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◆第1593号(2004年8月5日付)◆


厚生共闘 官房長と夏期闘争要求で交渉

賃金引き下げやめよ

 厚生共闘(全厚生・全医労)は夏期闘争要求で、7月29日、官房長交渉を実施。厚生共闘は、保木井議長、杉下副議長他厚生共闘幹事5人が出席。当局側は、鈴木官房長、小野人事課長、木倉参事官、鈴木国立病院課長らが対応しました。
 賃金引き上げについて、「これ以上の賃金引き下げは、労働意欲を損ない、生活悪化を招く。厚生労働省として使用者責任を果たしてもらいたい」と主張。官房長は、「公務の特殊性及び職員の実態等を十分に考慮し、安心して職務に精励できるよう適切な措置を講ずることが必要と認識している」と回答。
 定員削減計画の中止、大幅増員、超過勤務の縮減、賃金不払い残業の根絶について、「定員削減により行政サービスの低下が生まれ、長時間残業が増えている。早く帰れる環境整備を管理者の責任ですすめてもらいたい。また、不払い残業が存在することは、所管官庁としてゆゆしき問題だ。」と追及。官房長は、「定員削減に当たっては、事務・事業の積極的な見直しを行い、適正な定員配置を図るよう努力する。増員は、厳しい行財政状況下で困難な面が多いが、必要な増員の確保に努力する。恒常的な残業実態の改善は、職員の健康管理という観点からも重要性は認識しており、管理者が超過勤務の縮減について意識を高め定着させていくことが大切であり、今後も、十分認識をもって積極的にとりくんでいく」と回答。
 公務員制度改革について、「労働基本権が制約されている下で、それを棚上げにしたまま、一方的に公務員制度改革の作業をすすめるべきではない。能力等級制度は、そもそも公務にはなじまない。厚生労働省として労働組合と十分、率直かつ有意義な協議を行うことを求める。」に対して、「職員の勤務条件の基本に関わる問題であり、関係職員団体からの意見も十分聞いて検討されるべきものであるというのが一貫したスタンスである。公務員制度を見直す上で十分な協議が不可欠であると考えている」と回答。
 一括回答を受けて、杉下副議長は、本省の長時間残業の実態として、新規採用職員の切実な思いやある管理者の具体的な取組みを紹介し、管理者の実行責任を求めるとともに、業務量と定員のバランスを精査すべきと指摘しました。官房長は、管理者が超過勤務の縮減をすすめるという意識を高めることが重要と繰り返しました。


官房人事課長と夏期要求で交渉

再任用希望者の雇用実現を

 全厚生は、夏期統一要求で、8月2日、官房人事課長交渉を実施。杉下委員長、鈴木・網・藤巻各副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、木立・宮田各中執が出席。人事課は、小野人事課長、木倉参事官、西山人事調査官らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長が要求趣旨を説明し、小野人事課長が一括して回答。 人事院勧告に関わって、3年連続の賃金引き下げは許されない、改善を図ってほしいとの要求に対して、人事課長は、「皆さんの切実な気持ちは理解できる。人事院勧告までの間、関係機関に働きかけを行っていきたい」と回答。寒冷地手当は、改悪ありきで見直し基準は納得のいくものではないと主張、これに対し、「今回の見直しが職員の生活に与える影響が少なくないことから、人事院や関係機関に対して、生活実態を考慮した慎重な検討を行うよう働きかけた」、また、地域における公務員給与の在り方については、「俸給の勤務地にかかわらず、全国共通とし、地域差が生じる場合には、地域に関連する手当を拡充するなどの方法により行うべきと人事院に要望している」と回答。
 新再任用制度について、その趣旨が生きる運用にもっと努力すべきとの要求に、「希望者全員が雇用されることが望ましいが、定員の問題等があり厳しい」と回答。
 この後、各課題で更に追及。人事院勧告は、多くの労働者、年金受給者に影響することから使用者責任を果たすよう要求。公務員制度改革について、ILO勧告に沿った民主的な制度改革の実現や能力等級制度は職場実態になじまないと主張。定員問題では、研究機関や福祉施設職場の実態を示し、業務量に見合う増員を要求。本省庁の長時間残業改善では、超過勤務の縮減及び長時間労働者の健康管理について管理者の実行責任を追及。再任用では、希望者の雇用実現にむけて最大限の努力を再度要求し、交渉を終えました。 


