みを広げて、成功させる。(5)関係団体との意見交換を行い、共同を広げる取り組みを通じて、国民的な運動構築をめざす。(6)社会保険庁改革の課題や年金・社会保障の課題で新聞投書行動を行う。また、小泉「構造改革」と一体ですすめられる社会保険庁解体の動きに対し、早急に社会保険プロジェクトを再開し、情勢に見合った討議資料第2弾の作成とさらに具体的な運動方針案をまとめることなどが確認されました。


【大阪】第7回支部定期大会開く
攻勢的な運動を

 大阪支部は、昨年12月4日、第7回定期大会を開催。大会は、(1)憲法改悪策動に象徴されるように、「この国のかたち」を根本から作り変えてしまうという攻撃にどうたちむかっていくのか、また社会保険庁改革が議論されるもとで、国民の年金権や職場と労働条件をどう守っていくのか、(2)年金改悪反対など、「国民の中へ国民とともに」という国公労働運動の全国的な闘いの教訓から今後の社会保障闘争をどう展望していくのか、(3)89年の組織分裂を乗り越えて支部を再建して15年、全厚生に加盟して5年の節目に開催された大会であり、まともな労働組合運動を前進させるために組織の拡大・強化をどう勝ち取っていくのかが、問われる大会となりました。社会保険行政の独立行政法人化や民営化などへの攻撃が強められる中で、国民全体の奉仕者として社会保険行政に対する国の責任の明確化を求めるなど、ピンチをチャンスに変えるような攻勢的な運動を進めていく決意を固め合いました。新役員は次のとおり。
支部長 勝井 正
副支部長 阿南正直 緒方典子
書記長 津川清司
書記次長 倉橋忠司
(教宣部長)


【愛知県】愛知国公の宣伝行動に反響
公共サービス商品化反対

 国公労連が05春闘で提起している「公共サービス商品化」反対の全国統一宣伝行動について愛知国公は1月22日、名古屋市中区栄の繁華街で、ビラ配布・署名の宣伝行動を50名あまりで実施しました。
 今、社会保険庁バッシング・監修料問題などから、独法化・解体論が言われている中で、社会保険関係で街頭宣伝することには大変な不安がありましたが、国公と同様に民営化に反対する郵産労の仲間との共同行動により、克服することができました。
 事前にマスコミに連絡したところ、当日現地で、中日新聞の取材を受け、翌23日には中日新聞朝刊の県内版に取り組みが掲載されました。日頃、私たち労働組合の宣伝行動はほとんど一般新聞には掲載されませんが、今回は、国会開会の翌日であり、しかも、小泉首相が構造改革の本丸として郵政の民営化を国民の反対を押し切って、ゴリ押ししようとしていることから、タイミングのよい行動として掲載されたものと思われます。
 このことは、23日に開催された愛労連臨時大会でも話題になり、国公が「頑張っている」との評価を受けました。これは、仲間を励まし、話題となって運動の広がりへとつながるものです。引き続き、大企業の社会的責任を追及する「2・11トヨタ総行動」などで地元として頑張ります。
(愛知国公議長)

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