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◆第1600号(2004年11月5日付)◆


昇格改善求め人事院と交渉

職務実態を正当に評価せよ

 全厚生は10月26日、昇格改善を求めて人事院と交渉しました。交渉には杉下委員長をはじめ、鈴木副委員長、杉浦書記長、福士書記次長、木立・田口・宮田中央執行委員の7人が参加。本省庁、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の4部門の重点要求について人事院の誠意ある回答を求めました。人事院は、勤務条件局・給与第2課の保川専門官が対応しました。
 冒頭、杉下委員長から「昇格改善に関する要求書」を手渡し、要求趣旨を説明。職員が誇りをもって働くためには業務内容と経験の蓄積にみあう公平な処遇が不可欠なことを強調。職務実態を正当に評価した昇格改善を強く求めました。これに対し、保川専門官は、定数改定の作業は、「例年通りのペースで進んでいる。12月の予算、組織、定員の結果と合わせて査定結果を示したい。公務を取り巻く情勢は厳しい。公務員給与に対する国民の目も厳しい。職務給の原則を考え、適正な改定に望みたい」と作業状況を説明。その後、具体的なやりとりで昇格改善を迫りました。
 本省庁の課題では、本省係長7級を本定数で大幅に拡大することを要求。これに対し人事院は、「標準職務表の改定は現段階では困難。係長は6級まで、課長補佐7級。この相対関係を崩すことは考えていない。7級相当なら、ポスト的な対応で専門職の設置が筋になる」と回答。昇格における男女格差の是正の要求では、「定数としては、男女別の区別はない。男女格差は、任用上の問題。個別人事管理に委ねられている。若い層の登用は改善がはかられている」と回答しました。
 試験研究機関では、3級昇格について、技術・検定・検査・教育・指導等の業務について適正に評価した昇格改善を強く要求。これに対し、人事院は「各研究所の能力審査会での評価の問題。論文は評価の目安だがそれだけではない。昇格が可能かどうかを個々にみている」と回答。行政職(二)の昇格改善は、「部下数制限は運用上、可能な限り配慮する。付加業務も加味する」と回答しました。

介護員長3級格付けを

 社会福祉施設では、介護員長の福祉職3級への格付け、福祉職4・5級の上位定数の拡大、医療職(二)や行政職(二)など少人数職種の昇格改善を強く要求。介護員長の3級格付の要求は、「職務給の考え方からして厳しいが、強い要望であることは承る」と回答。4・5級の上位定数の拡大は、「4・5級は課長に準ずる職種。相当高い級と考えている。切り上げが必要か検討していく」と回答しました。
 社会保険では、地方庁の職務と機関の評価を引き上げ、7級枠外を解消するため、8級以上の上位級定数の拡大について、業務をめぐる厳しい状況を踏まえて要求。これに対し、「行政全体が高度化、専門家しているのは事実。相対的な関係は変わっていない」と回答しました。
 最後に杉下委員長は、「改善する立場に立ち、その姿勢を具体的に見せてもらいたい」と人事院の引き続く努力を要求し、交渉を終えました。


国公権利裁判で高裁に控訴

全厚生原告7人は引き続き奮闘

 11月2日国公労連は、国公権利裁判で東京地方裁判所の一審判決を不服とし東京高等裁判所に控訴手続きを行いました。
 10月28日の単組委員長会議での確認にもとづいて控訴を行ったもので、控訴理由として、(1)公務員労働者の団体交渉権を極めて限定的に捉えた判決をこのままにしておくことは、当面する公務員制度改革課題とかかわっても放置できないこと(2)判決は、「調整措置」の脱法性について判断を避けるなど、原告の主張に答えていないこと、の2点が中心となっています。原告の数(139人)を減らすことも話し合われましたが、この運動の重要性・影響力から本人が辞退を申し出ない限り、引き続き原告とすることとなり、控訴段階での原告団は総勢107人となりました。全厚生の原告7人は引き続き頑張っていくことを決意しています。高裁へ移っての詳細は随時全厚生新聞に掲載していきますので、裁判勝利にむけ引き続き奮闘しましょう。


