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◆第1598号(2004年10月15日付)◆


秋季年末闘争スタート
憲法25条が輝く行政を確立しよう

 いよいよ、秋季年末闘争の開始です。定期大会での運動方針にそって、職場を基礎にして、取り組みを丁寧に具体化します。各部門、各支部での意思統一を重視し、重点要求、統一要求の実現をめざし、所属長交渉を実施します。本部は、所属長交渉の積み上げを背景に、大臣官房人事課、社会保険庁、国立施設管理室、厚生科学課、さらに昇格改善での人事院交渉を実施します。
 臨時国会が10月12日に開会しました。会期は、12月3日までの53日間です。この臨時国会を舞台にした小泉「構造改革」との対決は、重要な課題です。小泉首相は、所信表明演説で、改革の断行を強調。郵政民営化を「改革の本丸」として、来年の通常国会への法案提出を表明。消費税増税を見込み、社会保障改革を推進し、国民に痛みと犠牲を強いる政治をすすめようとしています。「草の根の運動で平和憲法を守り、憲法25条が輝く行政を確立しよう」(大会スローガン)を踏まえ、国民的なたたかいに合流します。
 社会保険庁改革が急テンポで進められています。全厚生は、社会保険プロジェクト会議で「社会保険庁改革に対する全厚生の基本的考え方」(案)を早急にまとめます。これを活用し、職場での討議を開始します。社会保険行政を国民の視点で見つめ直し、働きがいある職場づくりを要求し、力を集中して取り組みます。
 この秋は、学習活動を重視します。憲法改悪をやめさせる最大の力となるのは憲法学習です。憲法を守る討議と行動を学習を土台にすすめます。それぞれの職場に応じた多彩でユニークな憲法学習を企画しましょう。 
 公務員制度革は、国公労連と政府・行革推進事務局との交渉では、労働基本権回復要求に「ゼロ回答」をくり返し、能力等級制と給与制度の関係など、公務員制度「改革」の全体像を示さないことから、こう着状態になっています。臨時国会冒頭で法案提出する状況にはありません。改めて、民主的な公務員制度改革をめざし、団体署名を急いで取り組みます。
 これから1年間の活動を各支部とも描きながら、常に組合活動の基本に立ち返り、団結を高め、組織の拡大・強化も位置づけて奮闘しましょう。



社会保険庁長官と挨拶
国民の利益と労働条件確保を

 全厚生は10月7日、村瀬清司・社会保険庁長官との挨拶を行いました。全厚生からは、杉下中央執行委員長、飯塚・藤巻中央執行副委員長、杉浦書記長、福士書記次長、宮田中央執行委員の6人が出席。社会保険庁は、村瀬長官、小林次長、宇野総務課長、柳田職員課長が出席しました。
 杉下委員長は、社会保険庁改革について、「国民の利益を第一に考え、国民の視線での行政サービスの向上に全力で取り組むことが、生きがい働きがいのある職場づくりや労働条件の改善につながると確信している」と述べ、「積極的、前進的な改革は、私たちとしても受け止め、推進したい。同時に、私たちの立場からも改革の提言を行っていきたい」と挨拶。さらに、(1)改革にともなう労働条件の確保(2)収賄事件に対する倫理保持や自浄能力の発揮(3)交渉での誠実な対応を要請しました。
 これに対し村瀬長官は、(1)現場が大事であり、全国を回っている(2)改革は、今までのやり方や現状に自己満足していてはできない。国民の視点にたって改革をすすめる(3)社会保険庁として「市場化テスト」で競争しても民間に負けないよう改革していくと述べました。



リレーずいそう
● 違う世界へ
 最近本を読まなくなりました。
 以前、電車で通勤していたときは、朝晩の通勤時間を利用して週に一冊程度読んでいましたが、転勤で30分の自転車通勤になってからは、年に4・5冊程度になってしまいました。
 しかし、地方都市の悲しさ。読みたい本は見つけたときに買っておかないと、手に入れるのが難しくなります。シリーズ物の2巻目以降などは、書店でまったく見つけられず、取り寄せて貰わなければならないこともよくあります。
 売れ筋作家の本であれは、このようなことは無いのでしょうが、私は名作と呼ばれるものや、受賞作家の作品とはあまり縁がありません。よく読むのは、SFやファンタジー。この手の本が苦手という人も多いようです。
 現実とは違う物語の世界観に早く入ることが出来るかでしょう。光より早く移動できる世界、魔法が当たり前に使える世界。「ありえない」と否定せずに、仮想の世界を受け入れることが出来れば、現実世界でも違った発想が出てくるかもしれません。
 私の最近のお勧めは、アン・マキャフリーの「天より授かりしもの」。違う世界に飛び込んで見ませんか。
(秋田県支部支部長)