リレーずいそう
● 食の世界制覇めざす
 暑い暑い夏が真っ盛り。皆さん休みをとって色々なところに遊びに出かけていると思います。
 旅行の楽しみ方はたくさんあると思いますが、やはり、そこの土地の食物でしょう、神戸支部の活動の1つとして定着しつつあるレクリエーションに「食事会」があります。「組合活動に元気を取り戻そう!」をテーマに、一昨年から始まりました。
 第1回目は、神戸の中華街「南京町で餃子を食べる会」です。もちろん、餃子だけを食べて終わりということはありませんが、メインディッシュは餃子なのです。焼き餃子や水餃子、ヘルシー餃子など餃子屋さんを三軒はしごして大満足しました。
 翌月は神戸港から明石大橋を巡って神戸港に戻る90分の船上中華バイキング。95年の震災後に始められた神戸の鎮魂の灯り「ルミナリエ」を体験できました。ベトナムの定番コースにもメコン川での夕食がありますが、さすが神戸、ライトアップされた夜景を眺めながら、組合活動について語り合いました。
 関西らしいメニューとしては、定番のお好み焼きを始め、京都の湯豆腐、はも、鯨のはりはり鍋などが好評でした。
 今年からは、視野を広げるため神戸で世界を体験しようと、神戸にある各国料理店をまわる食事会を始めました。インド、ベトナム、西フランス、トルコと食べ尽くしてきました。白地図に色を塗りながら世界制覇を目指しています。
(神戸支部 組合員2名)


全厚生第68回定期大会告示
 全厚生規約第17条の規程に基づき、全厚生第68回定期大会を下記の通り招集いたします。
1.日時
 2004年 9月17日(金) 午後1時から
  9月19日(日) 正午まで
2.会場
 伊東『ホテル聚楽』
  〒414-0055 静岡県伊東市岡281
  TEL 0557−37−3161
3.議題
(1)第1号議案
  2003年度経過報告
  2004年度運動方針(案)
(2)第2号議案
  2003年度決算報告
  2004年度財政方針と予算(案)
2004年8月2日
 全厚生労働組合
  中央執行委員長 杉下茂雄
2004年度全厚生本部役員選挙公示
 全厚生規約第36条および同選挙規則第3条第1項の規程により、2004年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。
1.投票日
 2004年 9月19日(日)
2.投票場所
 伊東『ホテル聚楽』(全厚生第68回定期大会会場)
3.立候補届出期間
 2004年8月23日(月)〜9月13日(月)
  立候補届に必要事項を記入のうえ、選挙管理委員会事務局(全厚生本部書記局内)まで提出して下さい。
4.被選出役員名および定数
(1)中央執行委員長1名
(2)中央執行副委員長若干名
(3)書記長1名
(4)書記次長1名
(5)中央執行委員若干名
(6)特別中央執行委員若干名
(7)会計監事2名
2004年8月2日
 全厚生労働組合  選挙管理委員会委員長


第2次中央行動に結集

マイナス勧告許さない

 夏の日差しが照りつけた7月27日、国公労連夏期闘争第2次中央行動が取り組まれ、全国各地から2、500人が参加。全厚生は16人もの上京団で参加した愛知県支部をはじめ、本省・統計・業務センター・国立リハ・秋田・神奈川・静岡・岐阜・京都・大阪・香川・愛媛・大分の各支部から68人が結集。「賃下げ勧告反対」「寒冷地手当改悪許さない」をはじめとする夏期要求を力強く要求し行動を行いました。
 内閣府前要求行動では、全厚生を代表して峰業務センター支部長が、「地域別の最低賃金が26日、中央の審議会で据え置きとなったが、1番高い東京でも時給709円、沖縄は605円と、非常に低い額である。今回、人事院が言っているブロック別賃金が導入されることになれば、地域別最低賃金の考え方を当てはめ、沖縄だと14%の格差がでることになる。公務にこれが導入されれば、民間はますます厳しくなっていくだろう」と決意表明。参加者は、最後に日比谷野外音楽堂での決起集会に結集し、1日の行動を終えました。