リレーずいそう
● 夢に向かって
 夫と子供2人。これが私の家族です。
 長女は公務員で、結婚し新しい家族と人生を歩み始めました。
 今年大学生になった長男。高校入学後、舞踊家(日舞)になりたいと、地道な人生を送ってほしいと思う私を情熱で説得し、その専攻科のある東京芸大に行きたいと宣言しました。しかし、通っていた高校は普通の進学校のため芸術大学に関する資料がほとんどありません。とにかく何をしなければならないかをまず調査し、必要な日本舞踊、三味線、琴、ピアノ、楽典と受験までお稽古事に通う毎日でした。それにしても学校の様子が全然分かりません。つてを頼りに講師、卒業生に話を聞くことができました。驚くことに日舞は定員0〜数名と聞き、受かるのだろうかとの私の心配をよそに絶対芸大生になってみせるとの信念のもと頑張り抜き見事東京芸大に合格しました。
 女性部の総会で上京したとき、長男の家に泊まりましたが、踊りも上達し、輝いている長男を見て、たくましく思いました。
 また、時を同じくして夫も仕事を辞め、造園士めざして学校に通い始め、楽しい人生を送っています。(大黒柱の私はとっても大変なのですが)
 それぞれ夢に向かい輝いている姿を見て、自分も輝ける何かを発見しなければと思う今日この頃です。
(大分県支部 組合員)


News
● 自衛隊はイラクから撤退を ―首相あてに緊急抗議打電行動―
 イラク南部サマワの陸上自衛隊の宿営地で10月31日、ロケット弾1発が宿営地内に着弾したことが明らかになりました。また、イラクの武装組織が、自衛隊の撤退を人質解放の条件にして、香田証生さんを拉致・拘束し、殺害するという事件が発生しました。イラクの情勢はますます悪化し、憲法はもとより、自衛隊の「非戦闘地域」での活動を定めたイラク特措法にも反する今日の事態のもとで、日本のイラク復興支援政策の転換と自衛隊の一刻も早い撤退が求められています。全厚生本部は11月4日、首相官邸小泉総理大臣宛に「自衛隊のイラク派兵は、憲法はもとより、イラク特措法にも違反する。ただちに自衛隊をイラクから撤退させよ」との抗議メールを送信するとともに、各支部に緊急打電(メール)行動を要請しました。

● 地域雇用交付金の継続を ―厚生労働省前で座り込み行動―
 11月4日、「緊急地域雇用創出特別交付金」打ち切りに反対する厚労省前座込み行動が行われました。これは、厚生労働省が失業者救済の事業として99年より続けてきた特別交付金を本年度限りで打ち切ることに反対し、交付金制度の継続、改善を求める統一行動として行われたもの。全厚生も行動に参加しました。

● 給与構造見直し「素案」 ―人事院が今年の勧告に基づき提案―
 人事院は11月2日、国公労連に対し、今年の「報告」で表明していた給与構造の基本的見直しにかかわわる「素案」を正式に提案しました。今年の人事院勧告で示したとおり、全国共通の俸給表を一律引き下げて、民間賃金の相対的に高い地域に勤務する職員に対し、地域手当(地域調整額)を支給するというもの。調整は俸給等の20%程度を上限とし、来年の勧告に盛り込んで、05年給与法改正をめざすとしています。


国リハ●第26回支部定期大会を開催

宿日直在り方議論を

 国立リハ支部は、10月20日、第26回定期大会を開催しました。
 小田島議長、渡辺副議長の運営で、全厚生本部からは杉下中央執行委員長が参加しました。昼食をはさんでの昼休み、討議時間も十分保障されないなかでの大会でしたが、「本来業務が土日にも拡大されかねない。宿日直勤務との兼ね合いがどうなるのか」との質問がありました。
 前野支部長は、「入所者・患者が重度化してきている状況で、本来業務が益々厳しくなってきているもとで、宿日直勤務もその手当勤務の限界を超えていると思われる出来事があり、これについて議論していかなければならない」と回答しました。
 最後に前野支部長の「団結がんばろう」で2004年度の開始となりました。
(書記長)
 新3役は次のとおり。
支部長 前野 正登
副支部長 西嶋 久貴
 同 松浦 久泰
書記長 鈴木 徹



