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◆第1602号(2004年11月25日付)◆


管理室長と秋闘要求で交渉

国立ならではの施設運営を

 全厚生は11月15日、国立施設管理室長と「全厚生統一要求」実現を求めて交渉を行いました。全厚生からは杉下委員長をはじめ本部役員と函館、塩原、国立リハ、秩父、伊東、神戸、福岡、別府の全支部代表が出席。管理室からは金井室長、阿部補佐らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長は(1)組織再編問題(2)公務員制度改革(3)再任用制度を中心に総括的に問題提起を行い、管理室の基本的考えを問うとともに、課題解決に向けての最大努力を求めました。
 金井室長は、組織再編問題について、「国立の施設として運営する必要性については従来と変化はないが、各施設が特色を持って運営することが求められている。特色の一つとして『あはき(あん摩、針、灸)三科』だけでなく、あん摩単科もあるのではないか。支援費制度が始まり、『障害福祉サービス法』の話もあり、福祉制度が大きく変化しようとしている。グランドデザインに添った施設運営が求められている」と回答。「公務員制度改革」では、「職場では、まとまったチームとして利用者処遇に関わっているので、能力等級制には大いに疑問を感じている」と回答。「再任用制度」では「今年4名の希望者がいる。12月までに対象者に結果を伝えたい。今度の所長会議で調整をしたい。定員外で運用できるよう人事院にも申し入れている」と回答しました。

職場実態にそった増員を

 宿日直課題では、日直の試行が視力、重度センターでおおむね終了したので、今後の具体的な作業について回答を求めました。室長は、「利用者の意見が最重要。アンケート調査等の実施も含め、1月の所長会議で方向性が出せるよう努力する」と回答。宿直の試行も含めた対応を再度求めました。
 定員要求では職場実態を訴えながら要求しました。函館から体育教官、伊東の理学療法士・介護員については資料を示しながら増員の必要性を訴えました。加えて定削対応に医療・介護職種を当てないよう強調しました。室長は、「定員確保が厳しい。取りやすい職種や利用者サービスとして質の高いものを優先して要求していく」との回答に止まりました。

調理師の昇格改善を早急に

 昇格の要求では、医(二)について、採用時から資格取得にかけて適用俸給表の違いや、学歴、経験年数の見方などから不利益感が強い。制度問題も含めての対応を求めました。また、別府の調理師長4級の早期実現を強調しました。教育職俸給表については、専門職俸給表として残すよう求めました。室長は、「問題点については検討したい。別府については17年度で要求している。予算が通れば早急に発令したい。教育職は適用していきたい」と回答しました。
 職員の健康管理、特にメンタルヘルス対策について「施設全体で休職者は3〜4名。長期病休は10〜15名程度と認識している。機会あるごとに管理職に対し注意を払うよう指導している」と回答しました。
 函館からは、利用者の入所前感染症関係書類の提出についての必要性を強調しました。室長は「感染症マニュアルを作成中。来年度には示したい」と回答しました。
 職員研修の課題では、指導課生活支援員の採用後の歩行訓練に必要な資格取得については、新たな方法を検討していることを確認しました。塩原から、旅費の弾力的な運用を独自課題として求めました。

給与振込は視覚障害者に配慮を

 公務員宿舎では、「不足があれば対応したい。セキュリティー等についても関係機関に働きかける。別府については省庁別で立て替え要求をしている」と回答しました。
 最後に給与の全額振込扱いについて、施設には視覚障害者も働いており対応出来ない者もいるので配慮するよう求めました。室長は、「政府の決定ではあるが、配慮していきたい」と回答しました。


リレーずいそう
● 美味つれづれ
 毎年暮れに本部の近藤さんから明るい声で原稿依頼がきます。久々に何か書こうと、思いめぐらせましたが、思いついたのは食べること。秋という時期が実りの季節である為か何でも美味しくいただけます。ということで今回は、食べ物のことを「つれづれなるままに」書いてみます。
 ます、季節でいうと寒い正月の時期は酒粕で甘酒を飲み、夏になるととうもろこしと桃、梨がおいしく、秋の秋刀魚、ジャガ芋、柿、林檎とそれぞれが産直で送られてくくる季節の物です。時期になると買うのは、生サクラエビ、生シラス、いるか、鰹のへそ(鰹の心臓)等のおもに静岡県でなければ味わえない水産物があります。最近たべた美味しい食べ物は、佐久の鯉料理、下関のフグ、下諏訪の塩羊羹、東京のホテルの食パン等、数え上げたらどんどん出てきます。その結果が立派な(?)体格となって現れます。
 この厳しい状況の中でそんなに楽しんでいてよいのかといわれるかもししれません。でも、まだまだ美味しいものを食べたいです。全国でこれは美味いと思われるもののコーナーでも創って本部に見本を集めてみてはどうでしょうか。
 これから大変厳しい季節がやってきます。私たちは、体が資本ですから美味しいものをたくさん食べて暖かい春にむかいましよう。
(静岡県支部 組合員)