全厚生試験研究機関交流集会を開催

独法化すすむ国立研を検証

 全厚生は7月23日午後、試験研究機関交流集会を国立保健医療科学院・白金庁舎で開催しました。今回は独立行政法人医薬基盤研究所の設立準備が急ピッチで進められているもとで、「独立行政法人化がすすむ国立研の現状を検証する〜基盤研での研究環境・労働条件をいかにつくるか〜」をテーマに実施しました。
 杉下委員長の開会あいさつについで、第1部は国公労連・独立行政法人対策部長の飯塚徹氏が「独立行政法人をめぐる新たな状況(全体像)と労働組合の課題」と題して特別報告。飯塚氏は、独立行政法人問題について、行財政改革と科学技術政策の両面からみる必要があると指摘。その上で、(1)科学技術システム改革と独立行政法人、(2)独立行政法人を巡る状況と非公務員化、(3)非公務員化ーその意味と影響、(4)どう闘うかの柱で報告。非公務員化の意味と影響では、6月4日に閣議決定した04年の骨太方針が05年度に中期目標の期間が終了する独立行政法人の見直しを今夏に前倒しし、業務・組織全般の整理縮小・民営化を検討することを求めていると紹介。すでに非公務員化が決定した産業技術総合研究所の動向は、見直しをすすめる独立行政法人に影響を与えると指摘。さらに非公務員化は、(1)公務員減らしの一環、(2)民間企業との人事交流の制限をはずすことは、独立行政法人の公的性格をゆがめ、一部の企業に奉仕する機関に変質させる恐れがあること、(3)「柔軟な雇用形態」として研究・事務を問わず、何回でも繰り返せる期限のある労働契約が可能となり、不安定な雇用が広がり、安定的な業務遂行に支障をきたす恐れがあることなどの問題点を指摘。さらに、質疑応答で深めました。
 第2部は全体討論。はじめに、医薬基盤研究所に異動する該当者のいる感染研支部と国衛研支部から基盤研設立の準備状況や労働条件を確保する取り組み等の課題でそれぞれ報告。また、2001年4月に独立行政法人となった国立健康・栄養研究所支部が研究・労働条件の現状を報告。さらに、保健医療科学院の教育・研修の課題で感染研支部が報告。組織再編に伴い科学院に協力して感染研村山分室で行うこととなった教育研修の経過や問題点、解決方策などを提起しました。
 討論は、基盤研問題に集中。基盤研に異動する研究者の研究・労働条件を後退させない具体的な対策を協議。本部・支部が連携して取り組むことを確認しました。
 参加者は、感染研支部、国衛研支部、栄研支部、科学院支部、ハ病研支部、本部併せて25人が参加し、集会に続く懇親会も和やかに行われました。


人勧に私もひと言
年連続の本俸切り下げは絶対反対!今でも食費や子どもの教育費まで減らしている状態で、これ以上下げられたら、生活できない!
大阪支部 組合員(46)

回初めて参加しました。長女6歳、次女2歳、来年は小学生と幼稚園となります。まだまだ養育費がかかるなか、これ以上の賃金カットはガマンできません。これからも全国の仲間とガンバってたたかっていきます。
静岡県支部 組合員(44)

冷地手当廃止は寒冷地手当廃止にとどまらないのでは?背景にあるのは、官・民を問わず、人件費削減という目標で、その結果起こるのは、所得格差の拡大ではないかと思います。その先がけとなる寒冷地手当廃止には断固反対です。
秋田県支部 組合員(26)