神奈川県●第11回支部定期大会で確認

働く権利を守ろう

 10月22日、神奈川県支部は、第11回定期大会を横浜市内で開催。総勢71人の代議員が参加し、運動方針を圧倒的多数の承認で可決決定しました。
 冒頭、平丸支部長が「社会保険庁長官が民間人に替わり、年金相談夜間・土日開庁問題など、直ちに実施することを前提とした新規業務をトップダウンで全国各県に次々下ろしてきている。事務局当局にはビジョンが無く、職場は混乱している。働く権利を守るために団結し、組合に関心もち行動して欲しい」とあいさつしました。討論では、年金相談夜間・土日開庁など職場環境・労働条件、社会保障、組合費など幅広い発言で白熱した討論となりました。
 お昼休みにはアトラクションとして「マイマイ」公演を行い、ニュースを身近にさせつつ会場を爆笑の渦に巻き込みました。
(教宣担当)
 新役員は次のとおり。
支部長 平丸 寿博
副支部長 梅田 忠明
 同 下田 雅之
 同 籠尾 信
 同 金子 菊枝
書記長 川名 健
書記次長 澤田 泰介



岐阜県●第38回支部定期大会で討論

働き続けられる職場に

 岐阜県支部は10月23日、全厚生本部の宮田中執をはじめ、各支部などから多くの来賓を迎えて、第38回定期大会を開催。04年度運動方針・予算案を満場一致で可決しました。
 冒頭、澤村委員長は民営化・独法化などの社会保険庁改革、幹部の不祥事などにふれ、国民が望む社会保険、働き続けられる職場づくりに向け、労働組合の存在意義をかけて実りある大会にしようと呼びかけました。代議員からは、「年金相談の時間延長や休日開庁など『働くルール』が無視されている」、「トップダウンで上からの押しつけ業務が増え、現場の意見がきちんと反映されない」などの発言が続きました。当局に対し、組合員の様々な意見や思い・職場状況をきちんと伝えて改善させていく支部の役割が強調されました。また女性・青年部の奮闘に期待し、活動報告を求める声もあり、厳しいときだからこそ、いっそう活発な組合活動が求められる大会となりました。
(書記長)
 新役員は次のとおり。
支部長 澤村 明
副支部長 蒲  修
 同 真田 清司
 同 中川 憲明
 同 森山 憲子
書記長 国枝 英樹
書記次長 福手 達晴



全厚生「社会保険庁改革」プロジェクト会議を開催

国民の視点での行政サービス向上を

 10月23日、東京都内で、全厚生「社会保険庁改革」プロジェクト第1回会議を開催しました。
 今、年金問題の本質から国民の目をそらすかのように社会保険庁を巡る様々な問題が取り上げられ、社会保険庁改革があらゆる角度から急テンポで進められています。こうした現状のもとでこのプロジェクトは、「国民全体の奉仕者である公務労働者として、国民の視点での行政サービス向上」、「生きがい・働きがいある職場づくりや労働条件の改善」のための政策づくりを目的に発足しました。
 プロジェクトでは、「社会保険庁改革に対する全厚生の考え方」を11月に予定している社会保険関係支部代表者会議を経て討議資料としてまとめ、全国の組合員と積極的な議論を進めることなどを確認しました。


新中央執行委員紹介 中央執行委員 木瀬 知彦さん
近畿の中執まとめ役1児のパパ
 琵琶湖の東岸、戦国の武将織田信長が豪華絢爛な城を築いた街「安土」に木瀬知彦君は住んでいます。職場で彼を知ってから早13年、初々しかった姿はまだ最近のように思えますが、現在、支部では私が支部長になったと同時に書記長を務め、当局の提案に鋭い指摘を続けています。
 今回、近畿ブロックでは、「基盤研の創設」や「競合組織問題」など支部を超えた運動の必要性から、各支部から中執をとの議論になり、滋賀県支部より満を持しての選出となりました。本部の定期大会では、中執としては先輩の大阪支部の北川君、京都支部の尾崎君とともに(まとめ役は木瀬君?)がんばる決意を表明していましたが、最近、1児のパパとなり公私とも大変忙しいところです。
 私は、彼のすべてを知っているわけではありませんが、結婚するまではスキーやテニスを楽しみ一方ではパソコンを使いこなすなど、まだまだ彼の持っている能力は未知数だと思います。
 これからのいろいろな経験によって一回りも二回りも大きくなった別の木瀬君に出逢えることを楽しみにしています。
 でも、1つ課題は、育児疲れか仕事が忙しいのか、元々アルコールはそんなに強い方ではありませんが、最近お酒が入るとすぐに眠ってしまいます。帰りの新幹線で乗り越さないで。
(滋賀県支部 組合員)


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