News
● 公務の民間開放やめよ ―11.18全労連全国統一行動―
 11月18日全労連は、04秋季年末闘争の山場と位置づけた全国統一行動を全国の官民労働者1500人の参加で実施。総務省前要求行動、官民共同の決起集会、国会請願デモ、議員要請行動を行い、全厚生も参加しました。午前中は、市場化テストや「三位一体改革」の強行と独立行政法人の組織・業務見直しによる減量化・非公務員化の攻撃に対する総務省前要求行動に参加。続いて日比谷野外音楽堂で開催された「憲法を職場・くらしに生かせ!04秋闘勝利をめざす11・18決起集会」では、民間組合の仲間も合流。集会後、国会に向けて意気高くデモ行進を行いました。デモ行進終了後、この間とりくんだ「ILO勧告にそった公務員法の改正を求める署名」と要請書をもって、衆参の全国会議員に対して労働基本権の回復などを求めて要請を行い、紹介議員の応諾を訴えました。

● 2度と戦争おこさせない ―国公女性のつどいin沖縄に参加―
 国公労連女性協は11月11〜14日、「国公女性のつどいin沖縄」を開催。全体で31人、全厚生は感染研・業務センター・秋田県・大分県の各支部と本部から子ども4人含む10人が参加しました。白梅の塔や糸数の壕などの沖縄戦の跡や米軍基地、沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落現場や米軍基地建設反対の辺野古などめぐり、地元の人達や沖縄県国公の仲間とも交流。二度と戦争を起こしてはいけないとの思いを強くした沖縄のつどいになりました。


社会保険支部代表者会議開く

シンポ開催を確認

 11月13日、東京都内で社会保険支部代表者会議を開催しました。会議には11支部23人が参加、各県の職場状況や「社会保険庁改革に対する私たちの主張と要求(案)」について議論を深めました。
 現在、政府の規制改革・民間開放推進会議(議長=宮内義彦オリックス会長)の動向が加速する中、「社会保険庁やハローワーク」の業務が市場化テスト(官民競争入札)のモデル事業の対象として急浮上しています。社会保険庁業務の民間開放は社会保障改悪と一体となって進められ、制度の更なる切捨てと国民の命と暮らしを守る憲法25条の生存権からみても大きな問題を抱えています。また、社会保険制度の運営からみても職員の雇用問題や労働条件の大幅な後退につながります。
 こうした現状の中、会議では、05春闘での最大の課題と位置づけ、生きがい働きがいある職場づくりをめざして、各支部で積極的な議論をすすめるとともに、内外に向けて産別規模での大きな運動をつくり上げることを確認しました。
 当面の取り組みとして、12月末に「公務の民営化と社会保険行政」全厚生学習会(仮称)や来年2月末の「シンポジウム」の開催について確認をしました。また、緊急の取り組みとして「市場化テストに反対する署名」(仮称)や所属長への上申行動を直ちに行うことを決定しました。


社会福祉支部代表者会議開く

交渉に向け意思統一

 全厚生は11月14日、東京・赤坂で厚社連(社会福祉)支部代表者会議を開きました。会議には本部、函館、塩原、国立リハ、秩父、伊東、神戸、福岡、別府の各支部代表が出席。「厚社連はひとつ」をスローガンに、仲間の連帯を背景に、翌日の施設管理室交渉に向け話し合いを行いました。
 会議では、日直試行後の対応について、入所者の感染症対策について、医(二)俸給表の初任給取り扱いについて、増員要求についてなど、各支部の抱えている課題の報告をうけ、翌日の交渉に反映できるように整理、ポイントについて意思統一しました。
 また、支部活動について多彩な報告がされ有意義な会議となりました。


◇解説◇

市場化テストとは

 「市場化テスト」とは、現在は国が直接実施している事務事業を「入札」にかけ、民が「落札」すれば民間移譲、民間委託などを行い、官が「入札」すれば、(人件費抑制などの)効率化の上で官がサービス提供を継続する仕組みを作ろうというものです。04年度中にもモデル事業を選定・実施、05年の通常国会への法案提出、06年度からの全面実施、とするスケジュールも明らかにしています。「市場化テスト」の対象となる事業は「民間からの提案」で決定するとしており、儲けになる事業だけが「入札対象」にされるなど、公共性破壊が加速される危険は小さくありません。落札した民間事業者への公務員出向などの雇用問題も危惧されます。税金を企業に回す手法にほかならない「市場化テスト」などに反対するたたかいの強化が求められています。
 社会保険庁・ハローワークの職業紹介についてはすでに複数の民間企業から提案があり、規制改革・民間開放推進会議により年内に10程度のモデル事業の選定が進められます。