態を無視した画一的な賃下げ反対!!に熱くもえた1日でした。
岐阜県支部 組合員(26)

じめて、東京に行って、こうした集会に参加して、人の多さとしゃべっている人の力強い口調に圧倒されました。
愛知県支部 組合員

い寒い秋田市で、冬は雪も常に積もっているのに、寒冷地手当が0なんて信じられません。寒冷地手当改悪、絶対反対!!
秋田県支部 組合員(27)

事院勧告は、公務員の生活を守るための宣言であるはずです。国民サービスの充実を国民は望んでいるのであり、正すべきは悪政のはずです。公務員の定員を増やし、民間賃金にも影響を与える公務員賃金のこれ以上の引き下げはぜったい許せません。人事院は政府にそのことをきちんと言うべきだ!!
業務センター支部 組合員(32)

勧、社会保険庁民営化、野球1リーグ化……勝手に事をすすめるし、意見を聞く姿勢すら見せないし、国民(労働者、ファン、プレイヤー)不在という点では同じ。みんなの力で今の政府与党・指導者に即レッドカードを!
神奈川県支部 組合員(34)

民全体の奉仕者として職務を行う上で心のゆとりが必要だが、この職場の将来を考えると、不安なことが多すぎる。さらに地域別給与制度になった場合、岐阜県は14%カットされると聞き、驚きと同時に不安だらけだ。なんとしても阻止しないと私達の暮らしは守れないと痛感した。
岐阜県支部 組合員(39)



組合員のみなさんへ

社会保険庁改革について
 7月23日付で民間人長官の人事異動が発令されました。常に営利を追及してきた民間人の長官登用は、公平性・中立性が求められる社会保険制度と行政運営からみて問題を抱えているものと考えます。全厚生は、国民本位の行政と健全な職場運営が行われるよう主張すると同時に、年金制度は、国民の生存権を保障する憲法25条に基づき、社会保障制度の中核をなす制度として、国の責任で管理・運営されるべきであり、社会保険庁改革の検討にあたっては、独立行政法人化あるいは民営化ありきでなく、国の責任を明確にした上で行われなければならないと考えます。

 年金改悪法案が多くの国民の反対を無視し、自民、公明両党の強行採決により成立させられました。法案審議の過程でタレントや国会議員の国民年金未納問題、不適切な事務費への保険料流用、年金福祉施設の多額の赤字、さらには個人記録の情報漏洩などの様々な問題が大きく報道されました。さらに、収賄容疑による職員の逮捕、事務機器納入にかかる一連の疑惑も混乱に拍車をかけ、社会保険事務所に苦情や抗議が集中し、来訪者が殺到するなどの異常な事態となりました。これらの問題の根底には、グリーンピアの半数が歴代厚生大臣の地元に建設されていること、本来、国の一般財源で措置されるべき事務費が財政難を理由に保険料に転嫁されてきたことなど、常に政治のしがらみに左右されてきたことを指摘しておかなければなりません。職員の不信と不安は家族も含め極限に達しています。こうした事態の中で、大切なことは、国民の願いに応え、民主的で効率的な行政運営をめざし、常に改革を進めていく立場に立つ事です。社会保険庁は、日々、いたたまれない思いで国民の批判と向き合っている全国の社会保険職員及び家族に対し、使用者としての責任を明確にし、今後の展望を明らかにするべきです。

 私たちは、国民全体の奉仕者である公務員労働者として、国民の目線での行政サービス向上に全力で取り組んでいくことが、誇りと、働きがいのある職場づくりや労働条件の改善に繋がるものと確信します。全厚生がこれまですすめてきた行政研究活動や年金講師団活動の成果と教訓に確信を持って、国民本位の組織・機構と行政運営の実現など真の社会保障制度の構築に向けて、職場の英知を結集し奮闘する決意を表明するものです。

2004年7月30日
全厚生労働組合中央執行委員会


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