News
● 弁護士報酬の敗訴者負担 ―このままでは廃案を求める市民集会―
 9月28日、有楽町のマリオンホールで「弁護士報酬の敗訴者負担をこのままでは廃案を求める市民集会」が開催されました。民放TV局の法律バラエティー番組でおなじみの弁護士3名がパネリストとして登場し、先の通常国会で継続審議となった「弁護士報酬敗訴者負担『合意制』法案」についてコントを交えながら問題点を指摘しました。
 この「合意案」とは、弁護士報酬はこれまでどおり各自が負担することを原則としつつ、当事者双方の弁護士などの訴訟代理人が付いて、訴訟となった後に当事者双方による共同の申立てがなされた場合に限って弁護士報酬の一部を敗訴者に負担させる、というものです。「合意案」では、弁護士が付いて訴訟上での共同申立てがなされた場合に限って敗訴者負担にすると言っていますが、契約上・約款などに「敗訴者が勝者の支払うべき弁護士報酬を負担する」旨の条項(敗訴者負担条項)が入っていると、敗訴者は勝者から弁護士報酬を請求されるおそれがあります。敗訴者負担は、基本的に司法を利用しにくくする制度です。
 集会では現在裁判で闘っている2名の原告が「『合意案』が導入されたら、裁判で闘うことはできなかった。絶対導入してはならない」との発言がありました。

● 霞ヶ関に希望を灯そう ―国公一般第2回定期大会開く―
 10月8日、国公一般第2回定期大会が国公労連の会議室で行われました。国公一般は、東京・霞が関を当面の対象として「どの省庁にいても」「正職員でも非常勤職員でも」「一人でも」加入することができる労働組合(職員団体)として昨年12月14日に結成されました。
 冒頭、宮垣初代委員長はプロ野球労組のストライキに対し、国民の理解が得られたことを教訓に、我々も国民の理解が得られる活動をしなければならないと執行部を代表してあいさつしました。岡部書記長は、最近の国公ユニオンの動きにふれつつ、10月から昼休みの宣伝行動を重視しておこなうなどの議案提案を行いました。
 新たに選任された浅尾書記次長から「愚直に、粘り強く、励まし合い、『不夜城』と呼ばれる霞ヶ関の職場に、『希望のたいまつ』を灯す取り組みを展開する」との大会宣言が高らかにのべられました。最後に山瀬新執行委員長の団結ガンバロウで閉会しました。


厚生共闘第26回定期大会を開催

国民本位の行政サービス確立を

 厚生共闘(全厚生と全医労の共闘組織)は、9月27日に東京・茜荘において第26回定期大会を開催し、2003年度経過報告及び2004年度運動方針(案)を満場一致で採択し、新たなたたかいの決意を固め合いました。
 開会のあいさつで杉下副議長(全厚生委員長)は、「厚生共闘が結成されておよそ四半世紀が経つ。大臣交渉をはじめ厚生行政の民主化に大きな役割を果たしてきた。引き続き運動を発展させたい」と述べました。主催者を代表して保木井議長(全医労委員長)は、「今年4月に国立病院が独法化されたが、約1、500人の賃金職員が退職を余儀なくされた。さらに、独法化後、就業規則により常勤職員の賃金切り下げ等一方的に労働条件を改悪する事態が起きているが、病院機構側は団体交渉に応じない不当な対応をとっている。また、年金法改悪後、社会保険庁改革の議論がすすめられている。国民の立場に立った行政サービスの確立と労働条件確保を求め、厚生共闘の力を合わせてたたかっていきたい」とあいさつしました。
 続いて、藤巻事務局長(全厚生副委員長)が運動方針案を提案。秋闘での大臣交渉、夏季闘争での官房長交渉を引き続き強化すること。日本を「戦争する国」に変えようとする改憲勢力の策動を許さず、憲法9条を守り、職場と地域で憲法擁護と平和の運動をすすめること。医療、年金、介護の改悪がすすめられ、国の責任と負担を縮小し、社会保障を後退させる小泉「構造改革」とのたたかいや社会保障の学習を行うこと。さらに、社会保険庁改革問題、全医労の「不利益・雇い止め是正裁判」勝利のたたかい、全労働を入れた厚生労働省3単組の共同行動の追求など国民本位の行政サービスの確立めざす運動が提起されました。
 限られた討論時間でしたが、6人の発言があり、全厚生からは、業務センター支部の峰代議員と神奈川県支部の福士代議員が年金講師団活動のとりくみと社会保険庁改革に伴う職場の状況について発言しました。全医労からは、森代議員が団体交渉での施設管理者の無責任な対応について、三浦代議員が院内保育所の民間委託の不当性や矛盾について発言しました。
 来賓は、国公労連・盛永副委員長、全労働・高木副委員長で、それぞれ連帯と激励のあいさつを受けました。
 新三役は、次のとおり。
▽議長 保木井秀雄(全医労)、▽副議長 杉下茂雄(全厚生)、渡辺伸仁(全医労)、▽事務局長 藤巻一世(全厚生)