愛知県●第38回支部定期大会を開催

労働組合力発揮のとき

 愛知県支部は11月19日、第38回定期大会を開催。94人の代議員の参加で、提案された議案についてはすべて全代議員の賛成と、高率の承認で採択されました。冒頭、杉崎委員長は「社保庁は『国民のニーズ』という言葉をたくみに使い、現場の労働条件を無視して業務を押し付けている」「民間であれ、公務であれ、そこで働く労働者の勤務条件は労使対等で決めることが大原則である」また、「公設民営化という事態が考えられる厳しい情勢の今、労働組合の存在が大きな力を発揮すると確信している。『ぜひ労働組合に加入して』と、未加入者に呼びかけてほしい」と訴えました。
 午後の討論に先立ち、杉下委員長から急速に進む「市場化テスト」についてのオルグを受けました。「『公務』の持つ意味は国民の基本的人権の確保と福利の実現である」「国民の権利と立場を守っていくことを中心に位置づけ、団結していかなくてはならない」との話に、代議員が真剣に聞き入っていました。
(教宣担当)

 新役員は次のとおり。
委員長 佐藤 雅信
副委員長 渡邊美樹雄
 同 鈴木 定雄
 同 深沢 英二
 同 佐藤 義松
書記長 寺井 唯哲
書記次長 後藤 秀利
 同 國枝 孝幸



04年日本平和大会in佐世保に参加

自衛隊はイラクから撤退を

 11月19日から22日まで長崎県・佐世保市で「04年日本平和大会in佐世保」が開催されました。19日の午後から20日の午前中は国際シンポジウム、海外の代表者から現状や取り組み状況など聞くことができました。ゲストで参加したジミー・マッセーさん(イラク従軍・元米海兵隊員)からは、生々しい、イラク戦争の状況が伝えられました。発言のなかで「イラク国民は潜在的にテロリストと聞かされていた。そのため、罪のないイラク人を殺してきた。なぜイラクで暴動が起こっているのか?自分の肉親を殺されたら誰でも復習したいのは当然」、「沖縄がもっとも被害が大きいと聞いている。米軍が基地を置くことで、占領することをやめなければいけない」と世界中にある米軍基地について指摘をしました。
 特別報告で名護平和委員会の大西さんは、辺野古基地建設反対運動について紹介。海岸に設置したテント村216日間の座り込み行動、海上での船を出しての抗議行動、それらがすべて非暴力の闘いであると発言、力強い取り組みに、参加者が勇気づけられました。
 20日の午後からは佐世保基地での「人間の鎖」行動。約1,500人で、米軍佐世保基地を二重、三重に取り囲みました。その後開会総会に参加。
 21日の午前中は動く分科会。佐世保市内の資料館を見学したり、海上からの基地視察。米軍の戦艦はなかったものの、自衛隊の護衛艦が湾内に多数あり、異常な雰囲気を感じました。午後からは少人数に分かれての分科会、いろいろなテーマで意見交換をしました。
 最終日22日は閉会総会。「11月30日から自衛隊派兵期限切れの12月14日まで、『ファルージャへの攻撃禁止!アメリカはイラクからただちに撤退せよ!自衛隊の派兵延長反対!』をスローガンに運動強化期間に設定、職場・地域からの運動を!」と行動提起がされ、4日間にわたる平和大会は幕を閉じました。


今、憲法9条を守らなければ
業務センター支部 組合員
 11月20日、21日に「第49回はたらく女性の中央集会in長野」に行ってきました。
 20日の分科会は、松代大本営の見学分科会に参加しました。松代大本営は、太平洋戦争末期に天皇、大本営、政府機関、日本放送協会など国の主な機関を移す予定で極秘に作られたものです。沖縄はこの為に犠牲となったこと、強制労働で多くの朝鮮人が倒れていったことなどを知りました。
 21日の全体会では、イラクの子どもを救う会の西谷文和さんが、イラクの子供病院を取材したTVでは報道されない映像を流しながら、イラクの現状を話してくださいました。イラクでは劣化ウラン弾により子供が体内被曝し、小児がん病棟までできているそうです。また、湾岸戦争での劣化ウラン弾で被爆した子供や、被爆した父をもつ被爆2世の子供たちが、今回のイラク戦争で2重被爆し、ガンや白血病を悪化させ、命を落としているということでした。
 記念講演は、漫画家の石坂啓さんのお話でした。私は、前日の分科会に参加しても、今は太平洋戦争の戦後であり、またイラクの現状を見ても日本国外で起こっている事という感覚でした。しかし、石坂さんの「イラクへ自衛隊を派兵してしまった今、大きな大戦の戦後でも、次の大戦の戦前でもない。日本が戦地へ行っている」「来年は、戦後60年。60歳以下は全員戦後生まれ。そして、来年に向けて政府は改憲の作業を行っている」という言葉に、改めて気づかされました。今、戦争反対しないといけない。憲法9条を守らなければいけない。ということをです。


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