秋年闘争第1次中央行動を実施

寒冷地手当の改悪反対
民主的公務員制度確立を

 9月28日、全労連「公務員制度改革」闘争本部、公務労組連絡会主催の「第1次中央行動」が行われ、04秋季年末闘争が本格的にスタートしました。この中央行動は、民主的公務員制度確立、寒冷地手当改悪・給与制度見直し反対、公共サービス商品化反対などの課題で実施され、全国から950人が参加。全厚生は業務センター支部、神奈川県支部、国立リハ支部からの参加があり10人での行動となりました。
 昼休みの行動では、総務省前と、行革推進事務局前との2カ所に分かれ要求行動がおこなわれました。
 総務省前では、公務労組連絡会の石元議長が「小泉改造内閣が誕生したが、それに合わせての中央行動となった。郵政民営化だけでなく、憲法改悪を進める内閣であり、すでに国民との矛盾も深まっており、国民と共にたたかう運動を地方・職場から進めよう」と主催者挨拶を行いました。
 また、この総務省前と併行して行革推進事務局前でも要求行動を行い、これには250人が参加しました。全労連「公務員制度改革」闘争本部の堀口副本部長(国公労連委員長)は、「政府は臨時国会に国家公務員制度改革関連法案を提出しようとしているが、内容・手続ともに大問題で、全体像も未だ示されていない。何よりも労働組合と誠実に交渉協議をすべきだ」と主催者挨拶を行いました。
 午後からは、参加者全体が社会文化会館に合流して「諸要求実現、民主的公務員制度確立9・28総決起集会」を開催しました。
 集会後、参議院議員に対して、「寒冷地手当の改悪反対、民主的公務員制度の確立、『三位一体改革』反対等の課題で要請行動を行いました。この中で、国公労連は独自に、「国民生活と地方自治に犠牲をしわ寄せする三位一体改革、公共サービスの『市場化テスト』など公務リストラに反対する要請書」を資料を添えて提出しました。


新書記次長紹介 書記次長 福士 広志さん
書記局から歌が聞こえるようになる?
 書記次長の福士さんを紹介します。家族は、奥さんと長男を筆頭に双子の次男・三男の5人家族です。
 社会保険庁改革など色々難しい課題も多く一番大変な時期に、専従を引き受けてくれて感謝しています。
 彼は、丹頂鶴と湿原で有名な北海道釧路市出身の元国鉄マンです。昭和62年の国鉄分割民営化に伴い清算事業団を経て神奈川の社会保険に採用されました。国鉄時代に労働運動で苦労を味わっているのか経験豊かで、状況判断が良く仕事もきちんとしています。 
 パソコンや整理も得意なので非常に頼りになると思います。また、彼はダジャレ(親父ギャグ)が好きで、囲碁・弓道・卓球・スキー・スケート・アウトドア・料理など何をやっても器用にこなしますし、免許・資格もいろいろ持っています。
 また、面倒見が良いので、彼を慕ってくる組合員でいつも支部書記局が賑やかでした。仕事が一段落すると、みんな集まって交流を深めることも多く、彼が得意のギターを弾きながら歌を歌ってわいわいやるのが恒例でした。
 多分、本部に行ってしばらく経ったら、きっと書記局でも歌声が聞こえるようになると思っています。全国の歌好きの皆さん本部に寄って福士さんに声を掛けて見てください。労働組合の原点に返り(?)歌を歌い交流を深められれば、さらに全厚生の団結は深まるはずです!
(神奈川県支部)


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